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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
92/204

91話 月都(げっと)

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457





------(第三者視点)------☆





 ここは、三日月魔王国の王都、月都げっと


島のほぼ真ん中に位置し、西には月港げっこう、東には東月藩とうげつはんがある。


北に日本の富士山に似た山蓬莱山ほうらいさんがそびえ、その麓の深い森の


中央に開けた町、それが月都げっとである。


 また、月都げっとの周りにある森の東西南北には、各200名ほどの魔人


を配した砦があり、月都げっとを守っているのである。


 しかし、その砦のうち、北の砦を、数百のあやかしを従えた悪魔子爵


ゴースンは、既に殲滅していたのだった。


「砦内の魔人はすべて排除いたしました」


と傅き悪魔子爵ゴースンに報告するオミクロン (コブラの頭に人間の体の男)。


「うむ」


自身に傅き報告するオミクロン (コブラの頭に人間の体の男)に軽く返事を


返す悪魔子爵ゴースン、そこへ、上月藩こうづきはんから、タウ(顔がス


ズメバチで体は人間で出来た姿の女)が、現れゴースンに報告する。


「ご報告いたします、例の小僧と禍龍かりゅうを確認いたしました」


その報告にゴースンは、


「ほう、して」


と報告の続きをタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)に催促すると、


「それと、殆どのレッサーデーモン達を失いましたが、例のクリスタルマンエメ


ラルドが使役する魔獣を確認いたしました」


とここまでの報告を聞いて、オミクロン (コブラの頭に人間の体の男)が、


口を挟む。


「クリスタルマンエメラルドは確認してはおらんのか?」


その言葉に、首を横に振るタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)


が、


「はい、確認はしておりませんが、あの魔獣は紛れもなくクリスタルマンエメ


ラルドが使役する魔獣ですので、そこに奴がいたと考えても良いかと」


その言葉を受けて、ゴースンも


「そうじゃの、奴の使役する魔獣をほかの者が使えはせんて」


とタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)の発言に同意する。


ゴースンに同意され、


「まぁ、それはそうですが……」


とオミクロン (コブラの頭に人間の体の男)も同意せざる負えなくなるが、


「時にプサイはどうした」


と話題を変えるオミクロン (コブラの頭に人間の体の男)に


「ああ、あの子、オロチの攻撃で石化して動けなくなった禍龍かりゅう


止めを刺すところをどうしても見てから、ここに参ると聞かないもので……」


その言葉にあきれ顔で


「本当しようがないやつだな」


とオミクロン (コブラの頭に人間の体の男)が言うと、ゴースンも少し


困ったような顔で、


「まぁ、人間のころの因縁があれにはあるからのう」


言うも、少し間を開けてから、再びタウ(顔がスズメバチで体は人間で


出来た姿の女)に聞く。


「で、向こうの戦況は……」


その言葉にタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)は、


「はっ、殆どのあやかしとレッサーデーモンは倒されてしまいま


したが、まだデーモンヤマタノオロチが残っていますゆえ、今しばらくは


大丈夫かと……」


そのタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)に、一つ頷くと、


「では、我等はこれより月都げっとに向けて進軍する!」


と声高らかに宣言するのだった。













 ここは、月都げっとの中心にある、月都城げっとじょう


日本の北海道函館にある五稜郭に似た水堀で囲まれた五芒星型の堡塁からなる


城である。


 城の中にある畳敷きの大広間。


その大広間の一段高くなっている場所に座るのは、この国三日月魔王国を


治める魔王望月皇太郎もちづきこうたろうその人であった。


 魔王の左手には、この国の政治を司る大老近衛右太衛門(このえうたえもんが控えていた。


そこに、何処からともなく現れる忍者姿の魔人3人。


その3人を見て、大老の近衛右太衛門(このえうたえもんが聞く。


「清影、してどうであった」


「ははっ、すでに北の砦は敵の手に落ちましてございます」


清影と呼ばれた忍者の言葉に、


「なんと!」


と驚く大老の近衛右太衛門(このえうたえもんであったが、魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうは、


冷静に言う。


「そうか、間に合わなんだか……しかるにこちらから向かわせた


200の軍勢はどうなっておる」


と清影と呼ばれた忍者に聞き返すと、


「ははっ、只今交戦中ですが……押されております」


と報告をする清影にまたまた、大老の大老の近衛右太衛門(このえうたえもん


「なんと!」


と驚くが……。


魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうは、清影の報告にその場ですっくっと


立ち上がると、


「儂がでる!」


と言い放った。


それを聞いて、大老の近衛右太衛門(このえうたえもんが、慌てふためき


止めに入る。


「上様、しばらく、しばらくお待ちを!」


 必死で止める大老の近衛右太衛門(このえうたえもんに向かって、


魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうは言う。


「この国で、一番強いのは儂だ。儂でなければ誰がいよう!」


その言葉に近衛右太衛門(このえうたえもんが、言い放つ。


「わたくしがおりまする、こう見えてもかつて魔王軍の三傑と


呼ばれましたこのわたくしが参りまする!」


その言葉に、少し呆れたような顔をして魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうが言う。


「確かにお主はかつては三傑と呼ばれておったのは知っておる、


知っておるが、それはずいぶん昔の話であろう」


その魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうの言葉に大老の近衛右太衛門(このえうたえもんが、


言い返す。


「な~に、年を取ったと言いましても、まだまだ若いもんには


……」


と言いながらすくっと立ち上がった時だった。


\ギクッ/


「うっ……痛たたたた」


あまりに慌てて立ち上がったせいで、腰を痛めてしまったようだ。


それを見て魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうが言う。


「それみー」


そこに、急に\ドタバタ/と足音がしたと思ったら、


「ごめん!」×2


と大名のような姿をした魔人が2人入って来た。


2人は、魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうの前で座り頭を下げ言う。


「下月藩、下月嵐(しもつきあらし以下200名只今はせ参じました」


「東月藩、東月磁久とうづきじく以下200名只今はせ参じました」


その2人に痛む腰を押さえながら、大老の近衛右太衛門(このえうたえもん


「おお、ようきた、嵐、磁久」


と声を掛ける。


「ははっ」×2


と畏まる2人に魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうは、


「ようきた大儀である」


と声を掛けると、再び下月嵐(しもつきあらし東月磁久とうづきじくは、


畏まり、


「ははっ」×2


と答える。


それを見て大老の近衛右太衛門(このえうたえもんが、愚痴をこぼす様に


言う。


「ちょうどよい所に来てくれた、いやなに、今上様御自ら出陣なさると


申されて困っておったところじゃ」


その言葉を聞いて、嫌味だと受け取った魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうは、


「しかたなかろう、わしが一番強いんじゃから」


とジト目で大老の近衛右太衛門(このえうたえもんを見る。


それを聞いた下月嵐(しもつきあらし東月磁久とうづきじくが、


「そのお役目ぜひ我らにお申し付けくださいませ」×2


と2人そろって言う言葉を聞いて、喜んだ大老の近衛右太衛門(このえうたえもんは、


「おお、よう申した嵐、磁久、早速北の砦向こうてくれ」


と頼むと、


「ははっ、畏まってございまする」×2


下月嵐(しもつきあらし東月磁久とうづきじくが、


声をそろえて言い、


「しからば、ごめん!」×2人


と言いながら頭を下げるや否やその場を立ち去って行った。


それを、少し残念そうに見送る魔王の望月皇太郎もちづきこうたろうと、その反対に安心した


ような顔で見送る大老の近衛右太衛門(このえうたえもんであった。













------(テンタ視点)------☆






 禍龍かりゅうと一緒に上月城こうづきじょうの周りを


見て回ったが、あやかしも悪魔達もすべて消えていた。


そこで、上月城こうづきじょうに戻ってみると、既に雌雄を決した


と見たのか、城の中では怪我人の手当てと共に、お昼の用意をしていた。


 俺と禍龍かりゅうも城の中に降り立ち、


「フェードアウト」


「リバース」


俺はコンバットスールを解除し、禍龍かりゅうも犬の姿に変身する。


(おっと、禍龍かりゅうに萬豆を食べさせなきゃ)


と思い、禍龍かりゅうに萬豆を食べさせておく。


そこへ、独りの魔人が俺の所に来て言う。


「殿がお呼びでございます」


と言われたので、その魔人に俺とかりゅうにその背中に乗った三毛猫オトア


は魔人に案内され、城中の建物へと入って行った。


そこは、木の床の道場のような場所で、部屋いっぱいに人(魔人)が居た。


「あっ、テンタ君、オトアちゃん、こっち」


「こっち」


部屋の奥に居るシェリーさんとタミーさんが俺を見て手をふる。


その側に居た上月雷蔵こうづきらいぞうさんも俺達に気づき、


手招きをする。


行ってみると


「どうぞこちらへ」


上月雷蔵こうづきらいぞうさんの右手側に俺、三毛猫オトアかりゅう


が座れされた。


俺達が座ると、上月雷蔵こうづきらいぞうさんが手を\パン/、\パン/


と叩き、


「だれか、テンタ殿達の御膳をこれへ」


と言うと、人の魔人達が、恭しくお膳を持ってくる。


俺達の前に置かれたお膳を見てみると……。


てんこ盛りのご飯に、大根、ニンジン、カボチャなどの野菜が入った豚汁ならぬ猪汁ししじる


それに…1羽丸々のキジの丸焼き。


(うーん、こんなに食えねーよ)


と思いながらも、俺と三毛猫オトアは手を合わせ。


「いただきますw」


すでに雷蔵らいぞうさん、初めシェリーさんとタミーさんは先に食べかけていたので


手を合わせるのは俺と三毛猫オトアだけだ。


 例によって、かりゅうは、またもや念力を使い、一気に食べてしまう。


俺は、苦労しながらもなんとか食べきった。


「ふ~う」


案の定、三毛猫オトアは、食べきれないので、横に居るかりゅうが手伝って


何とか食べ終わった。


俺や三毛猫オトアはもうお腹パンパン。


 しかし、俺や三毛猫オトアが食べ終わったのを見て、雷蔵らいぞうさんが


俺に言う。


「ではテンタ殿、早速、月都げっとに向けて出立いたしましょう」


その言葉に俺は、


(いや、ちょ、ちょっと休憩させて)


と思うのだった。













------(第三者視点)------☆





 月都城げっとじょうを出た下月嵐(しもつきあらし東月磁久とうづきじくは、


総勢400の軍勢を従え、城の北側にある森の手前に居た。


 ここで一旦、率いる軍勢の足を止めた下月嵐(しもつきあらし東月磁久とうづきじくは、


それぞれ、戦闘体形に変化する。


 まず、下月嵐(しもつきあらしは、率いる配下から少し離れ目を閉じ印を結んで、


「風よ~竜巻よ~」


と言うと下月嵐(しもつきあらしの周りに風が吹き、それが竜巻となって下月嵐(しもつきあらし


体を包むと、目を”カッ”と見開き、背中に背負う長い刀を抜き、


風神変化(ふうじんへんげ)!」


と叫ぶと、彼の体が見る見る身長10mの巨人へと変わる。


やがて彼の周りの竜巻が消えると……そこには風神の姿へと変わった下月嵐しもつきあらしの姿があった。


そして、


風斗雲ふうとうん!」


と叫ぶと、下月嵐(しもつきあらしの足元に雲がモクモクと現れ、ふわっと彼の体を


浮かせると、


「皆の者!ついて参れ!」


と自身の配下に声を掛け、深い森へと進んでいくのだあった。


 一方、東月磁久とうづきじくは、側に居た妹の東月 みちに声を掛ける。


「みち、参るぞ!」


「はい」


東月磁久とうづきじくに声を掛けられた妹のみちは、大きな瓢箪を抱えて


返事を返す。


それを確認した東月磁久とうづきじくは、


「超電磁気力!」


と叫ぶと、彼の体から強力な磁力が発生すると同時に妹のみちが、


「鋼鉄鎧放つ!」


と叫ぶと、大きな鎧の頭、胴体、両椀、両足が、次々とみちが抱


える大きな瓢箪から飛び出し、その鎧の胴体部に東月磁久とうづきじく


収納され、収納した胴体部からさらに強力な磁力が出て、両椀、


両足そして頭部が合体する。


\ガシン/、\ガシン/、\ガシン/


「鋼鉄神降臨!」


東月磁久とうづきじくが叫んだ。


そして、東月磁久とうづきじくは配下の魔人達に言う。


「皆の者、参るぞ!」


「おう!」×200


東月磁久とうづきじくの言葉に配下の魔人達が返事返し、


東月磁久とうづきじくと共に森の中に進んで行った。













 一方、森の北の方では、悪魔子爵ゴースン率いる妖悪魔あやかしあくま連合と、


月都げっとから来た魔王の直属の魔人達が戦っていた。


 全長30mのデーモンぬえ2体を先頭に、後方には人鬼じんき20名、


そしてそのさらに後方には、悪魔子爵ゴースンとその配下のベビルデーモンである


オミクロン (コブラの頭に人間の体の男)、パイ(トカゲの頭に人間の体の男)、


ロー(顔がイソギンチャクで体は人間で出来た姿の女)、シグマ(顔がカエルで


体は人間で出来た姿の女)にタウ(顔がスズメバチで体は人間で出来た姿の女)


が続き、空にはデーモンカラス天狗200体がいる。


 魔王魔王の直属の魔人達200名は、対する妖悪魔あやかしあくま連合に


魔法攻撃が効かないため、肉弾戦を挑んでいるものの、巨大なぬえ2体


には、まるで歯が立たず、


「グァァァッ~」


1人、また1人と倒されて行く……。


その中の6本腕の魔人は思う。


(このままでは、全滅する……)


その時である。


「爆裂拳!」


と声がしたかと思ったら、後方から、2つの鋼鉄の拳が飛んでくる。


そして、飛んできた2つの鋼鉄の拳がデーモンぬえ2体の顔に命中する


と同時に、


\\ドカーン//、\\ドカーン//と爆発する。


「グェエエエ~」×2


顔を攻撃されたデーモンぬえ2体は思わず前足の膝をついた。


「なっ何!」


思わず振り向く6本腕の魔人。


そこには身長7mの鋼鉄の魔人が立っていた。


「鋼鉄神推参!」


と言う魔人を見て、6本腕の魔人は、


「おお、そのお姿は東月磁久とうづきじく様」


と安堵の表情で叫ぶと、それに東月磁久とうづきじくは軽く頷き、


「帥達は引け、後は我々がやる」


と言うと、その6本腕の魔人は、


かたじけのうございます」


と頭を下げると、他の物に向かって叫んだ。


「みな引け~!」


その言葉に残り20名ほどの魔人達は


「おう!」×20


と言いながら頷き、東月磁久とうづきじくと磁久が率いる配下の


後方と引いて行くのだった。


そして、拳のなくなった腕から刀の刃を


\シャキン/、\シャキン/


と出すと、妖悪魔あやかしあくま連合に向かって言う。


「こい、あやかしども!」


と言うのだった。




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