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105話 魔王軍緊急会議

「皆の者!報告書には目を通した物として会議を始めるぞ!?

モビーよ被害状況の報告を!」


「はい!」


此処は魔王城、円卓会議の間…


以前の会議でも説明した円卓の周りをジャイアントホエールのモビーが悠然と泳ぐ異質な空間である


「第十三軍!海王騎士団のモビーです…」


会議には今回も軍のトップが集まっていた

コソコソ小声

「今回…モビーの奴は不覚にもキョウイチロウ絡みで大打撃を受けたと報告書にあったぞ…」


「そりゃぁ報告するにも歯切れも悪く成るってもんだ」


「我らは二ノ轍を踏みたくはないが、相手はあのキョウイチロウだろ?マジで係りたく無いんだが…」


「敵対する奴の中で一番タチが悪い」


「しかし彼奴は前線に出て来なくても絡んで来るだけでコッチに大損害を出しやがるだろ?単にモビーの運が悪かっただけでは?」


『こんな時にルドウィンがれば…「鎮まれ〜い!」と言ってくれていただろうに…

仕方あるまい此処はワシが』

心の中でぼやくドノヴァン


「お前たち!先ずはモビーの報告を聞けい!」


「ははぁ!」


『ルドウィンのように上手くはいかんな…

儘ならぬ物だ…』


「今回…キャプテン・ウェイ死霊魔法海賊団が敵方、と言うかキョウイチロウ絡みの神話の神々に敗戦し吸収された…」


「何だと!?あのキャプテン・ウェイ死霊魔法海賊団がか!?

奴らは向かうところ敵なしの猛者揃いの集団ぞ!?

大海賊時代中も政府軍の船を沈めまくっておった無法者集団がか!?」


「しかも我が精鋭部隊の船団は、キャプテン・ウェイ死霊魔法海賊団一隻によって周辺海域を航行していた百隻全て撃沈されてしまった…」


「一隻でか!?にわかには信じがたい!」


「事実、百隻にも及ぶ我が軍の船は精鋭部隊事、海の藻屑と消えた」


「百隻!?報告書は事実なのか!?」


「事実…だ…

どうやらキャプテン・ウェイ死霊魔法海賊団はキョウイチロウの手により船ごと進化した様だ…」


「個人が進化するなら未だしも!船ごと進化させるなどと聞いた事が無い!

魔王様!過去に前例は!?」


「どの様に進化させたら船が進化するなどと過去に例は無い!」


「まったくもって!?」


「まったくもってだ!

しかも見た事も聞いた事も無い船だった、船装も理解が及ばぬ…

ただ…一隻で百隻を一日で壊滅させる能力を有しているとしか」


「(;゜゜)マジかぁキョウイチロウ…手がつけられんな」団長たちは頭を抱える


「外観は情報を得られたが、能力までは分からん!

一隻で百隻屠れるとしか言えぬ…」


「我らは?同等の船は用意出来ないと?」


「見た事もない武器と船を造船出来るか?」


「無理ですな…」


「マーモン!」


「はい!?」


「キャプテン・ウェイ死霊海賊魔法師団は海上とはいえ貴様の団の所属!

何か分からんか!?」


「ムムム( ;-`д´-)」


「ぐうの音も出ぬか…」


如何いかんともしがたく」


「今後!海軍はどう成るのでしょう?」


「更なる情報収集が必要だな」


「その度に全船を沈められるのですか?」


「…」


「ワシ自ら偵察に出よう!」


「モビーよ!それはならん!」


「魔王様!では?如何せよと!?」


「…海軍は壊滅的な打撃を受けた、今後は補給が済み次第、魔王領の港を抑えに掛かるであろう…」


「では!?港を守る陸上戦力を増強させると?」


「それしかあるまい…

が、船を沈められる程の兵器を港に向けられたら、被害は致命的、現存する船は奥の港に下げる!

陸上の砲台にて射程に入ったら即、全力攻撃を敢行する!

その為に砲台の数を増やしたい!お前たちの協力が必要だ!」


「来るのを待っていたら後手に回りまする!

それに、どの様な攻撃が来るか分かりません!

此方の砲台より相手の射程が長ければ、如何されますか!?」


「ウムムム…」


「チョット良いですかい?」


「魔王軍第七軍団デモンズブラッド魔法師団長のマーモンか?発言を許す」


「未知の武器で射程はコッチより相手の方が長いかも知れない…

なら我らのバードマンとハーピーからなる有翼人部隊の魔法攻撃で先制しては如何か?」


「フム( ;-`д´-)海上、陸上、からの攻撃ではなく航空戦力にて先制攻撃を仕掛けて船を沈めると言う事だな」


「如何にも」


「相手に航空戦力が無いと断定するのは早慶かと存じまする」


「ではモビーよ如何する?」


「我らの残った船団でマーモン様の部隊を守る護送船団方式を取るが得策かと」


「では我ら魔法師団は第十三軍海王騎士団の船にプロテクトを掛けて物理防御を施せる者を乗せましょう」


嗚呼おおそれはありがたい♪

それが可能であらば百人力よ!

しかし!歯痒い!敵の攻撃を待っていては此方に被害と被害者が続出する!

撃たれる前に何とかならんか!」


「モビーよ我らに任せよ!射程外で攻撃出来ずとも船を守り、此方の射程に入った瞬間に一斉攻撃して目に物見せてくれようぞ!」


「しかし…敵の航空戦力の情報が皆無なのは痛いな…」


「報告書にも書きましたが…ジーパングォの海軍の回収能力が凄まじく沈没した船から状態を知ろうにも残骸すら残さず持ち帰られていますれば…」


「モビーのような海中戦力は導入して居なかったのか?」


「今回は海洋調査ブイの設置をする調査船とそれを守る護衛船だけで行かせてしまいました…」


「その少数精鋭で何故!?百隻も沈められたのだ!?」


「付近を航行する船が集まり…その全てを沈められ、全てを回収されました」


「遠巻きに見ていた船も海人たちも不在…と?」


「いえ…生き残った者は恐怖のあまり精神をやられPTSD(ストレス症候群)になり…会話もままならない状態でして」


「脳内の映像は覗けぬのか?」


「はい、下層意識に働きかけ覗こうとしましたが黒いモヤが掛かっていると言っておりました…

怒号と悲鳴と爆発音の音声のみしか分かっておりませぬ」


「断片的でも良い!もう一度生き残った者の意識を探れ」


「と?申しますと?」


「例えばだが、「此方の射程外からの攻撃だと?」とか、「一撃で船を?」とか沈められた時の音声だけでも分かる情報はあるだろう?」


「フム( ;-`д´-)確かに我ら海軍の定石と致しましては一撃で沈めるとなるとピンポイントで船体に穴を開ける方法がありますが…

至近距離で手数が多く無いと無理でしょうな」


「だろ?爆発音がしたと言っておったが?此方の火薬に引火した場合も何かしらの言葉がある筈なのだ!

それで無ければ…」


「…引火性の弾の可能性と言う事でしょうか?」


「然り!従来の鉄球を火薬で飛ばして打撃を与える弾では無く!弾薬が入った砲弾である可能性は?」


「魔王様は?キョウイチロウが着弾と同時に火薬が爆発する砲弾を使用したと?」


「一撃で撃沈などと、百隻もの船は特殊な砲弾が使用されたと考えるべきだ!」


「しかし!そんな火薬入りの砲弾など!聞いた事も見た事もありませぬ!」


「モビーよ、無いと言い切れるか?」


「敵が使用して来ていると想定して、此方も考えねばなるまいて」


「と?申しますと?」


「着弾後にどうやって引火させるかだ!

砲弾の形状すら分からんが考慮して作成する必要性がある」


「然り!導火線に火を付けて飛ばしては!濡れたら使い物になりません!

火薬弾だけを放り込んで後から火矢などと射程が限られてしまいます!

火魔法にも射程がありますれば…」


「だが…必要な品だ…奴に相談するしかあるまい」


「奴ですか?」


「彼奴なら不可能を可能にするであろうて」


「然り」


「彼奴の発明品は軍事目的からの民間転用が多い故、何かしらの発明もしてくれよう」


「ギルベルト・カーマイル!魔界のマッドサイエンティストを呼べい!会議に参加させ意見を聞くのだ!」


「はい!」

魔王お付きのメイドが返事をする

メイド姿の地獄の五姉妹がそつなく動き出す


「後は海軍の編成か…

射程外からの一撃必殺の砲弾による攻撃が来る前線」


「残った船を動員致しましょう!」


「それしか無いか…」


「私も同行しよう!!」


「バアル殿!?」


「我は蝿王!蝿の航空戦力は強力ぞ!

私は蝿の目を通じて敵の同行を探る事が出来る!

諜報活動要員のバンパイアが居ない今!我が子たちの出番ぞ!」


「では!我らも同行させて頂きたい!」


「魔王軍第十四軍甲虫甲殻機甲団!?

我ら魔甲虫も飛べます故!

しかも!そのまま甲板に降りれば白兵戦も可能!!」


「嗚呼!それは心強い♪しかし団長自らは如何な物か?」


「団長だけには行かせませぬ!」


「副将二人も!?」


「我らは甲殻種ですので海中から行きまする!」


「飛行型甲虫種と海中型甲殻種の二枚看板で!更に大型甲虫種と大型甲殻種も同行させまする!」


「船は不要と!?」


「海中甲殻部隊に船は不要!」


「甲虫種は休める場所が有れば有り難い」


「船のプロテクトは何重にも掛けよう!

ワシ自らの手で防御壁を構築し鉄壁の防御としてやる!」


「マーモン!」


「はい?」


「貴様の乗る船にプロテクトでは無いぞ!」


「魔王様?どゆ事?」


「第一陣の先鋒船に後方支援プロテクトぞ!

お前が最前線でプロテクトの鉄壁防御壁を構築して破られる最悪の事態を考えよ!」


「破られる!?」


「やはり…思考の片隅にも無かったか」


「いや!俺のプロテクトですぜ!」


「それが過信と言う物だ!

キョウイチロウに煮湯を何度飲まされた?」


「…」


「ドノヴァンの古龍のブレスの何倍まで耐えられる?」


「そんなの一発でも喰らったらひとたまりもありません!」


「キョウイチロウの船が我らの船一隻を一撃で沈める事が出来るとしたら?」


「そんな海上兵器があれば…

キョウイチロウ…ヤバ過ぎます」


「どう言った理屈で浮いているかは不明だが鉄の船ぞ!」


「木造船に鉄板を貼った鉄甲船じゃ無いんですか!?」


「鉄の船だ!しかも甲板に砲台が付いている!」


「はぁ!?魔王様!?見て来たんですかい!?」


「デセスペーロ・ブエノを介して!」


「ほほぅ…」


「見た事も無い扇風機のペラの様な物が付いた航空戦力も搭載されておった…

しかも船の横には穴があった…」


「穴!?沈まないんで!?」


「何かしらの発射口であると推測される」


「はぁ!?何が飛び出すんで!?」


「分からん」


「ムーー

未知の船と未知の船装?」


「船の装備は不明だ!しかも!

武器性能も皆無と来た…」


「んで?ドノヴァン殿のブレスに耐えるプロテクトをご所望と…

(y゜ロ゜)y

キョウイチロウ!ヤバ過ぎちゃいます!?」


「我的にはそれでは足りない想定だ」


「(;゜゜)マジかぁ…」


「手探りの甘々想定で行って、団長と副将以下全員沈められては…

我らの野望は、ほぼ…ついえるに等しい」


「でしょうな…

海軍戦力0で人類を淘汰して世界征服など…

夢の又夢」


「キョウイチロウめ…」


「何なのでしょう、あの男…籠絡出来ませんかね?何処どこぞに安住の地でも与えて不干渉の約束を取り付けるとか?」


「時給自足を良しとする人物ならそれも良いだろう

しかし…生活必需品も自分で生産となると、奴一人では無理であろうな…ある程度の品は物々交換が出来る人族か魔族が必要であろう」


「いっその事…

いや…此方こちらの被害が甚大か…」


「何だ?マーモン?一案あるのか?」


「いや…やっぱり、無ぇっすゎ」


「話せ」


「あくまでも例え話しですぜ…

奴の大切な人をメインターゲットにして集中して必ず殺す」


「キョウイチロウを殺すのは至難の業だが従者なら或いは…するとどうなる?」


「キョウイチロウは報復に来るでしょうな、そして全ての関係者を殺すでしょう…魔王様も然り」


「ほほぅ、して?いっその事?何じゃ?」


「私を含む重鎮と魔王様が全員殺されて…その親族郎党も全てを奴が怒りに任せて虐殺するも不死のドノヴァン様は死なない」


「ワシは殺されても…と言うか殺され無いな、不死だし」


「そこで!ドノヴァン様の籠絡術にはめる!キョウイチロウめを闇堕ちさせ魔王の座に据える…とか?」


「魔王軍の不死軍団以外は全滅?

新しき魔王キョウイチロウか?

ウハハハハハ♪

我も我が子も最愛の妻も♪愛すべき配下の者を全て殺したキョウイチロウの胸中は虚無感でいっぱいであろうな♪

己が願いであった筈の仇討ちを完遂しても、達成感も喜びも満足感も無い…

クックック♪魔族領の残された魔族たちは悲しみに満たされ、途方に暮れるだろうよ♪

キョウイチロウに対する憎しみ、憎悪ぞうお、怨み、殺意に満ちた魔族領♪

畏怖の念を持ってキョウイチロウに従う者が出て来ても反発する者も多いであろうな

何じゃその案♪我はキョウイチロウに殺されて見れないのが残念で仕方がないぞ!マーモン!

奴が魔王の座に座らなければ魔族領は群雄割拠ぞ!毎日何処かで誰かが死んでゆく、混沌たる世界♡

キョウイチロウによる毎日続く虐殺♪

同族が殺されるのは忍びないが…

キョウイチロウめのよこしまなる数値は悪に極振りして神の使徒では無くなる!

そして我の討伐の功績は人族に讃えられる事は無いだろう♪

人族からは…恐怖の眼差しを向けられ、落胆し、愛する娘は居ないとなると…

ウハハハハハ♡

魔族領はカオス!人族はキョウイチロウを恐れる!人族に残された手段は元居た異世界に強制送還か?或いは毒殺?暗殺?あらゆる手段を用いてキョウイチロウ排除に動くであろう♪

それを全力で阻止しようとするキョウイチロウの行き着く先は魔族領か?

我より恐怖が世界を包むであろうな!

ある意味で我らの理想の世界ではないか!

しかし…何たる事か…そこには我もマーモン…お前も居らぬ…

我は百年後転生してその後を知る…か…」


「我らは魔王様と共に混沌たる世界を構築したいと望みますれば…

一案としては…破棄の方向で!オナシャス!」


「フム( ;-`д´-)ワクワクが止まらんが部下が無しの方向と言うならば却下する他あるまい

話しは海軍戦に戻るが、此方がプロテクトを使用して来る事は奴らも折り込み済みかもしれん…」


「嗚呼ぁ〜(′□`*=*′□`)ああぁ〜確かにキャプテン・ウェイ死霊海賊魔法師団は魔法要員も多く在籍しており…

プロテクトはお手のもの(・・;)」


「だろ?普通の海軍にはプロテクト要員は居らぬ…

キョウイチロウの事だ…

此方の想定を超えて来るだろう」


「と申しますと?」


「マーモンよ?貴様の最大出力のプロテクトで何処まで防げる?」


「船一隻が限界かと」


「キョウイチロウが広範囲プロテクトで船団事プロテクトを掛けて来たら?」


「( ゜∀゜)・;’.、グハッ!?規格外の奴の事…あり得ない事をして来る事を想定すると…

白兵戦の個人にもプロテクトを掛け、更に船団丸々プロテクト…そんな予感がしてきました!

マジ何々(なんなん)ッスか?キョウイチロウって」


「此方の世界の常識がまるで通用しない魔族とも人族とも獣人とも精霊とも違う存在…

規格外新人類とでも称すか」


「奴の能力は危険です!軍事だけでは無く、あらゆる分野での進歩はジーパングォの急激な発展が予想されます。

尚且つ生活分野の発展は交通機関等のインフラ設備の充実が測られ、農業分野での発展は収穫量の増大が予想されます。

此方は兵站から差が付けられジリ貧は必至!!」


「キョウイチロウ…奴の知識と能力は此方の世界には無い物ばかりである事だけではなく、その全てがあらゆる分野での進化を及ぼす存在…か…」


「詰んでね?」


「いや!奴一人だけだ!キョウイチロウ!奴さえ仕留めれば全ては解決するでしょ?」

口々にキョウイチロウ一人を仕留めればと団長たちが騒ぎ出す


コンコンコン

「お連れ致しました」


「入れ」


「失礼致します」

ドアが開き入室する地獄の五姉妹の長女で魔王の第一婦人ファルスマイヤー


『元、地獄の六姉妹は魔王お付きのメイド達である、過去に魔王に内緒でアデルフォードの暗殺に行き傷回復不可能な自身の特殊権能持ちのナイフで後ろからアデルフォードを刺して暗殺を試みるも失敗、アデルフォードに駆け寄って来たキョウイチロウが無防備と判断して殺しに掛かった末娘のファルルがキョウイチロウに殺されて地獄の六姉妹から五姉妹と改名した五人集団である

長女のファルスマイヤーは魔王を陰で支える暗殺を生業なりわいとする集団のおさである』


「(-ω- ?)んっ?」


「魔王様、会議中に失礼致します」


「嗚呼!?そうであった!マレーフィ!キョウイチロウの動向を千里眼で見ておったか?

また億里眼で見てはおらんだろうな?」


「ウフフ♪いやですわ魔王様、同じ誤ちは犯しません」


「して!して!?どうだ?海戦は見ておったか!?」


「キョウイチロウの動向を見てましたので海戦までは見ていませんが」


「が!?何だ!?」


「一つだけお話ししたくファルスマイヤー様のお声掛けに参上いたしました」


「ほほぅファルマの要請か?良くやったファルマよ、今は少しでも情報が欲しい時…お前の機転に感謝を♪

後で褒美を取らす」


「適切な状況判断で、柔軟な対応を迅速に行う事こそ魔王様の助力たるメイドの仕事ですので当たり前の事をしたまででございます」


「それは分かっておるが褒美をと申しておる!言え」


「では、我ら五人を今宵……頂ければ」


「フム( ;-`д´-)そっち系の褒美か…

分かった!」


「有り難き幸せ」


「マレーフィ!聞かせてくれ!」


「今回の会議に参考なるかは分かりませんが、かのキョウイチロウの船は敵の距離を測る何かしらの装置が搭載されている模様で、その正確無比な数値を元に砲台の発射角を決めて一撃必中を可能にしている、装置の名をソナーと言うらしいですわ」


「はぁ!?近距離のすれ違いの瞬間に大砲をぶっ放してその後、白兵戦に持ち込む船での戦闘の概念が根本から覆るぞ!」


「そのような戦いは今後キョウイチロウ相手には通じません…

キョウイチロウの船は戦艦と呼ばれていますわ!

船の名前は戦艦!速風ハヤテ


「戦艦!?」


「はい、キョウイチロウめの戦艦は艦首十三階建て甲板には無人航空機ドローンが多数、それには爆薬が搭載されていて、飛行して敵船に突撃して船を沈める模様です」


「そんな!?人的被害が0で此方は船事沈められて被害は甚大」


「はい…無人航空機一機あたりあの単価は安く大量生産が可能との事、しかも此方の射程外からの砲撃が加わり…」


「ほぼ無敵…と…?

マレーフィよ今後はキョウイチロウではなく戦艦なる船の動向を探ってはくれぬか?」


「お断りいたしますわ」


「何故だ!?」


「キョウイチロウは戦艦に必要なパーツや装備品に加えて動力源のなる部分の燃料なる物の入手に着手する模様です…

更に」


「更に!?まだあるのか!?」


「キョウイチロウは戦艦の事を近代改修と申しておりました」


「そのままジーパングォに滞在して、彼の国を近代化させるつもりでしょう、その動向を注視して見て学ばなければ魔王領は他国と比べて遅れを取る事になるでしょう…

そうなれば海上だけで無く!射程の長い陸上兵器も作るでしょう!

キョウイチロウがジーパングォの兵器や武器を近代改修してしまって、量産体制が構築されてしまたら全てが手遅れ!それが断る理由ですわ」


「くっ!剣と魔法の世界で近代化だと?向こうの知識を持ち込み過ぎだろ!?」


「魔王様、人族は向こうの知識だけで無く人材も勇者召喚で呼びますれば」


「然り…奴らは人材事召喚して我を屠らせておったな…

何度、ニノ鉄を踏めば我は生き残れる?

この無限ループを断たなければ未来永劫、更なる強者が召喚され負け続ける事に…」


「ですから私がこうして会議中の魔王様に進言に来たのですわ」


「ほほぅ一案あると申すか?」


「勇者召喚して我らが魔王領に攻めて来る人族の国の本隊は?」


「ハインデルか!」


「はい!先ずキョウイチロウより先にハインデルが勇者召喚を出来ない様に完膚なきまで滅ぼすのが先決かと」


「然り!

マレーフィ!其方そなた後顧こうこうれいを断つ為にハインデルを滅亡させよと進言しに来たのだな!?」


「お察しの通り、キョウイチロウがジーパングォの国力増強を図る数年中にハインデルを全力で滅ぼすのが先にすべき事かと」


「分かった!団長以下我らが精鋭部隊の全力を持ってハインデルを滅ぼし勇者召喚の方法を手に入れる!

人族が召喚の儀式が出来なくなるだけでも我らの利益は大きい!

他の隣接国などキョウイチロウがいなけば羽虫程度の実力よ!間抜もぬけけのからでも良いくらいだ!

現にジーパングォの殿様の助力無しにハインデルが攻めて来た時にはギガンテス一人にボコボコにされて敗戦しておるしなウハハハハハ♪」


「しかし!国境線に守りは必要かと!」


「守備隊に任命されたら手柄が立てられず我慢出来ずに動くかもしれん!」


「そこは!守備の者にも手柄を立てた第一功労者の次に褒美を取らせてやってはどうかと」


「流石はマレーフィ!守備の重要性も考慮し、その者たちへの配慮も完璧!

今回の進言に褒美を取らす!何か望みはあるか?」


「キョウイチロウの動向を探る為にとジーパングォの国境付近に家を貰いましたので不要でございます」


『流石マレーフィよ…

前回の手柄により億里眼を賜り、家まで無償で貰ったとなれば…ひがむ者も出るであろう…

素晴らしい♪

この場では何も無しが正解か…

後日マンツーマンで聞くとしよう』


魔王は暫し考え込み


「分かった!ご苦労であった下がって良い!」


「皆様、会議中に失礼致しました、では私はこれにて…」


「待たれよ!」


「はぃ?ギルベルト様は私にご用が?」


「近代改修に近代化♪詳しく聞きたい!私の話しが終わるまで待たれよ!後でお茶でもしながら聞かせてくれ!キョウイチロウの動向を見ながらでも、片手間でも良い!

そして今回の私が呼ばれた件についても意見を聞きたい!頼めるか?」


「はい、ギルベルト様」


「ありがとう」


「では、魔女マレーフィも含めてギルベルトに問う!砲台の射程は伸ばせるか?」


「フム( ;-`д´-)発射時の火薬の量を増やせば或いは…

砲台の強度も上げねばなりませんので早急には無理ですな」


「早急に出来ぬか?」


「フム( ;-`д´-)…

後は大砲の弾の形状を変えると空気抵抗が減り伸ばせるかもしれません」


「其方の方向で新しい弾の開発に着手してくれ!

後は着弾と同時に弾内の火薬が爆発する砲弾は作れるか?

と言うかキョウイチロウの近代改修した戦艦の砲弾はその様な弾と推測され此方も用意する必要がある!

即実戦投入出来るように開発して欲しい!」


「(。=`ω´=)ぇ?爆裂する砲弾とは?後、先程から聞きなれない言葉が多数…」


「キョウイチロウがキャプテン・ウェイ死霊海賊魔法師団の船を進化させ近代改修したという鉄の船だ!」


「ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ♪何ですか!?その夢のような船は!?」


「夢では無く…此方も欲しいのだ開発を頼めるか?」


「動力源は?」


「何も分からんのだ」


「何もですか?」


「フム( ;-`д´-)皆無」


「破壊された此方の船の残骸は?それで威力が分かる筈です!」


「ジーパングォの軍隊に全て回収された…」


「はぁ!?何を原動力に動く船かも分からず仕舞いとは…

キョウイチロウ会って直接聞きたい!」


「それは不可能、何故なら奴とは敵対関係だからな」


「ムムム(。・~・)

しかし魔王領の技術が他国と比べて劣ると言うのは聞きづてなりません!

魔王領は常に全ての分野において最先端でなくてはなりません!

早急に兵器開発に着手します故、私は失礼致します!」


「ウム!任せたぞ!ギルベルトよ」


「お待ち下さいギルベルト様!

今!キョウイチロウがジーパングォの職人に指示を出しています!」


「何と!?」


「他連装ミサイル砲!?」


「ミサイル!?何だそれは!?」


「大量の火薬を乗せた自爆する自走弾と説明していますわ…」


「はぁ!?更に戦力の増強を!?」


「敵航空戦力に対応する為の…迫撃砲…

チッ!防音室に入りやがった」


「マレーフィ?」


「あら!?わたくしったら、失礼致しましたわ」


「今更口調を直した所で」


「( ✧Д✧) キラーン

今!聞いた事は忘れなさい!」


「貴様!魔王様に対して何たる口の聞き方か!」


「あぁん?ファルマ?何だって?

( ✧Д✧) キラーン

今はそれどころじゃ無えんだわ!集中の邪魔だ黙ってろ売女」


「なっ!?マレーフィ!お前!」


「姉様!殺しても良い?」


「駄目です!落ち着きなさい!」


「姉様は平気なの?」


「平気なものですか!今直ぐにでも!二度とその様なセリフを吐けぬようにしたいですわ」


「鎮まらんか!マレーフィが!只事ではないキョウイチロウの動向を探っている最中ぞ!」


「ギルベルトよ連れて行け」


「はっ!」


退室する魔女マレーフィとマッドサイエンティストのギルベルト・カーマイル


「ふぅ〜

皆で現実逃避してノンビリお茶でもしたいな」


( ^∀^)アハハ/\/\/\


「魔王様も同じ気持ちでございましたか?」

笑う団長一同


「とりあえずお茶は飲んで落ち着こうか、ファルマ、茶の準備を!」


「かしこまりました!」


「お前たち!ハインデルを滅亡させるのは決定事項と成った帰って準備せよ」


その後、ひと息付いて会議は解散となった

ここまでお読み頂きありがとうございます!


この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、

ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ


読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!

よろしくお願いいたします!

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