第120話 サバト
結局アンジェリーナの招待に乗って、魔女達の住む村
ワーズワースに足を運ぶ事を決めたギリガン
魔女の村の位置は秘匿されてはいるが、迷いの森の何処かと大まかな場所は割れている
( ̄▽ ̄;)
コンコンコン
「迎えが来た様だな」
「ですわね」
「入りなさい」
「失礼致します。
此度、案内役を勤めさせて頂きます。
チョッチリーネと申します。私の事はチョッチネとお呼び下さい、以後お見知り置きの程を」
「フム( ;-`д´-)ご苦労チョッチネ」
「迎えと言っても今回も蹄鉄騎士団の馬車を使用したいとの事で馬車も御者も蹄鉄騎士団の方々ですので、私めは本当に案内だけにございます。」
「済まんなチョッチネ、我らの装備は重装ゆえに、お前たちの様にホウキに乗って飛んで行く訳にもいかんのでな」
「重々承知しております。
では、参りましょうか…」
魔女チョッチリーネは古参の部類に入る魔女の村では、少し名の知れた人物である。
今回も長に案内役を任された人物で魔族領でカノープスと一、二、を争う空のスピードスターである。
一度、ホウキに跨がれば、その移動速度はアン・ボニー程では無いが魔族からは一目置かれている。
ここで記述するアン・ボニーの杖に跨り音速で飛ぶのは未確認飛行物体として認識されているので順位に含まれてはいない
魔女の村に入るには、先ず迷いの森を抜けなくてならない
魔女の森と呼ばれる場所は特殊な空間処置がされていて特定の場所を通らなければ外郭にすら辿り着く事は叶わない
運良く外郭と呼ばれる場所に辿り着いても、初代魔女のアンジェリーナが施した荊棘の結界に阻まれて、入り口すら分からず、近付こうものなら荊棘の棘だらけのツルに絡め取られ身動きすらままならず命を落とす事となる
馬車は街を抜け街道を走り、鬱蒼と茂る木々が織りなす森の中で止まる。
「本当にこの道で良いのか?チョッチリーネとやら?」
「…」
目深にフードを被り御者の隣りに座り指示を出すチョッチネ、それに従い手綱を捌いてここまで来た御者
「少し霧が出て来たか?昼間だと言うのに薄暗いな…
(-ω- ?)んっ?行き止まりでは無いか?」
蹄鉄騎士団の馬車の御者が呟く
「そこで止まって下さい」
「フム、了解した」
「暫しお待ちを」
馬車を降りて歩き出す魔女
………
「我は魔女のチョッチリーネ、お客人をお連れした。
迷いの森の木々達よ、私の声に耳を傾け外郭までの道を指し示せ…」
ザワザワ、ザワザワ、木々が風も無いのに騒めき始める…
馬車が一台通れるだけの道が姿を現す
「何と!?」
馬車の御者と客室を隔てる壁に付いたスライド窓かま開く
「お前は御者として魔女の村ワーズワースに行くのは初めてであったな」
「ギリガン様!?はい!初めてです!
何だか薄気味悪くて…背筋がゾクゾクしまさぁ!」
「案内役の指示に的確に従えよ!
さもなくば我らは生きてこの場から帰れなくなるぞ」
「はっはい!ギリガン様!勿論でさぁ!」
「分かれば良い!」
閉まる小窓
『怖ぇえ!
以前に魔女の住む村は大まかな場所が割れてるからと、森ごと燃やそうとした人族が居たが…
いきなり木々が氷だして火が収まり、何をやっても森は燃えないどころか、何処からともなく荊棘のツルが伸びて来て絡め取られて誰一人として帰って来なかったと聞く…
絶対に!指示された事以外はしちゃいけねぇ!
魔女の村に行きたけりゃ!魔女の案内役の指示は絶対だ!
ギリガン様は御者に連れて行く奴は毎回変えるから、同行した奴らは全員口をつぐむ…
初めて行く奴は行って来た奴に聞こうとするが…
こりゃあ説明出来んな…』
そんな事を考えている内に外郭に到着
「何だ?こりゃあ……
荊棘か?村の入り口は何処だ?」
「そのまま真っ直ぐ進んで下さい」
「おっおぅ!分かったぜ!」
「荊棘には触れないで下さい!」
「了解だ!」
馬車が進むと、ワサワサと荊棘が馬車を避けて行く
「何だこりゃあ…Σ(゜Д゜)スゲェ!!」
「よそ見しないで!」
「おっと!分かったぜ…
って!?何だこりゃあぁぁ!?」
馬車ギリギリの手すりの無い橋の上を走っている事に気付く蹄鉄騎士団の御者
「ヤベェ!やべぇ!ギリギリじゃねぇか!」
「ですから!よそ見しないでと申し上げました!」
「分かった!分かったから、怒鳴るなよ〜
集中してんだからよ!」
「…そこで止まって下さいまし」
「ふぅ〜
やっと到着か…
生きた心地がしなかったぜ…」
薄っすらと門らしき物が見えるが荊棘と霧に遮られ全貌は見えない
「ギリガン様!着きましたぜ!」
馬車の御者台から少し晴れた霧の中降りて馬車の扉を開ける
「フム、ご苦労であった。
説明した通りだ、お前も七緒様の護衛に付け!」
コソコソ小声
「分かりやした!
普段御者として来た者は馬車で待機してギリガン様をご自宅にお送り届けてから、ご褒美に旨い酒を頂くのが常だそうですが…
今回は蹄鉄騎士団、七緒様派閥の武闘派馬頭集団の俺を指名したって事でヤバいとは思ってましたが…
奴絡みとは、普通のヤバさじゃあ無いですわな」
「然り!何かあったら!では無い!間違い無く奴は来る!頼んだぞ!
奴が現れるまでは内密に事を進める!
とにかく細心の注意を払ってサバトに臨んでくれ」
「はい!お任せ下さい!
水と飼葉を馬に与えたら直ぐ行きますんで」
「フム、よろしく頼む!」
「ギリガン様?」
「フム、待たせたな、御者に指示を済ませたので行くとするか、御者も七緒様の護衛として後ほど我々と合流するが、引き続きチョッチネよ、案内を頼めるか?」
「かしこまりました。
どうやらグレース様がお迎えに上がったようです。
灯りの差す方へ真っ直ぐお進み下さい…
くれぐれも傍にそれないように灯りに向かって真っ直ぐです。」
グレースは当代の魔女の村の長である。
「分かった…
参りましょうか七緒様、花房も指示通りに灯りだけを頼りに進むのだぞ」
「はい」「かしこまりましたわ」
一寸先は濃霧…隣りに居る筈の七緒も花房も声だけで、まるで見えない
光り差す方へ進む三人、門らしき作りの場所を超えた途端に視界が晴れる…
「ギリガン様、七緒様、花房様、ようこそいらっしゃいました♪」
「おぅグレーテ!久しいな!イツぶりぞ?その灯りは濃霧の中にも光りが差し込む特殊な物か?」
「えぇそうです、魔女の灯火と申しまして魔女の魔力で錬金生成された石炭を使用していますわ」
「錬金石炭とな?黒煙が出るのでは無いのか?」
「独自の燃焼魔術で黒煙は出ませんわ!煤は、溜まりますが…」
「煤は黒いのか?」
「黒ぉございます。」
「フム…興味深いが今回は別件で来ておる。グレースよ案内を頼めるか?」
「はい♪立ち話もなんですから行きましょうか?」
「気遣い痛み入る、少し遅れたか?」
「いえ、大丈夫です。
丁度今、私の代理のマレーフィが壇上にて開会の挨拶を始めるところですわ♪
此方の主賓席にお座り下さい」
「良い頃合いであったと言う訳か?
では参加させて貰うぞグレーテ」
グレースに椅子を引かれ座るように促される
「追って食事もご用意させて頂きます。それまでご歓談を、ギリガン様?お飲み物は何になさいますか?」
「私はワインを頂こう花房も同じで良いか?」
「私は搾乳中ですのでアルコールは控えさせて頂きますわ!
アルコールは私が出す母乳に多少なりとも影響が出ますので、グレーテ?ノンアルコールの飲み物は何がございますの?」
「はい、オレンジジュース、ピンクグレープフルーツ、アイスティー、紅茶、お茶など、各種取り揃えていますわ」
「では…牛乳を!」
「はい?…(。=`ω´=)ぇ?牛乳?ですか?…」
「牛乳で!!」
コソコソ小声
「牛乳って用意してありますの?」
「乳牛は居ますが…今直ぐには…」
「んもぅ!ままよ!その子を連れてらっしゃい!」
「キャスリンをですか!?」
「キャスリンってあのジャージー牛の?」
「(*゜▽ ゜*)はい♪家の自慢の子ですわ♪」
「花房様には目の前で直搾りにて、ご用意させて頂きますと話しをつけておきますので早々に連れて来て!」
「リョー( ̄^ ̄)ゞかいしました!」
「七緒様は何になさいますか?」
「…」
ドリンクの注文をグレーテに聞かれても物思いに耽
る七緒…
「(-ω- ?)七緒様…どうされましたか?」
心ここにあらずといった七緒の表情に、何か不備があったのでは?と怪訝な表情になるグレーテ
それに気付く七緒
「いっ…いえ、何でもありませんわ
今宵、お婆婆さまは?」
「未だいらしておりませんわ、お婆婆さまに何かご用向きが?」
『第一声がお婆婆さま?
何かご用があって今回のサバトへの参加と言う事かしら?何でしょう?
少し気にかかりますが…
今は七緒様のお飲みと、花房様に牛乳の件をお話ししなければ』
「いえ六郎父さまの後継者となり引き継いだ事に対するご挨拶が未だでしたので、先ずご挨拶したく、どちらにお見えになられるか気になっただけですわ
せっかく爺を直々(じきじき)にご招待くださった事にオマケで着いて来ただけの私ですが、上司として先ずご挨拶しなくてはと、思っただけですわ
今回のお婆婆さまは何を貢ぎ物に顕現されるのですか?早くお会いしとうございます」
「私も初めて、お手紙を頂きまして…
お婆婆さまからは万事問題無いとしか連絡を受けておりませんの…
申し訳ありません」
( ・´ω`・)ショボーーーン
『やっぱり!七緒様はお父上を亡くしたばかり、理由をおつけになられてましたが、お婆婆さまに何かしらの相談事があって参りましたのね』
「そ…ぅ…」
「何かご懸念が?それとも今回のサバトに何かお気に召さない事でも?」
「とんでもないですわ!グレーテ!
貴女に不満など一つもありませんわ!
気を悪くされたのなら謝ります!」
「とんでもございません七緒様!頭をお上げ下さいませ!」
「ありがとうグレーテ♪私、魔女のサバトには初参加ですので楽しみにしてましたの♪よろしくお願いしますね!」
「はいぃ〜♪是非にも!楽しんでいって下さいまし」
コソコソ小声
「七緒様…なりませんぞ」
「あっうん、爺、わざわざ念を押さなくても分かってるわ
多分キョウイチロウの襲撃があるかもしれないだなんて言えないし…
顔に出てたみたい…気を付けるわ」
「それがよろしいかと」
牛を引いて現れる魔女
「グレーテ様!連れて参りました♪」
「なっ!?あの稀少なジャージー牛ですの!?」
驚愕する花房
「はい♪」
「その子の名は何と言いますの?」
「はいグレーテ様、キャスリン三世と申します。」
「はぁぁぁあ!?
キャスリンってあのキャスリンですの!?」
更に驚愕する花房
「はい♪家の自慢の子ですわ♪」
「あり得ません…」
「花房様?何と?」
「あり得ません!と言いましたわ!!!」
「ジャージー牛のキャスリンの系譜は魔族領では途絶えたと聞きました…今や僅かに生き残った牛達だけが現存しているだけと聞きます。
魔族領でジャージー牛のキャスリンの血統は最早、幻の牛と言っても過言ではありませんのに!
何故?そんな稀少な牛が?
私も含めてですが普段は牛種魔族の乳で事足りますので…
まさか搾りたての牛乳が飲めるなんて思いもしませんでしたわ」
「あぁ〜そうですねぇ
お馬鹿な魔族は乳を搾る為に牛は育てませんものね…
牛種の魔獣のお肉より柔らかくて美味いとか言って乳牛を食べてしまいますから…
そのクセ(y゜ロ゜)yヤレ牛乳だ!チーズだ!バターだと!もてはやすのに、本当に何度、牛狙いで村が襲撃を受けた事か!
その度に、お婆婆さまの怒りに触れて、生花の器にされた魔族がどれほど居たか…」
魔女の始祖であるお婆婆ことアンジェリーナは牛を狙って村に来た魔族を怒りに任せて殺したりはしない、お婆婆の拷問のフルコースを喰らった魔族は、同族をアンジュに呼び出され手渡される…
その生かさず殺さずの拷問の凄惨さを物語るかのような牛を狙った同族の状態を見て震え上がる
そして二度と魔女の牛に手を出しては行けないと子々孫々まで伝えるのだ、つまり殺してしまっては次が来る。
それをさせない為に同族を呼び出しお婆婆の拷問の恐ろしさを喧伝させるのだ!
魔族領では、親の言う事を聞かない子供に「そんな親の言う事を聞かない子はワーズワースに連れていかれてフルコースよ!」と躾に使われる程である。
だが…『魔女の牛には手を出すな!』とだけ広まっているので魔女の村に居る牛が、キャスリンの系譜の乳牛でジャージー牛だと言う事は広まってはいない
「あの…ごめんなさい…
私も牛肉派なの…お馬鹿な魔族の一人で…
本当に申し訳ありませんわ」( ̄¬ ̄)ジュル
「花房様!!??家のキャスリンは乳だけですからね!
そんな食べたそうなオーラを放ってはキャスリンが怯えてしまってお乳を出さなくなってしまいますわ!!
それ以上そんな目で見ていたらお婆婆の逆鱗に触れますわよ!」
「だから!ごめんなさいって言っているじゃありませんの!
お婆婆さまの拷問フルコースは、勘弁して欲しいですわ!」
「では、お詫びを要求致しますわ!」
「謝罪したのに!?更に詫びよと?」
「はい…家のキャスリン三世が良いお乳を出す為に、花房様には!搾っている間は毎回歌って頂きたいです!
乳牛は心地よい歌声を聞くとリラックスして乳の出も良くなりますのよ♪
家の乳牛の為に歌って下さいまし♪」
「仕方がありませんわね…
でも、そろそろマレーフィの開会の挨拶が始まるみたいですから…」
「皆様!丁度マレーフィのサバト開会の挨拶が始まるところですわ」
グレーテが花房達に声をかける
「花房様!挨拶の後は乾杯ですわ!お手元に飲み物が無いのは主催する者としての不手際ですわ!
先にお歌を!」
マレーフィが開会の挨拶ではなく、花房に向かって話しかける
「サバト開会前に!?この私に歌えと!?マレーフィ貴女!?私達のやり取りを聞いていましたの!?」
「はい♪花房様に拡声器を」
「何という事でしょう…この私がワーズワースまで来て歌を歌う羽目に成ろうとは…」
「花房様、どうぞ♪」
マイクを手渡される花房
「あぁーあーあーマイクテステス、魔力電源は繋がっている様ですわね」
「花房様♪搾りますので、よろしくお願いします!」
歌う花房…
聞く乳牛…
ぶもぉぉぉおぉぉお〜!ブフォオー!
んもぉぉぉ〜♪
遠く離れた牛舎からも鳴き声が聞こえる程!?
花房の歌声は乳牛キャスリンの琴線に触れたとみえ、リラックスどころか大興奮して乳を出しまくった
( ゜□゜)「こんなキャスリンを見るのは初めてですわぁ〜
少し興奮気味かしら?…
でもイツもの三倍は出てますわね…」
「ふぅ〜
まさかこの私が人前で歌う事に成ろうとは、少し気恥ずかしいですわ」
「そんなバツの悪い顔するで無い花房よ、お前らしい歌声であったぞ♪
キャスリンではないが私の心も内側から震えたわぃ」
「そんな!ギリガン様まで!?(*/∀\*)イヤン」
きまりの悪い顔で照れる花房
「花房様?大ジョッキ三杯もあれば充分でしょうか?」
「あっはい、(。=`ω´=)ぇ?一曲の間にそんなに!?
充分ですわ♪
キャスリンありがとう堪能させて頂きますわ♪」
んも〜ぅ〜
返事をするかの如く鳴く乳牛キャスリン三世
「少し興奮気味かしら?でも良いお乳を出してくれたみたいですわ♪
歌のお礼と言っては何ですが、」
「んもぅ!未だ何かありますの?」
「違います!違います!此方の牛乳もお召し上がり下さい♪」
「それは?」
「家のホルスタインの牛乳ですわ♪ご賞味下さいまし」
「飲み比べが出来ますの!?最高ですわ!ありがとう」
「マレーフィ!始めて下さい!」
グレースの呼び掛けに頷くマレーフィ
「魔女の同胞達よ!お聞きなさい!今宵のサバトはイツもの楽しい夜会にあらず!」
「おぉマレーフィの奴、凛々しいのぅ!様に成っておるではないか♪あやつも一軍の将となり自覚が芽生えたか?実に頼もしい♪」
「ウフフ♪誇らしき我らの村の有能で自慢の魔女ですわ♪」
「嗚呼♪マレーフィよ♪遂に我らの悲願に近づいたと思って相違ないか?」
「然り!我らを虐げてきた人族に思い知らせてやると言う魔女の悲願!
己が信じる神を信じないだけで我らを勝手に異端と認定し!
我らから命を含む全てを奪い!
あまつさえ不眠と言う拷問にかけ誘導尋問にて言われのない虚偽を導いて!
強制的に自分達に都合の良い発言させ、尊厳を奪い!魔女狩りと称して!火炙りにして殺された同胞の数は数えきれない!
憎っき人族を終焉に導く為に我ら魔女は魔王様に恭順の意を示した!」
「そうだ!人族!許すまじ!」
「聞きなさい!私は一軍の将に抜擢されました!皆のお力を貸して下さい!」
「嗚呼♪では!?人族領への魔王軍の大規模侵攻が間近と?腕がなりますわ♪」
「そこぉ!!嬉ションしそうなポーズで!モジモジしない!サバトは始まったばかり!さっさとお手洗いに行って来なさい!」
「違います!そんな粗相は致しませんわ!失礼な!」
「紛らわしいのよ!ならば!モジモジしないでお聞きなさいな!」
「聞いてるわよ!自分と自分で話しの腰を折らないでマレーフィ!」
( ^∀^)アハハ/\/\/\
「そっ…そうね…
魔王領を初めて平定し!
魔界のその全ての魔族を手中に収めた我らが魔王ドンゴロス様の類稀な、お力に人族は怯えて暮らすだけのただの烏合の衆でした!
最早、人族には未来は無く風前の灯…
だった!!…」
「だった?とは!?」
「一人の異世界人の登場によりそれが揺るがされている…」
「なんと!?我らの悲願を邪魔立てする輩が居ると申すか!?
許すまじ!!
又!ハインデルの勇者召喚の儀か!?
彼奴ら本当に鬱陶しい!
して!その勇者が率いるハインデル連合軍の軍勢の規模と人数は?」
「一人…」
「馬鹿な!?あり得ぬ!我ら魔王軍に対して一人で立ち向かえる者など居る筈が無い!
マレーフィ!お主の億里眼は曇ったか!?」
「現に魔王軍が総力を上げて臨んだ二度目の襲撃!アイツ…五番目の勇者は敵わないと見て、己が配下を戦さ場より逃し!そして残った奴一人の手によって我が友アデルフォード様はその手に堕ち…
そして!その父も弟も奴の手に堕ちただけではなく…
バンパイアの軍勢は全てアイツの手に堕ちて魔王軍は敗走した…」
「馬鹿な!?ルドウィン程の男がたった一人の人族如きの手に堕ちるなど!?あり得ぬ!
それに!そんな敵方にくだるような事は!あのルドウィン♡ラブなお婆婆さまが許さぬ」
「魔王様との初見の邂逅では、「捨ておけ!」と言わしめた最弱の五番目の勇者であり…
あまりの弱さにハインデルはその存在をひた隠しにしていた」
「何故!?そのような者が脅威に!?」
「マーモン様と私がアイツに初めて会った時は…
既にそこそこに成長していて、カノープスのお陰で辛くも逃げ延びた」
「何年後か?」
「数日後…」
「はぁ!?意味が分からん!
何故そのような事に!?
魔王様の見立てでは戦力にすらならないと放置を決めた弱者だったと言ったではないか!」
「魔王様、曰く、首の骨を折り息はしていなかったと…」
「死に戻りか!?」
「どうやら魔王様曰く黄泉返りとの事…」
「あの世から戻って来たと!?そんな話しは聞いた事がないぞ!」
「ですが、実際に幼児に若返り…黄泉返りして
我らの脅威と成っています…
現に二度目の強襲時に七緒様のお父上である蹄鉄騎士団のバッファロー六郎様は返り討ちに合い…
討死」
「父上…」。゜(゜´Д`゜)゜。
「七緒様!涙を堪えなさいまし!」
「でも…花房…」
「六魔公爵が一席である七緒様が泣いていては、六魔公の名がすたりますわ!
いつまでも小娘のように泣いていては!威厳も何もあったものではありません!
七緒様!しっかりと六魔公としての尊厳をお持ちなさい!」
「(ノω・、)…はい!」
涙を拭い正面に巻き直る七緒
「何ぃ!?かの末席とはいえ六魔公が一人の六郎様が討たれたですって!?」
「そう…総大将であるバアル様は、その場でバンパイアロードと成った奴を取り囲むように守るバンパイアの一団に阻まれ攻め手を欠き敗走
その時、蹄鉄騎士団の副将の花子様も…」
「六郎様だけでなく副将の花子様までヤラれたと!?」
「奴の両足を切り落とす成果を上げるも…
その足を己が力に変えようと食した結果、花子様は白い聖獣ミノタウロスに進化し、かの者の強制力により下僕にされました」
「馬鹿な!花子様程の剛の者が!?
して?その異世界人の名は?」
「高千穂 峡一郎タカチホ・キョウイチロウ…日本人ですわ…」
「何ですって!?日本!?
憎っくき我らが仇敵ジーパングォの連中の子孫ですって!?
ぐぬぬぬぬ…
一度ならずも幾度となく我らの攻撃を跳ね返して来たジーパングォの一族の末裔とは…」
「ジーパングォには煮湯を何度も何度も何度も…
飲まされて来た…
それはもう、腹立たしい程に!
本当に奴らと来たら、何なの?あの鬼神のような戦い方は!傷を受けても死体を盾に突っ込んで来るし、それにアイツらの武器よ!盾も持たずに両手剣?刀と言ったかしら?
此方の武闘派魔族の両手剣より柔軟且つしなやかでいて突能力に優れ甲冑を貫くだなんて!そんな剣なんて知らない!コッチの剣は同じ事をしても曲がってしまうのよ!それを…刀は甲冑をも貫く…
フーバーの武器ですら同じ事が敵わないだなんて!ジーパングォの武人の士気の高さと身のこなしと武器性能…
今、思い出しただけで身の毛がよ立つ…
魔王軍の重騎士達はその甲冑の重さゆえに直ぐにバテてしまって数時間もしたら一方的に蹂躙されて壊滅の憂き目にあってましたわ…」
「然り!我らの同胞もジーパングォの奴らに何名も討たれ…
転生の秘術を使い木の実となり生き返りを繰り返す内に我ら魔女の村は若者ばかりの村になってしまいました…
次の大規模侵攻で負ければ幼女だけの村になってしまうわ!
それだけは避けなくてはいけません!
魔王ドンゴロス様が統治して下さっている間は魔女村ワーズワースは安泰ですが…
考えたくはありませんが!もし一度、人族に魔王様が討たれてしまうような事に成れば百年先の新しい魔王様の誕生を待たずして我ら魔女の村は自分達を擁護して下さるお方を失い、守る術をなくし滅びるしかありません…
( ; ゜Д゜)なんとしてもそれだけは避けねばなりません!」
「(-ω- ?)んーーー?
魔女達よ?魔王が討伐された後の選択肢は一つだけかぁ〜?
マレーフィお前も同じ意見か〜?」
「なっ!?∑(OωO )!?貴方は?ルドウィン!?どうやって魔女のサバトに!?我らが村、ワーズワースにどうやって入って来た!?
この村はお婆婆さまの防衛結界の中の筈!?
それに!そいつはキョウイチロウ!」
「∠( `°∀°)/やー♪ども♪キョウイチロウでっす」
ザワザワ、ザワザワ
「マレーフィ!?謀ったな!貴女!敵と通じていましたの!?」
「ちょ!待って!待ってぇ!違うし!全然違うからぁ!」
「黙らっしゃーーーーい!!」
∑(O_O;)ビクッ!?魔女一同とギリガン、七緒、花房、硬直!
「お婆婆さま!?」魔女一同平伏
「我がキョウイチロウを今回のサバトに招待した」
「はぁ!?何故!?初代さまがその様な暴挙に!?」
「アンジェリーナぁ!その者がバッファロー六郎の仇と知っての狼藉かぁ!」
「誰が言葉を発して良いと?
ギリガン!お前にも黙れと言った筈だが?」
『流石初代さま…圧が…ヤバ過ぎる…息が出来ない…』
「息を吸う事を許す!」
「 ( ゜∀゜)・∵ブハァ!?」「死ぬかと思いましたわ!」「流石初代さま…」「ギリガン…貴方の第六感でキョウイチロウが現れる予想は付いていたけど…まさか!婆婆さまがあちら側につくとは想定外ですわ」「七緒様…」「マズいですわね…」
口々に偉大なる魔女の初代…婆婆の力の一端に触れ改めてその力を理解する
「ギリガン何かあれば申せ」
「はぁ!?アンジュ!よりにもよって!魔王様の敵と組みするとは何事か!」
「はんっ」
「鼻で笑うなアンジュ!貴様何を考えている?」
「我は魔女達の安寧と己の幸せ、たかがしれた小さき事が望みよ」
「その導き出した答えがコレか!魔女の同胞にすら伝えるのは今か!キョウイチロウは六郎が仇!討たせて貰うぞ!」
「話しにならん!
次!当代の長グレーテよ質問を許す!」
「未だ話しは終わっておらん!アンジュ!
貴様がどう言う考えかは知りたくもないわ!
我ら蹄鉄騎士団はキョウイチロウ討伐に全力を捧ぐぞ!」
「だから話しにならんと申しておる!身の丈も弁えられなく成ったか?老いたなギリガン!」
「ほざけ!七緒様!花房!参るぞ!」
と叫ぶが早いか組み伏せられるが早いか!
気付けばギリガンはキョウイチロウに腕を決められて突っ伏していた…
「なっ!?イツの間に!?痛たたたた!離せ!」
「アンジュ♪話しを続けて!」
「フム( ;-`д´-)邪魔が入ったがグレーテ質問を許す!」
「はい…お婆婆さまは、何故憎き人族の召喚勇者と共にあるのですか?
そして!お婆婆さまは何故顕現出来ていらっしゃるので?」
「フム…キョウイチロウが、この村ワーズワースの我の結界に触れ直接話しかけて来おったのだ」
「はぁ!?お婆婆さまと直接交渉ですって!?あり得ません!結界に触れて交渉などと少し触れただけで直ぐ魔力が枯渇してしまいますわ!」
「その後………を幾度も交わして」
「何を交わして?もっと大きな声でお願いします!」
「恋文!」(*/∀\*)イヤン
「( ̄▽ ̄;)はぁ…
お婆婆さま…話しの続きを」
「フム…キョウイチロウとはその後二時間ほど話し込んだ」
魔女の村の事、
特殊な魔女を復活させる魔女の転生樹の事、
アンジェリーナはその樹より魔力総量が多いため復活出来ないと言う事、
ルドウィンとアンジェリーナ今後の事、
魔女達の安全の担保、
などなど…
「はぁ!?そんな事!あり得ません!触れている間は魔力が吸い取られます!MPが枯渇すれば!後は己が魂で寿命を削らなければお婆婆さまとお話しする事は叶いません!
凡人の魔力量では無理ですわ!」
「キョウイチロウ?我との会話にどれくらいの魔力を消費した?」
「んーー(-ω- ?)?
1/3くらいかな?」
「だそうだ」
「んなアホな!?」
「別に驚く事でもあるまい?我が主人キョウイチロウ殿の魔力総量は三億飛んで三だからな
未だ未だ増えるであろうて」
「魔力総量が3億3!?本当に人族か!?魔神でもそんな桁違いのお方は居ませんわ!」
「(-ω- ?)んーー?我が主人は…
行く先々で毎回付くあだ名が規格外だからな…
私の感覚が麻痺しているのか?」
「しかし!お婆婆さまは現に顕現されてお話しされていると言う事は魔力の供給源はその子供と言う事になりますわね…」
「フハハハハハハ♪キョウイチロウ其方!?規格外と言われておるのか!?
ウフフ♪
( ^∀^)アハハ/\/\/\♪」
「これ!魔女の始祖よ笑い過ぎだ!」
「ルドウィン!他人行儀では無いか?我が名はアンジュと呼んではくれぬのか?」
「なっ!?お婆婆さまとルドウィン様とはその様な間柄なのですか!?」
「昔の話しよ…」キョロキョロ
「ルドウィン!魔女を品定めするなどと!失礼であろうが!」
「あぁスマン…」
「して?どうじゃ?」
「言って良いのか?」
「申せ」
「かなり質の良い娘達だが…
若かりし頃のお前程の美人はおらんな」
「ウハハハハハ♪」
「なっ!?」
「とりあえず我の話しを聞いて貰う」
有無を言わさぬアンジュの圧力に従う一同
「はい…お婆婆さま…」
「許せグレーテ…
我はキョウイチロウと盟約を交わした」
「なっ!?」
「勝手を許せ、此奴の力は本物だ!マレーフィも聞け!」
「されど!人族である異世界召喚勇者と通じて魔王様を裏切るのですか!
今までの人族との確執は?」
「んなもん、我が一番の直接の被害者よ、聞きかじっただけの主らに何が分かる?
魔王軍は今のキョウイチロウを屠れると思うか?
どれ、ルドウィンよ、キョウイチロウの加護による力の一端を見せてやってくれ…」
「面倒じゃのぅ…
ステータスオープン!」
「はぁ!?キョウイチロウの加護!?それに何ですか?この桁違いの数値は!?」
「じゃ私もステータスオープン!」
「キョウイチロウ!?神(仮)!?
はぁぁぁぁぁ!?」
「なっ!?では今回のサバトは何の為に!?」
「我がキョウイチロウに要請した条件は魔女達の安全と住む場所の確保、そして魔女の転生樹の保護じゃ!」
「アンジュ!一番の報告事項を忘れておるぞ」
「(*/∀\*)イヤン
恥ずかしい!ルドウィンお願い♡」
「( ̄▽ ̄;)えぇ〜
お婆婆さまが恥じらってらっしゃる」
呆れる魔女一同
「困った奴よ…
此度!キョウイチロウ様の計らいで我は後妻としてアンジェリーナを妻として迎え娶る事とした!」
「はぁぁ!?お婆婆さま!?正気ですか!?」
「キョウイチロウ殿、頼めまするか?」
「リョー( ̄^ ̄)ゞかい!アンジェリーナ強制三段階種族進化!」
「なっ!?お婆婆さま!?」
\\\└('ω')┘////フォーー!!
「フム…久しぶりの実体…キョウイチロウ殿のお力はこれほどとは」
「えっ!?Σ(・ω・ノ)ノ!?お若く!?」
驚く魔女一同
そしてキョウイチロウに跪く初代魔女アンジェリーナ
「我ら魔女一同キョウイチロウ殿の配下に加わらせて頂きます、今後とも我ら一同をよろしくお願い致したく
私の事はアンジュとお呼びくださいませ」
「うん♪それでルドウィンの後妻になってくれる話しは承諾してくれるって事で良いんだよね?」
「かねてよりの悲願が叶い夢の様です」
「はぁぁぁぁ!?お婆婆さまが若返りルドウィンに嫁ぐぅぅ!?
お婆婆さまを顕現させる為に今まで我らがどれ程の対価を払った事か!
それを一瞬にして若返らせて実体化ぁあ!?」
魔女一同驚愕
「フフフ♪夢なら覚めないで欲しいものですわね…
しかし夢では無い!お前たち!
その身をもって知れぃ!
先ずは年嵩の大きい者から二十人キョウイチロウ様に触れよ!」
「…」
「強制三段階進化!」
\\\└('ω')┘////フォーー!×20
「力がみなぎる?若返って…
魔力!?霊力!?体力!?が全て以前の上限を遥か通り過ぎましたわ!?何ですのこれは!?」
「フフフ♪コレをキョウイチロウ殿の世界ではチートと言うらしい
お前たちが得たのはキョウイチロウ様の加護よ」
「規格外にも程がありますわ!」
「マレーフィ!次は其方達だ、キョウイチロウ殿に触れよ」
「私はマーモン様の配下から独立して一軍を任せられる身になりました…
魔王様を裏切れば配下の者達は…」
「配下?マレーフィ?お前の配下は同胞であろう?此処に全員居るでは無いのか?フォッセルも招待しておるぞ?来ておる筈ぞ?何処に居る?」
「フォッセルまで招待したのですか!?あの子は魔獣連隊の所属ですわよ!
フォッセルは…
あの子は聖獣化してしまった七緒を元に戻すべく命を削って過剰魔力供給を施し…
亡くなりましたわ」
「何と言う事じゃ!フォッセル…」
落胆するアンジェリーナ
「もう出て来ても良いのではアーデルよ?
マレーフィの説得を頼めるか?」
「はい父さま…」
キョウイチロウの影から現れるアデルフォード
「身重のアデルフォード様に無理強いを!?
ルドウィン!いくらお前でも許しませんわよ!
それにアデルフォード様!貴女?何処から出て来てますの!?
あぁ♡カーミラ様のお姿のアデルフォード様も妖艶でいて艶やか♪
億里眼で拝見したお姿よりも…何とお美しい♡」
「マレーフィ!」
抱き付くアデルフォード
「アデルフォード様!?」
「友である貴女と旦那であるキョウイチロウを天秤に掛けてキョウイチロウを選んだ私を許してとは言いません…
でも…今でも私は…私はぁ…」
。゜(゜´Д`゜)゜。
「アデルフォード様!?お腹のお子に響きます!涙を拭いて…!?」
「あっ…」
「今のは!?」
「キョウイチロウの、お腹の子が動きましたわ」
「私も感じました!何と!?アデルフォード様!?本当に母に成るのですね!」
「うん…マレーフィ…子育てに疲れるであろう私と共に居て下さい」
「あぁ嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜アデルフォード様ぁ〜居ます!居ますとも!片時も離れません!愛してますわ!」
「キョウイチロウ…様…私も進化させて貴方様の従者にーアデルフォードさまと共に歩ませて下さいませ」
「マレーフィ強制三段階進化!」
\\\└('ω')┘////フォーー!?
コソコソ小声
「キョウイチロウ様の魔力は無限か?」
ルドウィンに寄り添い聞くアンジュ
「いや、無限では無いが…」
「(-ω- ?)?無いが?」
「ご自身で作られた物を食せば回復する」
「何と規格外!?キョウイチロウ様と居れば今後魔女は人族に怯え暮らさなくてもよくなるのは間違いないか?」
「それは間違いない!それどころか安寧と幸せも約束されるであろう」
「私の選択は間違っていは無かったと?」
「其方の選択に敬意を…
キョウイチロウ殿と共に…
この村のワーズワースの教えにもあっただろう?
始める為に始めるのだ、と…」
「そう…だな…」
「アンジュよ今?幸せではないのか?」
「幸せに決まってるわ♡」
「えーと…ルドウィン?アンジュ?ラブラブな所を申し訳無いが…」
「はい!キョウイチロウ様!申し訳ありません!
幸せを噛み締めてましたわ!何ですか?」
「口調も婆婆から妙齢な女性のそれに変わったみたいだねアンジュ(*≧艸≦)」
「んもう!キョウイチロウ様ったら!イジワルですわね」
「ウフフ♪幸せに成るんだよアンジュ♪」
「はい♡」
「えっと…進化させられる魔女は後何人居る?」
「全員OKです」
「全員!?何人居るの!?」
「此処に居るので全員ですわ」
「えっ!?そうなの!?じゃあ全員進化終了だね」
「もう全員終わらせたのですか!?キョウイチロウ様!?規格外にも程がありますわ!」
「それがキョウイチロウ殿だ」
「ルドウィン!?貴方!?感覚が麻痺していますわよ!
ワーズワースの村の魔女全員といったら100人を超えますわよ!
それを全て今まで以上に進化させるだけでも信じられない所業なのに?全員進化させた?」
「我が主人は全員終わったと申しておる」
「…」
「フハハハハハハ♪アンジュが驚きのあまり言葉に詰まるのも分かる!
キョウイチロウ様の所業は最早!神の御業
オーディン様より賜った、プチ神の雷も放てる!」
「(;゜゜)マジかぁ…
凄いお方を主人としてしまいましたわね…」
「お婆婆さま?…我らはこれから如何様にすれば良いのでしょう?」
「貴女達も私の事は今後アンジェリーナと呼びなさい!」
「はい!!アンジェリーナ様!我らは如何すれば?」
「ウフフ♪魔王軍に反旗を翻したのです!ただでは済まないでしょう!」
「では魔王軍と!?」
「貴女達魔女は平穏無事な生活を求めて私の配下に成ったのです、戦には参加させませんよ!」
「キョウイチロウ様!?それでは我ら一同納得出来かねますわ!お供させてください!」
「ワーズワースは?どうなりますか?」
「それは…」
「アンジュ?範囲結界は?」
「今の力なら拡張と強化は余裕ですわ!」
「やっるぅ♪流っ石アンジュ♪頼める?」
「私が結界内に居れば安全かと」
「(-ω- ?)んーそれは却下かな」
「何故!?魔女の安住の地を確約して下さったのでは!?」
「えっと( ̄▽ ̄;)それだと、せっかく新婚なのにアンジュはルドウィンと一緒に居られないじゃん!」
「それは…淋しいですが…魔女の村の防御結界は必須!致し方無いと言いますか…」
「グレーテ!引き続き出来るよね?」
「はい〜♪キョウイチロウ様に三段階種族進化させて頂いたので余裕ですわ!」
「じゃあ頼めるかな?」
「はい♪アンジェリーナ様、スキルはキョウイチロウ様のご加護にて取得しておりますが詳しく教えて下さいまし♪
貴女様はルドウィン殿との甘い日々をお過ごし下さい♪」
ウィンクしてみせるグレーテ
「言う様になりましたわねグレーテ!私を揶揄うとは!」
「アンジュ!ステイ!」
「ううぅ」
照れて真っ赤なアンジェリーナを宥めるキョウイチロウ
「ウフフ♪生きて居る間に初代さまのこの様なお姿を拝見出来ただけだ私!幸せです!
後の事はお任せ下さい♪」
「アンジュよお前がキョウイチロウ殿と交わした密約の通りだ!
魔王領を!ぶん取りに行くぞ!
そこに我らが安住の地を作るのだ!
当面はキョウイチロウ様がご用意したジーパングォの土地に移住してもらう!」
「頼もしい旦那様♡付いて行きますわ♪共に参りましょう、マレーフィ他数名は連れて行きますけどグレーテ留守は頼みましたよ」
「お任せ下さいワーズワースの上位魔女10名の力があれば村一つ守るなど造作もありませんわ!
今の力なら、かのデセスペーロ・ブエノですら侵入は許さない自信がありますわ!」
「過信はしない様に!何かあったら直ぐ連絡してねグレーテ!
それと!転移ゲートが使えるように成ってる筈だから何かあったら直ぐ逃げるように!
引越しが終わるまでは細心の注意を払って!」
「キョウイチロウ様の御心のままに!
留守はお任せ下さい!行ってらっしゃいませ」
「ウフフ♪お辞儀か…
カーテシーを覚えてもらおうかな」
「では防御結界の構築を始めます!」バサーーー!!
「何故脱ぐ!?」
「キョウイチロウ様…魔女の戦姿はご存知無いので?」
「(*/∀\*)知らない!知らない!」
両手で目を覆い見ないようにするキョウイチロウ
「私達魔女は基本的に魔力の放出を妨げる布は身に付けません」
「はぁ!?」
「基本的にレッサーデーモンなども服は着てませんでしょう?」
「それは…本で見た事はあるけど…」
「魔女も一緒ですわ、結界の構造を覚えて欲しいのでキョウイチロウ様も見ていて下さい」
「それは進化させる時に入手済みだから大丈夫!」
( ・´ω`・)ショボーーーン
「グレーテ…キョウイチロウ様に見て欲しそうですわよ?
頂いた力を発揮する機会を主人に見せたいとヤル気満々です」
「ちょっと待ってね…
ルイーズ!例の服は!?」
「準備万端にて!」
「じゃあ頼める?」
「かしこまりました」
優雅にカーテシーを決めるルイーズ
「それでは皆様此方に!マイクローゼット!服を着て頂きますわよ!」
「は…ぃ…」( ・´ω`・)ショボーーーン
落ち込む全裸の10人の魔女たち
「服を着てしまったら本来の魔女の力は出せませんのに…」
「アンジュよ♪キョウイチロウ殿は?どの様な御仁だ?」
「規格外!」
「そうだ!キョウイチロウ殿がルイーズ殿に頼んで作らせた服は魔力を増幅する効果があり身に付ける宝飾品にも付与されておる」
「では!?服を着たままでも!?」
「最大魔力値を引き上げる事が出来る!」
「規格外!規格外にも程がありますわ!」
「その内に慣れる」
「慣れる!?主人の規格外に!?
私一人くらいは常識人でありましょう」
暫くして…
「主人様、お着替えが終わりましたわ」
「おかえりルイーズ♪首尾は?」
「上々!後は見てのお楽しみと言う事で
おいでませグレーテさん」
「これは…何と言う服でしょう?
ルイーズ様のようなメイド服では無いのですか?」
「キョウイチロウ様がご想像された魔女の衣装にございますれば…」
「とんがり帽子に!黒のワンピースドレス!そして!杖!
(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)ウンウン
イメージ通り!流石ルイーズ!良い仕事してる♪」
「お褒めに預かり恐悦至極、ですが杖はキョウイチロウ様の作ですわ」
「どう?グレース?」
「えっと…魔力総量は上がりました…」
「不満?」
「出来ますなら…」
「うん?出来ますなら?」
「もう少し布の面積の少ない服を」
「全員!?」
「いえ!私はクローゼットにあった別の服!
マジカル魔女っ子衣装なる服に興味がありまして!
試着してみても?」
「いえいえ!私は!あのガーターベルトと網タイツの魔女衣装なる物が着てみたいですわ♪」
「私は!リアンと名札のあったバトルメイド服成る衣装が!」
「私はあのジーパングォ風メイド服が!」
「私は…このままでも…良いですけど…ルイーズ様のクローゼットには赤の下着がありまして…あれを着用してみたいな…と…後…真ん中が盾に割れた。あの下着は?下着として機能していますの?キョウイチロウ様がご考案なさったので?
それも用途を詳しく教えて頂き、頂戴出来れば嬉しく思います」
「何と!?ルイーズ様のクローゼットは!?どの様に成ってましたの!?」
「アンジェリーナ様ぁ♡服も多種多様でしたが!
下着と化粧品♪化粧室の品々の充実ぶりが♪
ヤバいですぅ♡」
「ルイーズ様!我らも!?入室可能なので!?」
100人の魔女全員がキャイキャイと姦しい
「キョウイチロウ様!収集が!」
揉みくちゃにされるルイーズ
「良し!結界再構築したら皆に欲しい服を二着!欲しい下着を三着プレゼントするから!早々に引越しの準備をして下さい!詳しくはそっちで!転移ゲートオープン」
「かしこまりぃ〜♪」×100
「あのぉ?家族と同等の扱いをしてる乳牛も一緒でも?」
「勿論!」
(*゜▽ ゜*)パァー
「∠( `°∀°)/やーったぁ♪キャスリン!お前たち♡一緒に行けるって♪」
んもぉぉぉぅ♪
「ウフフ♪良し良し♪良かったわね貴女達…
それと…」
「未だ何か?」
「先程からキョウイチロウ様にピッタリと引っ付いているその人は誰でしょうか?」
「この子?魔女の転生樹の精霊だね」
「はぁぁあ!?」
「ルドウィン!どう言う事ですの!?」
「どうも、こうも、見ての通りよ!キョウイチロウ様は、かの有名なエルフの里の世界樹の精霊であるエフィーロ様を妊娠させる御仁だぞ、この世界の樹の名を関する植物は、全て庭師であるキョウイチロウ様にゾッコンよ♪」
「貴女様が魔女の転生樹様であらせられますか!?」
「…」
「未だ精霊として顕現出来て間もないから…
あまりグイグイ来ないで貰える?
追って挨拶させるから」
「ふぇぇぇ…
何とした事でしょう初めてお会い致しましたわ」
「フハハハハハハ♪かのアンジェリーナですら初見とは長生きしてみるモノだな♪」
「凄過ぎて…言葉もありませんわ…」
( ゜д゜)じーーーーー
|彡サッ!
キョウイチロウの後ろに隠れる魔女の転生樹
「だから、未だ産まれたばかりの名もなき精霊だから、マジマジと見ない!」
「ははぁ!失礼致しました!」
「キョウイチロウ…様…」
「おっ?喋った!どした?」
「私…名前が欲しい…です…」
「アンジュ?魔女の転生樹にエフィーロみたいな名前は無いの?」
「ありません」
「ふぅ〜ん…」
「名前付けて♪主人♪」
「おぉ♪可愛い声♪」
「(*/∀\*)イヤン」
「あぁ〜ごめんごめん!
皆にあんまり見詰めないでって言っておきながら私があまりの可愛さに見詰め過ぎちゃった」
オロオロするキョウイチロウ
「主人…私…」
「うんうん♪どうした?」
「名前付けて貰ったら…私も進化させて欲しい…」
「(=`ェ´=)フフフ
私の種族進化も進化してます!幼くても進化は可能!
移動は出来る?」
「多分…可能…です」
「フムフム、では仮の魔女の村に異世界圃場を作るからそこで更なる成長を遂げれば♪
色々と未使用スキルが使えるように成ると思うけど、行く?」
「行く、そこでアンジュ達を見守る」
「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜
転生樹様ぁ!有り難やぁ〜♪
何とした事じゃルドウィン!魔女の転生樹様が精霊として顕現しただけで無く、私達を見守って下さるとの言質まで頂けるとは!これほどの幸せは無い…
。゜(゜´Д`゜)゜。」
「アンジュよ良かったな」
「おぉルドウィン!お前の言った通り!ドンドン幸せが舞い降りて来る」
「アンジュ」
「キョウイチロウ様♪」
「アンジュ、舞い降りて来てるんじゃないよ…
今までアンジュがして来た魔女達を大事に思う心を、転生樹を大切に大切にして来た事を、この子は見て来て知ってるんだよ…
アンジュ、全てお前の頑張りが実を結んだ成果だよ舞い降りて来てるんじゃない♪
お前の頑張りの成果だよ!」
「キョウイチロウ様ぁ。゜(゜´Д`゜)゜。その様な事を言って貰ったのは初めてですぅ〜」
「(゜ー゜)。。)゜ー゜)。。)ウンウン♪長い間、魔女のトップとしてお前も気を張ってたんだな…
ヨシヨシ( T_T)\(^-^ )良く頑張りました♪」
泣き崩れるアンジェリーナ…
オドオドしながらも近付き肩に手を添える魔女の転生樹
「おぉ!おぉぉ。゜(゜´Д`゜)゜。転生樹様ぁぁ!」
「ウフフ、良かったねアンジュ♪」
「はいぃ〜♪この様な事態!想定もしていませんでした!」
「アンジュよ、我が主人は規格外だろ?」
「ルドウィンよ!その様な簡単な言葉では言い表せぬわ…
何と言う幸せか!」
気付けば転生樹は、膝立ちでアンジュを抱きしめてていた
「我の頑張りは今正に報われた♪」
「良かったねアンジュ」
「キョウイチロウ様!臣下にして頂き誠にありがとうございます!」
「さぁ涙を拭ってアンジュ♪ルドウィンとの新しい門出に涙は似合わない!」
「はい!キョウイチロウ様!転生樹様!もぅ大丈夫です!ありがとうございます♪」
軽く頷き、キョウイチロウに駆け寄り抱き付く魔女の転生樹
「名前かぁ…
アンジュは荊棘を操って魔女の村を守って来たんだよね?」
「はい」
「では!この子の名前はツタを意味するアイビーにします!どう?」
嬉しそうに微笑む魔女の転生樹
「アイビー♪我が名はアイビー♪
コレをアンジェリーナに…」
「(-ω- ?)んっ?何?杖?」
「何と!?それは!?守護樹木のワンド!?」
「凄い物なの?」
「凄いなんてモノではありません!世界に二つと無い杖にございます!
アイビー様!?その様な物を私に下さるので!?」
「アンジュにあげる、アンジュだからあげる♪これからもよろしく♪」
「おぉ!おぉぉお…アイビー様…
ありがたき幸せ!後生大事にさせて頂きます…」
「良かったねアンジュ、これからもアイビーと仲良くね」
「はい(ノω・、)キョウイチロウ様」
「キョウイチロウ様…アイビーを進化…して…」
「アイビー強制三段階種族進化!」
「んん〜♪」
目を閉じ伸びをする様なポーズを取りながら進化するアイビー
「\\\└('ω')┘////フォーー!じゃ無いんだ!?
進化の仕方が大人しい!?
控え目(*≧艸≦)」
「ありがとうございます主人♪これから徐々に成長して行くと思うから長い目で見てね♪」
「分かったよアイビー♪あんまり無理はしないでね♪」
「はい♪主人♪アンジュ共々よろしくお願い…します…」
(。-ω-)zzz
「寝ちゃったか?少し頑張り過ぎたみたいだね」
「私にお任せを!」
アイビーを抱き抱えて立ち上がるアンジュ
「まるで我が子のよう♪だね(*≧艸≦)」
「私…幸せです」
「未だ未だぞアンジュ♪長き時を、回り道したが我ら二人共に幸せに成ろうぞ」
「(-ω- ?)んっ?ルドウィン?何を言っていますの?
我らはキョウイチロウ様の加護を得て実体を得てるのよ、故に子も成せる筈
二人ではなく三人に成るかと♪
ルドウィンがもっと欲しい♡と望むなら私は…」
(*/∀\*)イヤン!これ以上は私に言わせるな」
「って待たんかぁ〜い!!!我らを無視して話しを進めるとは馬鹿しているのか!?」モシャモシャ
「くっ!ルドウィンをアンジェリーナ様と再婚させる事が目的でしたのね!想定外ですわ!
ギリガン様を離せキョウイチロウ!
馬頭!共に行けますか!?」
花房と七緒が吠える
「勿論でさぁ!任せて下さい七緒様!イツでもいけますぜ!」
「キョウイチロウ様、ここは私が三人の相手を致しますので魔女達の移住の方を進めて下さいませ」
「うん♪アートお前に任せた♪
コッチがひと段落付くまで律儀に待っててくれたんだ、それ相応に向こうが納得するまで相手をしてやって、ギリガンは、取り敢えず麻痺かな」
「くっ!動けぬ…」
「ギリガン様!」
「爺!」
「卑怯なりキョウイチロウ!」
「このワシが足手纏いと…は…」
「お三方とも?準備はよろしいですか?」
「何ぃ!?貴女は?花子か!アートとは何だ!」モシャモシャ
「花子ではありませんわ!我が名はアートです!キョウイチロウ様より新しき名を賜ったのです!
キョウイチロウ様より進化して頂き!
新しく生まれ変わった我が名はアート!
今後は花子とは呼ばないで下さいまし!
ステータスダブルオープン!」
「なっ!?何ですのそのステータス数値は?以前とは別者ではありませんか!?
ダブル?」モシャ…
「(=`ェ´=)フフフ伯母様の反芻が止まる程、驚いていらっしゃるご様子ですわね」
「何で二つもステータスがありますの!」モシャ
「私は!キョウイチロウ様のお子を宿しています!」
「何ぁにぃ〜花子!貴女!敵方の総大将に身体を許したと!?」モシャモシャモシャモシャ
ゴックン!反芻していた草を飲み込む花房
「花房伯母様!伯母様は常日頃仰っておいでてしたわよね?ミノタウロスは力こそ正義!
力無き者は持たざる者を蹂躙しても良いと!
花房伯母様のステータスは未だ生を受けて数日のキョウイチロウ様の私のお腹のお子にすら及びません!
私に敵うとでも?」
「言いましたわね!花子!その腐った性根を命ごと絶ってあげましょう!」
「俺もお供しますぜ!花房様!」
花房、馬頭、全力でバトルアックスを振りかぶり放たんとする…
刹那!
一瞬にして二人の背後に回り込み、親指と人差し指の二本の指でバトルアックスをつまんで止める
「なっ!?花子!?イツの間に!?しかも!?そんな華奢な人族の成りで、二本の指だけで私達のバトルアックスを止めるだなんて!?有り得ませんわ!?」
「あり得ねぇ!」
「これが、キョウイチロウ様の加護のお力の…
(y゜ロ゜)y一端ですわ!
それと花子などと呼ばないで下さいまし!
我が名はアート!キョウイチロウ様の忠実なる僕のアートですわ!」
「コレが一端!?それこそ有り得ない!」
「花房伯母様…現実を見るのです」
クリッっとつまんだバトルアックスを捻るアート
「キャッ!?」
「うぉっ!?」
「花房伯母様…可愛いお声ですわね(*≧艸≦)」
(*/∀\*)イヤン
「未だやりますか?」
「花房!退きなさい!」
ピクっ!
ギリガンを押さえたキョウイチロウが動こうとするも
「キョウイチロウ様!動かないで下さい!私一人で充分ですわ!」
「うっうん分かったアート任せた」
( ̄▽ ̄;)
「この私を舐めているのですか!
後悔しますわよ花子!」
デコ(`・ω・)−☆(>д<`)ピンっ!
「痛っ!?」
おでこを押さえてのたうち回る七緒
「七緒様…大袈裟な…ただのデコピンですのに」
『これが…デコピン!?首がもげるかと思いましたわ…
あれ程迄に魔獣と戦う日々を繰り返しても未だ足りませんの?キョウイチロウ…底が知れない
此方の世界に来て魔王様に簡単に屠られその時には脅威として認識すらして貰えなかった男の加護を得ただけでこんなに力の差が出るだなんて…キョウイチロウの加護ですって理不尽にも程がありますわ
花子姉一人に我ら三人が子供扱いだなんて…
本人はどれ程の実力だと言うの?
私の命をかけてもあの男、六郎父さまの仇のキョウイチロウだけは魔族の未来の為に殺す!』
キョウイチロウに向かって走り出す七緒
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
「何処へ行きますの?七緒様?」
「はぁ!?イツの間に!?くっ!」
アートに後ろから羽交締めにされ足をバタつかせる七緒
「七緒様!」
「花房伯母様!降伏を!
オノも取られ、実力差も見せ付けられた!これ以上は無意味ですわ!
たかが私如き一臣下にすら手も足も出ない現実を受け入れなさいませ!
それでもミノタウロスは力こそ全てと仰った言葉に偽りがあると言うなら、かかって来るといいですわ…
未だ本気も出していない私を倒す自信があると言うならですが」
「七緒様!馬頭!これまでですわ!
これ以上命懸けで望んでも姪にすら敵いませんわ!
こんなのキョウイチロウとやっても犬死にです」
「花房!それでもキョウイチロウは父上を殺した憎っくき仇!
魔族の未来の為にこの命にかけても討たなければ成りません!」
「ギリガン様も組み伏せられて、ご自分は半ば人質、私達にどうせよと?
先程から足をバタつかせているだけで他に何か出来ますか!
お二人を見捨てて馬頭と共に挑んでも、一矢も報いる事、敵いませんわ!完敗です。
ミノタウロスの掟に従い強者の物となるのは運命
キョウイチロウとやら!私は殺されても!どう成ってもかまいません!七緒様とギリガン様の!お命だけは担保して下さいませ」
「俺の命も要らねぇ!お二人を助けて下せぇ!」
花房と馬頭に近付くキョウイチロウ…
「強制三段階種族進化!」
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
「何をしましたの!?」
「何じゃこりゃあ!?」
「流石は花房伯母様…私とは自力が違い過ぎますわ…
花房伯母様がキョウイチロウ様の加護を受けては、私はもう敵いませんわね…」
「力と…母乳が!溢れて止まりませ〜ん♪
何ですの?この湧き上がる力と高揚感は〜♪」
「こんなのヤバ過ぎるだろ?」
「それがキョウイチロウ様の従者に成った証ですわ♪擬人化は可能ですか?」
「今の貴女の様な姿に成れるかと言う質問ですか?愚問ですわね姪の貴女に出来てこの私に出来ない筈が無いでしょう!」
「(;゜д゜)アッ…待って!花房!」
カシャン
鎧が落ちる音
「あぁ、そう言う事ですか、そりゃ、こうなりますわね」
「花房!馬頭!隠して!」
「別に主人であるキョウイチロウ様に見られても何ら問題はありませんわ、乳房も乳首も六つちゃんと有りますから、主人様♪品定めして下さいまし」
ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ ホレホレホレホレホレホレ
「……花房様!爆上がりのステータスに喜ぶのは理解出来ますが!ご自重を!」
「待て!待ちなさい花房!ルイーズのクローゼットでお着替えを!
まったく毎回思うけどコッチの人の羞恥心ってどう成ってんのよ!おかしいでしょ!馬頭はまともでいい子にしてるのに!
ルイーズ!早くして!花房用の服を!」
「セバス!馬頭の衣装も用意!」
「はいキョウイチロウ様!」
「無理ですわ!」
「∑(゜Д゜;)!?ルイーズ!?何で!?」
「乳房が六つある服なんてありませんわ!それに下着もありません!
キョウイチロウ様には花房をじっくり見て頂き花房用の服をご創造くださいませんと」
「うぇぇえ!?本気で言ってるルイーズ!?採寸して作るとか出来ないの!?」
д゜)チラッ
花房を見るルイーズ
チラッ・)・)
ルイーズを見る花房
「花房!その乳乱ってオッパイでコッチ見てます的なのヤメテ!
何で擬人化したのに二つじゃ無いのさ!」
「私は突然変異種のミノタウロスですので乳房は六つですわ…
それを何でと言われましても」
( ゜д゜)じーーーーー
「ルイーズ!分かった!分かったから!そんなに綺麗な立ち方で待たないで!」
「お早くお願いしたく!共にマイクローゼットへ」
「分かりました!花房!おいで!」
「はい〜♡」
「何でそんなに嬉しそうなの!?」
「ウフフ♪女子とは幾つに成っても着飾る事が出来るとなれば嬉しいモノなんです♪
それが主人に下着まで自分用の物を仕立てて貰えるとも有れば嬉しく無い筈がありませんわ」
暫くして…
「どうでした?花房伯母様?」
「キョウイチロウ様は神(仮)ではなく神ですわね♪
コルセットタイプの六つ乳房が収納可能な下着をあっという間に、ご創造されてルイーズ様に的確な指示の元に作成させましたわ、服の着心地も最高ですわ♪でも…貴女には敵わないようですわね…
同じ条件で姪に勝てないだなんて残念ね」
「(。=`ω´=)ぇ?キョウイチロウ様?何故です?」
「あぁ…私が望んだ事では無いけど…アートは私の両足を食べてるから」
( ̄▽ ̄;)
「それでは!?キョウイチロウ様を血肉に変えた者は更なる力を得ると言う事でしょうか!?
魔族に知れるとマズく無いですか!?」
「私の足を食べて、己が力に変えようとしたアートはどう成った?」
「神聖値が爆上がりして聖獣ミノタウロスに…
(;゜д゜)アッ…
キョウイチロウ様の下僕になりました!」
「言い方!下僕にした覚えは無い!臣下ね!間違えないで!」
「つまり?魔族がキョウイチロウ様の血肉を我が物としようとしても…キョウイチロウ様から身も心も二度と離れられなくなると♪」
「言い方!従者に成る!ねっ!私から離れられなく成る訳じゃないからね」
「現に私はキョウイチロウ様にゾッコン!ですわ!」
「はいはい♪ありがとうアート♪その気持ちは大切に頂いておきます」
「ありがとうございます!!!」
「じゃあ七緒もギリガンも進化しようか?
麻痺解除!」
「ギリガン?動けるかい?」
「…」
「くっ!父の仇に組みするくらいなら!自ら命を絶ってやる!」
「待たれよ!七緒様!」
「爺!?何で!?何でよぅ〜!こんなのってあんまりだわ〜!」
「七緒よ…」
「ルドウィン様!?」
「キョウイチロウ様の強制力が発動していたとはいえ、六郎めを直接亡き者にしたのは、この私…
憎むなら私を憎め!」
「そんな!?それこそあんまりですわ!アデルフォード様、ルードリヒ様には実の妹のように可愛がってもらい、父さまより相談に乗って下さっていたルドウィン様を恨める筈なんてありませんわぁ〜
。゜(゜´Д`゜)゜。うぇ〜ん!」
「お前は、マレーフィを姉と慕う者、そのマレーフィが好いてやまないアーデルからも可愛がられておったな…
ルードリヒも、よくお前の話しを私にしていたぞ
可愛い妹が出来たようで目が離せないと…」
「はい…
アデルフォード姉様もルードリヒ兄様も大好きです…
(ノω・、)」
「六郎の事、済まなく思う」
七緒を抱きしめるルドウィン
「ルドウィン様ぁぁ。゜(゜´Д`゜)゜。」
「最早、是非も無し…我も好きにせよ」
「お二人ともお聞きなさい!」
「何?花房?」
「何じゃ?」
「私、前々から魔王には物申したかったんです!」
「はぁ!?」
「花房!貴様!魔王様に意を唱えるか!?」
「当たり前ですわ!
そもそも魔王は動きが鈍い!」
「はぁ!?初回キョウイチロウ強襲の際は迅速以外の何ものでも無かったじゃろ!」
「否!そこではありませんわ!
そもそもです!魔族領を平定した勢いに任せて人族などあっという間に平らげて仕舞えば良かったモノを!
イツ迄も部隊編成だ、新しい役職を作って役職選定だ、任命だ、序列を決める為に文武を分けて競わせて、その結果を元に序列を決めて任命だとか!
四天王と魔王が居れば参謀に留守を任せて各部隊など作らず魔王の下知の元に全軍で攻め込めば人族など軽く滅ぼせたものを!
(y゜ロ゜)yモジモジしやがって!行動が遅せぇんだよ!王道?覇道?そんなもん知るか!
そんなんしてるからキョウイチロウ様にいい様に弄ばれるんだよ!
魔王の元を離れられて、せいせいしたわ!
キョウイチロウ様の元!ガンガン魔族領に攻め込んでボロッボロにしてやんよ!」
「花房!ステイ!落ち着け!色々と溜まってたのは分かった!分かったから!
でもガンガンは行かない!ネチネチ行く!」
「ネチネチ!?いやらしい!」
「やらしくは無いよ( ̄▽ ̄;)」
「何故!ガンガン行きませんの!?」
「ガンガン魔族領に進んで、補給は?飲まず食わずでガンガン進むの?
花房は新しく取得したスキルは使わない方向?
お試しも無しに新しいスキルに頼る?
私と訓練しない?」
「ムキーー!!
誘惑の仕方が巧妙ですわね主人様は!
それに諭す方法も理にかなっていて反論の余地がありませんわ!
本当に歳相応の若さですの?50年も生きていない者の思考回路だとは思えませんわ!
活気盛んな、この私を理詰めで納得させるなどと、惚れてしまいましたわ♡」
「魔王も花房みたいな大切な部下を消耗品の道具みたいに使いたく無かったんだと思うよ…
私の世界の言葉に、敵を知り己れを知れば百戦危うからず、ってのがあってね」
「ほほぅ…言葉のまんまですわね?」
「そそ」
「主人は私に闇雲に突っ込むなと仰りたいと…
フムフム、はいはい、」
「平定したら内政に目を向けて再編成は常」
「常識であると…」
「そう!捕虜は?ガンガン攻めて行ったらコッチの部隊より多くの捕虜が発生するよ!
ガンガン行ったら敵地の奥深くで夜襲に怯えながらの野営で気は休まるかい?
兵站も構築出来ない戦は間違いなく負けるよ!」
「そうだぞ花房!魔王様は考え無しに慎重に成った訳で無い!」
「キョウイチロウ様の出現を許してしまった魔王は、ハインデルだけでも陥落させて勇者召喚の儀を使用不可能にすべきでしたわ!
ハインデルを押さえていれば勝ち目もあったでしょうに…
最早、魔王が主人様に勝てるとは思いませんわ!
アナタ達も早急にキョウイチロウ様に進化して貰いなさい!そしてそのお力の一端を知るのです!
キョウイチロウ様!お願いします!」
「七緒!ギリガン!強制三段階種族進化!」
七緒\\\└('ω')┘////フォーー!
ギリガン\\\└('ω')┘////フォーー!
ぶもぉぉぉぉおおぉ〜!!
うぉぉお〜!!
「私!?…進化してキョウイチロウ様の加護を得てミノタウロス形態に!?」
「おぉ!七緒様!何と凛々しい♪水牛種のミノタウロス!六郎と比べても見劣りしませんぞ!
あな嬉しや(ノω・、)」
「ギリガン!私!私!こんな事って…こんな形で願いが叶うなんて、あり得ませんわぁ〜」
抱き合う二人に花房が近寄り、二人を抱きしめる…
「七緒様…甲冑が弾け飛んでますわ、元通りの人族形態になったら全裸をキョウイチロウ様に晒す事になりますわよ」
「それは恥ずかしいですわね…何とかなりませんか?」
「何とかなるよ♪ルイーズ!今回は私が居なくても大丈夫だよね?」
( ゜д゜)じーーーーー
「無言!?駄目なの? 何で!?( ; ゜Д゜)七緒は12歳だよ!コンプライアンス的に未成年の裸は駄目でしょ!
早急に七緒の着替えを用意してルイーズ!」
「そのキョウイチロウ様の仰るコンプライアンスなるものの意味が分かりませんわ、コチラの世界には無い言葉です。」
「法令厳守って事!」
「何処の国の法律がキョウイチロウ様を縛れるのです?」
「だったら!ルイーズが厳守するのは私が作った法律って事だね!私が決めた法令厳守をと言ったらルイーズは守る訳だね?」
「チェッ、流石はキョウイチロウ様ですわ、此方の思惑なんてお見通しで抜け道を探して裏をかきますか…」
「ルイーズ!いい加減にしないと怒るよ!
未成年が、むやみやたらに裸を晒すのは違法!
親の同意があろうとも駄目!
良い?分かった!」
「はぁ〜い」
「ルイーズ!メイドの嗜みとか立ち居振る舞いがどうとか厳しく問うてた人と同じ人物か!?キャラ変わってないか!?」
「別っつにぃ〜
私は私のままですが、何かご不満でも?」
「有り有りじゃルイーズ!」
スコーン!
「痛っ!アナタ!?」
セバスチャンに、から竹割りチョップを受けて頭を押さえて、うずくまるルイーズ
「最近、私と出会った頃のお前に限りなく近づいておるぞ!己が立場を弁えろ!主人を揶揄い愚弄するなどと自重せよ!
キョウイチロウ様の優しさに甘え過ぎじゃ!少し弛んでおるぞ馬鹿者が!」
「愚弄などしてませんわ!」
「では?私にも聞こえる程の舌打ちが失礼に当たらないと?」
「それは…」
「己が行動を振り返り自重すると誓え」
「はぁ〜い」
「これ!ルイーズ」
から竹割チョップ
「痛っ」
「はい!」
「お前はメイドとして私はバトラーとして最年長ぞ、後続に続く若者に伝える義務があるのだ」
「私達、今、20歳ですけどね♪」
「人の揚げ足を取るでない!」
から竹割チョップ
「痛っ」
「自重せよ!ルイーズ!」
「かしこまりました」( ・-・ )スン
「分かれば良し!」
「若干増長する者も出て来たけど…
(*≧艸≦)何だか皆んな幸せそうだね」
キョウイチロウがルドウィンに呟く
「そうですな♪キョウイチロウ様と共に歩むと決めた者はすべからく幸せに成っております。
かく言う私も…」
アンジェリーナを右腕で抱き寄せる
「まっ!?ルドウィンったら(*/∀\*)イヤン
皆の前でなんて恥ずかしいわ♪
アイビー様が起きてしまいますわ」
「まんざらでもなさそうだが?」
「長年、慕い続けた思い人と添い遂げられるのです…
抱き寄せられただけで幸せだなんて♪
キョウイチロウ様には感謝しかありませんわ」
「だな♪」
「はい♡」
「あの…主人様…一つお願いがございまして…
叶いますでしょうか?」
「何?七緒?叶える叶えないの前に先ず願いを言って貰わないと可能も不可能も返事出来ないよ
( ̄▽ ̄;)
あと私の事はキョウイチロウで良いよ」
「私に魂と命を削って魔力供給をして下さった、大切な人が居まして…」
「MPの過剰供給か!?その人はイツ亡くなったの?そして何処に居るの?埋葬しちゃった?火葬?」
「私のアイテム袋に棺ごと入ってます」
「今直ぐ出せ七緒!」
「はっ、はい!キョウイチロウ様!?」
慌てて自分のアイテム袋から棺に入ったフォッセルを出して蓋を開ける七緒
「…」
「如何です?」
「状態最高♪オッケー♪ガブッ!!チューチュー」
「キョウイチロウ様!?何を!?」
パチッ
目を開けて起き上がるフォッセル
「ふわぁ〜良く寝たぁ〜♡
七緒は?」
「七緒は?じゃありませんわ!フォッセル姉様!!!!!!!!!!」
抱き付く七緒
「ふぇっ!?貴女?七緒なの!?未だ白い!?私?失敗しましたの?黒髪に戻りかけてた筈なのに!?
ってか!?何その姿は!?ミノタウロス形態!?何がどう成ってますの!?
ってか七緒!痛い!痛い!痛い!そんなに力一杯抱きしめたら痛いってば!」
「フォッセル姉様!姉様!姉様!姉様ぁぁぁぁぁ!
。゜(゜´Д`゜)゜。」
「は?えっ?何?七緒?何で泣いてるの?」
「フォッセル…(ノω・、)二度とあんな馬鹿な真似はしないで頂戴」
「マレーフィ姉様?
(。=`ω´=)ぇ?」
「貴女、七緒に魔力供給し過ぎて死にましたのよ」
「はぁ?意識は朦朧としてましたけど…
私って死にましたの!?私…棺に入ってますもんね…
ってか?ここ何処?魔女の村みたいだけど?
私?起きましたから生きてますよね?
(-ω- ?)んっ!?(。=`ω´=)ぇ!?
魔女達のオーラが半端ないんだけど?
ってか私も!?
ステータスオープン!
ビクゥッ∑(OωO )!?はぁ!?何ですか!?この数値は!?神(仮)バンパイアロードキョウイチロウの眷属!?
は?はぁ?はぁぉぁぁ!?
種族!?バンパイア!?闇の眷属!?
(。=`ω´=)ぇ?何!?意味分かんない?は?えっ?
キョウイチロウって!あのキョウイチロウの事?
その眷属?私が?
うぇぇえぇぇぇぇえええ〜!?」
「そりゃ驚くわな( ̄▽ ̄;)自分が死んだ事にすら気付いてなかったんだから…
初めましてフォッセル、私が君の主人に成ったキョウイチロウです。
望んだ復活では無かったかも知れないけど君は私の眷属に成ったから、不本意かも知れないけどよろしくね♪」
「此処が魔女の村のワーズワースで、全ての事が終了済みと言う事ならマレーフィ姉様も?」
「うん♪そうだよ!マレーフィも村の魔女達全員も、魔女のサバトに来てた七緒もギリガンも花房も御者の馬頭も全員の了解を得て従者にした」
「はぁ!?六魔公である七緒様まで?ギリガン様も了承!?あり得ないんだけど!
特に花房様がご納得するだなんて!」
「フォッセル!私が何か?一番ゴネてるとでも?」
「花房様!?まで白い…ってか人族みたいに成っちゃってますぅ?」
振り返り驚くフォッセル
「そうよ!今まで魔王の元でモヤモヤしていた気持ちが、スッキリと晴れましてよ」
「はぁ!?」
「はぁ!?じゃありませんわフォッセル!さっさと棺から出て主人であるキョウイチロウ様にご挨拶なさい!」
「うわぁ〜…
全っ然!理解が及びませんわ…
少し待って下さいね…
何でしょう棺の中に居るとメッチャ落ち着くんだけど?
(;゜д゜)アッ…バンパイアになったから?
(。-ω-)zzz」
「フォッセルぅ!現実逃避して寝ないで!キョウイチロウ様に挨拶なさい」
「ふぁ?マレーフィ姉様?私?寝ちゃってた?」
「死んでから直ぐ時間経過の止まったアイテム袋に入れたんでしょ?未だ魔力供給の疲れが取れて無いんだと思うよ
( ̄▽ ̄;)挨拶は明日でも良いよ」
「それでも軽く自己紹介の挨拶くらいはさせますわ!」
「強制覚醒させるか?」
「キョウイチロウ様…何でも有りですわね
( ̄O ̄;)出来ますの?」
「フォッセル強制三段階種族進化!」
\\\└('ω')┘////フォーー!?
「力がみなぎる!
はぁ!?何コレ?メッチャ凄いんだけど!
疲れが!吹き飛ぶ!!!」
「本当に…何でも有りですわね…(;・`д・´)
凄過ぎてヤバい人を主人にしてしまいましたと実感しましたわ」
シャキーン!
(ΦωΦ)
「お目々パッチリ!身体のダルさも、どこかへ行きましたわ!」
「初めましてフォッセル、私は高千穂 峡一郎と言います。異世界からの来訪者です。
コッチの世界にはハインデルの勇者召喚の儀に連れて来られる筈の若い子が嫌がって逃げた先に私が居て転送魔法陣に巻き込まれて強制的に意図せず召喚されました」
「これはこれはご丁寧な自己紹介、ありがとうございます♪」
「いえいえ♪調子はどう?フォッセル?」
「はい!何の問題もありませんが…
棺の心地良さに出れない、みたいな?」
「みたいな?じゃ!ありませんわ!フォッセル!仮にも主人を目の前にして失礼ですわよ!
早く自己紹介なさい!」
「あっ…はい…姉様
魔王軍第十八軍魔獣連隊所属のフォッセルです。
隊では魔獣を操ってビーストテイマーとして働いてましたわ…
隊こそ任せられていませんでしたが単体魔獣のテイムなら私が一番強い魔獣を使役してました」
「ビーストテイマー?ムチで言う事を聞かせる感じ?」
「いやいやいや!そんな事、私はしませんわ!
私は可愛い魔獣チャン達にお願いして言う事を聞いて貰う感じですわ」
「フムフム…ステータスオープン…
えーと…派生スキルは…コッチの…ルートで成長させて…
はいはい…了解了解♪
OK♪」
「フォッセル!新たなスキルを獲得したよ、少し前にマリーゴールドからビーストテイマーのスキルは取得してたけどフォッセルは特殊なんだね♪
君を仲間に出来た事、僥倖だよ♪」
「何がどう成ってますの?」
「(*≧艸≦)その内分かるよ」
「フォッセル?キョウイチロウ様の加護を受けましたでしょう?」
「あっ、はい…」
「私達は自らのスキルをキョウイチロウ様に提供する代わりにキョウイチロウ様が保有するスキルを全て行使可能に成りますのよ
ただし新しく入手したスキルのレベルは1ですわ!
どのスキルをどの順番で上げて派生させて行くかは、要相談ですわね…」
「己がスキルを主人に提供?キョウイチロウ様に自らのスキルを渡してしまってレベルが1からやり直しと言う事ですか?」
「まぁ百聞は一見にしかずですわ、ご自分のステータスを見てご覧なさないな」
「はぁ〜ぃ…
ビクゥッ∑(OωO )!?神聖値が…メッチャ高い!?
そして元々保有してたスキルは…
∑(O_O;)MAX!?
んなアホな!?あり得ませんわ!
ここまでスキルレベルを上げるには経験値が必要ですわ…レベルとのバランスが…
取れて…る?
レベルもスキルレベルも上がってますわ!」
「あり得ないわよね〜」
「そぅ…です…わね…流石は規格外と呼ばれる御仁、としか言えませんわ…」
「マレーフィ!フォッセル!そろそろ魔女達の引越しの手伝いをしないといけませんわ!
マレーフィも準備なさい!
取り敢えず敵地に乗り込みますわ!準備なさい!」
「敵地と言うと魔族領の自宅?ですわね?」
「そう!一気に皆んなでキョウイチロウ様から頂いたスキルの転移ゲートで向こうに行き必要最低限な物をかき集めて持って来ますわよ!早々に準備なさい!」
「まさか…ドノヴァン様の転移を羨ましく思ってましたが…自ら使えるように成るとは」
その後、全員で魔族領の自宅に飛びアイテム袋に詰め込めるだけ洗いざらいかき集めて帰るを数回繰り返して…
「まるで家捜しされたかの様な自宅に成ってしまいましたわ
( ̄▽ ̄;)」
「荷物の少ない人は良いですけど私なんて魔導書が大量でしたので慌てましたわ」
「私は長年勤めてくれていた兎人族のメイドまで連れて来てしまいましたわ♪」
「それはやり過ぎでは?皆、人に合わない様に済ませたのに…花房様は相変わらずと申し上げたらいいのか…どうなさるおつもりですか?」
「だって可哀想でしょ?急に主人が行方不明になるんですのよ?
ねぇ?」
「はい!少し驚きましたが私も花房様と共に行けるなら何処へなりとも!お供致しますわ!」
「いやはや…連れて来たメイドは全員で何人になるの?」
「シルキーも含めますと…」
「ルイーズお母様!?」
「あら?」
次回!
ルイーズ、娘と再会!?
に、続く…
ここまでお読み頂きありがとうございます!
この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、
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