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第112話 キョウイチロウの思い

セイラどころか…

従者全員に愛想を尽かされたキョウイチロウは…

嬉々として研究に没頭していた!

…が…


「(=`ェ´=)フフフ

バンパイアの為の培養血液!これに…提供して貰った貞操を守っている女性の血を混ぜれば!

男性バンパイアにも美味しく頂いてもらえる筈」


「後は…

この異世界には回復ヒールがあるからポーションの重要性が低い!

しかもヒールは重症者に重ねがけしても回復過剰になるだけで重症者には効かない、治すには高レアの回復魔法が必要に成ってくるが…

上位回復は、あまり使える者が居ない、とくれば…

駆け出しの初心者にも安価で使えるポーションと非常時に使える少し高級な上位回復ポーションが必要に成って来る…

(=`ェ´=)フフフ

これが完成すれば回復役が居ない時にも安心!

魔力切れでも回復可能♪」


「他にも〜♪

アンデット用の聖水に毒消しに…

最上位のポーションである万能薬…は…

作らない方が良い…のか…?

本来死ぬ筈だった者が助かる薬…異世界の未来を変えて歴史を変える事になるのは間違いない…

作って良い物か…」


「(-ω- )んーーー?どうした物か…

まぁ♪二、三本くらいなら使っても…良いかなぁ〜」



│壁│д゜)

「どうですかラティ?キョウイチロウ様は?」

|д゜)チラッ

「嬉々として研究開発に没頭していますわね…」


「くっ!一体全体、どうすれば?自信のお身体をご自愛下さるのですか?

このままではキョウイチロウ様の研究ははかどり、わたくし達従者の安全が担保されてしまう

…それはそれで良いでしょうが!

キョウイチロウ様が休んでいないのは何故ですか!?」


「ワーカホリック」


「(-ω- )んーーーー」


「今度は何に悩んでいるんです?」


「分かりません、雨空を見詰めて何か考えてますわ」


「私が都市を作れば…魔王に焼け出された土地からあぶれたあの子、あの人、

ハインデルにも居たな…

中庭を森に変えたあの日、少しだけ見えた街の西側にはスラム街があった…

アルザス2世は自分だけ過度に貴金属を纏い国民に圧政を行うような悪い王では無いが…

いかんせん奴隷紋で獣人や龍人を無理矢理従わせ、蹂躙した小国の民を服従させて奴隷としていたのも事実…

スラムの住人に仕事をしてもらい人並みの生活をさせてあげたい…

奴隷を解放したい…

魔王を討伐したい…

ルドウィン達のような、魔族の話しが分かる奴らを仲間に引き込みたい…

日がな料理してたい…

庭木の手入れがしたい…

庭も作りたい…

とにかく…何より…

惚れた女性と、こんな殺伐とした生活じゃなくて…

ノンビリしたいな…

ふふふ…

ララノア達に生活リズムをタイトスケジュールにしないようにとか…どの口がほざく…

慕ってくれる女一人幸せに出来ない甲斐性無しめ…」


「今のコチラの世界のご自身の現状を嘆いておいでですわ…旦那様もしたい事を相当溜めていらっしゃるご様子です

それと…私達の事…

女一人幸せに出来て居ない自分自身を攻めておいでです、後悔の念に押し潰されそうに成ってますわ」


「そんな!わたくし達はキョウイチロウ様がコチラの世界に残って下さると決めて頂いたあの日から今まで!幸せです!」


「今回の件に対して、私達を幸せに出来ているとは、ご自分では思っていらっしゃらないご様子…」


「わたくし達はキョウイチロウ様ご自身を労わって欲しくて今回の件を決行しただけですのに!」


「旦那様は…そうは捉えていないようですわ…」


「そんなぁ!では失敗ですの!?」


「分かり…ません…」


「木像も作らなきゃ…

魔王軍の動向を探らせてた者達から連絡がないけど…

報告には来てくれないんだろうな…無事かなぁ?無事だよね?…

異世界に来た時は直ぐ殺されて…皆に心配かけて…

一時はどうなる事かと思ったけど…

今や魔王と同等か、それ以上の力を経て尚、未だ強く成れるとか…

人族にも恐怖される存在に成ってしまいましたか…

魔王を倒すか不可侵条約を締結させれば…

必要以上の力を持った私は…

この世界には不要になるだろうな…

つまり私はこの世界に要らない子になる

ハインデルの重鎮たちに元の世界への強制返還もあり得る…だろうな…

人質を獲られたら…要求を聞くしか無い…記憶を消され、セイラの事もラフティーナの事もアンナの事もアデルフォードの事もルドウィン、ルードリヒ、皆んなとの思い出を無かった事にされる…か…

嫌だなぁ!魔王を倒したら、次は絶対に人族のいさかいに巻き込まれるんだろうな…

この異世界を維持する魔族側の柱である魔王の復活まで天変地異の厄災が続くと言う話しなのに…

戦争か?…度し難いなこの世界の住人は…

でも、魔王を倒しても魔族は根絶やしにしないから…

人族は魔族に人権を与えないだろうし…魔族は人に捕まれば、集団で惨殺されるのは間違い無いだろう、面白半分に殺す奴らも出て来る事は間違いない

実際に元居た世界でピューマは人を襲うから狩猟しても良しと、スポーツ感覚で殺しまくったら天敵が居なく成った森には鹿が増え過ぎて草が食べ尽くされて、草という食い物がなくなった鹿は主食を変化させる…

そして木の皮を鹿に食べ尽くされた森の木々は枯れ果てて広大な森が消失し河畔林が無くなった河川の流れは大荒れに荒れて川の形状が変わる程、河川環境は激変した。

( ; ゜Д゜)何だか簡単に予測出来る未来の確定事項にイライラして来たな!

しかし奴ら魔族の破壊衝動は人と共に暮らしてもその衝動は抑えられないだろう…

価値観の溝も埋まらないだろう…

魔族全体の神聖値を上げないと必ず魔族による不幸な殺人事件が起こる、共存は無理なのか?」


「先程からキョウイチロウ様は独り言が止まりませんわね」


「少し病んで来てるようなご様子も少しありますわ…

独りで抱えすぎる所は治りませんわね…

しかしハインデルを敵に回そうとも…

私達と共に在りたいと言う旦那様の望みだけは叶えてさし上げたいですわ」


「ですわね」


「結構精神的に来てるみたいなの」


「ノウェルの言う通りですわね」


ガタンっ!バタンッ!


ε=ε=(Γ °-°)」


「ラティ!?キョウイチロウ様は!?」


「窓から外へ出て行かれました!」


「この雨の中をですの!?何処へ!?」


「分かりません!」


「追いますわよ!」


「ええ!急ぎましょう!ノウェル!見失ったら匂いで、たどれますか!?」


「雨だから無理」


「では!急ぎましよぅ!」


(・・;)

「見失いましたわね…」


「んもぅ!キョウイチロウ様ったら!イツになったら工房から出て来るかと思って待っていれば!

窓から外出なんて!

しかも相変わらずコチラの気持ちなんて無視して又、他人の為になんて…」

。゜(゜´Д`゜)゜。


「そんな事より旦那様を探さないと!」


「主人は…今、魔王と並ぶ、この異世界の強者に成長してる、隠密も使えるし一人で敵地に行って行動する恐れもあるの」


「ノウェル!今回の事は逆効果だと!?」


「それは無いの」


「では!?どちらへ!?」


「分からないの…

あっちの世界だったら家族が居て、主人の相談相手は底抜けに陽気な祖父母だったけど、コッチの世界の主人の相談相手に心当たりがないの…」


「コチラにはキョウイチロウ様が本当に困った時の相談相手が居無いと!?

わたくし達では、足り得ませんの!?」

(ノω・、)そんなぁ…


「元々、主人は女に忙しい人じゃ無いの

あの歳まで独り者だったし…基本奥手なの

無自覚に人たらし、女たらしは出来るけど、主人が意識して女性を口説くのは苦手なの」


「でも!旦那様は、たまに愛を囁いてくれますわ!」


「それはレアパターンなの!

主人は恥ずかしがり屋さんなの

自然な流れでそういう行為に持って行かないと、照れて逃げるの」


「それは経験がありますわね…」


「でもキョウイチロウ様はコチラの世界に残ると仰って下さいました!

わたくし達を、向こうには居なかったお嫁さんにしてくれた」


「確かに、そこに主人の愛は有るの」


「でしたら!?わたくし達の望みも叶えてもらえるのでは?」


(-ω- ?)んっ?

(-ω- ?)んっ?

(-ω- ?)んっ?


「で!!貴女達は?三人で、この雨の中、外で、ずぶ濡れに成って何をしていますの?」


( ゜д゜)ハッ!

「姫さま!?」


「セイラ!私のことはアンナと呼ぶようにとあれ程言っていますでしょうに!

それより今はキョウイチロウ様ですわ!

行きますわよ!」


「どちらに!?」


「我らが夫の元に決まっているではありませんか!」


「行き先が分かりますの!?」


「エルフの里で有るなら行く場所は一つですわ」


「何処へ!?」


「世界樹しか無いでしょう!あのお方は庭師ですわよ!いつも庭や樹木に癒しを求めています!

エルフの里ならアソコ以外は考えられませんわ」


「圃場ですか!?」


「違いますわ!」


「何処の世界樹ですか?」


「エルフの里のシンボルツリーは?」


「メインツリー!でも?種を採取していた時も含めてエルフの里の世界樹の精霊様には、お会い出来てませんわ!」


「でも、そこなの…

逆にそこに居なかったらマズいですわ」



ずぶ濡れになり空を見詰めるキョウイチロウ

「…何が正解?」


此処はエルフの里のメインツリーの天辺、100メートルくらいの高さは有るだろうか?


ザワザワ、ワサワサ、枝葉がキョウイチロウを覆う


「ありがとう♪エフィーロ」


「良い♪其方はエルフの里に吉兆をもたらした

故に雨から守るくらいの事はしてやろう♪」


何故?エルフの里のメインツリーである世界樹の名前をキョウイチロウが知っているのか?

ステータス鑑定である


「この高さ、『人が米粒のようだ!』ってセリフが出るな…フフフ…

アニメの新作観てぇなぁ〜」


「アニメとは何ぞ?」


「私の世界の動画?って言っても分からないか…」


「動画と言う物が分からん」


「ですよね〜」


「して?今日は如何した?そんな話しがしたくて来たのではあるまい?」


「お見通し?」


「知らん!」


「…」


「だが、グチくらいは聞いてやらん事もない」


「フフフ♪」


「何じゃ?」


「何でも無い…」


「しかしキョウイチロウよ其方は此処から見る空が好きであった筈?今日は雨ぞ?」


「涙雨ですかね…」


「又、弱気な其方はレアよの、ウフフ♪」


「ですかね?

やらなきゃいけない事に日々邁進している時は、何も考えずに前だけ見据えて居られるんですが」


「其方?本当に!?あのキョウイチロウかぇ?」


「本物ですよ、弱気な…ね…」


「フム…少し疲れておるか?

気を張り過ぎて居た事、心配しておったが…

少し心がパサついておるか?」


「潤いは…欲しいですね?」


「新婚生活を満喫しておる其方が何を言うか!」


「セイラ達に愛想を尽かされました…」


「はぁ!?早過ぎる!キョウイチロウ!其方!何をしでかした!?」


「少し…前だけ見て走り過ぎてたみたいです…

もう誰一人として私に付いて来てくれる者は居ません」


「馬鹿な!?それは絶対に勘違いぞ!今からでも振り向け!かえりみろ!」


「フフフ…焦り過ぎでしたかね?」


「この世界が其方に背負わせた重積はあまりにも大きい!

共に荷物を持ってくれる者も居ように!」


「事、ここに及んで…居ますかね?

妖精王に会わなきゃいけないのに八方塞がりですよ

何をどう?間違えたんでしょうね?」

(T . T)


「キョウイチロウ…泣いておるのか?」


「少し…心が折れそう…ですかね…」


「やりたい事と、出来る事は違うのに気づけただけでも価値はあると思うぞ、希望願望が叶う程、この世界は甘くは無い!

妥協のラインを下げてみるのも手かもしれんぞ?」


「私に妥協せよと!?」


「そうじゃ!妥協せよと申しておる!」


「しかし!」


「そもそも高望みなんじゃよ」


「しかし!」


「キョウイチロウ?では何か?

例えばお前が目標に向かってハシゴを登っていたとしよう、目標は雲の上、ハシゴは12段しか無い!

どうやって目標を達成する?高望みではないのか?」


「それは…

目標とは!そこにどうやって到達するかあらゆる手段を用いて向かうもの!」


「一人でか?ハシゴは一人一本、個人差があって其方は十二段でも他は三段しかなくて、繋いでも登れないとしたら?」


「更なる協力を願い…でます…」


「そもそも其方の国から来る奴らは毎回そうじゃ!

目標とか!テーマとか!目的とか!

掲げんと何も出来んのか!?」


「えっと…」


「自分一人で頑張れば解決出来ると勘違いしておる者が多すぎる!

過労死して其方の国から転生して来た者も多く見て来たが!

そもそも過労死で転生なんぞお前の国だけぞ?

自分を酷使する事に悦を覚える馬鹿の集団が集まった国なのか?」


「いや!そんな事は!」


「無いと言い切れておらんではないか?

過労大好き!ドーピングしてでも自らを酷使するドM国出身との自覚はあるのか!」


「そんな!私が!まるで変態みたいではありませんか!」


「充分変態じゃ!」


「断定!?」


「黙れ!変態!栄養剤ドーピング、回復魔法ドーピングして自らを酷使してませんって言えるか!

この変態め!

異世界に来て、生き返って取った休みの日数を申してみよ!」


「それは…」


「ホレ!見たことか!ドMキョウイチロウ断定じゃ!変態め!自覚せよ!」


「しかし!今は人魔対戦中!」


「五月蝿い!変態は黙っておれ!自覚は無いとは言わせぬ!」


「は…ぃ…」


「それで良い!そろそろ出て参れ!盗み聞きは関心せぬぞお前たち」


「(。=`ω´=)ぇ?」


「お見通しですか…」


「この世界樹たる私に隠密が通じると思う方がおこがましいわ!

何がお見通しですか、じゃ!先ずは盗み聞きの謝罪が先じゃろうが!」


「誠に!申し訳ございません!」


「Σ(・ω・ノ)ノ!はゎ!?セイラ?ラフティーナ?アンナにノウェルに皆んな!?」


「愛されておるなキョウイチロウよ…」


「そうなの?」


「いい加減にせぬか阿呆が!皆、ずぶ濡れぞ?寒さに震えておるわ!

キョウイチロウ!今回は其方の不始末ぞ!責任を持って湯殿に行って娘達を洗って労われ!

当たり前の事を当たり前のように出来もせぬ男が誰を幸せに出来ると言うのだ?

身近な者も幸せに出来ぬのに世界を救うなどおこがましいにも程がある!

自身の小ささに気付け阿呆!

キョウイチロウ!其方がどれほど研鑽を積み上げようとも私の大きさには叶わぬであろう?

先ずは身の程を知れ!

其方は相互関係と言う言葉を多用しておったな?

私は!この者達がキョウイチロウに注いだ愛に対して等価を求める!注ぎ返せ!

もう行け!そんなにずぶ濡れで寒さに震えておったら風邪をひいてしまうわぃ

取り敢えずルイーズにお風呂セットを準備させる故、早く行くが良い」


「はい♡キョウイチロウ様に洗って頂けるんですね?早く行きましょう!直ぐ行きましょう!早急に参りましょう♪」


エルフの里の湯殿に到着


「キョウイチロウ様、お待ちしておりました、此方へどうぞ」


「ミルメール?」


入り口から脱衣所へ


「お待ちしておりました♡

此方に濡れた服をお入れ下さいませ」

恭しくキョウイチロウを促すルイーズ


「ルイーズ!?何故全裸!?」


「お風呂で服を着たまま入る者を見た事がございますか?」


「無い…けど…」


「では、セイラ達も入浴の準備を」


スッポーーーンポーーーン!


「早っ!?」(*/∀\*)イヤン


「そんな事をしている暇はありません!早く冷えた身体を温めませんと!」


「うっうん…」


エルフの里のメインツリー世界樹のエフィーロの計らいでミルメールが湯殿を貸し切りにした


そしてルイーズが準備したマットを始めとする…

何やかんや、どした、こした、アレや、コレや、

でキョウイチロウとの濃密な入浴が進んだとさ

(*≧艸≦)

ここまでお読み頂きありがとうございます!


この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、

ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ


読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!

よろしくお願いいたします!

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