第103話 天孫降臨
ジーパングォはお祭り騒ぎの程を奏して来た。
国民が国家を上げての一大イベントに一目キョウイチロウ達の奉納舞いを見ようと神宮に国民が群衆となり大衆結
見れなくても立ち会いたいと願う人、人、そして人
街に人影は無くなり神宮周辺の出店は大盛況
でもそこは日本人…(;・`д・´)
押し合うでもなく、我先に進もうとする訳でもなく、並んでいた…
それもその筈
風魔小太郎、ジーパングォの殿様が誘導員を配置して人混みの整理をさせていたからだ…
そんな国民の為にキョウイチロウが立ち上がる!
「巨大オーロラビジョン!」
映し出されたのは!奉納舞い楽屋のダイジェストから始まった!
「うおー!?何だありゃあ!?」
「Σ(゜Д゜)スゲェ!!」
「あんなの見た事ねぇ!来た甲斐があったぜ!」
大歓声に包まれる神宮
しかし…
いざ奉納舞いが始まると神宮は静寂に包まれた
多くの人々が息を潜め映像に釘付けになる
コソコソ小声
「流石はジーパングォね♪」
「天照さま!お静かに!始まりますぞ!」
雅楽隊が神楽殿の舞台両脇に入場し、座る
続いて入場したのはセイラ以下のメイド達が山の物、海の幸を恭しく献上…
雅楽隊が演奏を開始!
セイラを中心とした巫女の神楽舞いが始まる…
シャン♪…
シャン♪
雅楽隊の演奏に合わせて舞う巫女装束のセイラ…
時間にして数十分…
次に能面を付けたキョウイチロウが入場…
厳かな雰囲気にて神楽が進む…
奉納舞いも終盤に差し掛かると…
キョウイチロウから一筋の光りが天空に向かって立ち上がり徐々に光りは太く成り、大人が両手を広げたくらいで止まる
天空の雲の中より人影が、ゆっくりと降りて来る…
下方向に後光が射す
「ゴクリ」生唾を飲む国民達
オーロラビジョンに映し出される人影が鮮明になっていく
「瓊瓊杵尊さまだ!
猿田彦神さまに先導されてる!」
「うおー!!!」大歓声に包まれる神宮
「天子様ぁぁぁ!!!」
「帝の降臨だ〜」
「はぁ〜〜〜何と神々しい♪」
年配者は跪き両手を合わせて、その神々しさに
涙ぐみ、ただひたすらに拝んでいた
神楽殿に消えて行く二柱
オーロラビジョンを見詰める民衆…
「…」シーーン
再び神宮は静寂に包まれる
瓊瓊杵尊が高天原の稲穂と三種の神器
勾玉、剣、鏡をキョウイチロウに手渡す
渡されたキョウイチロウは荘厳な箱に入れて神楽殿より持ち出す
キョウイチロウの退室と共に神楽殿での奉納舞いが終わる
暫くして場面は変わる
「わたくしは御垣内の此処までしか入れませぬ故、ここから御正宮へは、お一人で」
無言でうなづき三種の神器を持って奥に消えて行く瓊瓊杵尊
風魔小太郎がオーロラビジョンに映し出される
「これにて天孫降臨の儀を終了する!
ジーパングォの国民達よ参拝して帰るが良い!
尚!参道は神々の通る場所にて混雑しても開けておく様に!
説明しなくても分かると思うが!あえて言う!
二拝二拍手一拝にて済ませた者から次の者へ場所を譲る様に!」
「小太郎様!ご説明!ありがとうございます!」
「殿様ぁ!お疲れ様でした〜!」
並んだ順番に賽銭箱の前で参拝が始まる
「これから未来永劫、このジーパングォは天子さまの庇護下で繁栄を続けるであろう!
これで終わりでは無い!今!この瞬間から始まるのだ!
国民達よ!お前たちの協力が不可欠だ!
この地を魔王軍からの侵略から守り!共に栄華を極めようでは無いか!
次回の式年遷宮は20年後だ!
永続的な技術の継承には、この周期での遷宮は必要不可欠!
手に職を持った者は後継者の育成に出し惜しみせずに全てを伝えて継承して守って行こうではないか!」
「うおぉぉぉー!!!!」大歓声!
「風魔小太郎♪我らを愛し、敬い、奉る…
そんな国民を育ててくれて尚且つ
ジーパングォと言う国を建国してくれた事、嬉しく思う」
「天照大神そま!そんなとんでもございません!頭をお上げ下さいませ!
我ら下々の者は天照大神さまの忠実な臣下にございますれば!
過度な礼は謹んで頂きたい!」
「しかし…」
「しかしも!かかしもありませぬ!
お天道様有っての我らです!お礼を申し上げるのはこちらの方にございますれば!」
「分かりました
キョウイチロウが作った妾以下の者の木像は安置する所はあるかえ?」
「勿論にございます!」
「今後、瓊瓊杵尊、共々よろしくお願いします♪」
「ですから!頭をお上げ下さいませ!」
「帝一人だけでは何も成せません、協力を頼みましたよ、中でも男系継承は必須事項です守りなさい!
女系天皇が継承すれば…
ジーパングォは未曾有の厄災に見舞われるでしょう」
「男系継承!承りました!」
「女性宮家も不要!」
「しかし過去には推古天皇様の様な女性天皇もいらっしゃったとお聞き致しますが」
「あれは、正当な男子が宮家に産まれるまでの代理に過ぎません」
「そうでしたか、無知をお許し下さい
男系継承!深くこの心に刻みましてございまする!
しかし男子がお産まれにならなかった場合は?」
「別の宮家から養子縁組で」
「かしこまりました!」
「しかし…
異国や世界的な風潮として男女平等を謳う輩が多いのも事実…
そこは如何すれば?」
「他国は他国!男女平等?そんな物は無理です!
そんな平等を謳ったら!世界規模の運動競技の祭典の予選で女性は全て振るい落とされますわよ…
男子だけのオリンピックなんて差別ではありませんの?」
「確かに二重基準ですな」
「でしょう?」
「ですが…
新聞屋はジーパングォは世界基準と比べて遅れていると書きます」
「放っておきなさい!
ジーパングォこそが最先端!他の国々が遅れているのです!
過剰なポリティカルコレクトなど必ず揺り戻しが起こります!
結局元通りになります!
先ずジーパングォに物申すのであれば国家としての歴史ではなく!
日の本の隣りの国などは歴史が古いだけで今の政権に成ってから未だ100年も経っていませんわ!
立憲君主制で最低でも1,000年存続してから物申せと言ってやりたいですわ
英国王室でも未だ1,000年ほどですわよ
世界最古の日の本に物申せる国など何処にありましょうか!」
「そのご考察!流石にございます!
この小太郎!目からウロコがポロッポロにございます!」
「しっかし日の本では瓊瓊杵尊さまは高千穂峰の山頂に、ご降臨なされたとお聞きしておりましたが
此度は高千穂 峡一郎の元に降臨されるなどと…
運命とは数奇な物ですな」
「風魔小太郎よ何を言うか!此度の天孫降臨の儀の成功は其方のジーパングォ建国有っての事ぞ!
守るべき国民も!それを育む大地も無くては何も始まらん!
其方の日頃の我らに対する献身と感謝があって初めて我らは顕現する事が出来たのだ!
全ては風魔小太郎!其方のお陰と言っても過言では無い!
そしてキョウイチロウとの出会いは必然である!」
「猿田彦神さま!?有り難き幸せにございまする…
そのお言葉だけで全てが報われます…」
。゜(゜´Д`゜)゜。
「キョウイチロウ…
我らから見れば、異世界に攫われたも同然!
キョウイチロウは独り者とはいえ家族から引き離した所業は許し難いが…
此方の世界にて伴侶を見つけることが出来たのは僥倖
まだ此方の世界に来て間もないのに理不尽にも魔王に殺され…
我らはキョウイチロウを守る手立てもなく手をこまねいていた…
無理を言って大日如来の手を煩わした、奴も思う所があり此方の世界への足掛かりを模索しておった矢先の出来事…
小太郎と此方に理不尽に召喚された者達を救う手立てを考えていた所だった
異世界に攫われるお前たちを守れなくて…
すまなかった!
これからは我ら神話の神々一同で見守る故、許して欲しい
キョウイチロウは、こちらの世界にて生涯をまっとうすると決めた様だ!
先達として今暫く見守ってやってはくれまいか?」
「はい!謹んで!」
「キョウイチロウから聞いておるぞ!小太郎
輪廻の輪に戻りたいとの事!叶えよう!
小太郎よお主がキョウイチロウの助力足り得ないと感じた時は申せ!
高天原に連れて行って輪廻の輪に戻してやる」
「ははぁ!有り難き幸せ♪他の者にも聞いておきます故、その時はよしなに」
「あい!分かった!」
「猿田彦神、妾はキョウイチロウとセイラを労って高天原に帰ります
後は頼めますか?」
「はい!私めは今暫く風魔小太郎と話しが有ります故、後ほど高天原へと戻りまする」
「分かりました、では」
「はい!行ってらっしゃいませ」
「して?どうじゃ?他の者は?」
「本居宣長は国学の編纂の為に古事記を解読中にて、時間がどれ程有っても足らぬと申しておりましたので…
長居になるかと」
「フム( ;-`д´-)」
「石川五右衛門は異国の姫騎士とはいえ弟子がおりますれば今暫くは見守りたいかと」
「フムフム( ;-`д´-)」
「松尾芭蕉は定期連絡はあるものの…
各地にて見聞を広めたいと申しておりました」
「じゃあ輪廻の輪に戻る気があるのはお前だけか!?」
「多分…」
「お前が良ければそれでも良いが」
「キョウイチロウが思い描く未来を見届けてからになりますが」
「良い!我らは悠久を生きる神ぞ!人の一生など瞬き程じゃ」
「それを聞いて安心致しました」
「キョウイチロウには…
八百万の神々の像を作る約束をしておるが…
人の一生では作り切れんかもしれんな…
魔王への対策は我らとお前で練るか?」
「私は魔王を二度屠っておりますれば地理的な物は把握しておりますので道中の案内には事欠きませぬ」
「フム( ;-`д´-)頼もしい限り」
「お任せ下さい」
「後はどの様に対策を練るか?だな」
「今回の魔王はかなりの切れ者で、その強さは歴代魔王の中でも群を抜いております」
「それ程か…」
「しかも以前の個人主義の魔族とは違い全魔族を統一した傑物にございますれば…」
「ってか…(;・`д・´)キョウイチロウは首の骨を折られる程度で良く済んだな」
「優れた従者の機転による物と聞き及んでおります」
「ほほぅ…
では此方も、敵方の様に配下の者の充実を図るのが得策よな」
「然り!」
「プラス!」
「更に何か!?」
「我ら神話の神々の加護も増やそう」
「それは素晴らしい♪」
「だろ?」
「フフフ…猿田彦神さま神とは程遠い悪ぅ〜い顔をなさっておいでですぞ
(*≧艸≦)」
「そうか?」
「ですです♪」
「小太郎もそう言うの、好きであろう?」
「間違い無いです!」
「魔王軍の悪事は捨て置けぬ…
故の対策じゃ」
「天網恢恢 疎 にして漏らさず!ですな」
「然り!」
「流石でございます!」
権謀術数を画策する二人…
「殿!」
「何じゃ!?」
「朗報が届きました!」
「何じゃ!?」
「七福神さまがキョウイチロウ様の露払いにて倒してキョウイチロウ様の従者となった海賊団ですが!
一隻で魔王軍海王騎士団の所属船を百隻を沈めたとの事!」
「何じゃと!?誠か!?」
「はい!誤報ではありません!我がジーパングォ海軍が確認しておりますれば!」
「一隻で百隻を沈めた…
俄かには信じられん…
して何日掛かったのだ?」
「一日にございまする!」
「はぁ!?七福神さまの宝船に負けた船であろう?」
「いえ!キョウイチロウ様が近代改修なる物を施した船ではなく戦艦だそうです!」
「戦艦!?」
「もう私を…高天原に連れて行って貰っても良いですかね?」
「待て待て!只事では無いぞ!」
「その一隻を元にジーパングォの海軍の増強は計れんのか?」
「いやぁ(・・;)見た事も聞いた事も無い装備で鉄の船ですし…
我らがジーパングォの船大工は木造船専門ですので…
鉄甲船は作れないのではないでしょうか
規格も寸法も単位すら聞いた事がなくて…
現状厳しいかと」
「何と!?船の大きさは!?」
「全長200m.船幅20mとの事!」
「重さは!?」
「総排水量なる単位で13,100tだと…」
「はぁ!?何その単位!?聞いた事が無いぞ!」
「はぁ…あまりにも船が重すぎて測れないとの事で海水に浮くに当たり、押し出す水の量を重さに換算しているとの事らしいですが…
チンプンカンプンですゎ」
「動力は?そんな規格外な戦艦はオールで動かんだろ!?」
「石油から生成した重油燃料でタービンを動かし動力源しているとの事
馬力は52,000!
速度は52キロで…
28ノット…」
「52,000馬力!?
あまりの数値に頭がクラクラして来たぞ…
それにノットって何!?」
「航行する速度を表すキョウイチロウ様の世界の単位だそうで…
私にはサッパリ分かりません」
「だろうな私にも分からん!
して!その燃料は如何して調達する?」
「キョウイチロウ様、曰く!ジーパングォの海洋資源の開発に着手し10年で海中油田の開発を軌道に乗せて永続供給可能にする予定だそうです!
他に鉱石資源も海中にて入手するとの事!」
「はぁ!?油田って何!?それに海中に鉱石ってあるの!?」
「含有してさえいれば、分離させる事が可能と申しておりました!」
「はぁ!?キョウイチロウ殿は錬金術師か!?
油田ってあの燃える水の事だろ?海中から取り出せるのか?」
「可能と申しておりました!
しかも!もし原油資源がジーパングォ近海に無く、入手不可能ならばメタンハイドレート?でもオッケーとか申しておりましたが…
かの者の日本語は些か分かりかねまする」
「キョウイチロウめ…
かなり先まで見据えておる様だな!?
我らは喫緊の課題のみに捉われておったわ!」
「キョウイチロウ様はマクロ計画でミクロ計画の集合体を何たらかんたらと…
経済成長、物価変動、失業率などを、計画的に管理・コントロールし、望ましい経済状況を実現させる経済政策をと…
私には全く意味が分からないんですが」
「猿田彦神さま!彼奴はジーパングォを発展させて盟約を交わして魔王領に自分の国を建国するとか何とか言っておりましたが!
彼奴にジーパングォを任せても良いのでは!?」
「有りかもしれん」
「彼奴のやりたい事は遥か彼方の未来、私には見えなさ過ぎる!」
「打診してみたらどうじゃ?」
「今夜!キョウイチロウ殿と私が居た時代より先の歴史の話しを聞く予定になっていますれば、その時にでも」
「ワシも同行しよう!」
「有難いです是非にも!私は異世界人は他力本願で困るとキョウイチロウ殿と意気投合したのに…
私がキョウイチロウ殿任せにして他力本願では無いかと心配になって来まする!」
「仕方あるまい、キョウイチロウはお前の生きていた時代より文明の進んだ先の時代から来ておるでな」
「未来の技術か?世界は目まぐるしく動いたのでありましょうな…」
「じゃぞ!日の本は其方が思いも付かぬ未来が構築されておる…
キョウイチロウは一つ危惧しておった」
「キョウイチロウ殿が?何をでしょうか?」
「小太郎よお前たちは元居た世界に帰ると言う選択肢はどうした?」
「(;゜д゜)アッ…
ハインデルの国王には異世界召喚の儀に必要な魔力が溜まったら帰す算段を的な事を言われて有耶無耶にされて次の魔王討伐までさせられた様な気が…
ジーパングォを国として発展させる為に必死になってる内に忘れてました」
「まぁそれはよいとしてだ、異世界のハインデルの秘術により現世から人を呼ぶ、そして帰す事が出来るとなるとどうなる?」
「どうなるんですか?帰る際は記憶を消されると申しておりましたが」
「それよ!あまりに一方的ではないか?
我らはキョウイチロウの信仰により顕現出来ているが!
現世からの軍事侵攻は?」
「(;゜д゜)アッ…
あったら、今回のキョウイチロウ殿の作った船の様な近代兵器で侵攻して来るでしょうね」
「そう、近代科学が剣と魔法の異世界に負けると思うか?」
「一隻で百隻の船を沈める…
勝てませんな」
「現世には領土拡大を図る専制国家があり向こうの法が及ばない未開の地があると分かり移動手段を手に入れれば?」
「間違いなく侵攻して来るでしょうな…
多少は抵抗出来ると思いますが勝てないでしょう」
「キョウイチロウはそれを危惧しておったのだ」
「…どうなりますかね?」
「全員、人として扱われず奴隷の様な扱いに成るだろうな」
「それだけは避けたいです」
「キョウイチロウは十年でジーパングォを近代化すると豪語しおった」
「キョウイチロウの危惧は現実に?」
「そこまでは分からん…が…
頭の片隅には置いておかんといかん」
「キョウイチロウ殿はそこまでの最悪の事態を想定して動いていると?」
「この異世界の遥か先の未来を…創造しているだろう」
「キョウイチロウ殿には酷い業を背負わせる選択に成りそうですな…」
「現実は厳しいとしか…」
「向こうの世界に明るい未来でありますか?」
「紛争が絶えぬ混沌とした世でもあるが…
取り敢えず日の本は平和ボケしてしまっているぐらい平穏無事だが…
最近の隣国の同行が不穏過ぎて平和ボケした、日の本の国民では…
対処し切れておらんのが現状」
「それは…
何と申したら良いのか…
由々しき事態とだけ…」
「だな…敗戦した折に合衆国に骨抜きにされたのだ…
理不尽な要求を飲まされて律儀に守っておる」
「不味くないですか!?」
「実にマズい状況なのは間違いない…」
「そこに私は輪廻すると産まれると…
記憶を引き継げませんか?」
「無理だな…
それは最早、輪廻ではなく転生じゃ…」
「然り…現実は格も厳しい」
「希望がまるでない訳ではない!」
「と?申しますと?」
「世界の警察を謳っていた大国の…
国力が落ちて来ておる…」
「何と!?それが希望に繋がるのでしょうか?」
「ネジやら簡単な部品は後進国で安く作らせて自分達はハード、中身を作れば良いと豪語しておったのだが…
今や国内で釘一つまともに作れぬ…
頼れるのは自らがんじがらめにした同盟国の…
日の本のみ」
「してやったり、ですか?」
「未だ未だだ…」
「儘なりませんな…」
「だな…」
「日の本は最先端の航空兵器を購入せず型古の機体ばかりを大量購入した」
「何と!?それでは意味が無い!大国の圧力に負けて買わされたのですか!?」
「どうやら違う様だ…」
「意味が分かりませぬ!」
「部品は作るな!部品の調達には許可が必要だ!改造するな!と言われ…
律儀に守っておる…」
「はい!?日の本の国民は駄目に成ってしまったのですか!?」
「違う!同じ航空兵器を購入した他国は失敗してしまったが…」
「日の本は違うと!?」
「合衆国は気付いたのだ!」
「何に!?」
「改造するな!部品は自国生産するな!ここは見るな!開けるな!と縛った国が気付いた!」
「ですから何に!?」
「研究するなとは言われておらん!」
「どう言う事ですか!?」
「今、日の本は合衆国以外と組んで共同開発に着手しておる」
「ほほぅ…興味深い…」
「つまり合衆国が気付いた!コイツら我が国の兵器を使って実験しとる!?研究して数値化している
と…
気付いた頃には時既に遅し!じゃ!!」
「フムフム」
「合衆国は作った航空兵器を売らなければならない!」
「ですな!不具合の多い兵器だとしてと売れずに在庫を抱えていたら作っている会社は破綻いたします」
「然り!合衆国がコイツら自国航空兵器の開発に着手しておる!と気付いた頃には…
もう売りたく無いが、日の本に売らないと航空兵器会社が潰れるから売るという状況に追い込まれていたのだ!」
「何と!?誰の策略なのですか!?」
「当時の日の本のトップのアベノシンゾーよ」
「日の本は何かしらの決断を迫られる分水嶺には必ずと言っていいほど時代の波に流されない先見の明のある傑物が現れるとされています。
そのお方がそうなのですね!」
「暗殺されたがな…」
「くっ!?それでは!事態は足踏みどころか後退ではありませんか!」
「…」
「仕方ないでは済まない事態では?」
「激ヤバじゃ…」
「でしょうな…
日の本の隣国の増長
同盟国の国力低下による抑止力の低下
世界の力の均衡が崩れまする!」
「日の本は隣国に恵まれてはおらんのだ…」
「私の時代は国内を統一するのも不可能な状態でしたが?隣国は?」
「専制国家が三つ、民主主義国家が二つ、国の程をなしていない島が一つ
せめてもの救いは自由主義を掲げる国が有ることくらいか…」
「かの合衆国なる国は日の本を食い物にしては来ないのですか!?」
「ゴリゴリじゃ!
航空兵器を共同開発と銘打って日の本の技術を根こそぎ持って行き、自国の技術は公開しない物が出来上がった…」
「やはり…
しかもそれって酷過ぎませんか?」
「それが今の世界の現状で日の本の立場だ…
経済成長率の一位は合衆国、二位に日の本が来たらトップファイブ全員で叩いて来る…」
「僻み!やっかみが酷過ぎる!」
「そこに専制国家の後進国の隣国が二位に躍り出た」
「二大大国による圧力!?」
「然り!…
骨抜きにされ平和ボケした国民…
専制国家による賄賂に溺れた政治家…」
「それでは!日の本の成長は止まりまする!」
「三十年成長は止められ…技術は盗まれ…
力の均衡は崩れ…
それでも未だ足踏み中よ…嘆かわしい」
「…我が日の本に明るい未来は?」
「現状…厳しい…」
「アベノ…奴が生きてさえ居ればと嘆かれますな」
「たら、れば、の話しをしていても始まらん」
「今日の本は時代の過渡期に立たされておる」
「乗り切れまするか?」
「分からん…1990年代後半以降に日の本帰化申請の年数が十年から三年に引き下げられ専制国家からの流入が止められん、今や日の本の隣国帰化人は100万人を超える」
「浸透工作が完成した今!其奴らが結託して政治家を立てれば!」
「あぁ…日の本は後進国と侮っていた隣国に飲み込まれるだろう…
現にとある隣国の宗教団体が自分の信者を使い当選させたい議員の居る地域に住民票を移させ一票を投じさせる戦略を取っておる…」
「かなり危険な状況ですな…」
「我らは何も手出しは出来ん…」
「しかし!帝も危機に晒されませぬか!?」
「晒されるであろうな…
専制国家の戦略の一つに継承権の操作なる物があってな…
現にチベートという地域を手中に収めた隣国は継承者はコイツだ!と勝手に人を立てたのだ…」
「では!男系継承を無視して隣国人を養子にして帝にしてしまう可能性が!?」
「大いにある!現に今!正に女性天皇論者と女性宮家設立論者が躍起になって日の本の国体を破壊しに掛かっておる」
「くぬぬぬぬ…帝をお守りする立場である筈の日の本の国民がですか!?腑抜け共め!」
「止められん流れと言う物はあるのだ…
日の本は世界大戦に敗北しておる…
その時合衆国に都合の悪い書籍や日の本の根幹をなす神話が教科書や店頭書籍から消えた」
「それは何故!?」
「売国奴…」
「日の本の国民自らが自国を売ったと!?」
「言葉の壁がある合衆国人が世界で一番難しいとされる日本語が分かる筈が無かろう」
「売国奴が廃盤書籍を選んだと!?クズ共が!」
「クズ…売国奴…とは一概には言えぬ…」
「何故です!絶対悪ではありませんか!」
「人質…生活の糧…
合衆国のトップは日の本の国民を大量に餓死させよと指示を出した…」
「家族を飢えさせない為に致し方無かったと!?合衆国とは家畜の集まりか!?」
「それが今の…日の本一番の同盟国で隣国よ」
「くっ!日の本は何と隣国に恵まれ無い事か!
その合衆国が日の本を骨抜きにしておいて!
言うに事かいて頼るとは!都合が良すぎる!」
「日の本は合衆国への輸出で儲けて来たからな…」
「金儲けと政治は違いまする!!」
「日の本で政治家をするには金がかかるのだ」
「誰がそんな日の本にしたのですか!?連合国では無いのですか!?」
「…」
「私が輪廻して日の本に戻り殿に成りまする!」
「無理だ!」
「では!?他の民主主義国家はどの様にして殿を選んでいるのですか!?」
「国民全員が投票する大統領制をしいている」
「ならば!私が日の本で初の大統領に成りまする!」
「金が掛かる…」
「又!!金ですか!?」
「反対派に命を狙われる…
普通の一般向け宿泊施設には泊まれん…
警備の都合上一泊一般人の一ヶ月分の給料ほどの宿泊施設に泊らねばならん、それを選挙期間中、全て…」
「くっ!?平均的な町人では立候補すら出来ないと!?」
「取り分け後援会、票の取りまとめをする県議には頭は上がらんだろうな…」
「傀儡ではトップになる意味が無い!何とかならないのですか!?」
「無理だ…」
「何と現状は厳しい事か!」
「志だけでは…飯は食えん」
「そんな!?一代で財を成す者になった頃には歳を取り過ぎて手遅れに成りまする」
「…」
コンコンコン
風魔小太郎の部屋の扉がノックされる
「誰じゃ!?今、大事な話しの最中ぞ!?」
「風魔小太郎殿?待ち合わせの時間を過ぎても来ないので此方から来たんですが?
未だお忙しいので?」
「キョウイチロウ殿!?もうそんな時間か!?」
「そろそろ…日付けも変わる頃でして…
私、子供に戻ってから深夜まで起きていられなく成ってまして…後日でもよろしいですかとご挨拶だけしに来た次第です」
「取り敢えず入られよ!」
「失礼致します」
スー
木製のスライド式の襖を開けて入室して来るキョウイチロウ
「わざわざの迎えご足労をかけ申した!」
「いえいえ!頭をお上げ下さい小太郎殿!」
「フフフ日本人の美徳よの♪謝ったら負けと認識して謝らず上から目線でゴネまくる半島の人種を見て来たから…つくづく思うぞ日本人は素晴らしい!
瓊瓊杵尊さまを預けるに相応しい人よ」
「お褒めに預かり恐悦至極!」
「フフフ今度は私に頭を下げるか?小太郎よ表を上げよ」
「はっ!」
「大事なお話しの途中に横槍を入れてしまい申しありません」
「フフフ今度はキョウイチロウが頭を下げるか?」
「まったくもって話しが前に進まんな」
「いやはや!猿田彦神さま、誠に申し訳ございません!」
「良い!我はこれにて一旦失礼する、小太郎よキョウイチロウが言う通り今宵はここまでじゃ!
其方も休むが良い
キョウイチロウよ後日、其方の今後の展望を聞かせてくれるか?」
「今後の展望ですか?」
「そうじゃ、其方の十年を見据えた展望よ、聞かせてくれるか?」
「( ̄▽ ̄;)えっと…は…ぃ」
「何と歯切れの悪い返事か!?其方の今後の事ぞ!?」
「ハッキリとしたビジョンはございませんがよろしいので?」
「分かる範囲、己が計画を述べよ、今はそれで良い!」
「では後日!」
「ウム!では失礼する」
淡い後光が射したかと思ったら猿田彦神の身体は徐々に薄くなって消えて行った
「待たせてしまった様だな!キョウイチロウ殿よ!済まなかった!」
「問題ございません!後日と言う事でお話しはまとまりました故」
「ウム!では明日時間を作らせて貰う!午後一番でどうじゃ?」
「はい!よろしくお願いします!では私はこれで、おやすみなさい」
「おぅ!おやすみキョウイチロウ殿」
長々と猿田彦神と話し込んでキョウイチロウとの待ち合わせをすっぽかした風魔小太郎は厳しい現世の状況はさておき今後の異世界ジーパングォの明るい未来を夢見て就寝の途につくのであった
ここまでお読み頂きありがとうございます!
この小説を読んで、「面白い」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、
ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです (*゜▽゜)ノ
読者様の応援が作者の何よりのやる気に繋がりますので、是非とも!
よろしくお願いいたします!