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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
77/204

76話 撤退

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457






 一方、そのころ『天堂ティエンタン』では、海から迫る俑兵ようへい達との戦い


で、おおよそ100体の俑兵ようへいを倒したものの、今だ途切れる


ことなく、海から上陸し続ける俑兵ようへいを見て、ミリー(シェリー、


タミーの母)は思った。


(シェリーと、アナの体力がそろそろ限界だし、タミーは、既に


デザートイーグルの弾切れを起こし、壊れた俑兵ようへいの残骸から剣を


取り戦ってはいるけど……。


 あの子、元々近接攻撃は苦手だったわね)


ミリーが思う通り、タミーの剣による攻撃は、そのほとんどが俑兵ようへい


達に跳ね返されている。


(私の魔力はまだ十分あるものの、相手に魔法攻撃が通じないんじゃ


、何の役にも立たない……。ただ、救いはメカイダー(マイケル)


とメカイダーダブルオー(ルーク)の転生者の2人が今だ健在で


次々と俑兵ようへいを倒してくれているってこと)


(そろそろ、救援要請に向かったレツとダイが、東支部に着くころ


だけど……果たして東支部からの救援が来るまで私達が持ちこたえ


ることができるかしら)


と、ミリーは、このいつ終わるともない俑兵ようへいとの戦いに不安を


抱いたいた時だった。


 ミリーは、後ろから声を掛けられる。


「ご苦労様です、もういいですよ、後は私が……」


その声に、”ハッ”として後ろを振り返る。


 そこには、黄色の髪で、同じく黄色のタキシードを着たエルフ


の男が立っていた。


 ミリーは、その男に言う。


「危ないから素人は下がってなさい」


と命令口調で言うが、そのエルフの男はニヤリと笑い。


首から掛けたペンダントを手に取ると、それを外し、右手で


頭上高く上げると……。


\ピカー/


とペンダントが光ったと思ったら、次の瞬間、そのエルフの男は


光に包まれ……。


\ディユーン/


身長40mの巨人へと変身する。


「ああ、トパーズ柱!」


それを見たミリーが思わず叫ぶ。


そして、まだそれに気づかず、戦っている、シェリーやタミーに


アナ、そしてメカイダー(マイケル)とメカイダーダブルオー


(ルーク)に向かって言う。


「みんなぁ~撤収!」


その言葉にシェリーやタミーにアナ、そしてメカイダー(マイ


ケル)とメカイダーダブルオー(ルーク)は、戦いの手を止め、


振り返り、身長40mの巨人を見て、


「ああ、クリスタルマントパーズ!」×2


とメカイダー(マイケル)とメカイダーダブルオー(ルーク)


が言い、シェリーやタミーは、


「えっ、柱!?」


「トパーズ柱!?」


自分達の後ろに立つ巨人を見て言う。


その言葉にアナは、


「あんっりーま、本物だべ」


と驚いていた。


そんな、メンバーたちにミリーは、


「後は、柱に任せて撤収よ!」


と叫び、その言葉にシェリーやタミーにアナ、そしてメカイ


ダー(マイケル)とメカイダーダブルオー(ルーク)の面々


は、慌てて、後方に下がるのだった。














------(テンタ視点)------☆





「テンタ君!」


「テンタ君!」


と俺の名前を呼ぶ声がした。


次の瞬間、


”ビリビリビリ~”


と体に激痛が走る。


 俺は、”ハッ”と意識を取り戻し、


「あっ、悪魔石猿は!」


と声をあげると、俺のコンバットスーツのヘルメット内の右の


モニターに映るオトアが、


「下に降りた」


と言う。


「何で?」


と俺が聞き返すと、オトアは、


「さぁ?」


と答える。


その時、俺のコンバットスーツのヘルメット内の左のモニタ


ーに映るエードラム様が、


「そんなんことより、テンタ君大丈夫?」


と聞かれ、俺は、


「はい、大丈夫です」


と答えた。


どうやら俺は、悪魔石猿王の如意棒で腹部を突かれ、気を失っ


て居たようで、エードラム様が、本来、コンバットスーツにあ


る体に着いた小型の魔物を取り払うために、コンバットスーツ


の表面に流す電流を、少し弱めて、コンバットスーツ内の俺の


体に流し、俺の意識を取り戻してくれたようだ。


「すいません、ありがとうございました」


と、俺はコンバットスーツのヘルメット内の左のモニターに映


るエードラム様に謝ると、


「気が付いてよかったわ」


と優しく言ってくれた。


そこに、”キーン”と戦闘機形態に変形した、スカイザー(于晏ゆいえん


さんが、下から急上昇して来て、


「バルバン、悪魔石猿王は?」


と聞いて来たので、


「すいません、下に降りたようです」


と答えると、スカイザー(于晏ゆいえん)さんは、


「そうか、では追うぞバルバン」


と言って、下の村の南擁壁へと降りて行く。


「はい」


と俺は答え、俺もスカイザー(于晏ゆいえん)さんの後を


追い、村の擁壁へと降りて行くのだった。













------(第三者視点)------☆





 再び、『天堂ティエンタン』では、突然現れた身長40mの巨人に、


ミリーは言う。


「柱、相手は、魔法攻撃無効です」


その言葉に巨人は黙って頷く。


それを見たミリーは、


「ご武運をw」


と言って、一礼し、巨人の後ろに下がるのだった。


そして、俑兵ようへいと直接戦っていたシェリーやタミーにアナ、そして


メカイダー(マイケル)とメカイダーダブルオー(ルーク)の


面々も戦闘を中断して、それぞれ、巨人の後ろに下がる。


それを確認した巨人は、徐に両掌を握り、そのまま胸の前で


クロスさせると、


「ヒアッ」


と叫んだかと思うと、


”ウゥ~ン~ウン~”


と言う音と共に、砂浜や海上はたまた海の底に居るすべての俑兵ようへいが、


次々と空中へと舞い上がって行く。


すべての俑兵ようへいを空中へと舞い上げた巨人は、それを『天堂ティエンタン


のビーチの北側いある岩礁へと運ぶと、胸の前でクロスさせていた両腕


を”サッ”と下げた。


すると、空中に舞い上げられていたすべての俑兵ようへいが、”ヒュー彡”


と落下し、


\\バッキーン//、\\バッキーン//、\\バッキーン//


と岩礁にぶつかり、粉々になって行くのだった。












------(テンタ視点)------☆




 俺もスカイザー(于晏ゆいえん)さんの後を追い、村の南の擁壁へと


降りて行った。


 そこには、ゴライジャーの5人とオーク200体、オーガ300


体が今だ睨み合いが続く中、スカイザー(于晏ゆいえん)さんは、その


南の擁壁へと近づくと、戦闘機形態から、ロボット形態に変形し


着陸する。


それより、少し遅れた俺もスカイバリアンを擁壁の上に着陸させる


と、


「ギルマス、状況は?」


とゴライジャーのリーダーのサンライジャー(チャック)さんに


尋ねると、顎を”クイ”として、前方のオークとオーガ達を指し


言う。


「御覧の通り、膠着状態だ」


そこへ、サンライジャー(チャック)さんの隣に居たマッハライ


ジャー(ヴィスタ)さんが、スカイザー(于晏ゆいえん)さんに


続けて言う。


「奴らが、アンチマジックシールドを張っているから、お互いの


魔法攻撃が出来ない……と言って、オークとオーガが、実態武器


でこちらを攻撃してくる……と言う訳でもない」


その言葉に、スカイザー(于晏ゆいえん)さんは、


「なるほどな」


と答えた。


そこへ、西の擁壁に居たバルジャン(トム)や、西擁壁に居た


ガンボー(ガイゼル)さんもやって来て、スカイザー(于晏ゆいえん


さんと同じく、ここ南の擁壁の状況を聞いて居ると、”キュル


キュルキュル”と音を立てて、南の擁壁の前の、凍り付いた


堀の水の上を東の擁壁の前から回って来た戦車形態のグランザー


(チェン)さんが、南の擁壁の真下にやって来て、


上に居るゴライジャーのリーダーのサンライジャー


(チャック)さんに言う。


「おいおい、まだ、殲滅してないのかよ」


と声を掛ける。


その問いにサンライジャー(チャック)さんは、


「ああ、まだだ、奴等の目的が分からんからな」


とこの戦いに慎重な姿勢を示す。


それに対し、グランザー(チェン)さんが、


「何を迷ってるサンライジャー(チャック)、北の擁壁の方


は知らんが、俺の居た西の擁壁とガンボーの居た、東の擁壁


の方は、とっくに殲滅したんだぜ、それにそこにバルジャン


や、バルバンに兄貴スカイザーが、いるって事は、空も殲滅し


たって事だろう?」


と言うと、スカイザー(于晏ゆいえん)さんが、


「ああ、空は俺とバルバンが殲滅した……と言いたいところ


だが、肝心の悪魔石猿王は逃がしたがな」


その言葉に、グランザー(チェン)さんが、向こう居る悪魔や


オーク、オーガの大群を見て、


「あ~ん、確かに、あのサボテン頭の横に居るなぁ~」


と言う。


(グランザーさんって、どこに目があるんだろう)


と一瞬、俺は思った。


 その時、ここ、南の擁壁の上に晋王国のツァォ将軍が、登って来て


言う。


「後は、この南側だけですな」


その言葉にサンライジャー(チャック)さんが、


「んっ、北側の擁壁はまだでは?」


と聞くと、


「いや、そちらはあのバルバン殿の龍が……」


と言いかけると、擁壁の下に居るグランザー(チェン)さんがすか


さず、


「殲滅したか!、まぁあの強力な火球を吐く龍のことだ、オーク


やオーガにやられることはないと俺は思っていたぜ」


と言うが、


(んっ?、なら、あいつ禍龍かりゅう何してるんだろう?)


って俺が思うと、俺のコンバットスーツのヘルメット内の左


のモニターに映るエードラム様が言う。


『どうせ、食事でもしてるんじゃなぁい?』


って、あきれ顔で言う。


『えっ、食事!?ですか』


と俺は驚きエードラム様に言う。


そんな会話を俺のコンバットスーツ内で交わしていたら、


サンライジャー(チャック)さんが、不思議そうに晋王国のツァォ将軍


聞く、


「殲滅した!?……なら何故戻ってこない」


と聞くと、何の上エードラム様が言う通り、


「ああ、今あの龍は、オークとオーガを貪り食べて……」


その将軍の言葉に、サンライジャー(チャック)さんが、


「ですか……分かりました」


と答えるのだった。













------(第三者視点)------☆





 一方、テンタ達冒険者の居る、村の擁壁の対面側のベビル


デーモンのウプシロン(バッタの頭の男)を中心とする3人


のベビルデーモン達に、悪魔石猿王や、デーモンオークキン


グ、デーモンオーガキングにデーモンオークジェネラル2体


と、デーモンオーガジェネラル3体らを含むオーク200体


とオーガ300体の側では、ベビルデーモンのウプシロン


(バッタの頭の男)と同じくベビルデーモンのファイ


(アリの頭の男)にカイ(サボテン頭の男)が、話し合って


いた。


「この戦力で、後1週間はここで、奴等をくぎ付けに出来る


と思っていたが……」


とウプシロン(バッタの頭の男)が言うと、


「なに、我が配下の悪魔石猿は倒され、北と東と西の戦力を


失ったとは言え、まだ、ここの戦力の5百のオークとオーガ


が、残っているではないか、それにここには、デーモンオー


クキング、デーモンオーガキングも居るではないか、1週間


とは言えんが、あと3日くらいは持ちこたえられるのではな


いのか?」


とカイ(サボテン頭の男)が言うが、


「その3日で、例の俑兵ようへいが、晋王国の王都まで、


たどり着けるのか?」


のファイ(アリの頭の男)の問いに、リーダーであるウプシ


ロン(バッタの頭の男)が、


「ああ、たぶん順調にいけば後2日かもあれば、到達するは


ずだが……」


と答え……るが続けて、


「しかし、あの禍龍かりゅうが、この南に加われば、そうも言っ


てられん……やはり撤退しよう」


とファイ(アリの頭の男)とカイ(サボテン頭の男)に提案


するが、ファイ(アリの頭の男)がそのウプシロン(バッタ


の頭の男)に、


「ウプシロンよ、簡単に撤退と言うが、今奴らに後ろを見せ


たら、それこそあっという間に攻め込まれるぞ」


と意見を言うと、カイ(サボテン頭の男)が言う。


「ファイよ、撤退と言っても、オークやオーガ達と撤退せん


でもよかろう、こいつらを盾に我等だけ撤退すればよい」


その言葉にファイ(アリの頭の男)が、


「確かにな、オークやオーガならまた生産すれば良いしな」


そのカイ(サボテン頭の男)とファイ(アリの頭の男)の


話を聞いて、リーダーであるウプシロン(バッタの頭の男)


が、


「わかった、撤退しよう」


と言うと、デーモンオークキング、デーモンオーガキングに


悪魔石猿王達に突撃命令を出した。


ウプシロン(バッタの頭の男)の命令を受けたデーモンオー


クキング、デーモンオーガキングに悪魔石猿王達は、自身が


前進するとともに、デーモンオークキング、デーモンオーガ


キングは、デーモンオーガジェネラルとデーモンオークジェ


ネラルに命令し、オークとオーガ500体弱を引きつれ、


村の南側の擁壁へと、突撃しだした。


それを南の擁壁上で見ていた冒険者側のグランザー(チェン


が叫ぶ。


「おい、皆、オーガ達が突っ込んで来るぞ!」


と叫び冒険者一同それに目をやるが、その中のスカイザー


于晏ゆいえん)が、突撃するオーガ達の後ろで、


今まさに転移をしようとしている3人のベビルデーモン達


を見つけ叫んだ。


「おい、ベビルデーモン達が逃げるぞ!」


それを聞いたバルジャン(トム)が、いち早く自身のエアー


「そうはさせん!SSフィールド展開!」


とバルジャン(トム)が叫ぶと、ベビルデーモンのウプシロ


ン(バッタの頭の男)にファイ(アリの頭の男)とカイ(


サボテン頭の男)3人と、悪魔石猿王、デーモンオーガキ


ングにデーモンオークキングに合せデーモンオーガジェネ


ラル3体とデーモンオークジェネラル2体それに、味方で


は、ガンボー(ガイゼル)と北の擁壁に居る禍龍かりゅう


以外のすべての冒険者メンバーに自分自身をSSフィールド


内へと、送り込むのだった。



 ※SSフィールドとは、宇宙シェリフが使う特殊能力で、


  劇中、バルシャンを始め宇宙シェリフ達が、街中での


  怪人との戦闘で、街の人や建物の被害を出さないため、

  

  自身と怪人を、異次元空間に閉じ込める能力のことで


  そのブランチ能力を使い、敵味方関係なくバルジャン


  (トム)が指定する者をSSフィールドに送り込めるこ


  とが出来るのである。





   




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