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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
83/204

82話 吉原って、なぁ~に?

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457







 六五郎さんの


「よ・吉原で男が刀振り回して暴れて死人が出てやす」


の言葉に


「な・なんだって!」×2


それを聞いて驚く平次さんと黒門町さん。


 平次さんは、すぐさま残りの天婦羅を口に頬張り、残り


の蕎麦を”ズルズルズル~”っとすすり、


「$%*@$%♯<¥〇(ごちそうさま)」


と言いて、六五郎さんと店を飛び出す。


(あぁ~あ、口からお蕎麦がはみ出てる)


 俺達はそのまま食事を続けるが、三毛猫オトアの食事が


終わり、俺は自分の天ざるを食べていると、既に天ざるを食べ


終わっていたタミーさんが、お美代さんに聞く、


「ねぇねぇ、お美代さん、吉原って何があるの?」


となにげに聞くと、お美代さんは少し困ったような感じの笑い


を浮かべ。


「え……、花街があるところですよ」


と答えると、今度はシェリーさんがお美代さんに


「花街って何ですか?」


とこれも何気に尋ねる。


「えっ、あーっ、きれいな着物を着た女の人が居る所です」


と苦し紛れに言う。


その言葉を聞いたシェリーさんとタミーさんが目を輝かせ


丁度、蕎麦をすすった俺の目の前に顔を近づけ、


「行ってみたいw、テンタ君」


と言う言葉に、”ぶっ”と蕎麦を噴き出しそうになる俺。


それを見た三毛猫オトアが口を挟んだ。


「シェリーさん、タミーさんそこは……多分女性は入れない


所だと思いますよ」


そう言う三毛猫オトアに今度は、2人して三毛猫オトア


顔を近づけ聞く。


「なんで!」×2


「なんでって、そこは遊郭だから」


三毛猫オトアが言うと、さらに2人は三毛猫オトアに顔を


近づけ聞く。


「遊郭って何!」×2


2人の圧に三毛猫オトアが、顔を赤らめタジタジ担っていると、


店の奥の調理場から出たきた黒門町さんがシェリーさん、タミー


さんに言う。


「女がへいれねぇ(入れない)わけじゃ~ねえですが、基本、


芸を見せたり、男のお酒の相手をしたり……で、夜の相手もして


くれるって……」


「ああ!」


黒門町さんの言葉をそこまで聞いて、シェリーさんはピンと来たよ


うだったが、タミーさんはまだピンと来てない顔をしている。


「んっ?言ってる意味が……」


そこで、シェリーさんがタミーさんに耳打ちをすると、


「ああっ!」


と一瞬目を開き驚くが、納得したようだった。


(よかった、よかった)


俺は心でそう思い食事を続ける。


 吉原って名前を聞いた時点でそうじゃないかなぁ~とは、


思っていたが、あえて口にはしなかった。


 すると、急に真顔になったタミーさんが三毛猫オトア


聞く。


「なんで、オトアちゃんは、始めてきたのに吉原がそう言うところ


ってわかったの?」


それに対して、三毛猫オトアは、困った顔をして、


「この三日月魔王国って、私とテンタ君が元居た国の昔の姿に


似ていたので……なんとなくです」


と答えると、俺達の側に居た黒門町さんが感心するように、


「だから、天婦羅や蕎麦の食べ方をしっていなすったんで」


と俺と三毛猫オトアに聞く。


「ええ」


「はい」


三毛猫オトアと俺は黒門町さんの問いに頷き答えた。


 これで、この話は終わった……と俺は思ったのだが、


タミーさんが俺に向かって言う。


「女の私達が入るところじゃないのはわかったけど……」


(けど……ってなに続きが怖い)


と一旦止めてから俺に向かって言う。


「だから、尚更行ってみたいw」


その言葉に俺が、


「何でですか?」


と聞き返すと、


「元々冒険者になったのは、知らない国、知らない街、知らない物


に触れたいって言う理由なの、だからその遊郭って言うのも見てみ


たいのよ、テンタ君!」


とやけに押してくるタミーさん。


そこにシェリーさんが付け加えて言う。


「うるさいパパが居ない今がチャンス!って訳でしょタミー」


その言葉に、


「うんw」


と強くうなずくタミーさん。


そんなタミーさんに俺は言う。


「いやいや、女性は入れなかったんじゃ……ねぇ、黒門町さん」


と俺は黒門町さんに助けを求め振るが……。


「いや、へいれねぇ~ことはねーですけど……、ただ、いくら


魔人のお嬢さんと言えど、捕り物の真っ最中に見に行くのは


……」


と心配そうに言う黒門町産に、シェリーさん、タミーさんは、


2人して胸を叩いて言う。


「こう見えて、私達B級よ、B級!」×2


(いやいや、黒門町さんにB級っても通じないと思うよ)


あまりに自身ありげに言う2人に


「そうですかい、なら、あっしは、止めませんがね」


と少々あきれ気味に言う黒門町さん。


「じゃ、って言うことで、テンタ君、吉原に行きましょう~」


と元気よく言うタミーさんに三毛猫オトアがボソっと言う。


「タミーさん、吉原の場所わかりますか?」


「わからないわよ、でもテンタ君やオトアちゃんならわかるん


じゃないの?前の世界の昔に似てるんでしょ」


と俺と三毛猫オトアに聞いてくるので、俺は


「いや、いくら何でも、食べ物や仕組みが似てると言うか、


”ぽい”とは思いますが、さすがに街並みまでは……」


と言うと……。


 それまで俺達の話を聞いていた黒門町さんが、


「それじゃー、こーしやしょう、吉原にはあっしがご案内


いたしやしょう……」


黒門町さんの申し出に、


「ヤッターw」×2


と喜ぶシェリーさんとタミーさんだが、その2人の喜んでい


るのを制し、黒門町さんが続けて言う。


「但し、決して捕り物の邪魔をしない……てのをお約束願


えますか?」


と聞いてくるので、シェリーさんとタミーさんは、笑顔で


頷きながら、


「はいw」


「うん、約束する~w」


と言う2人の言葉を聞いて、黒門町さんは、


「わかりやした」


と大きく頷くのだった。














 お店で蕎麦代を払い、黒門町さんと吉原に向かう。


天ざるは1杯32文(約800円)なので俺は、三毛猫オトア


かりゅうの分それに平次さんの分を合わせて128文


(3,200円)なので、懐ころの財布(大きながま口)から、


100文銭2枚出しておつりをもらう……2文銭で36枚。


(うーん、かさばるよなぁ~)


シェリーさんとタミーさんも各自支払い言う。


「かさばるよね~」


「小槌が無いと不便ね」


と文句を言っていた。


 店を出て、黒門町さんと吉原に向かう途中、いろいろとここ


月港げっこうのことを教えてもらう。


 ここ月港げっこうは、元々町人と呼ばれる人達の町だっ


た。


 ここだけではない、この三日月魔王国は、今で言う、下月藩しもつきはん


上月藩こうづきはんとここ月港げっこうは、町人と


呼ばれる人達が住み、月都げっと東月藩とうげつには、魔人


が住んでいて、お互い協力しあって住み分けていたのだが、


今から丁度200年前に人鬼じんきと呼ばれる種族が現れ、


この町人達の町々を襲った。


 その人鬼じんき達を魔人が撃退し、それ以後これらの


町人が住む町々を魔人が支配するようになったらしい。


 ただ、支配と言っても俺が思うような武力をもって、支配


すると言うよりは、町人達を武力をもって守ってるって感じ


で、戦闘力では、劣る町人達も、農業や、商業では、魔人達


よりも優れており、お互い助け合って生活しているってこと


見たい。


 ここ月港げっこうでは、基本運営は町人達がをそれを


行っており、所謂江戸の町の警察、行政を行う奉行所と言う


のも東西にあるのだが、その奉行所の運営は基本町人達が、


行っているそうだ。


 ここの奉行所の仕組みと言うのは、江戸時代のそれと違い


一番上に立つ奉行と呼ばれる職には魔王配下の旗本が付いて


いるものの、その下で働く与力6人はすべて町人で、この


6人が、行政、徴税、裁判などの業務を行う。


 治安維持には、各町の顔役と呼ばれる人達が当たるのだが、


 ただ、捕り物(犯罪の取り締まり)では、各目明し3人に


同心と呼ばれる魔人が1人付く。


 その同心は一つの奉行所に6人いるらしい。


因みに、ここの東西の奉行所は江戸時代の奉行所同様月番


と言って、1ヶ月交代で業務に当たるとのことだ。


(だから、出島の奉行所の与力である長崎屋文左衛門ながさきやぶんざえもん


さんは町人だったんだね)


 因みに、俺達が黒門町さんと呼んでいるが本名は、伝八でんぱち


と言う名前で、平次さんと同じ町奉行所の目明しをしているのだが、


平次さんが東町奉行所で、伝八でんぱちさんは西奉行所の目明し。


 今月は平次さんの東町奉行所が月番なので、御用の非番の間は


、家業の蕎麦屋を営んでいるって事らしい。


 平次さんが伝八でんぱちさんを黒門町と呼ぶのは、彼、伝八でんぱちさん


の管轄の町の名前らしい。


そして、伝八でんぱちさんが平次さんを 貝独楽べいごまと呼ぶのは、


彼が捕り物で十手以外に貝独楽べいごまを武器にしているかららしい。


そんな話を伝八でんぱちさんから話を聞いているうちに、


目的の『吉原』に着くのだった。












 堀に囲まれ、且つ塀で覆われた場所。


入り口は一か所で、そこには大きな門がある。


 そこには沢山の人だかりができていて、門の前には


町方のと思われる人達が鉢巻きにタスキを掛け、六尺棒を


もって中に人が入らないように立っていた。


「ああ、これじゃ~吉原の中見れないじゃないの」


とぼやくタミーさん。


「じゃ、あっしはここで」


とタミーさんのぼやきを無視して、そのまま伝八さんは


そのまま帰って行った。


「仕方ないじゃないですかタミーさん、帰りましょう」


と俺がタミーさんに声を掛けるが、シェリーさんが言う。


「せっかく、ここまで来たのに……」


「おねぇちゃん、どっからかは入れないかこの辺りを


見て回りましょうよ」


とタミーさんがシェリーさんに言うと、


「そうね、そうしましょ~」


と2人は歩き出した。


「ちょ、ちょっと待ってください」


と俺は慌てて2人を追いかけた。


それを見て、かりゅうは背中に三毛猫オトアを乗せたまま


俺についてくる。


吉原の堀を門から左回りに歩いていたシェリーさんとタミーさんが


堀の左角で止まる。


「スーツを着用してなら、ここからあそこの建物の屋根に跳び移れる


じゃぁなぁ~いおねーちゃん」


とタミーさんがシェリーさんに言うと、


「そうね、やってみましょうか」


とシェリーさんがタミーさんの意見に同意する。


「あっ、いや、ダメですって!」


と俺が2人に叫ぶが、2人は、


紫着しちゃく!」


黄着おうちゃく!」


とコンバットスーツ姿に変わり、


「「ヤー!」」


と堀を越え薄い木の板の塀をも超えて、吉原の2階建ての建物


の屋根に飛び移った。


「あっ!……」


そう俺が声を出し固まっていると、側に居たかりゅうは背中に乗った


三毛猫オトアが、俺に言う。


「テンタ君、早く2人を追いかけないと」


その言葉に俺は”はっ”として、腰の刀をその場に置き、持って


いた瓢箪からベルトのバックルを出して帯の真ん中に装着すると、


赤着せきちゃく!」


と俺が叫ぶと同時に、三毛猫オトアが俺に突っ込んできて、


「フェードイン!」


俺の体は赤い光に包まれ……。


「宇宙シェリフバルバン!」


と誰もいない場所で1人叫んでいた。


(あっ、恥ずかしー)


と思いながらも左太ももの装甲版を開け、再び瓢箪を出すと


側に置いた刀を収納し、瓢箪も左太腿に収納。


「チョー!」


と叫びながら2人の後を追うためジャンプする。


残された、かりゅうも状況が読めないものの、慌てて


俺を追いかけジャンプするのだった。













------(第三者視点)------☆




 時間は少し遡って、テンタ達が丁度、月港げっこうに着いた頃。


 吉原の常盤屋と言う遊女の店に、1人の商人が訪れた。


「あれ、佐田屋の旦那、こんなに朝早くどうなさいました」


店の女中がその男に声を掛ける。


「こ・小梅は……」


と振り絞るような声で言う。


「へい、今部屋でお客様と一緒にあさげをいただいておりますが……」


と男の問いに女中がそう答えると、男は黙って草鞋を履いたまま店に


上がろうとする。


それを見て驚いた女中は、


「旦那、こ・困ります」


必死で止めようとするが、それを振り払い店の奥へと向かおうとする。


「だ・だれか~!」


女中は、大声で助けを求める。


女中の大きな声に、店の奥から何事か!と店の男達が出てきた。


「どうしたお仲!」


店の男の中のリーダーとみられる男が、お仲と呼ばれる女中に尋ねる。


「佐田屋の旦那が……」


それを聞いてお仲が手で指し示す方を見た店の男達のリーダーが、


お仲の指先に居る男を見るや、男の肩をつかんで言う。


「佐田屋の旦那……困りやすぜ」


肩を掴まれた佐田屋と呼ばれる男は、肩をつかんだ男の方に振り向き、


持っていた刀で、


\ズバーン/


と男を斬りつける。


「グァァァッ!」


と斬られた男はその場に倒れこんだ。


それを見た女中のお仲は、


\キャー/


と叫び、斬られた男の側に居た3人の男達は、一斉に懐から合口 (あいくち)と


呼ばれる短刀を抜くと、


「「「やろう~!」」」


と切りつけた佐田屋と呼ばれる男に襲い掛かるが……。


\ズバーン/


\ズバーン/


\ズバーン/


と3人共斬り捨てられた。


お仲の悲鳴と、男達の大声で、各部屋に居た遊女や客達が、部屋のふすま


を開け廊下を覗くと、そこには、刀を持って、ふらふらと歩く男の姿を


見て驚いている。


その中の1人の男性客が言う。


「だ・誰か!役人を呼んできてくれ~」


その声に反応した佐田屋と呼ばれる男はその男性客をも斬りつける。


\ズバーン/


「グァァァッ!」


斬りつけられた男性客はその場に倒れ、その側に居た遊女が


\キャー/


「だ・誰か~た・」


と言いかけたところを、


\ズバーン/


とその遊女も斬り捨てる佐田屋と呼ばれる男。


 ただ、不思議なことに、佐田屋と呼ばれる男に斬られた人々は


血も出ず、また刀に斬られた傷もなくその場で絶命していた。


 次々と店の遊女や客を斬り捨てて行く佐田屋と呼ばれる男。


やがて、佐田屋と呼ばれる男が探す小梅と言う遊女を見つけると、


「コレ小梅、よくも先頃この儂に、おのれは恥をかかせたな。」


と言いながら、刀を向ける。


「いえ、誤解です旦那……ご・」


と言いかけたところで、佐田屋と呼ばれる男は、小梅と言う


遊女に刀を振るい。


\ズバーン/


「うっ……」


\ドサッ/


佐田屋と呼ばれる男に斬られた小梅と言う遊女はその場に倒れ


絶命した。


 しかし、ここで佐田屋と呼ばれる男本懐を遂げたはず……。


だったが、その後も常盤屋の店中の人間を次々と斬っていく。


そして、常盤屋の全員を切り殺した後、次々と他の店の人間


達も斬りつけ殺していくのだった。













切る→斬る に変更

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