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第121話 アン・ボニー

アン・ボニーは女傑海賊の四姉妹の末娘である


長女は豪傑と呼ばれる体力自慢、次女も巨漢女性で勢いに任せて手斧を振るう、船上での混戦に両手斧は不向きと理解している二人は片手に手斧、片手にナタを持ち真っ先相手の船に飛び乗り敵を撹乱する。

スナイパーに狙われていると分かっていても突っ込む!

基本的に高台を陣取るスナイパーの位置はマストの上と相場は決まっているので二人は真っ先にマストを叩き折りに向かうが、スナイパーも、ただ足場を破壊されるのを黙って見ている訳では無い、その時に効果を発揮するのがアンのフィジカルエンチャントとプロテクトだ!

そのお陰で二人は怪我をした事が無く、アンの魔法防御と身体能力向上に絶大な信頼の元、敵船に突っ込む、だからと言って防御を疎かにする二人では無い

三女はビーストテイマーのセクシー女性であるが毎回のように上の姉二人が敵船をほぼ制圧、それ以外はアンが要所要所で遠距離攻撃を繰り出す為に三女のビーストテイマーのマリーゴールドの出番は、殆ど無いに等しい

防御魔法、能力向上の魔法の付与された姉が暴れ周りアンが決定打を放つ、この戦法で数多の船を制圧し金品を強奪して来た。

つまりマリーゴールドが他船に修行に出ているのは姉の船に乗船していては、出番が無いばかりで無く経験値も溜まらないうえにスキルの向上も見られなかったからだ、だから姉二人は三女のマリーゴールドに「一船任せてみたいが、どうだ?」と言われ姉二人に負けない戦術を確立すべく、模索の旅に出ていると言う訳だが…

たまたま他船に乗船中に姉妹が乗る船と一緒にキョウイチロウに出会い従者に成った。

その時も姉の船には乗船せず何かしらの戦術や戦法が学べるのではと淡い期待の元、キョウイチロウが乗船するキャプテン・ウェイの船に船員として乗せて貰えるように打診した経緯がある。

今回も同じビーストテイマーの先輩であるフォッセルからも何かしらの自分のビーストテイマーとしての生き方の手掛かりが無いものかと、希望をいだき姉が主催するお茶会に参加を決めた。


常にキョウイチロウから何か学ぼうと必死なマリーゴールドの姿勢を見ているキョウイチロウは同じビーストテイマーの職種持ちに成った自分が何かしらの気付きを彼女に与えたいと思っている。

何故ならキョウイチロウのスキルは規格外、普通他者から貰ったスキルはレベル1であるがキョウイチロウの場合、従者のレベルからのスタートできる。

今回従者となったビーストテイマーで一番レベルが高いのがフォッセル、その高いレベルのまま引き継いでいる。しかしそこはキョウイチロウ、持ち前の思考と創造力で既に新しい事を考え実行に移そうとしている。が、その話しは又の機会に…


そんな姉達を見ているアンはと言うと…

何故?自分は?幼児体型、貧乳、人見知りで人と目が合わせられない恥ずかしがり屋、何故同じ姉妹なのに私だけ?と…

全く別の事で悩んでいた

( ̄▽ ̄;)

アンは自分の体型について常に大人の女性の体型が欲しいとコンプレックスに成っている。

いつも羨ましそうに姉達を見ているアンだが、姉達は違った。

三人の姉達はアン・ボニーの類稀たぐいまれな魔法の才能に絶大な信頼を寄せていた。

時には、その魔法の才能に嫉妬する程に羨ましく思っている事をアン当人は知らない…

上の姉二人はアン無しでは自分達の戦術は完成しないとまで思っていて、常にアンに絡み、相談する。

そんなアンはと言うと、何かと面倒見が良い性格の三人の姉にウザ絡みされても悪い気はしていない様子で接しているようだ


実質、キョウイチロウ曰く、アンあってのグレース海賊団だな、とまで言わしめたのはアンの魔法に対する真摯な姿勢と、積み上げた研鑽と努力の賜物であって、キョウイチロウの従者の中で、キョウイチロウに次ぐ一、二を争う魔力総量の持ち主であり、キョウイチロウの従者に成った事により更なるスキルの向上が見られる…

キョウイチロウは「アンは末恐ろしい存在」とまで言っている。


しかし…


今日も今日とて…いつもの引っ込み思案が炸裂

上の三姉妹に囲まれてキョウイチロウの前に来てモジモジしていた…


挙動不審に成り、目は虚、イヤな汗をかき…



『やっぱり無理があったんだ!私が人前に出るなんて!こんなにも恥ずかしい思いをするくらいなら、お部屋で本を読んでた方がましだ!』

一人部屋に篭って読書にふけりたいと思ってしまっていたが…



「アン?」「アン?」「アン?」

上の三姉妹に促される


「あの…」

それでも背中を押してくれる姉達の期待に応えたいと頑張ろうとする必死のアン…


「アン、今日はキョウイチロウ様の従者に成った事により八賢者で、というか召喚勇者以外で世界初の神聖級魔法を行使出来るようになって主人様にご披露するご予定でしたでしょう?」


「あっ…うん…」


「アン、貴女が王級魔法までで行き詰まっていた所、キョウイチロウ様の加護を受けて神聖級魔法が使える様に成ったその、お披露目をしたいと貴女が言い出した事でしょう?」


「う…ん…」


「軽く手合わせしたいとも言ってましたよね?」


「そうなの!?」

めちゃくちゃ興味有りげに喰いついてくるキョウイチロウに


「あっ…いやっ…違くて…」

たじろぐアン


「違うの?」


「…

違わない…けど…」


「けど?何なのよ?ハッキリなさい!」


「心の準備が…ま…だ…」


「(。=`ω´=)ぇ?かなり前からキョウイチロウ様には貴女に会う予定を入れて下さっていたのよ?

ここまで来てるのに!?」


「アン?今日は帰る?

私は別に今日じゃ無くても良いんだよ♪

アンとは会って間もないんだしアンの心の準備を待つよ♪」


「アン!こう言う事は前倒しにして片付けた方が後々楽ですわよ」


。゜(゜´Д`゜)゜。うぅぅ

目に溜めた涙は頬をつたう…


「キョウイチロウ様ぁ…やっぱり…無理かも」


(  ̄ノ∇ ̄) ̄ー ̄)ヒソヒソ小声


「アン?今度、二人きりで会える?」


「ふぇっ!?二人っきり!?」


「(゜ー゜)。。)゜ー゜)。。)ウンウン」


「それこそ心の準備が!」

胸を押さえて恥じらうアン


「( ̄▽ ̄;)いや…そっちの話しじゃ無くて…」


「д゜)チラッ…どっち?」

姉の陰に隠れてキョウイチロウを見るアン


「あのね…魔法の特殊な使い方で…」

ヒソヒソ(  ̄⊿ ̄)w ̄-)フムフム


「本当ですか!?」


「うん♪魔法の術式を書き換えて応用して…出来る様になったんだよ

花火♪花火♪」

キョウイチロウとアン達の周りで小さく弾ける花火を目の当たりにするアン


「(。=`ω´=)ぇ?どのように魔法を構築して行使すれば可能何です?」


「うーん…えっとね…興味ある?向こうで教えようか?」


「あります!

ですが…こんな使い方!

ジーパングォの花火師さん達が…仕事を取られるって…泣いてしまいますわ!」


「それは…

あるかも!?( ; ゜Д゜)!?」


「(;゜д゜)アッ…でも私みたいに一度見たから術式が多少分かるみたいな人はこの世界に八賢者くらい?

あっ…でも…

八賢者でも…得意分野に特化した人達…ばかりだから…無理かも…

でもでもセレスティアは違うかも!」


「セレスティア?」


「はい♪私の数少ないお友達…セレスティア・マグノール

あっ…でも…向こうは…私の事を…お友達として…見てくれてるかは…分かり…ま…せん…」


フム( ;-`д´-)今度二人で会うのを三人に出来る?」


「あっ…えっと…

あの子も人見知りが…激しい…と…言い…ます…か…

その…キョウイチロウ様と会ってくれるかは、分からないと…言いますか…」


「今から行っちゃう?」


「えっ!?あっ…はい…でも…急に行って…嫌われ無いでしょうか…」


「んもぅ!アンったら!まどろっこしいわね!キョウイチロウ様の新しい花火とか言う魔法を覚える為に二人で向こう行って暫くたちますわよ?」


念話個別通信

「マリーゴールド!」


「(。=`ω´=)ぇ?キョウイチロウ様から念話通信!?キョロキョロ?グレース姉達には…届いてない?」


「はい!何でしょう?」


「自分の可愛い妹に、まどろっこしいとか言わない!」


「あっはい!ごめんなさい!」


「マリーゴールド?どうしました?」


「姉様!ちょっと待って!特定の念話個別通信が入ってて!終わったら話すから静かにしてて」


「…」

理解したとばかりに頷き黙る二人の姉達


「アンにはアンのペースがあるんだから、せかしちゃ駄目だよ!温かく見守ってあげて!」


「はい!分かりましたキョウイチロウ様」


「キョウイチロウ様!?」


「あっ…はい…キョウイチロウ様からの念話通信でしたわ」


「キョウイチロウ様は何と?」


「アンにはアンのペースがあるんだから、まどろっこしいとか言わないであげて…と…」


「はぁ!?キョウイチロウ様の目は何処まで行き届いてますの!?我らの会話まで把握なされて指示されるとは!…

とんでもないお方の従者になりましたわね…」


「はい…そのようで…優しく見守ってあげて欲しいともおっしゃっておいででした」


「凄すぎて、キョウイチロウ様を何と表現してら良いのか…検討も付きませんわ…」


「ただ、素晴らしいお方に巡り会えた今に感謝しましょう♪」


「ですわね♪」

普段もイライラしながらも優しい目で見てはいるのだが、今回はいつも以上に柔らかな目線でアンを見る三人であった。



(-ω- ?)んーー

大きいのを見て貰った方が早い…かな?」


「百聞は一見にしかず!ですね!」


「おっ私の国のコトワザを知ってるんだね♪」


「ことわざ?」


「うーんコッチの世界でも一般的に使われてる言葉…か…

まぁいい!それはそれとして…花火の術式は…

こんな感じで…」


「無詠唱!?」


キョウイチロウの手から上に打ち上げられた、火の塊は上空で花開く


ドーン!パラパラ、パラパラ


「綺麗♡」


「どう?」


「術式は…」

ブツブツと独り言を呟き出すアン…


「こうかな?」


「いけない!!!」


アンを抱き抱えて横に飛ぶキョウイチロウ


「えっ!?キョウイチロウ様!?」


ドーン!

今、正にアンが立っていた場所で花火が炸裂する!


「アン!今の花火の術式は駄目だ!

上に打ち上げる為の術式が組み込まれて無い!

ウォーターウォール!」


キョウイチロウが構築した水の壁が二人を守る!


「キョウイチロウ様!アン!なんて事を!」


「即席にしては充分な出来だったけど、不完全!」


「ごめんなさい…キョウイチロウ…様…

後…もう大丈夫…です…離して…くだ…さ…ぃ…」


消え入りそうな声を何とか絞り出すアン


キョウイチロウにお姫様抱っこされて横に移動した後、頭をキョウイチロウに抱えられ抱きしめられた状態のアンは小さく小刻みに震えていた


「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜!?

アン!ごめん!咄嗟に抱き抱えちゃった!」


「いえ、私を思っての事、不可抗力です、もう大丈夫です。

失態をお見せ致しました。

次回迄に完璧に打ち上げられる様に致しますので、楽しみにしていてください!

失態を挽回させて頂きます!

私の神聖級魔法!とくとご覧あれ!」


そう言うと立ち上がり詠唱を始めるアン


「我、アン・ボニーが汝、雷神トールに問う、は我の問いかけに応え雷降らいこうを行使する事が可能か?可能であれば顕現してその力の一端を行使せよ…」



『急に滑舌が…

今はアンがやる気を出してくれてる!

ツッコミはしないでおこう、普段は引っ込み思案な彼女も自信が持てれば変われるって事か?

褒めれば伸びる?いや!違うか?褒め過ぎても駄目そう…』

何だかんだとキョウイチロウが思考を張り巡らせているとアンの魔法の詠唱が止まり術式が完成する



「我を呼ぶのは、汝アンに相違は無いか?…

其方との盟約により我が力を貸そうぞ」


「トールハンマー!」×2


「おぉ♪凄いよアン!」


「別に…私は凄くは…無い…です…

初めて、この魔法を編み出した人が凄いのであって私は別に…」


驚愕の神聖級魔法を行使するもモジモジしだすアン…


「如何でしょう?」


「如何も何も凄いよアン!流石は八賢者!」

アンを持ち上げ高い高いをしながらグルグル回るキョウイチロウ


「あの…その…」


「何?」


「下ろして…くだ…さい」


「あぁ!ごめんゴメン!」


その場にへたり込むアン・ボニー


「…」


「ごめん!アン…初めて見る神聖級魔法に興奮しちゃって!本当にごめん!

でも凄い魔法だって事は分かるよ!アンはやっぱり凄い魔法使いなんだって、実感した!

グレース達が絶対の信頼を、寄せるのが今分かったよ!」


照れるアン


「でもキョウイチロウ様は…私を従者にした時に…

私のスキルも…その…私の魔法も全て行使可能に成ったとお聞き致しました…」


「キョウイチロウ様が使用したら…どう成るのか?気になります。見せて頂ければ幸いです」


「(-ω- ?)んーー??…

行使可能なのかな?私が想像する雷神様って言う神様は和製でコッチの世界には居ないと思うのね」


「行使出来…無いと?」

落胆するアン


「ちなみにアンは雷神トールと契約して魔法を行使してるの?」


「い…ぇ…

魔法を構築する術式に自分の名前を入れる事により…

雷神トール様に認識して頂き…

その…

お力を…お借りする…感じ…ですので…直接…

ご本人と契約している訳ではあり…ませ…ん」



『アンは…興味がある事柄でも…

早口になったり饒舌になったりはしないんだな…

(*≧艸≦)

滑舌が良く成る時は…自信がある時か…』

又、思考にふけるキョウイチロウ



「キョウイチロウ様?…

如何いかが…され…ました?」


「いや、アンは、アンなんだなって思っただけ」


「はい?(-ω- ?)??

どう言う事でしょう?」


「君はそのままで良いって事♪」


「…

私は…

イヤ…です…

こんな…自分が、イヤでイヤで…」


「(-ω- ?)んっ?

でも…マレーフィの本棚に隠れてるのがバレた時は、フォッセルと普通に話してなかった?」


「フォッセルは…友達…だから」


「キョウイチロウ様ぁ!」


「グレース姉様!?メアリー姉様!?マリーゴールド姉様!?どうして近くに?」



『おっ…

ハキハキと大きな声、自体は出せるんだな…

フムフム…』



「キョウイチロウ様!」


「(-ω- ?)んっ?」


「今日は我ら四姉妹とマレーフィ様とフォッセル様でお茶会を予定してまして…

アンがキョウイチロウ様と謁見を済ませて手合わせも済んでからと言う事でしたが…

そろそろアンをお借りしても?」


「うん♪ちょっと試したい魔法があるからどうぞ♪アン♪今日はありがとう又ね…」

そう言うと又、思考にふけるキョウイチロウ…


アンはと言うと、キョウイチロウの、そのちょっと試したい魔法に興味深々

(*゜▽ ゜*)パァー

目を輝かせ始めた


「…」


「グレース姉?どうしたのよ?アンを迎えに来たんでしょう?行きましょうよ」


「無理ね」


「何でよ!?」


「アンのあの目を見て…」


「あぁ〜( ̄▽ ̄;)

あぁ成ったら無理ですわね…」


「今回は、アンの参加は諦めましょう姉様方」


「致し方ありませんわね…

あぁ成ったアンはテコでも動きませんわ…

新しい魔導書を手に入れた時と一緒の目ですもんね…」


「あのお二人にはアンは不参加だと伝え無いといけませんね」


「そうですね姉様…気が重いですわ」


「姉様?私達キョウイチロウ様の従者は念話通信が可能でしたわよね?

マレーフィ様達は、この状況を把握なさってるのでは?」


「そうかも知れませんね!」


「きっとそうだと思いますわ!マリーゴールド!貴女連絡を取ってくださる?」


「はぁ!?私がですか?」


「そう!マリーゴールド!貴女は外の船に修行に出てるから大丈夫よ!

私達の社交性は皆無ですわ!絶対に粗相がある事!受け合いですわ!」


「(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)ウンウン」


「威張るな!」

姉二人に対しても容赦なくビーストテイマー調教用のムチを振るうマリーゴールド


「痛い!痛いってばマリーゴールド!」

「痛っ!やめて!」


「あぁん!?誰が誰に姉を差し置いて連絡しろって?」


「だから私達は!難破船の墓場にずっと居たからマレーフィ様とフォッセル様に面識が無いから」


「私だってそうだよ!」


「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜痛い!」

「待ってマリーゴールド!テイマー用の鞭で本気はマズいと思うな!本気は!」


「誰達のせいだと思ってるんですか?」


二人の姉が一方的にに分からされる状況


「何だか?面白い事に成ってますわね」


「マレーフィ様!?」


「テイマー用のムチを姉に振るうのは間違っていると思いますわよマリーゴールド」


「フォッセル様!?」


キラーン( ✧Д✧) ( ✧Д✧ ) キラーン


「様付けは不要と申し上げましたが?」


「姉様?三人共、ご理解して頂けて無い様子ですわ」


「そうねぇ〜どうしましょうかフォッセル?」



『パねぇ!圧とオーラがヤバ過ぎる!』

ビビる三人



「ねぇ?マレーフィ達も来たの?お茶会はここで開く感じなの?どうなのグレース?君たちも見学したいと?」


「キョウイチロウ様!?」


「キョウイチロウ様ぁ♡見学させて頂いても?」


「良いよ♪ちょっと待ってて♪アフタヌーンティー!テーブルセット!」

パラソル付きのテーブルと椅子を自身のアイテム袋から出すキョウイチロウ


「まぁ♡素敵♪コレは?」


「作ってみた♪欲しい?」


「本当に!?頂いても?」


「マレーフィ達が新参、古参を抜きにしてお茶会を開いてくれるならあげる!どう?」


「お任せくださいキョウイチロウ様♪」


「じゃあマレーフィにあげるから、後はよろしく

見学の件は許すから、ただし!アンにおかしな声援だけはやめて欲しい」


「かしこまりました」


「じゃあね」

アンの元に駆け寄るキョウイチロウ


「では♪お茶会を始めましょうか?」


「あら?マリーゴールド気が効くわね♪お手持ちになるけど九兵衛の洋菓子セットを持って来ました。

並べてくれる?」


「九兵衛!?九兵衛って!?あの九兵衛ですか!?」


「どの九兵衛も何も…私が知る限りでは九兵衛は一つしか無くてよ?」


「私はアフタヌーンティー用のガラスの三段のケーキスタンドを用意しましたわ♪」


「あら?流石はフォッセル♪素敵なケーキスタンドをありがとう♪

九兵衛のお菓子を並べるには理想的ね♡」


「お褒めに預かり嬉しい限りですわ姉様

貴女達も立ってないで座りましょう」



『ふわぉぁぁ♪何ですのこの座り心地は!?

キョウイチロウ様のお手製の品…全部ヤバくね?』

ただ座っただけなのにテーブルセットの良さに度肝を抜かれる五人



「マレーフィ様…何と言う座り心地なのでしょう♪ヤバ過ぎますわ」


「先程にも言いましたが、その私とフォッセルへの様付け何とかなりませんの?」


「成りません!我らは力こそ正義の海賊稼業で生きて来ました!

ですから古参、新参を問わず!強きお方には敬意を持って接するのが習わしならば!変えられません!」


「ふぅ〜グレース…貴女…」

ため息を付くマレーフィとフォッセル


「不器用と言われましても無理なものは無理ですマレーフィ様!フォッセル様!」


「まぁ良いわ、でも慎ましくお茶会を進めましょう、キョウイチロウ様の見学の許可を得たとはいえ騒がしいのは如何なものかと」


「アイアイサー!」


「言ったそばから貴女達は」


「マレーフィ様!キョウイチロウ様が従者にした料理人の田中八州男さまはご存知で?」


「かの有名な洋菓子店の店主である九兵衛さまのお兄様であらせられる?」


「そうです!以前は居酒屋ヤスを難破船の墓場にて経営していましたが、材料の仕入れの難易度が高い場所で、相手は幽霊ばかりで困ったいた所、キョウイチロウ様がご自身の海軍の補強のため難破船の墓場に来た際に誘われて仲間に成って下さってます。」


「本当ですか!?知りませんでしたわ!」


「キョウイチロウ様から新しいお店を一式!

しかも扉は店主である八州男さまがご自由に移動させられるとの事♪

ドレスコードも無く雰囲気も海賊達に大人気で高貴なお方が行く場所ではありませんが、個室もあり、大宴会場も別棟にあるとの事!

店名もヤスから八州男さまの、お名前から文字を取ってキョウイチロウ様が八州はっしゅうと名付ました。

今度予約を取りますので是非ご一緒に、如何でしょうか?」


「私はカウンター席でもかまいませんわ♪是非お願いしたいです、頼めますか?」


「行きましょう!こう言った話しは口約束だけの社交辞令と取られてしまいますので、今、行く日を決めましょう!ご予定は?」


「引越しも終わりましたので、明日でも明後日でも♪」


「その時はアンも連れて行きますわ♪予約の確認が取れ次第、追ってご連絡させて頂きます」


「よろしく♪それで?お勧めの食べ物とか!コレは食べておかないといけない物とかありますか?」


「一品から定食までありますが!今回は初めてと言う事で、大将のおまかせコースにする予定です!」


「それで!次回にグレースのお勧めを食べに行くと?」


「その通り!豚の角煮!ブリ大根!おでん!焼きそば!そば飯!お茶漬け!アジフライ!かき揚げ!焼き鳥!天ぷら!蕎麦に!うどん!煮魚!揚げ魚!焼き魚に甘露煮!たくあん漬!イカの塩辛!カニみそとほぐした身が入ったカニの甲羅焼き!味噌汁!」

( ̄¬ ̄)ジュル思い出しただけでヨダレが…


「お勧めだけでそんなにありますの!?

でも…キョウイチロウ様の従者様方に聞き及ぶと、揚げ物?その中でも若鳥の竜田揚げが絶品とお聞きしましたわ!」


「いえ!」


「いえ!?」


「今ご紹介したのは!ほんの一部で、私も食べていない物が半分以上ありまして!しかもハズレが一つも無い!

マレーフィ様の仰る若鳥の竜田揚げも人気メニューの一つでビールとの相性が抜群にて他のメニューに比べると群を抜いていますわ♪」


「私はレモン酎ハイなる飲み物とレモンを絞った唐揚げが最高かと!」


「いやいや!マリーゴールド!私は大根おろしとポン酢の組み合わせも捨てがたいわ!

グレース姉様もそう思いますわよね?

この前、美味しそうに食べていたではありませんか!」


「私は…タルタルソース♡」


「ビクゥッ∑(OωO )!?なっ!?それは竜田揚げでは無く!チキン南蛮ではありませんか!それは反則ですわ!」


「唐揚げのソースだけで…そんなに変わりますの?」


「マレーフィ様!何を仰いますか!別物です」×3

机を両手で叩き立ち上がる三人


「そっ…そうなのね、俄然興味が湧いて来ましたわ♪

その…食文化の違いは!?ありませんの!?」


「生卵を白米に乗せて混ぜる…TKGなる物と納豆と呼ばれる腐っている豆?は好みが別れると聞きました」


「TKG!?ジーパングォでも有名と聞きました。

TKG…卵掛けご飯…興味はありますが…生卵をそのままだなんて、注文するのは勇気がいりますわね…

それと!納豆は腐ってませんわ!発酵しているだけですわ!グレース!間違えないで貰える!

納豆は賞味期限のある生物なまものなのよ!腐ってないわ!」


「お詳しいのですね…」


「納豆は確かに好みが別れるでしょうね…

でも!肌の酸化を防ぎターンオーバーを整える事が出来ましてよ!

更にシミやシワの予防だけで無く!健康的な肌の維持や髪の健康維持にも役立つ美容に良い食品なのよ!」


「確かに…

キョウイチロウ様は確か納豆には、大豆イソフラボンやビタミンB群、ビタミンE、ポリアミンなどの成分がとおっしゃておいででしたが…私にはサッパリ分かりませんでした…」


「キョウイチロウ様がグレースに納豆の説明を?」


「はい、ですが我ら姉妹は美容に気を付けた事が無く、年中日焼けした浅黒い肌で日向に出てますので…美容に良いと言われましても」


「日焼けし過ぎては身体に悪いわ!」


「そうですか…少し気を付けてみます。」


「斯くいう、私達魔女はルイーズ様のクローゼットに首っ丈ですわ♪

あそこは美の殿堂♪置いてある服の数々♡

見た事もない作りと柄と刺繍やレースの下着♡

思い出しただけでも…試着したい物だらけで!一日では足りませんわ♪」


「姉様♪化粧水から化粧品にしても我らの世界の物とは別物でしたわ♪

私、ルイーズ様に淡いピンクのグロス口紅を頂きまして、見た目を変える化粧の為の物なのに唇のカサつきが止まりました。

医療品かしらと疑う品々に!興味が付きません」


「それ程まで…」


「グレース!興味が湧きまして!?」


「私も…多少は着飾ればキョウイチロウ様に女性として見て貰えるでしょうか?」


「勿論だと思いますわ!美の追求に遅いなんて事はありません!諦めないで続ける事が大切だと私は思いますわ!」


「では…恥ずかしながら今度、キョウイチロウ様とルイーズ様にお願いしてみます。」


「是非にも!そうしなさい!」



「あのねアン!キャプテン・ウェイの船と君たちの船には魔力動力炉で動く構造に改造してあるでしょ?」


「あっはい!あれは…画期的な発明だと…思います!

流石はキョウイチロウ…様…」


「そしてね♪魔力を備蓄出来る蓄電池が併設されてるでしょ?」


「はい〜♪あの構造はコレからこの世界に必要不可欠な品になると思います!

キョウイチロウ様は本当に凄い…です…」


「魔力が蓄電されてるって事は大量放出の方法を確率すれば砲弾みたいに飛ばせるって事でしょ?」


「確かに!…高速航行中は大量に消費されてますから放出は可能…ですが…砲弾みたいに飛ばすとなると…」


「難しいよね〜」


「現在、キョウイチロウ様が作った砲弾は炸裂弾…を固形燃料で飛ばすタイプなので…」


「炸裂する時に魔法を付与出来ないかな?アンの見解を教えてよ!」


「それだと…更に難易度が上がってしまいます。

砲身も作り替えないといけません…」


二人が思い思いの思考にふけり出す…


暫くして…


「アン!答えは出なさそうだね!持ち帰って考えよう!魔法の真理に詳しいアンも考えて貰えるとありがたい

でも、今回は自己紹介と挨拶の為の謁見との事だけどアンとの手合わせも想定して来てるから!始めようか?」


「はい!是非!でも…ハンデが欲しい…です…」


「どんな?」


「無詠唱は無しの縛りでお願い…したい…です…」


「OK♪無詠唱を使用しなくてはいけない程、追い込まれ使ったら私の負けで!」


「それで…お願い…します」


「プロテクト!フィジカルエンチャント!行くよアン」


「是非!」


「我、キョウイチロウが問う…」


「我、アン・ボニーが問う…」


「始まりましたわね…」


「ええ…八賢者のアンと異世界からの手違い召喚者のキョウイチロウ様…」


「それを聞きますとキョウイチロウ様の方が弱そうですけど…

実際の所…キョウイチロウ様は規格外の強さ、ですがアンも従者の中では魔法に関しては別格の強さの猛者ですわ、さてどうなりますか?

そのお力、見せて貰いましょうか…

詠唱が終わるのはアンの方が少し早いですか?」


「トールハンマー!」


「神の雷!」


「雷神トールと!?絶対神オーディンの!?ぶつかり合い!?

こんなバトル前代未聞ですわ!間近で見れるなんて!?」


「くっ!流石はキョウイチロウ様!初見の発動でこの威力!

次!いきますわよ!」


「望む所!」


「術式発動!アイスステージ!」


「何!?早い!氷で足場が!?

おっ!わっ!ヤバっ!

ヒートショック!」


「くっ!これでも拘束は出来ませんか!体勢を崩す事もままならないとは!?

炎と雷の混成魔法!?術式が知りたい!!」

(ΦωΦ)キラキラした目でキョウイチロウの魔法行使を見る


「アン!もっと引き出しを開けないと通用しないよ!」


「ふふふっ♪後悔しても知りませんわよ!」


「何!?これはどう言う状況ですの!?」


「誰!?」


「あっ…その…申し遅れました。

初めまして、私…アンの友人のセレスティア・マグノールと…申します。

アンから自分の主人と手合わせするから見に来て欲しいと…伝書通信虫が我が家に届きまして…

後、膨大な魔力波動を感じて気になってた所に連絡が入りましたので…急ぎ参上した次第です…」


『目を合わせませんわね…

この子も…流石、アンのお友達ですわね…

良い意味で大人しいと言いましょうか…

人見知りが激しい子ですわね』


「貴女?八賢者のセレスティア・マグノールですの!?

アンから届いたのは?伝書通信バードでは無く虫?ですの?」


「本当にアンったら!私が虫嫌いなのを知ってるくせに!…

酷いと、思いませんか!」


「あら?私も自己紹介が遅れましたわ

初めまして、私ワーズワースから参りました、魔女のマレーフィ・ウィリアムと申します。

お目にかかれて光栄です八賢者様」


「そっそんな!魔女の村ワーズワースのマレーフィ様と言ったら…」


「顔が…真っ青ですわよ?貴女?大丈夫ですの?」


「はい…こんな前代未聞なバトルを見ないで気絶するなんて出来ま…せ…ん…」


うぇーー!

盛大に吐くセレス


「うわっ!」


「我慢しないでとりあえず座りなさい!セレス!」


「あぁ…すみません、すみませんマリーゴールド様」


「本当にアンといい貴女といい!人見知りが過ぎますわ!」


「ごめんなさい」


「ほら!それよ!それ!謝る前に席を譲った私にお礼でしょう!

前にも教えましたわよねセレス?

ありがとうは前向きな言葉!

ごめんなさいは後ろ向きな言葉!

人と交わり生きて行くには、ありがとうを多めにしなさいと!」


「はい、ごめんっ…ムグッ!?」

口をつぐまれるセレス


「違うでしょ?」


「はい、ご指導、ありがとうございます…」


「はい良く出来ました♪お茶をのんで落ち着きなさい…と言うか貴女?何派でした?紅茶?コーヒー?」


「今、飲んだら…吐きます…」


「本当に困った子!何しに来たの!見学に来たのでは無くて?」


「はい…今?どの様な状況で?」


「アンが行使した神聖級魔法である雷神トール様のトールハンマーが少し早く発動しましたが、我らが主人であるキョウイチロウ様が後から放った絶対神オーディン様の神の雷の詠唱が間に合って、相殺された所で…

その後、アンの前もって構築していた氷魔法が発動、それに対してキョウイチロウ様は…

見た事もない炎と雷の混成魔法で対応、雷で氷を砕き炎で溶かしましたわ!ヒートショックとか仰ってましたか?

その後は中級魔法と上級魔法の攻めぎ合いが続いて、お互いの詠唱を邪魔し合って最上級魔法を詠唱しあぐねてますわ…

こんな高度な魔法戦は今までに見た事がありません

アンも初めて全力でぶつかれる相手に巡り合って嬉々として魔法をぶっ放し続けてますわ

普段は船上で使える魔法も限られてますからね」


「そんな!私なら無詠唱で…」


「無理ですわ!」


「何で!?」


「キョウイチロウ様は今回、無詠唱を使用しない縛りの元、アンとの模擬戦に臨んでますのよ、セレスに無詠唱魔術が有ってもキョウイチロウ様も無詠唱魔術が行使出来ます。幾ら貴女でもキョウイチロウ様からは後の先は取れませんわ」


「キョウイチロウ様?

アンと同等…いえ…縛りが無ければそれ以上だなんて!そんな人は八賢者でも居ませんわ!

何者なのですか!?」


「貴女?最近、膨大な魔力波動を感じた事は?」


「あります!あります!急に降って湧いた様な魔力波動!あれはあのお方なのですか?それにしても急が過ぎます!」


「まぁキョウイチロウ様は最近、異世界に召喚されたばかりの召喚勇者の儀に巻き込まれて来たお方ですから貴女が知らなくても当然ですわ」


「でも!でも!アンも皆様の魔力も以前とは比べ物にならない!何故ですか?」


「それは、我らが、主人であるキョウイチロウ様の加護を得ているからですわ」


「はぁ!?過去に召喚勇者の儀にて異世界から召喚された者に、そんな能力者は居ません!過去に前例がありませんし!あり得ません!」


「セレスティア?えらく饒舌になりましたわね?

貴女?相変わらず興味が有る事に関しては、いち早く知りたい為に饒舌になりますわね」


「あっ…その…ごめんなさい…」


「セレス?何も、私は怒っている訳ではありませんのよ!

貴女は普段から言い淀まずに話す事が出来る筈なのよ!

もっと!もっともっと!もぉーーっと!

色んな事に興味を持ちなさい」


「そろそろですわ…」


「そろそろ?(;゜д゜)アッ…

アンの魔力総量が…かなり減ってますわね」


「後、神聖級魔法を一発と言った所かしら?

詠唱に入りましたわね、そこは流石は我が主人…

律儀に待ってあげてますわね…

余裕の表情と言うか、興味深々な表情?

敵としてあのワクワクしたお顔で待たれたらイラ付きますわね」


「アン・ボニーが問う!其は泥の王!汚泥よりいずり!我の問いかけに応える者成り!」


「何ですのあの魔法?泥の王!?聞いた事もありませんわ!」


「あれは…アンのオリジナル魔法ですわ…八賢者たるあの子しか扱う事が出来ない神聖級魔法…私も完成したと見せて貰った時の一度しか見た事がありませんわ…」


「オリジナル!?八賢者アン・ボニー…

底が知れませんわね」

そう呟き模擬戦をする二人を凝視するマレーフィ


「マレーフィ様も神聖級魔法が使えると…アンからお聞きしましたが?」


「私のは…キョウイチロウ様から見れば児戯じぎに等しいですわ!

だって!キョウイチロウ様は私と同じ詠唱で三倍の威力なんですもの…

私もアンと一緒でキョウイチロウ様の加護にて神聖級魔法が使える様になりましたの、でも、そもそもアンは神聖級魔法一歩手前の王級魔法使い、私はその下の星級魔法使いからの神聖級魔法使いに成った訳ですから元々の自力が違いますわ

キョウイチロウ様との手合わせは自尊心をただ、ただ…打ち砕かれるのみ…

なのに…アンったらあんなに楽しそうにして…

あんな顔は初めて見ますわ♪本当に楽しそう…

到底私には無理な領域ですわ…

でも良い目標が増えて、お手本となる人が目の前に二人も居るだなんて!ヤル気は充実してますわ!」


「マッド!スラッシュ!アンダーグラウンド!」


「気の狂った泥の地下!?だと!?泥で地中に引き込む魔法か!?泥なら水で流すか!?いや、間に合わない?ならば!無詠唱でなければ可か!?詠唱短略化!」


「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜!?キョウイチロウ様!高速化はズルぃぃい!!!!!」


「行きますよ私もオリジナル魔法で対応させて貰います!」


「キョウイチロウ様も!?オリジナル!?しかも魔法詠唱高速化!?」


「霧と寒気と氷の世界ヨトゥンヘイムが支配者である王スリュムが名の下に精霊達を行使して全てを凍てつかせよ!絶対零度!完璧なる氷の花!フリージア!」


キラキラ、キラキラ、キラキラ、


「これは…?ダイヤモンドダスト?それに?パラソルの中は寒く無い?」


「これは!?結界ですわ!しかも高高度の!?あり得ない!」


アンvsキョウイチロウの手合わせの結末は…


「泥をキョウイチロウのオリジナル魔法のアブソリュートZEROパーフェクト・アイス・フリージアでカチンコチンに凍らされたアンの完敗ですか…

キョウイチロウ様…まるでフリージアの花が先端に向かって咲くかのように氷の花が徐々に先端に向かって氷漬けに成って咲くだなんて

最早、何でも有りで美しいだなんて…天は二物を与えずと言いますが、キョウイチロウ様の所有する加護と同じ数だけ与えられてるとしか思えませんわね…

相手の属性に合わせて対策を取られては、いくら八賢者のアンとて…無理でしょうに、あの八賢者を子供扱いとは…

セレス!アレで未だ我らが主人は成長途中でしてよ!有り得ますか?」


「あり…得ません…魔法の高みとは?

頂きの上にも更にあるだなんて、想像を超えます…」


「セレスティア?貴女は進化した八賢者アン・ボニーに置いて行かれた形になりますけど?

どうしますの?」


「どう?とは?」


「キョウイチロウ様の配下となり進化して頂き、アンと共に高みを目指すのか?目指さないのか?と言う事を聞いてますのよ!

キョウイチロウ様の従者となれば…加護によりパラメーターは飛躍的に向上して更なる高みを目指せるとは思いますが…」


「が?」


「キョウイチロウ様の従者とも成れば社交性が強要されますわよ」


「人…前に出て…衆目に晒され…る…と?

無理無理無理無理無理無理!」


「アンは乗り越えようと足掻いてますわよ、友として寄り添ってはあげませんの?

キョウイチロウ様とアンのオリジナル魔法を使ってみたくは?無いと?

そうですか…ではアン達と共に今からお茶会をして隠遁生活を再会すると言う事でよろしいのね?…

あぁ〜貴女程の魔法使いが、このまま、魔法の事を諦めて引き篭もるとは残念で、仕方がありませんわ〜」

煽りまくるマレーフィ


「ふぬぬぬぬぬぬ」


『葛藤してますわね(*≧艸≦)ウフフ♪

八賢者に登り詰めても魔法使いは魔法好き、それはもう生き様、生きる糧、無くてならない物…

八賢者を二人も有すると成ればキョウイチロウ様の願いはかなり近付く…

是非セレスには仲間になって貰いたい所…

どう出ますか?貴女に魔法を諦められますか?』


「マレーフィ姉様?悪ぅ〜い、お顔をなさってますわよ」


「あら?フォッセル?そんな事はありませんわウフフ♪」


「姉様!?無自覚ですか!?それはそれでマズいと思いますけど!」


「ご忠告は受け取りますけど…性分ですので、あしからず♪」



『あのお顔のマレーフィ姉様の追い込みは…

外堀りからお埋めになられて…

最後は逃げ道は無くなりますわね…』



「さぁセレスティア♪今日は美味しいお茶菓子でも食べて楽しんで行って下さいましね

今後、アンはキョウイチロウ様と魔法談話に入りますから、あまりお話し出来ないかも知れませんけど…

それに追加の訓練もアンの方から要請するでしょう、セレス?貴女とのお付き合いも減ると思いますわ

試合ったのなら後の検証と今後の対策や課題など濃いお話しになると思いますわ♪

隠遁しないでキョウイチロウ様の従者となり社交性を身につけて、そうですわね身嗜みも整えると言うのなら、キョウイチロウ様は多分ですが、もう一人八賢者と手合わせしても大丈夫な魔力量をお持ちのお方ですので、セレス?貴女とも手合わせして頂ける様に、もう一戦、お願いしてあげてもよろしくてよ?

貴女さえ良ければですが…」


「ふぬぬぬぬぬ…」


『エゲツネェ!このお方だけは敵に回したくねぇ!キョウイチロウ様に魔女の村ごど仲間にしてくれた事!感謝しかねぇ!

キョウイチロウ様の先見の明は常人じゃ測れない!

諦めるのは貴女だ!セレスティア・マグノール

こりゃあ首を縦に振るのも時間の問題か?』

ビビりながらもマレーフィと仲間になれた事をキョウイチロウに感謝する三姉妹


「どうですか?セレスティア?」


「何?何?誰?この子?魔力総量が半端無いけど?マレーフィ達の知り合い?」


「セレス!?来てくたの!?」


「貴女が呼んだんでしょうに!こんな凄いバトル見させられて興奮してますわ!」


「嬉しい♪まかさ来てくれるだなんて♪感想を聞かせて!」


「感想もなにも…

キョウイチロウ様…初めまして、私…アンの真友のセレスティア・マグノールと申します。

以後お見知り置きの程をよろしくお願い致します。」


「セレスティア・?マグノール?

アンの真友?真友!?親しい友達の親友じゃ無くて!?

心許せる友達の心友でもなく!?真友!?アンの?」


ヒソヒソ小声

「アン!お前は友と呼んでくれるか心配してたけど!最上級の友達だって!真の友だって!良かったじゃん♪」


「(ノω・、)はい…はい…私…嬉しい…です…」


「そうだよ!真友だよ!同じ悩みを抱えて相談に乗り合って!本音で話して!同じ目的に向かって切磋琢磨しあえる間柄♪良かったねぇ〜♪」



「セレスティアさん?アンをこれからもよろしくね♪仲良くしてあげて」

キョウイチロウの服の裾を掴み、もう片方の手で涙を拭うアン・ボニー


「キョウイチロウ様♪セレスティアも八賢者でしてよ♪

先程のお二人の手合わせを見てご自分もキョウイチロウ様と試合いたいと仰っていましたが、如何されます?余裕はありますか?」


「(๑・ω-)オッケー♪」


「どうしますの?セレス?」


「男性とだなんて…」

泳ぐ目


「キョウイチロウ様は精神年齢こそ行ってますが、見た目は子供ですわよ?男性ではありませんわ、男児でしてよ」


「そう…言われれば…」


「よろしくお願いしますセレス♪」


両手をキョウイチロウに握られ…


哀れセレスティア・マグノール…


ジ・エンド…男児であろうと男性経験皆無のセレス、男子とまともに会話した事も無い!

キョウイチロウと何も話せず手を握られただけで気絶し、その後の意識は飛ぶ…


「あらあら?本当にウブな子ですこと♪」


「マレーフィ!それとなくセレスを追い込んだな!?」


「いえ!私は!そんな事は致してませんわ!セレスティアは八賢者ですわよ!仲間に出来れば!…」


( ✧Д✧) キラーン

「はいはい、セレスティアの都合も性格も考えずに…はいはい…そう言う事なら、少し私は不完全燃焼なのでセレスティアさんは〜こんなだしぃ〜

マレーフィ!相手をして貰いましょうか?」


「Σ(・ω・ノ)ノえっ!?私!?私はこの前!サクッと自尊心を折られてますので大丈夫です!遠慮しますわ!」


「転移ゲート!」

ガシッと腕をキョウイチロウに掴まれるマレーフィ!


「待って!キョウイチロウ様!お待ちになって!心の準備が!」


「へぇ〜…心の準備が出来て無いセレスティアさんには散々な物言いをしておいて?自分は高みの見物?

へぇ〜」


「行ってらっしゃーい!」


「フォッセル!皆んな!貴女達も同じ気持ちだったのでは!?

キョウイチロウ様!お待ちになってぇぇ!」


「さぁマレーフィ!君の最上級魔法を行使してご覧?」


「んもぅ!やります!やれば良いんでしょ!…」


哀れマレーフィ全く同じ神聖級魔法をキョウイチロウに被せられ相殺出来ずに吹っ飛ばされるマレーフィ

「きゃーーーーー!」


「未だ未だ魔力は残ってるでしょ?

来なさいマレーフィ!」


「こんのぉ!私だって!」

更に別の魔法を行使するも、又同じ魔法をキョウイチロウに被せられるマレーフィ


「きゃーーーーー!」


魔力切れで気絶するも、キョウイチロウお手製のMP回復薬で強制的に全回復、三度薬を口移しで飲まされ、照れるまもなく覚醒させられ次戦に突入!を繰り返し…

マレーフィのレベルは10アップ、スキルレベルは5つ上がった…


「キョウイチロウ様…もう魔力も気力もすっからかんですわ…本当に許して…」


「まぁドーピングも三回が限界か?」


「それでは?お許し頂けると?」


「(-ω- ?)んーー?もう二度と人を追い込んだりしない様にもう一回いっとく?

夕飯は居酒屋♪八州で美味しい物を私と一緒にたらふくって事で」


「又!?口移し!?んっ!んーーーー!?」


「来んしゃい!」


「きゃーーーーー」


「マレーフィ様…」

「姉様…自業自得ですわ…」


その後、目覚めたセレスティア・マグノールは、アン・ボニーと共に遅れて居酒屋八州に到着、キョウイチロウと魔法談話に花が開き♪意気投合し従者となる。


美味しい食事に驚き、八州の料理無しでは生きていけないとまで、どハマりするセレス…


美味しいお食事処、八州の話しはいずれ又、

ここまでお読み頂きありがとうございます!


この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、

ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ


読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!

よろしくお願いいたします!

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