第114話 アンナ、ハインデルの闇を知る
今回、カニバリズムの狂宴と言う事でR18指定にしようか迷いましたが…
とりあえずR15のままで行きます。
気分の悪くなる方が居るかもしれません、その時は読むのをやめて下さい
「着いたぞアンナ…」
「なっ!?師匠!此処は末端とは言え国政を担う貴族の屋敷ではありませんか!?」
「此処で間違い無い!」
「何と申し上げたら良いか…」
「驚くのも無理はない、末端とは言え国政を担う貴族の主催の狂宴、故に耳を疑うのも無理はない!
アンナよ!引返すなら今ぞ?」
「参りま…す…わ…」
「覚悟は決まったと?」
「はい」
「では、この事はキョウイチロウ殿には内密にせよ!墓まで持って行くのだぞ!分かったな!」
「はい…」
パーティー会場はまるで仮面舞踏会のような目だけを覆う仮面を付けた者達で溢れかえっていた
「醜悪ですわね…」
「宴の本番は此処からだ…心せよ…急に声を上げて助けに行かれても困るので軽く説明する」
「は…い…」
「今回の狂宴のメインは食事だ、今テーブルに並べられている料理の材料は全て…人…だ…」
「えっ?」
「奴らは美食と称してカニバリズムに興じている
飢餓や食料不足の際に、生き残るために同種を食べる生存の為のカニバリズムでもなく
宗教儀式や祭祀の一環として、人肉を食べる行為の儀礼的、宗教的なカニバリズムでもなく
敵の力を奪う、または死者と一体化するなど、象徴的な意味を込めて人肉を食べる行為でもない
美味い食事として同族食いに興じている
我からすれば狂っているとしか言えぬ
アンナよトラウマになるかもしれんが途中で助けに入るでないぞ!
全てが終わった後に奴らを同じ目にあわせてやるのだ!
分かったな!耐えよ!堪えよ!ただひたすらに我慢せよ!
何故なら、この醜態を発見し糾弾出来なかったお前達ハインデル王家への戒めなのだから!
では厨房に行くぞ!」
「はい…」
厨房にて
「おい!シスター!今回もお前の出番だ!孤児院の大切な子供達を守りたければ、絶妙に死なない程度に部分回復魔法を掛けろよ、前回のように傷口まで塞ぐ大回復なんぞしようものなら…
次は我が身と知れよクフフフ♪
自分の腹を開かれて自分で気絶しないように回復するのは大変だぞ♪アハハハハ!」
「くっ!外道が!」
(っ゜∀゜)≡⊃)∀゜)∵
握り拳で顔面を殴られるシスター アーニェーゼ
「口の利き方に気を付けろとあれ程言い聞かせただろうが!このボケナスが!学習出来ないのか?馬鹿なのか?旦那様に叱られるのは俺なんだぞ!
テメェは!この仕事をして金を貰えているから孤児院の経営が成り立っているんだろうが!」
そう言いながら倒れ込んだシスター アーニェーゼの脇腹の柔らかい部分をつま先で蹴りまくる使用人
「うっ!ぐっ!あっ!かはっ!」
痛みに耐えるシスター アーニェーゼ
『くそっ!くそっ!くそかす野郎!ハインデル王家からの孤児院への多額の寄付金を横領して私腹を肥やしているクズ貴族達め!
参加している貴族共は孤児院から養子にと連れて行った子供達を食材にする為に育てていて今回連れて来ている…
あの子たちがクソ貴族達のディナーで食べられるだなんて…
あの子も、その子も、連れて来られて…皆んなごめん、ごめんなさい…私の孤児院に連れて来られたばっかりに…
(T . T)
女神様に使えるシスターがこんな汚い言葉を使ってしまって子供達に合わせる顔がないわ…
こんな状況でも誰も助けに来てはくれない、この世界には神も女神も居ない…そんな所に現れた希望の光であった筈の五番目の勇者様も…あぁ神も女神も信じません貴方様だけが私達の希望…助けて…くださいまし…』
シスター アーニェーゼの悲痛な祈りは、願いは、誰にも届かないのか…
「何を泣きながらコッチを睨んでんだよボケ!
次回のディナーはテメェでも良いんだぞ!
色んな部分を切り取られて食われてみるか?
旦那様に頼んでおいてやるよ!子供達ではなく私を食べてって懇願しているってな!
アハハハハ♪
その時は別の孤児院のシスターに回復をやらせるか!
卵巣や色々な部分を食われるだろうが、せいぜい頑張りな」
そう言いながら卑下た薄ら笑いを浮かべて繰り出す使用人の蹴りは止まらない
「汚ったねぇなぁ血が付いただろうが!
責任取って舐め取れや!ボケシスター!その反抗的な目を辞めねぇともっと酷い目にあわすぞ!
今回も大回復なんて使って傷口を塞ぎやがったら!一週間不眠の刑だからな!覚悟して臨めよ!」
「…」
不眠の刑とは椅子に縛りつけ眠りそうに成ったら焼けた火箸を身体に当てて無理矢理起こすもので火箸を当てる者は交代するが刑を受ける者は寝れない拷問である
中世イギリスで魔女のフォークと呼ばれる拷問器具があった。当時、基本的に拷問は禁止とされていたようだが睡眠妨害の拷問は他の拷問と違って身体に痕が残らないので頻繁行われていたようだ
人が生きて行く為に睡眠は必要不可欠な行為でありそれを強引に妨げられると…誘導尋問にかかりやすくなる
睡眠させて貰えないという障害が正常な判断を阻害し正確な答えが出せなくなる
この手法を使い異端審問官だったマシュー・ホプキンスは68人を魔女として自白させ死罪に追い込んだ
他にも精神に異常をきたして亡くなった者も多く居る…それが使用人が言う不眠の刑である
「返事!!!」
そう言いながらシスター アーニェーゼの横っ面を足の裏で蹴り押す使用人
「きゃっ!」
「可愛い声出してんじゃねぇ!会場での発声は厳禁だっつったよな!」
そう言いながら又、シスター アーニェーゼを蹴る使用人
「…」
「そう!それで良いんだよ!理解が遅せぇよ!
さっさと腫れた目と顔をヒールで治しやがれ!そんな面でパーティー会場に行けねぇだろうが!」
『くっ!誰が殴って蹴ったのよ!お前だろうが!本当に腹が立つ!』
「だから!何も言わなくても、お前の目が不満を雄弁に語ってるだよ!少しは愛想良くしてみやがれってんだ!」
又、シスター アーニェーゼを蹴る使用人
「お前!シスターにそんな酷い事をしたら駄目だろ!」
『救いの手を差し伸べてくれる奇特な方が?』
「自分の回復でMPを消費し過ぎてメインディッシュの食材が回復出来なくなったらどう責任を取るつもりだ!?」
「はい!すみません!」
『くっ!コイツもクズか!誰か!助けて!愛しの勇者様…』
(ノω・、)
頬を伝う涙を拭うシスター、アーニェーゼ
「自分の回復は済んだか!?」
「…」
「何か言うなり、首を縦に振るなりしねぇと分からねぇだろうが!ボケカスが!」
座り込むシスター アーニェーゼの腹を蹴る使用人
「グハッ」
吐血するシスター アーニェーゼ
「馬鹿野郎!シスターもある意味で主賓なんだ!蹴ってないで!さっさと着替えさせろ!」
「分かりました!さっさと自分で自分を回復して前回と同様にコレを着ろ!」
『くっ!又、例の衣装か?衣装とは名ばかりの胸は核心部だけがギリギリ隠れる面積しかないマイクロビキニ、下は…下着の着用を許さないフリル付きのエプロンだけ…しかも股間は隠せない程、布の面積が狭い、コレが衣装?変態貴族どもめ!下に下げて股間を隠すと、腰で縛れと上げさせられる…それにニーソを履けだなんて…何処受け狙いなんだ?
こんなの衣装じゃない!裸と一緒だわ!』
「さっさと着替えろや!ニーソックス好きの方々は多い!需要があるから必ず履くように!」
「…」
『鬼畜が同族食いをして変態が望む格好をさせる…この宴は狂っている…
あぁ何故…何故?あの強大な魔力波動の五番目の勇者様はハインデルを出て行ってしまわれたの?
あの光の柱を見たあの日あの時…神が降臨されたのだと思ったら又、気配が消えた…
ハインデルの王城を原初の森に変えた時と同じ波動を感じた…あれは紛れもなく五番目の勇者様の魔力波動でした…今、何処に?』
両目に溢れそうな迄に涙を溜め唇を噛み締めるシスター アーニェーゼ
何故?秘匿されている筈の五番目の勇者であるキョウイチロウの情報が広くハインデルに広まっているかと言うと、シルキー達である
ハインデル全域に留まらず魔族領まで広がったキョウイチロウの魔力波動はシルキー達を狂わせた…
ラフティーナ、ルイーズ達を例に上げれば分かり易いだろうか?
つまり、ハインデル全域のシルキーはキョウイチロウに首っ丈なのだ、ハインデルには五番目の勇者様が迎えに来てくれる日を心待ちにして居るシルキーしかいない
その後、魔力隠蔽を覚えたキョウイチロウは存在を消してハインデルを去った
その事はシルキーの居る家屋の者達で知らない者は居ない程に五番目の勇者の存在は広くハインデルに知れ渡る事となった
「返事!」( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
使用人にビンタされるシスター アーニェーゼ
「キャッ!」
「キャッじゃねぇよ子供達がどうなっても知らねぇぞ!その衣装に着替えなきゃパーティー会場には入れねぇのは知ってるだろ!」
「はい…」
厨房は熱気に包まれていた
食材と称される子供達は猿轡され死なない程度に回復され内臓や肉が切り取られては回復魔法で回復させられると言う正に地獄絵図と化していた
「酷い!」
隠れて見て居る石川五右衛門とアンナ
「アンナよ!感情の起伏により気配を察知されるで無いぞ!」
「は…ぃ…」
消え入るような弱々しい返事をするアンナ
「良く聞けアンナよ、我が狂宴の内容を説明して子供達を助け、腐った貴族共を今直ぐ誅す事は可能だ」
「ならば!今直ぐにでも!」
「己が国の病巣をその目に焼き付けよ!何も今回が初めての狂乱の宴という訳では無い!分かるな?」
「はい…
事ここに至るまでには…
先ず食べて味を確認した貴族
それを料理する料理人の確保、なのか自主的に主人に出す前に味見しながら提供したのかは定かではありませんが料理人も同族食い
子供達の調達方法の確保
賛同する貴族達が自宅で持ち回りのパーティーを開くまでには、かなりの時間と労力とお金が必要となって来る筈…
師匠の言う通り…今回が初めてでは無い事は明白
それを白日の下に晒す事が出来なかったハインデル王家の咎」
「我も気付いてはいたが、魔王軍の対応で他国への干渉をしている暇が無かった…
末端とはいえハインデルの国政を担う貴族の失踪にジーパングォが関わった事が公になれば国際問題になりかねん…と…
言い訳にしかならんか…」
「それで病巣は拡大して今に至ると?」
「厨房に居る子供達はパーティーに参加している貴族の奴ら全員が孤児院から養子に取った子供達だ…本気で養う気は無く食材としか見ておらん」
「兎人族や亜人も数名、見受けられますわね…
それにしても酷い…酷すぎる…
許さない、絶対に許さない」
アンナは拳を強く握り締め過ぎて血が滴る
「未だ動くなよアンナ、我らは法の元に裁きを下しに来たのでは無い!
己の正義の名の下に、同じ事をしに来た、ただの殺戮者だ!
言いたくは無いが、ハインデルの貴族の蛮行を裁く事が出来なかったお前達の咎でもある…
今は耐えよ!」
「は…ぃ…」
腹を縦に開かれ脈打つ心臓も露わにされ医療器具で固定されて生きたまま豪華な手押し車に乗せられ運ばれる子供達
「くっ!外道が!」
「その目に焼き付けよ!人はここまで醜悪に成れるのだ!魔族と何が違う?人の皮を被った人外の外道達の狂乱の宴よ」
「…」
自国の究極な趣味の行き着いた闇をまざまざと見せ付けられ言葉を失うアンナ
「さて…ここからが更なる醜悪の極みぞ!
我に任せてアンナは帰っても良い!下がれ!」
「いえ!師匠と共に参ります…
病巣の切除は私のお役目ですわ」
「分かった!パーティー会場に行くぞ」
「はい!師匠!」
パーティーメイン会場にて
「それでは!ご歓談中の皆様に於かれましては、今回のメインディッシュの為に食事を抜いて来た方もいらっしゃるとか?
準備が整いましたのでメイン食材のご登場です!」
「うわぁぁぁ〜」大歓声が上がる
「わたくし!この日を待ち侘びましたのよ♪
今回は男の子供の白子を食べに来ましたの♪聞けば精通が始まったばかりの男子がメインディッシュとして提供されるとか♪」
「わたくしもですわ!食材の苦悶の表情が見たくて来たと言っても過言ではありません、前日から楽しみで夜も眠れませんでしたのウフフ♪」
「流石は奥様♪良いご趣味をお持ちでらっしゃる」
「ワシの所がメイン食材として提供したのは肥え太らせた男子のフォアグラ!あの脂肪肝のまろやかな舌触りと味と言ったら格別♪普通のフォアグラでは物足りなく成ってしまう!この宴を考案して下さった男爵様には感謝しかありませんぞ!」
「ウフフ♪夫婦揃って食通とは流石ですわ」
などと盛り上がっていると…
会場の明かりが消える
入り口の扉に当たるスポットライト
「メイン食材のご入場!です!」
扉が開き、目隠しと耳栓をされた音楽団が使用人に肩を叩かれて演奏を開始する、楽団員は、どんなパーティーなのか何も知らされていない、何か胡散臭いと思いながらも高額報酬に釣られて来ただけの楽団だ
「あぁ♪回復役のシスターのあの格好♪恥ずかしそうにする苦悶の表情が堪りませんわ!わたくしの嗜虐心をくすぐりますわぁ♪
無理矢理に付けさせた尻尾も異物感にモジモジしてますわね…あぁぁぁぁ最高♪その表情!もっと!もっと頂戴!」
「我はあのニーソックスに萌えを感じますなぁ」
「分かりますぞ!痩せすぎの太ももでは感じ得ないあのめり込んで段差の出来たら末端部♪堪らん!
今宵は男爵様に頼んで借りる算段を取り付けているのです!」
「ほほぅ…手籠にすると?」
「違います!あのニーソックスを履いた足で!
股間を踏んで貰い、四つん這いのワシのアソコを蹴り上げて貰うのです♪
想像しただけで…あぁ〜堪らん!堪らんぞ!パーティーが終わるまで焦らされるのも堪らん!」
「師匠?何ですの?あの変態は?
ナニをどうして貰うと嬉しいんですの?わたくしには理解が及びませんご説明を求めます」
「奴は捨ておけば良い」
「何故です!?シスターが不憫ですわ!」
「まぁ…何だ…自分が痛め付けられる事に快感を覚えるだけの、ただの変態だ他人に迷惑を掛けている訳ではあるまい?」
「しかしシスターが攻める事に目覚めるきっかけになるかも知れません!」
「シスターが攻めに目覚める?だと?
アンナ…貴様…全て知っていての我への質問だったならただでは済ませんぞ?」
「すみません」
「冗談を言って良い時と駄目な時を弁えろ!」
「はい…申し訳ありません」
「剣技の訓練とハナ殿の英才教育の元でそのような事柄に付いて無頓着だと思っておったが…何処で知った?」
「キョウイチロウ様の…
夜のテキスト番外編…」
「なっ!?ハインデルを出てからの知識と申すか!?キョウイチロウ殿…じっくりと話す必要があるな」
「あの…」
「何じゃ!?未だ何かあるのか!?」
「私…キョウイチロウ様の書かれた夜のテキストはルイーズ様の所有物でして、ルイーズ様には内緒で拝借して読んだだけの知識でして…キョウイチロウ様から直に教えて頂いた訳ではありませんので…その…」
「分かった!其方も年頃の娘よ、そう言った事に興味を持つなと言う方が無理と言うもの…
キョウイチロウ殿への言及はせぬ、安心せい!」
「あの…」(*/∀\*)
顔を真っ赤にして照れるアンナ
「そんなに照れるくらいなら最初から我を揶揄うで無い!」
「ごめんなさい師匠」
「まぁそれはそれとして、始まるぞ!馬鹿共の宴が!」
「それでは皆様食べたい食材の前に!」
各孤児院から来たシスター達が自分の孤児院から養子に出された子供達の手押し車の頭側に立つ
「シスター!シスター!助けて!お願い!」
そう言っているのであろう、子供達は猿轡がされている為に何を言っているか分からないがシスター達には分かる、五人のシスター達はアーニェーゼと同じ格好をさせられ、頬を伝う涙が子供達の額にとめど無く溢れ落ちていた…
「では!始めて下さって結構です♪
料理長が腕によりを掛けた今回のメインディッシュ!ご堪能下されは幸いです!
膀胱付近は細心の注意を払って下さい!破ざすと臭いので周辺部位は食べられなくなってしまいます、お気をつけ下さいますよう重ねてお願い申し上げます!」
「んーーーーー!!!!」
「部分回復!部分回復!部分回復!」
焼けた火箸を食べたい部分に当てて焼き始める貴族達
焼けたそばから切り取り口に運び恍惚の表情で焼いては食べを繰り返す、狂乱の宴が開始された
「酷い!見ていられない!」
「見よ!アンナ!目を背けるで無い!帰れと言ったのに残ったのはお前の意思ぞ!
日毎、このような狂宴が繰り返されていたのだ!これがハインデルの実態ぞ!」
「そんなぁ!ハインデルはコレが全てではありません!」
「コレも又、ハインデルの事実である!我は此奴らを許さん!絶対に同じ目に合わせてやる!」
「私も…許しません、師匠はどのよう同じ目に合わせるのですか?奴ら貴族の腹を捌き焼いて切り取るのでしょうか?」
「ぬるい!そんな事で我の気が済むとでも?」
「…」
「分からなぬか?分からないだろうな…」
『どうしたものか?捕縛までをアンナに手伝わせ物的証拠をもってハインデルのアルザス2世の元に向かわせるが得策か?
それとも最後まで同行させるか迷うところよの…』
「師匠?どうされましたか?」
「いや…何…我は究極の天誅を考えて実行する予定だがアンナには見せられんと思ってな」
「何故です!?私も師匠に付いて行くと決めています!駄目と言われても付いて行きます!」
「ではアンナよ我は同じ事をすると言ったな」
「はい」
「アンナの考える事をぬるいとも言ったな」
「はい…」
「今回、我は全ての貴族の娘と息子である子供達を捕縛してここに連れて来させている…
と言う事は?」
「貴族達の子供を!?
自分の子供を親に食べさせるのですか!?」
「そうだ!」
「酷い!子供に罪はありません!」
「甘い!」
「なっ!?」
「では質問するぞ!ゴブリンの子供をお前が子供に罪は無いと育てたとする、アンナの愛情を受けて育って大人のゴブリンに成ったら、そいつは安全なゴブリンか?遺伝子に刻まれた残忍な殺戮衝動と女を犯す性的衝動、それを可能とする力を手に入れたら?」
「実行するでしょうね…」
「先程も我は言ったが奴らは人の皮を被った人外の外道であると、それは子供であっても同じである!
自らの意思はなくとも遺伝子に組み込まれている悪行を止める術を子供達は知らぬ、と言うかカエルの子はカエルよ、他の何者にもなれぬ!
我は子供と言えど躊躇なく殺す!
アンナよここで引き返す事も一つの決断ぞ?
さすれは風魔の里での修行も白紙になるが、手を汚す者と政治を司る者では役目が違うのだ」
「…」
「分かったら帰れ、アンナよお前には酷だ」
「しかし…」
ビクゥッ∑(OωO )∑(O_O;)ビクッ
「この気配は!?キョウイチロウ様!?」
「この膨大な魔力!?キョウイチロウ殿か!?」
屋敷の屋根に立つ影
キョウイチロウ、セイラ、ラフティーナ、ルイーズ、セバスチャン、ノウェル、
「皆んな!屋敷の灯りを消して!」
「主人殿の御心のままに!」
消える屋敷の灯り、それと共に消える屋根の人影
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
「あぁ♪この魔力波動は五番目の勇者様ぁ♡
神も女神も信じません、貴方様を敬い崇めます♪
大回復!」
暗闇の中で五人のシスター達はキョウイチロウの魔力波動を感じ咄嗟に愛しい子供達に大回復かけて助ける
それを見計らうようにして背後に感じる気配に身を任せるシスター達
「後は任せた!セバス!ルイーズ!ラティ!頼んだよ!攫われてる貴族の子供達もお願いね!」
「主人殿の御心のままに!」
「何だ!?何事だ!?」会場はパニックに陥いる
灯りが灯る…
そこにメインディッシュであった筈の子供達もシスターも居ない
「何が起こった!?」
バーーン!扉が蹴破られる!
「はぁ!?何だ!?」更に会場はパニック
煙幕の中から現れるキョウイチロウ達
「ケホッケホ、キョウイチロウ様この煙幕の演出は必要なんですか!?」
「主人!煙いの」
「まぁ( ̄▽ ̄;)演出として必要だった!筈!」
「筈!?又、そんな曖昧な事を!付き合うわたくし達にも配慮願いたいものですわ」
「そうなの!そうなの〜!もっと言ってやってセイラ〜!」
「誰だ貴様ら!?余興を頼んだ覚えは無いぞ!」
「楽団の皆さーん!目隠しを外して外に出て下さーい!」
耳栓と目隠しを外され何事が起こったかも分からずワラワラと部屋を後にする楽団員たち
「だから何なんだ貴様らは!?ワシの屋敷で好き勝手しおってからに!」
「屋敷?セイラ?ノウェル?屋敷なんて何処にあるんだ?」
「さぁ?サッパリ分かりませんわ」
「ノウェルも理解不能なの」
「貴っ様ぁ!此処を何処だと思っている!異世界からの来訪者である私!マシュー・ホプキンス男爵邸と知っての狼藉か!?」
「セイラ?楽団員は?それと…アンナ!居るんだろ?一緒に来ている者と退去しろ!」
「なっ!?師匠!旦那様に気付かれてますわ!」
「くっ!私の計画が台無しだ!一体何を考えているんだキョウイチロウ殿は?」
「でも何かするみたいですので、一度ここから出ましょう!」
「致し方あるまい」
気配が消えるのを確認したキョウイチロウ達
「セイラ、ノウェル、破壊するよ」
「主人殿の御心のままに」「主人殿の御心のままに」
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
\\\└('ω')┘////フォーー!
チュドーーーーーン!
「何事か!?なんの音だ!?」
「天井の気配は?」
「ありません!」
「じゃ壁も天井も破壊!」
「かしこまりました!」
ボッカーーーン!
「な!?ワシの屋敷が!?貴様!なんのつもりだ!」
「あぁん?何のつもりだ?だとぉ?…」
キョウイチロウの会話に割って入るセイラ
「黙れ外道!人知れず人肉パーティーを楽しんでいたのは周知の事実だ!
王国憲兵から隠れてコソコソと狂乱の宴を催していた事!キョウイチロウ様がご存知無いと思ったか!この下郎が!そこに直れ!」
「貴っ様ぁ!こんな事をしてただで済むと思ったら大間違いぞ!」
「キョウイチロウ殿!我の綿密な計画を反故にした理由!お聞かせ下さい!」
更に会話に割って入る石川五右衛門
オロオロ
〜(′□`*=*′□`)〜
更に更に会話に割って入るアンナ
「オロオロしていないでご説明を!」
石川五右衛門
「キョウイチロウ殿!」
セイラ
「キョウイチロウ様!ご採決を!成敗ですか!」
ノウェル
「殺しても良いの?」
アンナ
「キョウイチロウ様ぁ!」
「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜」
「貴様らぁー!グダグダではないか!何がしたい!ハッキリ申せ!」
ブチ切れる貴族達
キラーン( ✧Д✧) ( ✧Д✧ ) キラーン
「黙れ!」 「お黙りなさい!」
「…
はい…」
石川五右衛門と、セイラの気迫に押されて黙る貴族達
「って屋敷を更地にされて使用人に料理人まで殺されて黙ってられるか!ボケぇ!」
( ✧Д✧) キラーン
「改心!」
改心とは、キョウイチロウの新しいスキルである
読んで字の如く悪い心を改めて、良い方向に変わることを意味します。自分の過ちを悟り、心を入れ替える…
その際に悪しき心しか持ち得ないクズ中のクズは自我が崩壊する
「案の定か…コイツらもう使い物にならないな、セイラ?ノウェル?馬鹿貴族達を憲兵に突き出して来て」
「( ロ_ロ)ゞりょ!なの」「かしこまりましたわ」
「キョウイチロウ殿!何ですか!?そのスキルは!?」
「(。=`ω´=)ぇ?っと…改心だけど…」
「読んで字の如くですか!?」
「そうだけど…」
「では!?何故!?貴族が?カニバリズムに興じていた大人は全員!自我が崩壊したように放心状態なのですか!?
それと!?攫った子供達は?何故!?キラキラした純粋そのものな目でコチラを見て居るのです!?
ご説明を!」
「( ̄▽ ̄;)えっと…悪しき心しか無い大人、改心の余地が無いクズ中のクズは良い方向に進めず自我が崩壊して廃人に成ってしまったみたい、貴族の子供達は純粋無垢に遺伝子レベルで改心出来てるみたいだね」
「廃人に成った者達は?」
「改心出来ない大人は元には戻りません…
世話をしてくれる人が居なければ、そのまま野垂れ死ぬかと、当主を失って後継者である子供達は全て改心したので同じ事をして家業の貴族を継ぐ者は一人も居ないでしょう、お家は取り潰しになるかと」
_| ̄|○ ガックリと膝を付く石川五右衛門
「私の天誅の上を行く正しく神の所業のような采配!規格外にも程がある!キョウイチロウ殿…これほどとは、コレではアンナの教育にすらならん!」
「でもでも?キョウイチロウ様は何故?ここで私達がしようとしていた事にお気づきになられたのですか?」
「アンナ…念話回線、切断して無いでしょ?」
「(;゜д゜)アッ…」
「アンナよ念話とは?何じゃ?」
「( ̄▽ ̄;)えっと…師匠との会話は全てキョウイチロウ様に筒抜けだった…みたいですわ」
「何と!?キョウイチロウ殿には全てに於いて敵いませぬ!」
「じゃあ五右衛門さんも私の従者に成るかい?」
「更なる高みに行けるなら願っても無い事にございます、是非にも」
「強制三段階種族進化!」
「キョウイチロウ様!?同郷の師匠も種族進化出来るのですか!?何故可能なのです!?」
「(=`ェ´=)フフフ
どうやら風魔小太郎さん達四人は理由は分からないけど炎の女神の加護を受けてるみたいで同郷の異世界人でも進化出来るってステータスに書いてあった
(๑・ω-)」
「そんな!?」
\\\└('ω')┘////フォーー!
「力が!力がみなぎる!
はぁーーーーん♪」
「何事ですか!?」
「(;゜д゜)アッ…」
「何ですのキョウイチロウ様!?」
「石川五右衛門さんの神聖値が90に…」
「人族のMAX神聖数値ではありませんか!?」
「大盗賊の師匠の神聖値が90だなんて!?それはもう師匠ではありませんわキョウイチロウ様!」
「(=`ェ´=)フフフ
( ゜□゜)アハハ/\/\/\!!素晴らしい!
キョウイチロウ様!
我を臣下に加えてくだされ!粉骨砕身、働く所存!これからは石川五右衛門さんでは無く五右衛門とお呼び下され!」
「師匠!?風魔の里での修行は!?」
「あれ?…(;・`д・´)アンナ気付いて無いの?」
「何がですか!?」
「風魔の里の長は全員私の従者に成ってるからスキルは全て使用可能な筈だよ?わざわざ修行に行くまでも無いと思うけど?」
「しかし!風魔の里で暗部の仕事を覚えてキョウイチロウ様のお力になりとうございます!」
「(-ω- ?)んーー……」
アンナのレベルをステータスで確認するキョウイチロウ
「アンナは後、レベルが1上がれば三段階目の進化が可能まで成長してるから…
今からレベル上げようか?」
「そんなお手軽が過ぎます!」
「するの?しないの?それとアンナは暗部を知らなくても良い!アンナは今のままのアンナで充分役にたってるし魅力的だから」
「(*/∀\*)きゃー!それは求婚と捉えても!?」
「主人…聞き方がエッチなの」
スルーされるアンナ
後処理を済ませたノウェルとセイラが戻って来た
「ノウェル…(;・`д・´)エッチくは無いからね!するのは修行だ・か・ら!」
「じゃあその前にセイラが言ってたアレやりたい!」
「(;゜゜)マジかぁ…本当にしなきゃ駄目か?」
「しなきゃ次は手伝わないってセイラが言ってた」
「うーーーん(・・;)仕方ないか…」
∠( `°∀°)/「やったぁ♪セイラ!主人!ノリノリでやってくれるって♡」
「ノリノリでは無いよノウェル!」
「本当に!?ウフフ♪」
「セイラ♪楽しみにしてたの〜♪コッチに来て主人!」
『…全く聞く耳持たずか?…(;・`д・´)』
「はいはい、分かりましたよノウェル」
「キョウイチロウ様!参りますわよ!」
「おっ…おう!」
「返事が小そうございますわ!もっと大きな声で!」
「任せろ!」
「ノウェル!」
「はいセイラ姐さま!」
∠( `°∀°)/∠( `°∀°)/∠( `°∀°)/
「悪しき者の悪行を許さぬ正義の使徒!キョウイチロウここに見参!」
「主人に仕える忠実なる従者ノウェルここに見参!」
「悪を憎み正義を愛し貫く神の使徒であるキョウイチロウ様の忠実なる嫁!セイラここに見参!」
「成敗!」×3
シスター五人と孤児院の子供達、そして改心した貴族の子供達、そして気付けば屋敷の破壊音を耳にした近隣住人達の黒山の人だかり…
そこにポーズを決める三人…
「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」地響きのような大声援が三人に送られる!
「正義の人キョウイチロウ!正義の使徒キョウイチロウ!神の使いキョウイチロウ!」
「決まりましたわね!」「決まったの!」
「何でこんなに人が!?」
ビクゥッ∑(OωO )!?
「勿論!キョウイチロウ様の偉業を町中にノウェルと喧伝しましたので♪」
「(*/∀\*)やめてぇー!」
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
「あっ待って下さいましキョウイチロウ様!」
「主人置いてかないで欲しいの!」
「お待ち下されキョウイチロウ様!」
「修行は!?キョウイチロウ様ぁ!」
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
レ(゜∀゜;)ヘ三ダッシュ
念話通信
「ルイーズ、セバス」
「はい」
「更地に成った貴族邸の跡地に新しい孤児院を建てるまでの間、シスターと子供達の保護をお願いしても良いかい?」
「かしこまりました。
孤児院が完成するまでには女子は淑女に男子は紳士に教育致しますわ」
「程々にね、算数と一般教養も、みっちりお願い」
「程々に、かしこまりました」
その後、少しの修行で三段階目の進化を遂げたアンナだったが…
実年齢が17歳だった為に三段階進化が終了しても20歳ではない自分に納得がいかなかったようで少しゴネて拗ねるアンナを可愛いと思ってしまうキョウイチロウであった
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