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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
94/204

93話 悪魔子爵ゴースンとの決戦(前編)

カクヨムでも同時アップしています


カクヨムhttps://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457





 風神丸(嵐)は、焦っていた。


自身が戦うデーモン大天狗と風魔法攻撃の打ち合いで互角である


のに加え、自身の配下が戦うデーモン天狗は、魔法攻撃や弓矢が


通用せず、手持ちの刀や槍で戦うも相手は4倍の人数。


1人、また1人と風神丸(嵐)の配下がデーモン天狗達に打ち取


られて行く。


(このままでは……)


と風神丸(嵐)が思ったその時だった。


「魔神光!」


と言う大きな声と共に、2筋の光がデーモン天狗達を襲う。


 しかし、その光はデーモン天狗達の闘気により消えてしまうが、


風神丸(嵐)はその光を放った方を見て驚いた。


そこには、巨大な赤い鳥を背に飛ぶ巨人の姿があった。


「上様!(魔王)」


思わず声に出して言う風神丸(嵐)。


その巨人は、


「魔法攻撃が効かぬか……ならば!」


と言いながら自身の背中の巨大な赤い鳥に向かって言う。


くれない羽手裏剣!」


その言葉に


「ピー」


と鳴き巨大な赤い鳥は自身の翼の羽をデーモン天狗達に


向って放った。


”シュ”、”シュ”、”シュ”


巨大な赤い鳥の放った羽は、デーモン天狗達と戦う風神丸(嵐)


の配下達をきれいに避け、デーモン天狗達を襲う。


「グァァァッ!」×176


風神丸(嵐)の配下達は怯むデーモン天狗達を見てここぞと


ばかりに襲いあっという間にデーモン天狗達を倒してしまった。


 ゆっくりと旋回した魔王が、風神丸(嵐)に言う。


「ここは、儂に任せて配下の応援に参れ!」


その言葉に風神丸(嵐)は、


「かたじけのうございます、ではごめん」


と言って、配下の魔人達を連れて、地上の配下の元へと向かう


のであった。


それを見送る魔王が、デーモン大天狗に向かって、


「儂が相手じゃ、こい」


と叫ぶと、、デーモン大天狗が不敵にニヤリと笑う。


すぐさま魔王が攻撃をする。


煉獄大竜巻れんごくおおたつまき!」


口から炎の竜巻を吐き、デーモン大天狗に向け放つと同時に


デーモン大天狗は、履いていた高下駄を魔王に向け放つ。


”ボー”


”シュン”、”シュン”


魔王の吐いた炎の竜巻はデーモン大天狗の闘気にかき消され、


 また、デーモン大天狗の放った高下駄は、


\カッキーン/


と魔王の鎧が跳ね返す。


「へん、この鎧は超魔鋼で出来てんだよ」


と魔王が誇ったようにデーモン大天狗に向かい言い、


「魔法攻撃が効かぬならこれでどうだ!」


と言いながら、兜に付いている三日月の飾りを手に取り投げ、


「行け~向月むかいづき!」


と言いながら投げた。


すると((((くるくる)))))と回りながら、デーモン大天狗に


向かうが、それをサーっと避けて、またもやニヤリと笑う


デーモン大天狗だったが……。


デーモン大天狗が避けたはずの三日月の飾りは回りながら


弧を描き、


\\ズバーン//


とデーモン大天狗の首を後ろから切り裂いた。


そして、手元に戻って来たの三日月の飾りを自身の兜に


戻すと、背中の大きな赤い鳥に向かって言う。


くれない放せ!」


と言うと、その大きな赤い鳥は、


「ピー」


と鳴いたかと思うと、足でつかんでいた魔王の鎧の腰ひも


を離すと、魔王はそのまま地上目掛けて落ちて行くのだった。















 風神丸(嵐)の地上に残された配下達は、魔法攻撃も効かず、


矢も効かない中、刀や槍で近接攻撃に出るも、全く歯型立たず、逆に


デーモン九尾の狐に踏みつけられたり、口から吐いた殺生石で、


次々に魔人達は倒されて行く……。


 鬼番衆の星影ほしかげも手裏剣や、懐から爆薬を取り出し


デーモン九尾の狐に投げつけるもまるで効果がない。


(このままでは全滅か……)


星影ほしかげが、そう思った時だった。


「風刃!」


”シュン”、”シュン”、”シュン”


と風の刃が空から飛んできた。


風の刃は、デーモン九尾の狐の闘気に触れると共に\パッ/と


消えはしたが、先ほどの魔人が空を見上げ叫ぶ。


下月(しもつき様~!」


星影ほしかげの叫びに風神丸(嵐)は言う。


「おお、待たせたな、お前達はいったん下がれ!」


と命令すると、星影ほしかげと同様にデーモン九尾の狐に近接攻撃


をしていた魔人達は一斉にデーモン九尾の狐から離れ、後方に下がる。


そして、後方に下がった風神丸(嵐)の配下達と星影ほしかげ


前に風神丸(嵐)と空で戦っていた配下の魔人達も降り立った。


そして、風神丸(嵐)は配下全員に言う。


「槍を放て!」


それを聞いた配下の魔人のうち槍を持て居た魔人達が、


「おお!」


と答え空に向け槍を次々に投げた。


それを見た風神丸(嵐)は、


「風神大竜巻!」


と叫び大きな竜巻を出現させると、配下の者達が空に向かって投げた


槍を次々と大竜巻に巻き込んでいくと、そのままデーモン九尾の狐


にぶつける。


大竜巻は、デーモン九尾の狐の闘気に触れると共に\パッ/と


消える者の、竜巻に巻き込んだ無数の槍が、竜巻の渦で加速され、


デーモン九尾の狐の背に\ブシュ/、\ブシュ/と突き刺さった。


「グェェェェッ!」


とデーモン九尾の狐は叫び地面に倒れこんだ。


「やったか!」


と一瞬喜ぶ風神丸(嵐)だったが、デーモン九尾の狐は目を血走らせ


ゆっくりと起き上がる。


「まだか!」


と叫ぶ風神丸(嵐)だった。













 鬼番衆の清影きよかげは、傷ついた鋼鉄神(磁久)とデーモン


大人鬼や、デーモンぬえの間に立ち、持てる力を全て使って、


デーモン大人鬼や、デーモンぬえに対して攻撃をしていた。


分身の術による手裏剣攻撃や爆薬による攻撃……しかし、デーモン


大人鬼の側に居る人鬼じんき20人は倒せたものの、デーモン


大人鬼や、デーモンぬえは平然としていた。


(っくそ、少しは嫌な顔ぐらいしろよ)


と心でつぶやく清影きよかげ


そんな清影きよかげをあざ笑うかのように、オミクロン(コブラ


の頭に人間の体の男)は言う。


「もう、気が済んだか」


そんなオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)の言葉に、苦虫を


噛むような表情で清影きよかげは、


「くっ……」


と声を漏らす。


そんな清景きよかげにオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)


はさらに言葉を重ね、


「ならば、後ろの鋼鉄神(磁久)と魔人達と共にお前も死ね」


と言い、デーモン大人鬼や、デーモンぬえに対して”やれ”


と顔で合図する。


すると、デーモン大人鬼や、デーモンぬえは、ゆっくりと前に


進んだ。


と、


急にあたりに大きな影が覆う。


「むっ、」


オミクロン(コブラの頭に人間の体の男)は頭上を見上げる。


それにつられて、清景きよかげも見上げると、


空から大きな巨人が降って来た。


その大きな巨人は、地面手前でくるりと体を回転させ、


\\ズドーン//


と大地に足から着地した。


「な・なんだ!」


「こいつは……」


「いったい何者!?」


とベビルデーモンのオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)


をはじめ、パイ(トカゲの頭に人間の体の男)やロー(顔が


イソギンチャクで体は人間で出来た姿の女)が口々に驚き


に言葉を吐く中、清景きよかげは、


「う・上様(魔王)!」


と声に出した。


魔王は、悪魔達ベビルデーモン清景きよかげ鋼鉄神


(磁久)の前に居るデーモン大人鬼や、デーモンぬえ


悪魔達の前に立ちはだかり、


「おう、待たせたな清景きよかげ鋼鉄神(磁久)!」


と自身の後ろに居る清景きよかげ鋼鉄神(磁久)に


声を掛けると、


「ここからは儂が相手だ!」


と自身の前に居るデーモン大人鬼や、デーモンぬえ


や悪魔達に指を指し言う。


それを見て、ベビルデーモン達の後ろに居た悪魔子爵ゴースン


が前に出て、


「やっと出てきおったか」


と言うと、魔王はそれを見て言う。


「お前が親玉か、待ってろこいつらを倒して、お前の


相手をしてやるから」


その言葉に悪魔子爵ゴースンは、にやりと笑い


「できるかな」


と言いながら、ベビルデーモン達の後ろに戻ると、ベビル


デーモンの1人のオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)


が言う。


「デーモン大人鬼、デーモンぬえ!やってしまえ」


その言葉にデーモン大人鬼や、デーモンぬえ


魔王目掛けて飛び掛かるが……。


左腕をデーモンぬえの方に素早く向け、手首に仕


込んだ4本の小柄こづかを飛ばす


”シュン”、”シュン”、”シュン”、”シュン”


と同時に、右手で腰の刀を抜き、


「魔神刀!一刀両断」


と叫び向かってくるデーモン大人鬼を真っ二つにする。


「グェェェェッ!」


「グェェェェッ!」


魔王の小柄こづかで目をつぶされたデーモンぬえ


と魔王に体を真っ二つに割かれたデーモン大人鬼が声をあげる


と同時にデーモン大人鬼を真っ二つにし返す刀でデーモンぬえ


の首を跳ね飛ばした。


「な・何っ!」


と驚き思わず声に出すオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)。


そんなオミクロン(コブラの頭に人間の体の男)に自慢げに


「へへーんどんなもんだい」


と言う魔王。


そんな魔王を睨みながら、


「調子に乗るな魔人!」


と魔王に言うと、他の4人ベビルデーモン達に目配せをして、


「デーモンフュージョン!」


と叫びながら、右腕を高く上げると、


オミクロン(コブラの頭に人間の体の男)、パイ(トカゲの頭


に人間の体の男)、ロー(顔がイソギンチャクで体は人間で


出来た姿の女)、シグマ(顔がカエルで体は人間で出来た姿


の女)、タウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)


5人のベビルデーモン達が一つになり巨大化する。


”デュィーン”


身長は、魔王と同じ20mの黒い体の巨人で、頭部がオミク


ロン(コブラの男)右胸にパイ(トカゲの男)、左胸にロー


(イソギンチャクの女)、腹部上にシグマ(顔がカエルの女)、


腹部下にはタウ(顔がスズメバチの女)のそれぞれの顔がある。


「なんだお前!」


と驚きながら聞く魔王の言葉を無視して、腹部上のシグマ


(顔がカエルの女)は言う。


「お前は、ゴースン様の糧になってもらうぞ」


と言うなり、口を大きく開け、


((((((びょ~ん))))))


と催眠音波を放つ。


「うっ……くっ」


シグマ(顔がカエルの女)が放つ催眠音波を受け、魔王は


膝から崩れ落ち、深い眠りに落ちるのだった。


「上様(魔王)!」


「上様(魔王)!」


「上様(魔王)!」×200


それを見ていた鋼鉄神(磁久)と清景きよかげ、それに


鋼鉄神(磁久)配下の魔人達が口々に叫ぶ。


そんな鋼鉄神(磁久)達を見て、黒い体の巨人の頭部のオミク


ロン(コブラの男)が言う。


「お前達も我等配下のレッサーデーモン達の糧となって、我等の


手足となるのだ」


と言うと、ゆっくりと鋼鉄神(磁久)達に迫って行く。


それを見送る悪魔子爵ゴースンは、ゆっくりと、倒れている魔王


の所に進み言う。


「これで、クリスタルマン達に一泡吹かせられる」


と言って、魔王の頭に手を置き、


「我が魂の糧となれ、ポゼッション!」


と叫ぶと、すーっと魔王の頭の中に入って行く……が、


\\バッシーン//


と言う大きな音がしたと思ったら、


「グワッ!」


悪魔子爵ゴースンは、魔王の頭の中からはじき返され、その場に転


げ出る。


その音とゴースンの声に反応したオミクロン(コブラの男)達が、


思わず振り返ったのを見た、鋼鉄神(磁久)は、


側に居た妹の東月 みちに声を掛ける。


「みち、予備の鎧を!」


「はい」


鋼鉄神(磁久)に声を掛けられた妹のみちは、大きな瓢箪を抱えて


返事を返し、


「放つ!」


と叫ぶと空中に鋼鉄神(磁久)の予備の両腕のパーツを飛ばすと、


鋼鉄神(磁久)はそれ目掛けてジャンプし、熔かされた右腕と共に


両肩から腕のパーツを分離すると、


「超電磁気力!」


と叫んで磁気力で新しい両腕を装着した。


「しまった!」×5


オミクロン(コブラの男)達が叫ぶが、そのオミクロン(コブラの男)


達目掛け、鋼鉄神(磁久)は


「超電磁砲!」


と叫ぶと、腹の中央部にある穴から、電磁力の力で大きな鉄球を撃ちだした。


”ズキューン”


\\ドッカーン//


オミクロン(コブラの男)達は、鋼鉄神(磁久)の攻撃で倒れこむのだった。


 一方、魔王の頭の中からはじき返され、その場に転げ出た、ゴースンの前に


立つ一人の男を見て驚く、悪魔子爵ゴースン。


「な・なぜお前がここに!、お前は上月こうづきに居たのでは」


と顔をこわばらせながら聞くゴースンに、ニコリと笑って、


「いや、俺は元々魔王の中に居た」


と言うクリスタルマンエメラルド。


その答えに焦りながら、ゴースンはクリスタルマンエメラルドに聞く。


「し・しかし、上月こうづきでお前の使役する魔物を部下の……」


その言葉にクリスタルマンエメラルドは、”あ~ん”って感じの顔で、


「ああ、あれは俺のカード怪獣を冒険者のお嬢ちゃんに貸したものだ」


と言うと、


「使役するモンスターの貸し借りなどあり得ん!」


と驚き断言するゴースンに、あきれ顔で、


「俺のカード怪獣にはあり得るんだよ」


と言い返すと、ゴースンは納得できないって顔でさらに、


「第一、人に憑依できるのは、我等悪魔と精霊だけのはず」


と言い返すゴースンにクリスタルマンエメラルドは自慢げに言い返す。


「我等クリスタル星人は、地球で活動するために地球人と同化できる


能力が備わってんだよ」


その言葉に、


「何を言ってるのだ、まるで分からん!」


と悔し気に言い捨てるゴースンに、”じゃ~”って感じで、


「要するに俺達はお前達同様人に憑依出来るって事だ」


その言葉に一瞬言葉を失うゴースンだったが、急に怒りが込めて


来たのか、かんしゃく気味に


「えぇ~い!こうなったら……」


と言ったかと思うと、


「ギガント!」


叫ぶと、


”デュィーン”


見る見る体が巨大化し、身長40mの全身岩でできた巨人へと変わる。


それを見たクリスタルマンエメラルドもすぐさま、


「ディア!」


と掛け声とともに、


”デュィーン”


と同じように40mの姿に巨大化したのだった。













------(テンタ視点)------☆




 お昼ご飯を食べ終わり、シャリーさん達からスカイバリアンを


返してもらった俺は、赤着せきちゃくフェードインをして、


コンバットスーツ姿になり、雷神丸(雷蔵)さんと、龍の姿に


戻った禍龍かりゅうと共に、上月城こうづきじょう上空に


居る。


『では、いくわよ』


と言うエードラム様の声に俺と禍龍かりゅうは頷き、


俺は雷神丸(雷蔵)さんに、


「行きますよ」


と声を掛けると黙って雷神丸(雷蔵)さんが頷くのを確認すると、


俺の体のコントロールをエードラム様に預ける。


エードラム様は、俺の右腕を高く上げ赤い光の球を作ると、それが


どんどんと大きくなって、俺を含む雷神丸(雷蔵)さんと、禍龍かりゅう


を包み込んだかと思った次の瞬間、俺達は月都城げっとじょう


上に居た。


月都城げっとじょうに着くなり、エードラム様が言う。


『北の森で悪魔達の反応があるわ』


その言葉を聞いて、俺は、隣の雷神丸(雷蔵)さんにエードラム


様の言葉を伝えると、雷神丸(雷蔵)さんは、俺と禍龍かりゅう


に、


「急ぎ、参りましょう」


と言うので、俺達は月都城げっとじょうの北の森に向け、


進むのだった。


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