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第119話 バフォメットのギリガン

バフォメットのギリガンは魔女達に崇拝されていた。

その姿は人でも獣でもなく…

男でも女でもなく…

善でも悪でもない…

世の中の良い事も、悪い事も全てを指し示す

そんな二元対立の均衡のような抽象的な存在として魔女たちから敬意をはらわれていた

実際の所ギリガンの容姿は

上半身は人間の女性のような身体付きをしており、女性用の甲冑を着ていた。

その甲冑は無名ではあるが、魔女の防御魔法が付与されていて、防御力補正がかかっている。

ダメージ軽減35%、クリティカル無効、ギリガンは、そんな甲冑を魔女からお供え物として渡されて着込んでいた。

下半身は雄の黒山羊のようで、顔は大きなツナを携えた黒山羊のそれである。


度々、魔女のサバトに招待され都合が合えば宴を楽しんでいた。

そんなバフォメットのギリガンは蹄鉄騎士団所属の山羊族の長であり山羊族を率いる大将である。

ギリガンは蹄鉄騎士団だけでなく現在の魔王より前の先代魔王よりも前から魔王に仕えている生者としては最古参の配下で魔女の始祖であるアンジェリーナが現役の頃から交流があり実年齢は定かでは無い程に長きに渡り歴代魔王に仕えて来た魔族界の重鎮である。

蹄族の党首であったバッファロー六郎(水牛種)をキョウイチロウに討ち取られ悲嘆に暮れていたが、状況はギリガンに悲しみにくれる時を与えてはくれなかった。

自身は魔王の決定により12歳という若さで蹄鉄騎士団の団長に抜擢されたバッファロー七緒(水牛種)の代わりに長の代行を務めるのではあるが、六魔公の末席の空白に伴い蹄鉄騎士団の面々から後継者の選定を迫られたのだ!

何せ副将を務めていた花子(バイソン種)もキョウイチロウの軍門に下っているため(現在、キョウイチロウに新しい名前を貰ってアートと名乗っている)次席も不在

そこで蹄鉄騎士団内で信頼に厚いバフォメットのギリガンに白羽の矢が当たり、ギリガンを六魔公に推す派閥とバッファロー六郎の娘であるバッファロー(水牛種×人族のハーフ)七緒を推す派閥の真っ二つに割れてしまったのだ!


「由々しき事態ですぞ、七緒様…

このままでは、蹄鉄騎士団が真っ二つに分かれて瓦解致します…」


「魔王様は何と?」


「先刻ご説明した通りです。

六魔公全員と六郎のデモンズブラッドで制作したフーバー作の武器を手に私、ギリガンめを後見人とし蹄鉄騎士団の長代行も兼任、娘である七緒様の成長を待って然るべき時に後継者にすると」


「私は蹄鉄騎士団にて一目置かれる存在では有りますが…

実績と実戦経験が圧倒的に足りていない…」


「そんな物は後からでも付いて来ます故」


「あの時…蹄鉄騎士団の面々は皆、承諾したかのような返事をしましたけど…

父無き今、蹄鉄騎士団が結束しなくていけませんのに…

私が後継者に成るのに意を唱える者が現れ団が真っ二つに割れるなどとあってはならない事

ですが私が後継者に力不足と経験不足であるのも事実です…

爺の意見が聞きたいですわ」


「私は七緒様を推します!

それ以外の選択肢など不要!」


「魔王様は私を後継者にと仰っていましたが…

私は取り敢えず今月の魔女のサバトに参加して、お婆婆さまのお考えを聞こうと思っていますわ…」


「…」


「爺?」


「…」


「爺や?」


「おっと、すみません…」


「何かしらの懸念があるご用意ですわね、聞かせてもらっても?」


「はい…」


「どうしましたか?」


「いえ、今回のサバトですが…

アンジュから直接、案内状が届くなどと、初めての事でして…」


「何か重大な発表があるかも知れないと?」


「はい…

私の第六感がざわつくのです…」


「爺の第六感は危機察知の面においてハズレた事がありません…

何か有ると踏んでいいでしょう…

護衛を増やしますか?」


「不要!」モシャモシャ


「花房様!?」

花房はなふさ、蹄鉄騎士団の副将である花子(現在キョウイチロウの配下であるアート)の伯母にあたる。花子の母方の姉である。


「取り敢えず…搾りたてを飲んで、再度考えをめぐらせなさいませ七緒さま、脳に栄養が回っていない時に何か考えても無駄ですわ」


「そう…ね…では、頂きます♪」


如何いかがです?」


「花房様のミルクのお味の事ですか?それとも…」


「私のミノタウロス乳の味は美味しいに決まってますわ!

行かないと言うのも一つの手段かと具申致します!」


「フム( ;-`д´-)」


此度こたびの件!ギリガン様の第六感が衰えているとも考えられません!

何かしらでは無く!危険確定ですわ!」


「それよ!何も無ければ普通のサバトじゃ!

二元対立の均衡の象徴として私が招かれ、魔女が思い描く完全な社会秩序の目標を私ギリガンに表象させる。その為に私が招かれているのだが…

極々普通の黒魔術の宴が催されるだけの事であれば良いのだ…しかし

……

今回の私の第六感の騒めきは…過去に前例が無い程なのだ…

何が起こる?」


「そんなモノはギリガン様の第六感が過去に例が無い程の危機を知らせているとすれば起こりうる事態は、一つしかありませんわ!

今、我らの一番の脅威で強敵は?」


「キョウイチロウか!?

花房よ!奴が絡んで来ると申すか!?」


「十中八九それで間違い無いかと」


「強襲か!?しかし何故なにゆえ?魔女を狙い討つ?目的はアンジュか!?

彼女らは魔力量は皆、非凡では無い才能を持ってはいるが…

魔女は己が力を全力行使となると…全裸だぞ?

布切れ一枚羽織っても魔力量も威力も落ちる、マレーフィが前回アンジュを降霊した時は肌に髪の毛が触れるのすら嫌っておった…

魔女は前線で戦うには防御面がザルであり、不向き…

かと言って後方支援も攻撃魔法に特化している為、前線に見方が居ると使えない

空は飛べるが、海軍が大打撃を受け航空兵器なる未知の兵器を有するキョウイチロウ達であれば魔女の撃退は、容易に可能であろう…

仲間にしたとて大した戦力増強には成らない筈だが…」


「それですわ!私も怪訝けげんに思っていますの!欲しい物が魔女達の知識にせよ、キョウイチロウの望む補強には成らない!」


「では何故?」



話し合いは平行線、この時は結論が出なかった。



時間は少しさかのぼる


ミノタウロス(水牛種)バッファロー六郎の娘である七緒はバフォメットのギリガンを爺として慕っていた、何故なら父であるバッファロー六郎の教育方針は厳しく、苛烈を極め…背中で語る事しかしない無口な男だったからだ

バッファロー六郎は今や一人だけ生き残った娘である七緒に対しても学びの時間も与えずに、起きている時間の全てを鍛錬に費やさせたのだ、友人知人を作る暇もなく七緒は孤立し、信じられるのは己が力のみと、今日も一人、魔族領の死滅の荒野で魔獣と対峙して、辛うじて倒して帰宅…

泥のように眠る毎日を繰り返す、それもその筈である、父バッファロー六郎の課す課題は今の七緒の実力でギリギリ勝てる魔獣の討伐ばかりで少しでもその日の鍛錬を怠れば即、死に繋がる。


そんな魔族領、死滅の荒野で魔獣と格闘する娘をハラハラしながら遠くから見詰める者がいた…


父バッファロー六郎である!


その背後に気配を消して近寄る者…ギリガン


「六郎…」


「ビクゥッ∑(OωO )!?ギリガンか!脅かすなよ!ビックリして心臓止まるかと思ったじゃないか!」


「そんなに七緒様が心配ならもう少し課題の魔獣のレベルを下げたらどうじゃ?」


「それは無理な相談だな〜!」


「では…せめて帰宅した七緒様に優しく接してやってはくれんかのぅ?」


「例えば〜?」


「優しい言葉で褒めて、一緒に風呂に入り返り血を流してやるとか出来んのか?七緒様は未だ12歳ぞ」


「…」


「何とか言え!この石頭が!」


「一瞬の気の緩みが勝敗を決するんだ!

敗れればそれは死を意味する!

信じられるのは己が力のみ!出来ん相談だな〜」


「過酷な環境だけでは人は育たぬよ六郎…」


「人として育たなくても良いし〜」


「この馬鹿者が、人の愛情に触れねば、それは人に在らず、魔獣と何ら変わりはせん獣よ、六郎お前は生き残った一人娘を次期党首にと考えているのは理解はする、力こそ全てという魔族領でのことわりも理解出来る、

がしかし!今日という今日は!言わせて貰うぞ!」


「なんだよ?」


「貴様は!数多く居た息子も娘もその苛烈な教育方針により残ったのは今や七緒様ただお一人!

子供を死地に追いやる貴様に対して、我が子を間接的に殺しまくると、お前には悪評が付いておるのだぞ!

六魔公と言う地位と名誉があっても、お前に嫁いだ娘は皆!冷たく成った我が子を抱いてお前の元を去って行った!

そして嫁にこようとする女子おなごも居なく成った…

最早、我ら蹄鉄騎士団の希望は七緒様だけなのだ!そろそろ内政に目を向けさせて多少なりとも学問に励ませる時期ぞ」


「そんな物は不要かな〜!

我ら蹄鉄騎士団は魔王様の剣だし!

ただ命令に従い魔王様が目標と定めた敵を屠るだけのつるぎだぞ〜!

迷いとなるお家の存続など考えるだけ無駄だな!」


「貴っ様ぁ!七緒様が可愛くは無いのか!

愛しくは無いのか!大切では無いのか!

返答によっては、今!この瞬間より七緒様はワシの養子として貴様から引き離すぞ!」


「連れて行きたければ連れて行くが良いさ!」


「六郎ぅ!貴っ様ぁ!」


「可愛く無ければ見守ったりは…せん!…」


「阿呆が!不器用が過ぎるぞお前は!何故それを口に出して七緒様に伝えぬのだ!」


「爺よ?」


「何じゃ?」


「我は一応だが末席とは言え六魔公の党首ぞ?

それを貴様とか、お前とか、娘の七緒は様付けで、我への扱いが酷くは無いか?」


「黙れ!ボケ!カス!クズ!クソオヤジ!

頭の中は!力と女子おなごの事しか考えておらぬではないか!

貴様の考えなどお見通しよ!次は誰を孕ませるつもりだ!

貴様の扱い?馬鹿野郎で十分だ!」


「馬鹿野郎だなんてひどいなぁ…

我、泣いちゃうかも…

七緒の母は人族よ…」


「知っておるわ!見れば分かるわぃ!貴様とは似ても似つかぬ美貌の持ち主だからな♪

本当にお前に似なくて良かったわ!」


「もちっと…ケツがデカくてドッシリしていてガタイが良ければモテるのに…

何で我の子なのにあんな人族みたいな華奢な個体になっちまったんだ?」


「女児に対して個体とか頭数を数えるみたいな表現はヤメろ!ボケ!

そして七緒様をちゃんと女性として扱え!脳筋!筋肉お化け!

お前の美的基準はミノタウロス体型だけか?

馬鹿なのか?

どっからどう見ても七緒様は美人で容姿端麗で強いではないか?

何が不満だ?貴様の基準で見立てた女子おなごから産まれた子供達は全員、お前のせいで死んだぞ!

生き残ったのは捕虜にして蹂躙して孕ませた人族の女から産まれた七緒様!ただ!お一人!」


「人族の女子おなごかぁ…

我はガッチリしたゴツゴツの女のケツを握って押さえ込んで〜…」


「(っ゜∀゜)≡⊃)∀゜)∵グハッ!なっ!?何をする爺!?」


「女のお尻に対してケツとか言うなや!ボケ!」


「ケツはケツよ」


「(o゜∀゜)=○)´3`)∴ブハッ!何をする爺!?」


「五月蝿ぇ六郎てめぇ!女性のそれは!お尻と言うんだ!

柔らかくてプニプニしてるやつだ!

断じてケツでは無い!

ケツの定義は筋骨隆々な男のそれだ!

エクボがあるやつだ!お尻と言い直せ!この野郎!」


「んだと!どっちでも良いわ!そんなもん!」


「んだと!やんのか?六郎!テメェ!コラァ!

今日と言う今日は血ダルマにして分からせてやる!

かかって来いや!」


「おぅ!いつまで爺にヤラれっぱなしの俺じゃねぇぞ!やってやる!手加減なんてしねぇ覚悟しろ!」


「言ったな六郎!ワシに一度も勝った事もねぇクセに!

貴様の扱いに関してワシの右に出る者は居ない事を本気で分からせてやる!

吐いた唾は飲めぬぞ!後悔させてやる!」


すった!もんだ!どした!こした!


「父上!」


「はい!」六郎、直立不動


「父上は!一瞬の気の緩みが命取りであると常日頃から私に仰ってますわよね?」

鋭い眼光で六郎を睨む七緒


「はい!!」六郎、直立不動


「私を間接的に殺しにこの場に来てるんですか?

気が散って邪魔ですわ!

見守って下さるのは誠にありがたいですが…

コッソリお願いしたく思います…」

鋭い眼光を六郎に向けるも照れて少しデレる七緒…


「(`・д・)σ そうだ!そうだぞ〜六郎ぅ〜七緒様の言う通りぞ!邪魔すんなよな〜!

(乂'ω')ダメだぞ〜」


「爺…」


「六郎!(`・д・)σ メッ!(`・д・)σ メッ!(`・д・)σ メッ!」


「んもぅ!爺ったらぁ!見守るんなら静かにコッソリにして!本当に集中出来ないんだから!」


「七緒様!申し訳ございません!」ギリガン、直立不動


「分かってくれたなら良いわ、本当にもぅ…これ以上言って騒ぐようなら…

( ✧Д✧) キラーン

先にそっちを片付けてから次の魔獣に向かう所でしたわ♪ウフフ♪」


『ガチのヤツだぁ〜目が笑ってねぇ!七緒!超怖ぇえ!爺とすったもんだしてる間に魔獣をブチ殺して返り血だらけだし!』六郎、心の叫び


『七緒様の笑顔の殺意!?ヤバ過ぎる!本当に12歳の女児の放つオーラかコレ?』ギリガン、心の叫び


「じっ…爺…帰るぞ!」


「六郎!私は、お前を迎えに来たんだ!貴様に言われる迄も無い!

邪魔を致しました!続けてくだされ!

七緒様、帰ったら先ず私の家に寄って下され、不在であれば…

多分…六魔公邸の、この馬鹿の執務室かと」


「爺、よぅ、我に対してもだな〜もう少しだなぁ〜敬意と言う物があっても良いと思うぞ〜!仮にも我は蹄鉄騎士団の長ぞ?六魔公ぞ?」


「六郎!私に敬意を払って欲しくば!それ相応の言葉使いと威厳を持って私に接しよ!

先ずその馬鹿っぽい話し方を先ずヤメよ!

ワシと話す時はイツもそんな感じで接しおってからに!

そして戦場にて馬鹿の一つ覚えで口を開けばそんな感じだから何も喋らず背中で語られても私にも部下達も何も分からんし何も伝わらんわ!

部下との意思疎通も無しに毎回「行くぞ!続け!」だけではお話しにならん!

そもそも貴様はワシ以外に口数が少な過ぎるんじゃ!

そして喋ればその話し方よ!

威厳と言う物がまるで無い!六魔公としての立ち振る舞いと言うものがだな!まるで成っておらん!

クドクド、クドクド」


「えぇい!分かった!分かったから!爺!小言は帰ってからにしてくれ!」



六魔公邸、六郎の執務室


「爺?我に用とは?何だ?」


「魔女の村からサバトの案内状が届いているのだが…

花子!お前にも耳に入れおいて貰いたい、私はサバトでは主賓ゆえに七緒様の元を離れなくていけないのでお前に七緒様の護衛を頼みたい」


執務室の扉の外で門番のように立っていた花子が入室して来る

「ブフォー!失礼致しますわ!

魔女の村は護衛が必要な場所ですの?」モシャモシャ


「花子!今は大事な話しの最中ぞ反芻はヤメよ!

して?爺よ?行くのか?」


「暫く顔を出しておらんしな…

今回はアンジュ直々(じきじき)のお誘いとあっては断る訳にはいかん」


「何と!?此度のサバトは、お婆婆さまが顕現なさると!?

前回の円卓会議での報告書の説明にはマレーフィが片目を代償にお婆婆さまを呼び出したが、今回は如何様いかようにして?お婆婆さまを呼び出すつもりだ?気になるぞ!

爺!お婆婆さまが顕現されるとならば!

七緒の顔繋ぎとなり我が娘とお婆婆さまを引き合わせては貰えないだろうか?」


「その話し方であれば、聞いても良い♪

やれば出来るのに昔の話し方がちょくちょく出て、毎回不快に思っておったのだ

いつまでも一兵卒の時の様では、何かと困るのだ!

心せよ六郎!

お前の立ち居振る舞いの一挙手一投足を蹄鉄騎士団の者達が見ておるのだ!

貴様のせいで七緒様の肩身が狭くなるのだけは避けたい」


「チッ!爺は…相変わらず七緒第一主義だな

話し方は…そうだな…爺と親しい者達だけぞ?

何の問題なかろうて」


「当ったり前じゃ!七緒様に重きをおいて何が悪い!

何処かの馬鹿が全ての後継者を死地に追いやり間接的に殺してしまったのだ!

七緒様だけが私の希望の光りなのだ!

七緒様を第一に考えて何が悪い!」


「我は?」


「論外じゃ!貴様と言う奴は!二の次に決まっておろう馬鹿者が!あれ程居た後継者を、無下に死なせおってからに…

中には魔法と知略に優れた者も数人居たのに…

「力こそ全て!」と言う馬鹿に、力無き者は生きられぬ荒野に放り出され…

くっ!?あの二人が生きてれば…

貴様にはアンジュに、お仕置きフルコースをお願いしたいくらいじゃ」


「:((;っ´°Д°`c);:ツラたーーーん!」


「(っ゜∀゜)≡⊃)∀゜)∵グハッ!?威厳!」


「フム( ;-`д´-)許せ爺…

して魔女のサバトはイツだ?」


「キョウイチロウ強襲計画の為に私は今月の参加は不可能ゆえに来月と言った所か…

その旨を現魔女の長であるグレーテにはに伝えてある」


「ブフォー!ギリガン様!私もお供に連れて行って下さい!」

バターン!

執務室の扉の外で花子と共に護衛をしていた者が、景気良くドアを開け入って来る

モシャモシャ


「ノック!ヨダレ!反芻!」


花房はなふさ伯母様!?」モシャモシャ


【花房、蹄鉄騎士団の副将であるミノタウロス(バイソン種)花子の母方の姉である。

ガタイは六郎に見劣りせぬ巨漢の持ち主である】


「私も行きますわ」モシャモシャ


「だから!反芻はヤメよ!花房!」


「無理!」


「何故じゃ!?」


「先ずは搾りたてを飲みなさい!!」


「ミノタウロス乳!?ジョキ!?」


「飲みなさい!」


「はい!頂きます…」


「美味しい?」


「( ゜Д゜)ウマー」「( ゜□゜)ウマー」


「流石は花房伯母様のミルク♪美味しゅうございます♪」


「良いお乳を出すには、良質な草を沢山食べ続けなくていけませんの!お分かり?」モシャモシャ


「流石です伯母様!」モシャモシャ


「花子?お前は処女ミノタウロスよな?お前は反芻をヤメよ!」


「六郎さま!」


「はい!:((;っ´°Д°`c);:何でしゃう?」

声を裏返らせる六郎、乳母を務めた花房には頭が上がらないのだ


「女ミノタウロスたる者!

イツ如何なる時にも母乳が出せる状態を保ってなんぼですわ!

処女であろうとも、身体作りは必須でしてよ!

たかが反芻如きで!大の大人が二人も寄ってたかって小姑のような小言を放つなど度し難いですわ!」モシャモシャ


「そうです!食べてないと、伯母様のお乳の量が減ってしまいますわ!」モシャモシャ


「花子!良く分かってるじゃない!流石は我が姪!」モシャモシャ


「勝手にせい!」


「では、勝手にさせて頂きますわ

それで??」モシャモシャ



今日も父の課した魔獣を討伐して帰宅途中の七緒


「どうして?…

何故なぜこんな事に成ってしまったのでしょう?

先ず爺に相談しないと…

(-ω- ?)んっ?明かりが灯ってないですわね?

不在なら執務室と仰ってましたわね」


ε=ε=(Γ °-°)」


コンコンコン

「七緒、只今帰りましたわ」


「フム( ;-`д´-)入れ」


ビクゥッ∑(OωO )六郎

∑(O_O;)ビクッ!?ギリガン

Σ(・ω・ノ)ノ!?はゎ!?花子

(。=`ω´=)ぇ?花房


「誰?」


「ですから七緒ですわ…」


「は?」


「ですから!七緒ですってば!」


「誰?」


「んもぅ!七緒って言ってるじゃありませんか!

ステータスオープン!」


「なっ七緒か!?」


「ですから!そう言ってますのに!」


「どうしたんだ?その成りは?」


「私にも皆目見当が付きませんわ…」


「爺?どう見る?」


「どうも!こうも!ありはせん!全て六郎!お前のせいよ!」


「はぁ!?どうして我のせいなんだ!?」


「はぁ〜」

頭を抱えて深いため息を付くギリガン


「ギリガン様?私達にも分かる様にご説明をお願いしたく…」

花子と花房がギリガンを見詰める


「七緒様の神聖値を見てみよ…」


「神聖値55!?」


「爺!それでも我は分からん!教えくれ!」


「六郎!お前のせいだと言っている!」


「だから〜なんでよ〜?分かんなぇよ!」


「(o゜∀゜)=○)´3`)∴ブハッ!威厳!」


「頼む爺!教えてくれ!どうして七緒は白髪はくはつのミノタウロスに成っているのだ!?」


「七緒様…貴女様はご自分より弱い魔獣を倒した事は?」


「ありません!」


「子持ちであっても?」


「次なる強敵と成り私の前に現れて欲しいと願い!

子は見逃していますわね、それが神聖値と何の関係が?」


「七緒様は…

経験値を確保し積み上げるだけの弱者と対峙せず、倒すのは己がレベルより高い強者のみ、よこしまなる数値は自分よりレベルの低い者を殺す事により上がります…

今回の魔獣討伐にて神聖値が50を突破し魔族であるミノタウロスより聖獣に近い白きお姿に変化されたかと…」


「では!今から!レベルの低い雑魚を殺しまくって参りますわ!」


「七緒様!待たれよ!」


「何故です!この様な姿!魔族であるのに恥ずかしい!嫌ですわ!」


「六郎?如何いかがする?」


「今日はそのまま過ごせ…

明後日、追ってお前の対魔獣スケジュールを組み直す!

今日は帰って休め…

明日も魔獣討伐は休みとする!」


「嫌です!!」


「七緒様…今から荒野に出るのは差し控えて下され!

良質なタンパク質を摂取して休むのも筋肉増強には必要な事ですぞ」


「嫌です!この様な姿!休めと言われても恥ずかしくて街を歩けませんわ!」


「休むのです…」


「は…い…」

渋々頷く七緒


「分かったのなら帰って休め七緒!」


「はぃ…父上」


帰宅して湯船に浸かり返り血を落とす七緒…


鏡を見て己が姿を再確認して鏡に拳を叩き付ける七緒!

ビシビシビシ!ヒビが入り…

パリーン!砕け散る鏡

拳から流れ落ちる血で浴室は真っ赤に染まる


入浴を終え着替えてトボトボと外に出てアテもなく歩き出す七緒…

気付けば姉として慕う魔女マレーフィの元に来ていた…

魔女マレーフィ・ウィリアムは七緒の容姿が人族のそれに酷似していて、およそミノタウロスの姿とは違う事に悩んでいた時に相談に乗った事から姉として七緒に慕われる存在に成っていた。

実際に魔女は魔族と行動を共にしてはいるが人族と見分けは付かない容姿をしている為、親近感が湧いて懐いた七緒、そもそも父の過酷なスケジュールをこなすだけの日々、同種族、魔族領に友と呼べる者は居ない、相談相手はギリガンと乳母の花房だけ…

母は?人族がミノタウロスの子を宿し産んだのだ…産後の肥立が悪く他界している…

花子の伯母の花房を乳母としてその母乳で育った七緒

親しい人全員に、帰って休めと言われたのだ…

七緒の心の拠り所は…最早、魔女マレーフィだけであった



コンコンコン


「マレーフィ姉さま?だれか来ましたわね?

この気配は七緒様ですか?でも少し普段と違うような気がしますわ?」

ベッドでマレーフィと共に寝ていたのは、マレーフィを姉と慕う魔王軍第十八軍団、魔獣連隊所属のビーストテイマーのフォッセル、今夜も寝屋を共にする為にマレーフィの部屋を訪れていた。


「どちらさま?」


「七緒です…」


「こんな夜更けにどうしました?」


「少しご相談事がありまして…」


「一体どうしたんですの七緒?」

ガチャ


「マレーフィ姉様ぁ!こんなのって、あんまりですわ〜!」

扉が開くや否やマレーフィに抱き付く七緒


「なっ!?どうしたのです!?その姿は!?」


「あぁ〜七緒様が白髪はくはつに成ってるぅ〜どうしたの〜?

でもぉ♪白くてぇキラキラしててぇ〜♪

とても綺麗な髪色だね〜」


「。゜(゜´Д`゜)゜。うぇ〜ん!」


「あらあら?七緒は今の自分の姿が嫌なのね?

泣いてないで先ずどうしてか経緯を話してくれる?」


「マレーフィ姉さまぁぁぁ〜!姉さまぁぁ〜」


「七緒…泣いていては何も分からないじゃない、先ずは説明して頂戴」


ひとしきり泣いた七緒は、未だ鼻をすすりながらもマレーフィが出した甘いアップルティーを飲んで少し落ち着きを取り戻す…


「話してくれる?何があったの?」


「信じて…疑わなかったのです…」


「何を?それとも誰?かしら?」


「父上の課した課題を無我夢中で、ただ進めるだけで理想の自分に到達出来るものだと信じて疑いませんでした。」


「はいはい…

で?どうして白髪はくはつに?」


「爺は…聖獣化したと…

私は…魔族の…ミノタウロスなのに…」


「(。=`ω´=)ぇ?

ギリガン様がそう仰ったのですか?

それは…又、どうして?」


「爺曰く…父上の課題が原因だと言ってました…」


「それで、信じてたのにって言葉に繋がるのね、でも魔獣を倒し続けてただけでしょう?」


「そもそも…それが原因だと…」


「(-ω- ?)んっ?」


「私が父上に言われるままに倒していた魔獣は全て、「日々の鍛錬を怠らなければ倒せる筈だ!」と私よりレベルの高い魔獣ばかり…」


「あぁ〜、はいはい分かりました。

はぁ〜〜〜

完全に六郎様のせいですわね…」

深いため息を付くマレーフィ


「えぇ〜何でぇ〜?」


「フォッセルは知らないかな?

自分よりレベルの高い敵を倒すと神聖値が上がるのよ」


「って事は〜

自分よりレベルの低い奴を倒し続けるとよこしまなる数値が上がる!」


「正解!良し良し♪フォッセルはお利口さんね♪」


「えへへ〜♪」

頭を撫でられ喜ぶフォッセル


「六郎様から出された課題は常にレベル上位の魔獣ですわよね?倒せば倒す程、七緒の神聖値は上がり続け…

神魔の境である0を超えて神聖値は上がり続け50を超えてしまい聖獣化してしまったと言う訳ですか…

馬鹿なの六郎様は?

本当に腹立たしい!私の可愛い七緒にそんな無計画スケジュールで魔獣を討伐させ続けるとは!

あの死滅の荒野に送り続けるだけでも許せない行為なのに!

神魔の数値を度外視して課題とし高レベル魔獣を討伐させるとか!阿呆のする事よ!

それで七緒の兄も姉も弟も妹も全員帰って来なかったのに…

七緒まで戻って来なかったらと、毎日心配して気を揉んでいますのに!

七緒を強くする為に組んだスケジュールで娘が聖獣化ですって!?無計画にも程がある!

:((;っ´°Д°`c);:ワナワナ

あんの野郎…

殴りてぇ〜

ブン殴りてぇ〜」


「姉さま!怒りを抑えて!父親を馬鹿とか阿呆とか言われた七緒が怒ってるから!」


「あら?私とした事が、失礼

ご自分の想定外の七緒の状況に六郎様は何と?」


「誰?と言われましたわ」


「(y゜ロ゜)yはぁ!?クソが!あんの野郎!今度会ったらガチでブン殴ってやる!

その前に…少し落ち着きましょうか…

いかづちよ我が呼びかけに応え、つどいて収束し敵を穿うがて、汝は雷の王トール、その力を持って敵を屠る者なり、は我が願いに応え放電し雷降らいこうする時を待て…

我はマレーフィ・ウィリアム…」


「…」

「…」


「待って!待ってください!姉様!

怒りのボルテージを本気で少し下げて下さいまし!

魔法の詠唱も無意識でしてますわ!

マレーフィ姉様?気付いてますか!?

お外に雷雲が発生して今にも雷が落ちそう…

姉様のギガスティックスーパーサンダーボルトが炸裂したら…

幾ら六郎様でも消し炭ですわ!

サンダーは、魔法七大属性の内の一つ!

その最上位魔法の上である星級魔法の行使とも成ればやり過ぎです…」


「(;゜д゜)アッ…

六郎様は私如きに殴られたても、多分へっちゃらでしょう?私の手の心配して欲しいなぁ〜

(๑・ω-)テヘペロ」


「姉さまの怒りのメーターが振り切ってしまってますわね…

まともな判断が出来なく成ってるみたい…

( ̄▽ ̄;)

私が聞くね七緒

と…その前に

アン?居るんでしょ?雷雲を消して来て貰える?」


ガタタッ!

本棚の辺りで物音が聞こえた


「ふぇ!?気付いてましたの?」


「どうせ又、グレースの姉御たちに無理難題を押し付けられたのでしょう?

マレーフィ姉様の魔導書が目当てで現実逃避に此処に来てるのは周知済みよ!

居るのは分かってるのよ!早く出て来なさい!

そして雷雲を消したらグレースの姉御達の元に帰りなさい!」


「嫌よ!グレース姉様の元になんて帰らないわ!」

マレーフィの部屋の奥、本棚の隙間から現れるアン・ボニー


「アン!?何て所に隠れてますの!?」


「マレーフィ様、ごめんなさい…

今まで、誰にもバレた事が無かったのに…」


「家主の私にすらバレてませんわよ!フォッセル!?貴女?イツから気付いてましたの!?」


「アンが初めてマレーフィ姉様の家に来たのは…

本棚に魔導書が並べられた、正にその日からよ」


「ふぁ!?

そんな!魔導書が並べられた日だなんて!引越し初日じゃない!」


「そうよ!グレースの姉御達と揉めると、事あるごとに、アソコに逃げ込んでたわ」


「そんな…知らなかったですわ…

でも、海岸から魔女の村までは、結構な距離がありますでしょう?」


「あぁ〜

アンの魔仗まじょうは、この世界で一、二、を争う業物わざものでしてよ!

そして、この世界の魔法使いの上位八人に名を連ねるアンがこの世界で一、二、を争う魔仗を持ったと成れば、その相乗効果は絶大!

魔仗にまたがり飛ぶアンは音速をも超えますわ」


「はぁ!?あの度々目撃される音速で飛行する未確認飛行物体はアンでしたの!?」


「そう!アレはアンが自分の魔仗に跨り飛んでいる姿ですわ!

全く八賢者と呼ばれる者達は変なのが多すぎですわ」


「知りませんでした…」


「今夜は立て込んでるのよアン!さっさと終わらせて今日は帰りなさい!」


「。゜(゜´Д`゜)゜。嫌ですぅ〜」


「嫌も何もありません!取り敢えず雷撃を喰らいたくなければ雷雲を早々に消して来なさい!

でなければ…どうなるか分かりますわよね?」


「…:((;っ´°Д°`c);:…わっ…分かりました!」

有無を言わさぬフォッセルの圧力にビビりまくるアン


【アン・ボニーは女海賊、女傑グレース・オマリー率いる海賊団の四姉妹の末っ子である。

女傑と名高い

長女の男装のグレース・オマリー

次女の男装のメアリー・リード

三女のビーストテイマーのマリーゴールド

末っ子とは言うが四人とも血のつながりは無く義姉妹である。

四人は「我ら血の繋がりは無くとも義姉妹の契りを交わし全ての苦楽を共にする」と盃を交わした仲である…

がマリーゴールドは世界を知る為に色々な外の海賊船に修行に出ていて、いついかなる時も姉妹は一緒と言う訳では無い

アンは?と言うとグレースが率いる海賊船に乗船はしているが…勝気で姉御肌な上の二人の姉達とは違い、人見知りで引っ込み思案、コミニケーション障害で人の目を見て話しが出来ない、三人の姉達とはコミニケーションは取れるが、いかんせんオドオドして挙動不審でイツもうつむいてオロオロと怯えている。

自分でも駄目だとは、分かっているし、変えたい!変わりたい!と常に思ってはいるが…

性格で性分、なかなか思う通りにいってはいない、そんな、もどかしさに自分に嫌気が差し度々(たびたび)マレーフィ宅の本棚の隙間に亜空間を作り不法侵入を繰り返し本を読み耽っていた。

そんなアン・ボニーだが魔法詠唱の速さと世界でも数えるほどしか居ない王級魔法の使い手である。

魔法は初級、中級、上級、最上級、星級、王級、神級とランク付けされていて、神級とも成ると過去に召喚された勇者が三名ほど居たと言う記録が残っているだけで魔法の名前すらも忘れかけている程に文献が少ない、何故ならその魔法を行使していた本人が著書を残していないからだ

神の名を冠する級等、その頂きに異世界召喚勇者以外到達出来た者は居ないが、それに手が届くかもしれない魔法使い、神級に限りなく近いと目される八人の賢者の内の一人、それがアン・ボニーその人である。】


八賢者は一癖も二癖も有る者達ばかりで、中にはアン・ボニーと一緒で内向的なコミュ症も居る。

この異世界で国家間の垣根を超えて任命されるが一堂に会する事は無く、国家が転覆するような事態が起こっても我関せずを貫く者達ばかりで、一度ひとたび、その魔法が行使されれば村や街規模では収集が付かない、都市が崩壊するレベルの厄災となる為、各国のトップは自国に引き込もうと躍起になる。

それ故に身を潜めている者達ばかりで実質世間に名前が知れているのは、アン・ボニーと

セレスティア・マグノールと

ウォーレス・ラッセル・バレンタインと

アベルザーク・シタサ・フォンデライアン(クリスティーの血縁者)の四名と極少数である。

八賢者の話しは又、別の機会に…


「分かったわよ…ヤレば良いんでしょヤレば……

ゴニョゴニョ…はい終わり」


「はぁ!?何か独り言を呟いていただけなのに!?アレ程の雷雲を掻き消しましたの!?

詠唱が早すぎて聞き取れませんでしたわ!」


「はい♪アン♪お疲れ様でした。

コレはお礼よ」


(*゜▽ ゜*)パァー

「最新の魔導書ですか?フォッセルありがとう♪」


「帰って読みなさい」


「うん♪そうする!ありがとう♪コッチのゴタゴタに巻き込んで申し訳ありませんでしたわね」


「魔導書を頂けるならイツでも呼んで♪飛んで来るわ!」


「アンったら♪でも本気で低空高速飛行した衝撃波で木々が薙ぎ倒されるから普通に飛んで来なさい、私的には魔導書だけではお礼として不十分だと思うから今度、美味しいスイーツを奢らせなさい」


(*゜▽ ゜*)パァー

「スイーツ!?何処の?」


「近々、九兵衛のスイーツをお取り寄せする算段が付きまして♪

一人で食べるのも何ですからアン、貴女の姉御達も呼んでお茶会しましょう」


「∠( `°∀°)/やーったぁ!楽しみにしてるね」

そう言うと魔導書を胸元に両手で抱えたアン・ボニーは帰って行った


「待たせたわね七緒、お話しの続きをしましょうか?」


「はい♪フォッセルねぇさま!

あの八賢者ともお知り合いでしたのね?」


「んんん〜♡私を姉として慕ってくれるのね〜♪

七緒…可愛いぃい♪私の所に嫁に来てくれないかしら…」

七緒を抱きしめるフォッセル


「フォッセルねぇ!服を着て下さい!」

(*/∀\*)イヤン


「(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)ウンウン♪わかったよ〜七緒

六郎様は今後の七緒のスケジュールをどうするって?」


「追って伝える、休んで待て…と…」


「そんだけ?」


「思いやりも口数も少ない!本当腹立つ!」


「姉様!姉様は少し落ち着いて下さい!

はい♪アップルティーでも飲んで落ち着くっ」

( ´・ω・)⊃旦 スッ


「ありがと♪」

(/◎\)ゴクゴク


「七緒?じゃあ明日は?お休みだよね?私と出掛けない?」


「私も行きますわ!!」


「マレーフィ姉さまは…

明日、大事な会議じゃ無かったかしら?」


(;゜д゜)アッ…

「会議だ…そうだ!会議よ!資料作ってないわ!」


「はぁ〜

姉さまは相変わらずですわね、そこの机の上の資料に目を通して下さる?」


「コレ?」パラパラ…パラパラ…

「(。=`ω´=)ぇ?何コレ?完璧じゃない!私が作ってもこうは、いきませんわ…」


「ふっ、ふ〜ん」

腰に手を当てて自慢気なポーズを取るフォッセル全裸

( ̄▽ ̄;)呆れる七緒


「フォッセル!?貴女がこの資料を作りましたの?」


「他に誰が作るんですの?妖精国から来た小人さん達?」


「ありがとうフォッセル!私の嫁に成って♡」

フォッセルに抱き付くマレーフィ


「痛い、痛い、もぅ!分かったから離れて!

今、七緒と話してるから!

本当にもぅマレーフィ姉さまは困った、お・ひ・とっ♪(`・д・)σ ツン

それとっ♪嫁にはなりませんわ!」


「まぁフォッセル!私とは遊びだったの!?酷い!酷いわ!」

女の子座りで床に崩れ落ちるマレーフィ全裸


「はいはい…姉さまは明日会議、私は七緒とデート♪」


「そんなぁ〜!フォッセル意地悪ぅ〜!」


「だって七緒の休みは明日だけなのよ!

今回は諦めて下さいなっ」


「ヤダ!ヤダ!私も行くぅ〜」


「んもぅ!今日の姉さまは、怒ったり、焦ったり、悲しんだり、情緒不安定か!」

フォッセルに突っ込まれるマレーフィ全裸


「違いますわ」( ・-・ )スン


「急に通常運転になりましたわね…」

( ̄▽ ̄;)


「私は…行きません…わ」


「七緒?何で?」


「こんな姿で出歩くだなんて…恥ずかしいですもん…」


「こんなにも綺麗な白髪はくはつなのに?

七緒、本当に綺麗よ♪」

七緒のポニーテールをほどき手櫛で撫でるように七緒の白髪はくはつに触れるフォッセル


「もっと…毛深いのが良いんです…毛深くなりたい…」


「今のままでも七緒は素敵なレディよ?何で毛深く成りたいの?

それに…限りなく人族寄りの容姿の貴女には無理がありますわ」


「そうなんです!女性ホルモン、特にエストロゲンが髪の成長を長く保ち、髪にハリやコシを与える重要な役割を担っているため必要なのは知ってます!

女性ホルモンのバランスを保つと言っても…

。゜(゜´Д`゜)゜。

私!女ですから!女性ホルモンは男性よりある筈なのに!」


「私は、前の七緒も今の七緒の容姿も大好きよ」


「フォッセル姉…私の事(ノω・、)好きじゃ無くて?大好き?」


「(゜ー゜)。。)゜ー゜)。。)ウンウン♪大好きよ七緒」

優しく七緒を抱き締めるフォッセル全裸


「フォッセル姉様…(ノω・、)服着て」


「さぉ!涙を拭いて七緒♪今夜はマレーフィ姉様の所に泊まっていくわよね?」


「良いのですか?」


「マレーフィ姉!三人で寝て私達二人が七緒に魔力供給すれば或いは…」


「そうですわね♪私は明日の会議の事もありますので…MPの半分と言った所かしら?」


「私は明日はお休みだから2/3はあげられるわ」


「(-ω- ?)??」

訳が分からないと言う顔の七緒


「七緒?分からない?私達は七緒と違って神聖値は50以下、よこしまなる数値が高い者からの魔力供給だから、七緒の神聖値が下がるかも知れないって事よ♪」


(*゜▽ ゜*)パァー

「本当ですか!?」


「あくまでも或いはと言う可能性よ、確定事項では無いわ、でも一晩だけじゃなくて数日続ければ多分元通りになると思うわ」


「その…先程から…お二人は寝間着を着用するご様子が無いようですが…私も…その…

(*/∀\*)イヤン

全裸でなくてはいけませんか?」


「七緒が白髪はくはつのままで良いと言うなら、無理強いはしませんわ!

それと寝間着の着用はしません!」


「お二人は意地悪ですわ」


「おいで♪七緒♡」「七緒♪いらっしゃい♡」

ベッドに横に成り、かけ布団をめくり隣りに来いと促す二人


脱ぎ脱ぎ…(*/∀\*)イヤン


横向きに寝る七緒

正面にマレーフィ後ろからはフォッセル

七緒は二人に挟まれて魔力供給を受ける…


「(。-ω-)zzz」


「あれ?(-ω- ?)??

マレーフィ姉、七緒泣き疲れて直ぐ寝ちゃいましたわね」


「課題の魔獣をボロボロに成りながら倒したら聖獣みたいに身体が変化しちゃって…

落胆して帰ったら「誰?」と言われて…

頑張った結果が自分の望みと正反対だなんて、私でも泣きますわ

普段から頑張り過ぎくらい頑張ってたんですもの今夜くらいは気持ち良く寝させてあげたいですわ」


「そうよね…

マレーフィ姉?六郎って馬鹿なの?

自分の子供達はその馬鹿な課題のせいで七緒以外は全員死んじゃってるんでしょ?

それと?ギリガンは見て見ぬふり?アイツも同罪よね?」


「そうね…六郎は七緒を可愛がってる親バカではあるけど…

やらせてる事は大馬鹿者としか言えないわね

後、ギリガンかぁ〜

六郎のスケジュールをこなす七緒を憂いては要るし、それ以外のサポートは120%だと思うわ」


「そもそも七緒が蹄鉄騎士団に所属してる事自体が無理があるとは思いませんか?」


「そうね、七緒はミノタウロスのバッファロー種と人族のハーフなのに…容姿は…

魔族が擬人化したみたいな感じでミノタウロス感が全く無いから、確かに蹄鉄騎士団向きでは無いわね」


「そうよ!そもそも蹄が無いのに蹄鉄騎士団所属って無理があると思いますわ」


「確かに(*≧艸≦)そうね」


「それはそうと♡七緒♪可愛い寝顔ですわね♡」


「こうして見ると年相応の娘チャンにしか見えませんのに…

七緒のレベルは42でしたか?

(・・;)

あり得ないでしょ?同世代どころか蹄鉄騎士団所属の重騎士でもここまでのレベルの者は数える程しか居ませんわ…」


「それ程までに娘を追い込む六郎は本当に親バカなの?単なる馬鹿ですわよね?」


「……」


「姉様?」


「だんだんと…又、腹が立って来ましたわ…

どうしてやろうかしら…

こんなにも傷だらけで…

コレは?魔獣に噛まれた跡かしら?コッチは爪痕?」


「背中には傷一つありませんわ」


「背を向けて逃げる時に付いた傷は一つも無いと言う事でしょう…

魔獣の群れに囲まれても尚、背中に傷が無いとは…」


「何故?六郎はそこまで娘を追い込みますの?」


「ミノタウロスの矜持でしょうか?私にはあまりにも荒唐無稽こうとうむけいで分かりませんわ、

でも七緒の事です、嫌な顔一つせず、死滅の荒野で奮闘を続けて来たんでしょ?

蹄鉄騎士団の自分の居場所を確保させる為だけとは思えませんが…」


「私はどのような理由があろうとも理解したくもありませんわ!

だってそうでしょ?酷過ぎます!七緒が可哀想です」


「そうねぇ〜

親の期待に応えたい、蹄鉄騎士団の者達に認めて貰いたい、ギリガンに褒めて貰いたいと

そんな些細な事を幸せとして今まで生きて来たのでしょう…

以前「七緒様ぁ、その仕事はアンタにゃ荷が重いだろ?俺が代わりに行って来てやるから…分かるだろ?今夜俺の部屋に来いよ」と卑下た目で見て来たクズ男に肩に手を回されそうに成った時に自らのオノを振い一撃の元に鎧ごと袈裟斬りにして切り伏せて見せた事があったと聞きました。

イツも気丈に振る舞い、笑顔など見せた事も無い

笑わず、眉間にシワを寄せっぱなしの12歳の女児なんて七緒以外に見た事がありませんわ!

この子には屈託なく笑っていて貰いたい!

誰からも愛される容姿と性格をしているんだから、少しくらい女の子しても良いじゃない!

フォッセル!明日は私の分も七緒を甘やかしなさい!

可愛い服と小物を買ってあげて!お金に、いとめはつけません私が出します!

武器屋に行きたいと言っても却下なさい!

それと!可愛い下着も!

甘ぁぁぁぁいスイーツも食べさせなさい!」


「分かりましたわ姉様♪下着は少し攻めた物を試着させますわ!

ウフフ♪楽しみですわね」


「キィーーー!何で私は明日会議なのよ!

私も七緒と休日を満喫したいわぁ〜!」


「そんな…普通の女児が当たり前のようにしてる事を何一つさせないだなんて七緒が不憫ですわ!

もう、私の嫁にしても良いかしら?」


「あっ!ズルいフォッセル!七緒は私が嫁にするんです!渡しませんわ!」


「そもそも姉様は女性ですから!七緒を嫁には娶れませんわ!」


「貴女だってそうでしょうに!」


「我ら女性目線で見ても嫁に欲しい程なので…

貰い手は引く手数多でしょうね…」


「七緒は渡しませんわ!

この子には幸せに成ってもらわないと!

世界を敵に回しても守りたい存在ですわ」


「魔王様とマーモン様を敵に回しても?」


「そっ…それは…お二人を…敵に…」


「敵に?」


「んもぅ!フォッセル!貴女!意地悪が過ぎますわよ!」


「じゃあ、その二人が七緒を嫁にって言ったら?」


「それは…七緒を嫁にと仰るならやぶさかではないかしら…」


「…私は嫌です!」


「何故!?」


「七緒にはキュンキュンする恋をして結婚して欲しいですもん、魔王様もマーモン様もオッサンだし年齢的に私はNO」


「貴女が引き合いにお二人の名前を出したんでしょうに!

魔王ドンゴロス様とデーモンロードのマーモン様ですわよ!」


「未だ12歳の七緒とは年齢的に釣り合いが取れませんわ…」


「んんっ!」

少し目が覚めた七緒

(。-ω-)ボーーーーっとして意識がハッキリとしない…


コソコソ小声

「姉様!七緒が起きてしまいますわ!今宵くらいは安眠させてあげたいですわ」


「良い子ねぇ〜七緒〜♡もう少し寝ましょうか〜♪」


「は…ぃ…マレーフィ…姉…さ…ま…」

(。-ω-)zzz〜zzz

マレーフィに撫でられて又、小さな寝息を立て始める七緒


「フォッセル?貴女?魔力供給はどんな感じ?

私はMPの半分を渡し終えましたわ…

少し脱力感が…ありますわね」


「私は未だ少しかかりますわ、マレーフィ姉様は明日は大事な会議がありますでしょ?

先に寝て下さい」


「そうね…七緒が来たのも遅かったし…

日付は既に変わってますわね…

ごめんなさいフォッセル、申し訳ありませんが先に寝ますわ、おやすなさいチュッ」

フォッセルにおやすみのキスをして就寝するマレーフィ


「はい♪姉様、良い夢を」


「ありがとうフォッセル」

(。-ω-)zzz


『ウフフ♪今夜は姉様だけでなく、七緒の寝顔まで見れるとは眼福ですわね♪

私の魔力供給が終わるのは後…15分といったところかしら?七緒が目覚めたら元通り黒髪に戻ってたらサプライズよね…

MP回復薬を使えば…もう一回くらい同じ魔力量を供給出来るかしら?

七緒が頑張った成果が聖獣化だなんて酷過ぎる仕打ちですものね!

私は、もう少し頑張ってみましょうか』

(/◎\)ゴクゴク

MP回復薬を飲むフォッセル


『二回魔力供給しても未だ…戻りませんわね…

もう一回…』


自分の魔力総量を超えたMPを回復薬で補い七緒に流し込むフォッセル


『五回目…アイテム袋のMP回復薬が尽きましたわね…

外が少し明るく成って来ましたか…

でも!日頃の七緒の頑張りに比べたら!私が限界ギリギリまで頑張ったくらいでは足りませんわ!

神聖値を下げるだけ…そんな簡単な事すら出来ないなんて言わせない!』


MP回復薬でドーピングして魔力総量をとっくに超えて供給を続けるフォッセル…

気付けば意識は朦朧として、まともな思考回路すら欠き、手持ちのMP回復薬を使い切り朦朧とした意識の中、フォッセルはその魂も削りながら七緒への魔力供給を続けていた…


「(-ω- ?)んっ?背中が冷んやりして気持ちが良いですわね?」

目覚める七緒


目の前にはマレーフィ…


『私…直ぐに寝てしまったの?

フォッセル姉様は?』

振り向く七緒は…違和感に気付く


「フォッセル姉様!?フォッセル姉様!!」


「どうしたの?七緒?

あら?黒髪に戻ってますわね神聖値が下がりましたか?良かったわね♪」


「マレーフィ姉様!フォッセル姉様が!フォッセル姉様が!!」


「どうしました?」


「フォッセル姉様が冷たいの!。゜(゜´Д`゜)゜。

息もしていませんわ!

MP回復薬の空瓶がこんなにも転がっていて!

MP回復薬が尽きても私に魔力供給を続けたみたいですわ!

こんな事ってあんまりですぅ〜!

。゜(゜´Д`゜)゜。うぇ〜ん!」


「そんな!魂と命まで削って魔力供給を続けましたの!?

フォッセル!何て事を!!」



「七緒様…何処いずこへ?…」

七緒の部屋の扉の前にへたり込むギリガン


「せめて…書き置きくらいは、残しておいて頂いても良かったのでは…

いや…あの時の七緒様にそんな余裕は無かったか…

朝日が昇って来たか…とうとうお帰りあそばせなんだか…

七緒様が行きそうな場所は…

ルドウィンの城か…姉と慕うマレーフィの所くらいか…

満身創痍で、闇雲に歩いたとすれば頼れるのは、私か、マレーフィ、ルドウィン、アデルフォード、ルードリヒくらいか?

バンパイア領は遠過ぎるゆえ、彼奴の所しか無いか…

ダメ元で行ってみるだけ行ってみるか

キョウイチロウ襲撃も間近と言うのに…別件でここまで心労がつのるとは…儘ならぬモノだ…」


トボトボと歩き出すギリガン



マレーフィ宅玄関前


「(-ω- ?)んっ?マレーフィの部屋が騒がしいな?


扉が開く!


「医者を呼んで来ます!七緒は!フォッセルの元に居て頂戴!」


「マレーフィ!お前の家に七緒様が来て居るのか!?」


「ギリガン様!?こんな早朝にどうしました?

今はそれどころではありませんの!申し訳ありませんが中に入って七緒と共にフォッセルを見ていて下さい!」


「おっおう!」


「詳しくは七緒に聞いて下さいまし!私は医者を呼んで来ますので!」


「七緒様!何事でございますか!?」


「爺。゜(゜´Д`゜)゜。」


「泣いていては分かりません!説明を!」

ベッドに寝かされたフォッセルに泣き崩れるように覆い被さり号泣する七緒


「フォッセル姉様が!姉様がぁ〜!」


「七緒様!お気を確かに!フォッセルは?こんな状況で何故そんなにもグッスリと寝れているのです!?」


「私の神聖値を下げるんだと仰って、私が寝ている間!朝まで魔力供給を続けられて」


「そんな!?だからこんな血の気の引いた真っ青な顔なのですな?」


「心臓マッサージは!?雷撃ショックは!?試しましたか!?」


「朝、私が起きたらもう冷たく成ってて!我らでは手の施しようが無い状態で!」


「フォッセル!何と言う馬鹿な事を!」


「医者を呼んで来ましたわ!先生!早く!フォッセルを見てやって下さい!」


「フム( ;-`д´-)どれどれ?」

『うわー

冷たいじゃん、体温は?駄目だなこりゃ、瞳孔も開いてるし、このまま蘇生処置しても脳に障害が残る』


「私では何とも…手の施しようがありません

ご臨終です。」


「そんなぁ!フォッセル!フォッセルぅぅぅ〜」

「フォッセル姉様ぁぁぁ〜」


「…」

『フォッセル…命をとして七緒様の神聖値を下げたか…

惜しい人材を亡くした…』


「どうするマレーフィ?我らが血肉とするか?」


「そんな事!駄目ですわ!我が愛しのフォッセルを食べるなどと!

それに我ら魔女は魔族を血肉に変えて力を得ることは叶いません!」


「フォッセル姉ぇぇぇ〜

私が!私がいけないんです!私がここに来たばっかりに無理させてしまった…」


「七緒…」


「フォッセル姉ぇぇ〜」


「七緒様…フォッセルめは貴女様がお連れなさい、復活させる何かしらの手段が見つかるやも知れません…

それまでは貴女様がアイテム袋に入れて肌身離さず持ち歩くのです。

時間経過の止まったアイテム袋はお待ちですかな?無ければ私のアイテム袋をお渡致しましょう」


「爺。゜(゜´Д`゜)゜。ありがとう」


「礼には及びません、このくらいしか出来なくて申し訳ございません…」


聖獣ミノタウロス化してしまい、父のスケジュールをこなすのに疑問をいだくに至った七緒に追い討ちをかけるフォッセルの死…

フォッセルの命をかけた魔力供給により神聖値は下がり魔族ミノタウロスに戻ったがフォッセルは息を引き取るという悲劇…


「七緒様は暫く立ち直れまい…

キョウイチロウ強襲作戦には連れて行けぬな…

致し方あるまいて…」


「爺…」


「何ですかな?」


「フォッセル姉様は常日頃…

魔族の安寧をと仰っておいででした…」


「はい」


「今、その安寧を脅かす存在が現れたと聞きます…

キョウイチロウ強襲作戦!私は参加しますわよ!」


「七緒様…ご無理はなさらない方がよろしいかと」


「では、キョウイチロウに蹂躙されよと?

フォッセル姉様が求めた魔族の安寧は?

諦めよと?」


「それは…」


「それは何よ!爺!言いなさい!」


「七緒、ギリガン様にあたっても… 詮無き事」


「マレーフィ姉様だってフォッセル姉様の願いを叶える義務がありますわ!

今からだって魔族の脅威に成っている者を屠りに私は行けます!」


「七緒…落ち着きなさい」


「こんな素敵な寝顔なのに…

息をして下さいフォッセル姉様…

起きて私を又、優しく抱きしめて下さい…

姉様…姉様ぁぁ

こんなのあんまりです!酷過ぎます!どうして?どうしてこんな事に…

全部私のせいですわ…私が此処に来たばっかりにフォッセル姉様は…」


フォッセルが魔力供給のし過ぎで亡くなった事は魔族領全域に号外として報道された…

悲しみに暮れる七緒…

新たな決意と共に前に進む事を決める。

フォッセルを懐に忍ばせ戦さ場に身を投じる七緒、共に魔族の安寧を願う七緒の戦いが今、此処に始まった。

ここまでお読み頂きありがとうございます!


この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、

ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ


読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!

よろしくお願いいたします!

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