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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
79/204

78話 萬豆(マンズ)

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457




 はん村でのオーク、オーガ軍団との戦いを終え、その後始末を


曹将軍ツァォシュ将軍に任せ、俺達は、村に設置した転移魔法円で


ここ東支部に戻って来た。


と、入れ替えで、はん村の村人2,000人が村へと帰る。


 ここで、一つ困ったことが……。


 俺の真上で空中に漂う体長30mのデカ物……禍龍かりゅう


「テンタ、こいつ何とかならんのか?」


禍龍かりゅうを指さし言う、バルジャン(トム)さん。


「あっ、はい」


と答え、俺は禍龍かりゅうに、


≪悪いけど、また小槌の中に入ってくれない?≫


と、お願いをしてみるが……。


≪やだね≫


とあっさり拒否をされてしまう。


「うーん……」


と俺が困っていると、


『なら、禍龍かりゅうあなた擬態しなさいよ』


と、俺のコンバットスーツのヘルメット内の左のモニターに映る


エードラム様が、禍龍かりゅうに言うと、


≪擬態?なぜ我が擬態せなばならんのだ≫


と言い返す禍龍かりゅうに、俺のコンバットスーツのヘル


メット内の左のモニターに映るエードラム様が言う。


『ひょっとして……禍龍かりゅう、あなた龍種の癖に擬態できな


いんじゃなぁ~い?』


その言葉に、禍龍かりゅうは、


≪なぁっ、何を言う、擬態くらい我には造作もないことだ≫


と少し焦り気味に言う。


それを見透かしてか、エードラム様は、


『なら、パパっと何かに擬態しなさい、禍龍かりゅう


と言い放つと、禍龍かりゅうが困った顔をして小さな


声で呟く。


≪いや……何になればいいのだ≫


どうやら、具体的なものがイメージできないようだ。


その時、俺のコンバットスーツのヘルメット内の右のモニタ


ーに映るオトアが何気に言う。


『ワンちゃんなんかいいんじゃないですか?』


その言葉にエードラム様が、


『いいね!、そうよ犬に擬態しなさい禍龍かりゅう


と悪乗りで言ううが、


≪犬とはそういう生き物なのだ?≫


とエードラム様に聞き返すと、


『そうねぇ~こんなのはどう?』


と言いながら、エードラム様は、禍龍かりゅうにイメージ


を送ったようだ。


≪なるほどな……やってみるか≫


と言いながら空中から地上に降り、


≪みんなを少し下がらせろ≫


禍龍かりゅうが、言うので、俺はみんなに伝えた。


それを確認した禍龍かりゅうは頷き、自身の周りに竜巻を起


こす。


ビユーン彡


禍龍かりゅうを包み込む竜巻が見る見る小さくなって行き


……。


竜巻が消えると、そこには、大きな毛むくじゃらの……


犬!?が居た。


「な・なんだこの犬!?」


驚く俺に、俺のコンバットスーツのヘルメット内の右の


モニターに映るオトアが言う。


『イングリッシュ・シープドッグかな?』


すると、俺のコンバットスーツのヘルメット内の左の


モニターに映るエードラム様が、


『んっ?これはクー・シーなんだけどね』


とおっしゃった。


『クー・シーって何ですか?』


とオトアが、エードラム様に聞くと、


『アルセダイン王国(エルフの妖精村の番犬なんだけ


どなぁ~知らない!?2人共』


俺とオトアに聞いてくるので、俺とオトアは声を揃


えて、


『知りません!』×2


と答えるのだった。













 犬にしてはデカイ……デカイが、元の龍の姿に比べれば小さい。


(まぁ、これなら連れて歩いてもいいかな)


「リバース」×9


トムさんをはじめ俺以外の転生者の人達は、変身ブランチを解除する


ので、俺も、


「フェードアウト!」


三毛猫オトアと分離し、


「リバース」


コンバットスーツを解除した。


そして、皆で東支部の冒険者ギルドの建物の中に入ると、東支部長ギルマスのチャック


(サンライジャー)さんが、トムさんに言う。


「ここに来たついでに、受付に行って報酬をもらって帰れよトム」


その言葉に、トムさんが、


「ああ、そうだな、そうさせてもらうわ」


と答え、俺とガイゼルさんの方に向き直り、


「テンタ、ガイゼル受付に行くぞ!」


と言って来たので、


俺は、


「はい」


と答え、ガイゼルさんは、


「ああ」


と答え、トムさんに続き、ギルドの受付に向かう。


そんな俺達に犬に変身した禍龍かりゅうが、背中に三毛猫オトアを乗せ、もの


珍しいそうに”キョロキョロ”しながら、後を着いてくるのだった。













受付近くに来た時だった。


 不意に、


「パァ~パァ~w」


「テンタく~ん!」


と聞きなれた声がずる……ふと見ると、そこには、俺達に手を振る


シェリーさんとタミーさんに、トムさんの奥さんのミリーさんに


アナさん、その横にどこかで見たような西洋系の顔立ちの男性2人


……って、ああ!マイケル(メカイダー)さんにルーク(メカイダー


ダブルオー)さん。


 以前、冒険者の実地試験で一緒だった2人もそこに居た。


(うちのメンバーでもないマイケル(メカイダー)さんにルーク


(メカイダーダブルオー)さんまでいるんだろう?)


と俺が考えていると、トムさんが、ミリーさん達の所に、


つかつかと歩み寄り聞く。


「みんなそろってどうしたんだ?」


その言葉に続き、トムさんの後ろから、ガイゼルさんが、


「何かあったのか!」


と聞くので、その言葉にアナ(ガイゼル妻)さんが、


「突然、土人形が海から攻めてきて、おらぁ~おっ


たまげただよ」


とガイゼルさんに言い、続いて、シェリーさん、タミー


さんが、


「も~パパ大変だったんだから」


「うん、海で泳いでたらさぁ~急にバーときたの」


と興奮気味に口々に言うシェリーさん、タミーさんに、


「ちょ、ちょっ、はじめから、説明してくれ」


とトムさんが言うと、ミリー(トム妻)さんが、皆を


代表して説明しだした。


 ミリー(トム妻)さんの話によると、俺やトムさんが、


魔物と戦ってろころ、『天堂ティエンタン』に居たミリー(トム


妻)さん達は浜辺で寛いでいた時に、突然、得体の知れない千体


の陶器で出来た兵隊人形達に襲われる。


 直ちに、ミリー(トム妻)さんが指揮を執り、シェリーさん、


タミーさんにアナ(ガイゼル妻)さん、それにそこに居たマイ


ケル(メカイダー)さん、ルーク(メカイダーダブルオー)さん


が、戦闘隊形を取り迎え撃ったらしいが……。


ミリー(トム妻)さん以下メンバーが奮闘し、100体ほど


の兵隊人形達を倒すものの、如何せん多勢に無勢、しかも


、千体にも及ぶ兵隊人形達には、魔法攻撃無効の術式が掛か


っていたらしく、ミリー(トム妻)さん自身の魔法攻撃で、


他のメンバーの援護が出来ないでいた。


 ミリー(トム妻)さんの頭に撤退の文字が浮かんだその


時だった、突然、ミリー(トム妻)さん達の前にクリスタル


マントパーズが現れ、残りの兵隊人形達をすべて倒してくれ


危機を脱したそうだ。


 ミリー(トム妻)さんの話を聞いて俺は、


(襲って来た兵隊人形って……)


て思っていたら、犬の姿になった禍龍かりゅうの背中から、”ポン”と


飛び降り、俺の所に走り寄る三毛猫オトアが、俺の側


に寄って言う。


「テンタ君、ミリー(トム妻)さんが言う兵隊人形って、ひょ


っとしたら、例の場所にあった俑兵ようへいじゃなぁ~い?」


その言葉に、俺が


「ああ、たぶんそうだと思うが……しかし、あれはエードラ


ム様が術式解除したはずだ」


三毛猫オトアに言うと、


「そうよねぇ~」


三毛猫オトアが返すと、


≪確かに私が初期化したのは間違いないけど、あの場所を


封印せずに来たから、ひょっとしたら誰かがその後再び


術式を掛けたのかもねぇ~≫


と俺と、三毛猫オトアの頭の中にエードラム様の念話の


声に、俺と三毛猫オトアが、


「「なるほど……」」


と2人して納得をするのだった。













「そうか……それは大変だったな、で、みんな怪我はないのか?」


とトムさんがミリー(トム妻)さん達に聞くと、


「ええ、皆擦り傷1つないわよトム」


とミリー(トム妻)さんがトムさんに答えると、ミリー(トム妻)


さんの隣に居たアナ(ガイゼル妻)さんが、徐に言う。


「怪我はないけんども、しさしぶりに得物を振ったで、少々肩が痛てぇ


~けんどな」


と肩を押さえ言うアナ(ガイゼル妻)さんに、トムさんの隣に居たガイ


ゼルさんが、アナ(ガイゼル妻)さんの肩を突然もみながら、


「そーりゃ~ご苦労さんだったな、アナ」


と言うと、アナさんは突然肩を揉むガイゼルさんに満面の笑みで、


「えへへw」


と答えるのだった。


その様子を横目に見ながら、トムさんはシェリーさん、タミーさんの


後ろに居るマイケル(メカイダー)さん、ルーク(メカイダーダブル


オー)さんに声を掛ける。


「悪かったな~、かえって面倒に巻き込んで」


トムさんの言葉にルーク(メカイダーダブルオー)さんマイケル


(メカイダー)さん、は、


「いや、俺達は何も……」


「結局、柱がほとんど倒してくれましたから」


と答えると、そう答えるマイケル(メカイダー)さんに、”ニコ”


っと、笑いマイケル(メカイダー)さんの肩を”ポン”と叩くのだ


った。


そんなトムさんに俺は、恐る恐るトムさんの後ろから声を掛ける。


「あの~ぉ、ミリー(トム妻)さん達を襲ったと言う兵隊人形達


何ですが……俺達心当たりあるんです……」


って言うと、後ろを振り返り、驚き、目を丸くして言う。


「何だって!!」













 トムさんに禍龍かりゅうが閉じ込められていた海底にある円墳の


ような建物の話をしたら、


「今すぐ一緒にこい!」


と言われ、俺と三毛猫オトアは、トムさんに連れられ、東支部の支部


長室ギルマスに行く。


そこでも、トムさんに話した海底にある円墳のような建物の話を


させられ、それを聞いた支部長ギルマスのチームゴライジャー


のリーダーのチャック(サンライジャー)さんが、


「ちょっと待て、柱にも連絡する」


と言われ、トパーズ柱が来るまで1時間待った挙句、もう一度


同じ話をして……。


「なるほど……、放置したのはまずかったですねぇ~」


と俺の話を聞いて言う。


黄色の髪で、同じく黄色のタキシードを着たエルフの男の人グロル


・アノルさんが言う。


 この目の前に居るグロル・アノルさんが、ミリー(トム妻)


さん達が兵隊人形達からのピンチを救った、クリスタルマン


トパーズ……つまりトパーズ柱その人である。


 グロル・アノルさん(トパーズ柱)は、三毛猫オトアの方を見て


言うので、俺は思わず、


「オトアに責任はないです、責任は俺にあります」


と言うと、グロル・アノルさん(トパーズ柱)は、首を横に振りな


がら、


「いえいえ、テンタ君……ましてやオトアちゃんに責任はありませ


んよ」


と言うグロル・アノルさん(トパーズ柱)の言葉に俺と三毛猫オトアが、


”えっ”って顔をして驚くと、


「責任があると言えば……その能力があるにもかかわらず……」


と言いながら、再び三毛猫オトアチラって見て、


「オトアちゃんの中に居る精霊様って事ですが……」


そのグロル・アノルさん(トパーズ柱)の言葉に、


≪だってぇ~初期化したら普通大丈夫だと思うじゃなぁ~い?≫


と俺と三毛猫オトアの頭にエードラム様の言葉が聞える。


 恐らくグロル・アノルさん(トパーズ柱)にも聞えたらしく、


少々あきれ顔で、


「まぁ、責任があると言っても精霊様は人ではないので、責任を


とやかく言えませんがねぇ」


≪あっ、グロル私の加護受けてるくせに私に説教かよ≫


とご立腹のエードラム様に、


「まぁ、この責任と言うか後始末は、エードラム様の加護を受けて


るこの私の仕事になるんでしょうけど」


と少しおどけて言うグロル・アノルさん(トパーズ柱)。


「そこで、テンタ君やオトアちゃんには、申し訳ないんですが、


悪特隊あとくたい東支部の船が用意出来たら、道案内をお願いできま


すか?」


と聞かれたので、俺と三毛猫オトアは、


「はい、構いませんよ」


「はい、お手伝いします」


と返事すると、グロル・アノルさん(トパーズ柱)は、満足げな


顔をして、席を立ちかけてから、徐に思い出したように、


「あっ、そうそう」


と言いながら、1つの透明な薬用瓶のようなものを出してきて、


俺と三毛猫オトアの目の前に置き、


「これ、使ってください」


と言うので、俺が置かれた瓶をまじまじと見る。


(なんか……乾燥された豆?のようだけども)


って思ったので、グロル・アノルさん(トパーズ柱)に


「これは何ですか?」


って聞いてみると、


「これは、萬豆マンズって言ってね、普通の人間だと1粒食べれば


1万日何も食べなくてもお腹が減らないって言う豆です」


「へーそんなものがあるんですね」


と感心しながら言うと、俺の隣の三毛猫オトアが、


「これっって、万が一の非常食に……って事ですか?」


とグロル・アノルさん(トパーズ柱)に聞くと、グロル・アノ


ルさん(トパーズ柱)は首を横に振り、


「いえいえ、これはそこに居る食いしん坊さん用ですよ」


と言いながら、犬に擬態した禍龍かりゅうを見て言う。


グロル・アノルさん(トパーズ柱)に見られた犬に擬態した


禍龍かりゅうは、何のことかと首をかしげるが、俺と


三毛猫オトアは、


「「ああ、ありがとうございます」」


と納得し、グロル・アノルさん(トパーズ柱)にお礼を言う


のだった。













 その後、シェリーさん、タミーさん達と同様に、クエストの


報酬を受け取り、チームガンブレイブ全員で、『天堂ティエンタン』へと戻り、


グロル・アノルさん(トパーズ柱)達が船の用意が出来るまでの


間、『天堂ティエンタン』で、お芝居を観たり、本当の温泉ではないが、


名前が『温泉』って言う大浴場に入ったり、優雅な3日間を過ごせるの


だった。



萬豆は、ド〇ゴンボルに出てくる『せんず』のオマージュです

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