73話 悪魔の陽動作戦
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禍龍を小槌の中に収容して、村人の転移を始める。
兵達が前もって、村人を整列させてくれていたので、転移作業は、
スムーズに進んだ。
5百人づつ、4回に分けて転移させる。
30分くらいで、村人全員の転移が完了し、次に負傷兵の転移作業
に移る。
これも500人づつ転移させ、約3時間ですべての負傷兵が東支部
へと転移を完了する。
すると、ハンス(グランライジャー)さんが、村の広場中央に、小槌
で、超巨大寸胴を出す。
\\ズドーン//
超巨大寸胴からは、カレーのいい匂いがする。
次に、これもまた、超巨大ご飯釜を、
\\ズドーン//
と出して言う。
「さ~ぁ、みんな晩飯にするたいw」
と全員に声を掛ける。
その声にみんなが集まると、超巨大寸胴と超巨大ご飯釜にそれぞれ
、梯子を掛け、超巨大寸胴にはハンス(グランライジャー)さんが昇り、
超巨大ご飯釜には、チャック(サンライジャー)さんが昇る。
そして、まず、チャック(サンライジャー)さんの下に居るヴィスタ
(マッハライジャー)さんが、木の皿を梯子の上に居るチャック(サ
ンライジャー)さんに手渡すと、チャック(サンライジャー)さんが、
それにご飯を盛り、そのまま、隣の寸胴に掛けた梯子の上に居るハン
ス(グランライジャー)さんに他渡すと、ハンス(グランライジャー)
さんは、そこに寸胴の中にあるカレーを掛け、自身の梯子の下に居る
ダニエル(フリーズライジャー)さんに手渡し、さらにダニエル(フ
リーズライジャー)さんが、隣にいるエレノア(ラブライジャー)
さんに渡し、エレノア(ラブライジャー)は、それを自身の前にある
テーブルに並べて行く。
「みなさ~ん、温かいうちにたべてくださ~い」
と集まった人達に声を掛けると、集まった人達は、
「なんか、良い匂いですね」
と言い、我先にとカレーライスを受け取り、夢中で食べる。
「うっま、何だこれ」
「こんなの初めてだ」
と口々に、この世界の人が知らない味。
チームゴライジャーが配るカレーライスに舌鼓をうつ。
それを、誇らしげに笑いながら見守るチームゴライジャー達だった。
「それじゃ~、俺達も並ぼう」
と、トム(バルジャン)さんの言葉に、ガンボー(ガイゼル)さん
に俺、三毛猫が頷き、晋王国や南晋王国の兵士同様、
カレーライスを待つ列に並ぶ。
そして、カレーライスを受け取り、近くの場所に座り込み食べた。
「やっぱり、うまいな」
「そうだな」
「この味、落ち着きますね」
「おいし~い」
と、トム(バルジャン)さん、ガンボー(ガイゼル)さんに俺と
三毛猫もハンス(グランライジャー)さんが作ったカレー
ライスに舌鼓をうつ。
そう、このカレーライスは、うち(喫茶ゴン)と同じ味。
元々喫茶ゴンは、チームゴライジャーがやっていたお店なので、
同じレシピと言う訳だ。
夕食も終わり夜。
夜の見張りは、晋王国や南晋王国の兵士達が、やってくれるので
俺達は、この広場に各自テントを張って寝る。
俺と三毛猫は、俺の1人用テントで寝た。
「お休みオトア」
「おやすみテンタ君」
ZZzzzz。
◇
------(第三者視点)------☆
晋王国の東側にある海岸の沖合、テンタ達が”海坊主”を倒し、
そして、禍龍を見つけた場所。
そう、悪魔子爵ゴースン配下のプサイ(顔がバラの花で体は茨で
出来た女)が、まだ人間だったころに、禍龍を閉じ込めた
陵と呼ぶ場所に、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来
た女)が居た。
「むむむっ、これはどういうこと、俑兵達の術式が初期化
されているうえに、何重にも掛けた扉の術式が外されてるなんて
……いったい誰の仕業なの」
自身の幾重にも掛けた魔法の術式を解かれ、憤慨するプサイ
(顔がバラの花で体は茨で出来た女)。
その時、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)に、悪魔
子爵ゴースンのテレパシーが入る。
≪プサイ、どうじゃった≫
その言葉に、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)は答
える。
≪は、はっ、やはりウプシロンが、申していた通り、破られてお
りました≫
その言葉に悪魔子爵ゴースンは、
≪な・なに!≫
と驚く。
驚く、悪魔子爵ゴースンに、プサイ(顔がバラの花で体は茨で
出来た女)は、即座に言う。
≪かくなる上は、わたくしめの命に代えてでも禍龍を連れ戻し、
再びここへ封印いたします≫
その、不退の決意に満ちたプサイ(顔がバラの花で体は茨で
出来た女)の言葉に悪魔子爵ゴースンは、
≪まぁ、待てプサイ≫
と諫めるように言う。
≪は、はっ≫
畏まるプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)。
≪いかにお前が、悪魔となりて力を得たとは言え、禍龍は、
我がチョーラ帝国を荒らした難敵ぞ!≫
≪お前1人の力でどうこうなるものではない≫
と悪魔子爵ゴースンが言うと、プサイ(顔がバラの花で体は茨で
出来た女)が顔をあげ、
≪しかし、あのまま放置いたすればウプシロン達が危うくなりま
する、奴を閉じ込めておけなかったのは、私の責任です、彼の地
に今すぐ参り、ウプシロン達に加勢し……≫
鬼気迫る訴えを悪魔子爵ゴースンに訴えるが……。
悪魔子爵ゴースンは、そんなプサイ(顔がバラの花で体は茨で出
来た女)に、落ち着かせるように言う。
≪まぁ、待てと申すにプサイ≫
≪は、はっ≫
悪魔子爵ゴースンの言葉に畏まるプサイ(顔がバラの花で体は
茨で出来た女)。
そんなプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)に悪魔子爵
ゴースンは、諭すように言う。
≪プサイよ、儂に策がある≫
その言葉を聞いて、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)
が、悪魔子爵ゴースンに聞く。
≪策と申されますと……≫
そのプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)の問いに悪魔
子爵ゴースンは、
≪今、ウプシロン達がいる所には、晋王国、南晋王国の軍に、
冒険者達が来ているようだ、なれば、それを逆手に取り、ウ
プシロン達には、それれを引きつけさせるのじゃ、そして、
その間に、お前はそこにある俑兵達を使い、一気に
晋王国の王都を攻め落とすのじゃ≫
その言葉を聞いて、
≪何と!≫
と驚くプサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)に悪魔
子爵ゴースンは、ニヤリと笑い更に言う。
≪ウプシロン達がいる所にあらゆるものの目が集まっている
今こそチャンスではないか?プサイ≫
その言葉を聞き、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た
女)は感服し、
≪わたくしには、及びもつかぬお考え、さすがでございま
すゴースン様≫
と告げると、
≪では、早速≫
と言い、早速、悪魔子爵ゴースンの指示に従い、俑兵達に
新たな術式を施し、晋王国の王都を責める準備を行うのだった。
◇
悪魔子爵ゴースンは、プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)
とのテレパシー通信の後、すぐさまウプシロン(バッタの頭の男)と
、テレパシー通信をする。
≪ウプシロンよ≫
≪は、はっ≫
悪魔子爵ゴースンの呼びかけにすぐさま返事をするウプシロン(バ
ッタの頭の男)。
≪やはり、帥達が見たのは禍龍で間違いないようじゃ≫
その悪魔子爵ゴースン言葉を聞いて、
≪やはり、そうでしたか……では、倒す手立てを考えねばなりません
な≫
と言うウプシロン(バッタの頭の男)に悪魔子爵ゴースンは、
≪倒す必要はない≫
と答えた。
その言葉に驚き、
≪はっ、倒さずとも良いとは?いったいどう言うことでございますか
、ゴースン様≫
と悪魔子爵ゴースンに聞き返す、ウプシロン(バッタの頭の男)に、
≪たった今、プサイに俑兵を使い晋王国の王都を責めるように
命じた≫
とウプシロン(バッタの頭の男)に言う。
≪晋王国の王都をでございますか?≫
悪魔子爵ゴースンの言葉に、そう聞き返すウプシロン(バッタの頭の男)。
そのウプシロン(バッタの頭の男)に、悪魔子爵ゴースンは、
≪禍龍は強敵じゃ、とは言え帥達3人にかかれば倒せぬものでもないが、
帥達もただではすむまい、しかも冒険者……の中でも強力な転生者達も
加わっておるとなれば、なおさらじゃ≫
と言い、さらに続ける。
≪今、帥達が責める村に、晋王国、南晋王国、さらには冒険者達の目は
向けられておる、これは、逆に言えば、それら晋王国、南晋王国、さら
には冒険者達の拠点、つまり、王都や東支部などの防御が手薄になって
居ると言うことでもある≫
そこまでの悪魔子爵ゴースンの言葉に、ウプシロン(バッタの頭の男)
は、感心したように言う。
≪確かに、そのようにも考えられますな、ゴースン様≫
その言葉を聞いて、悪魔子爵ゴースンは、
≪であるならばじゃ、帥達は出来るだけ今の地に晋王国、南晋王国、
さらには冒険者達の目をくぎ付けにしてもらいたいのじゃよ≫
とウプシロン(バッタの頭の男)に言う。
≪なるほど……≫
と感心するウプシロン(バッタの頭の男)に更に悪魔子爵ゴースンは、
≪ゆえに、帥達は無理に奴らを倒すのではなく、出来るだけ戦いを引
き延ばすのじゃ≫
と言う。
≪は、はっ、畏まりました≫
悪魔子爵ゴースンの言葉に、畏まるウプシロン(バッタの頭の男)に
対し、さらに付け加える。
≪決して、無理をするなウプシロン、万が一の時は、直ちにその地を
捨て戻ってまいれ、よいな≫
と念を押す様に言う悪魔子爵ゴースンにウプシロン(バッタの頭の男)
は、
≪仰せの通りに……≫
と頭を下げるウプシロン(バッタの頭の男)は、悪魔子爵ゴースンとの
テレパシー通信を終え、早速仲間のファイ(アリの頭の男)と、カイ
(サボテン頭の男)達に悪魔子爵ゴースンの命令を伝えるのだった。
◇
------(テンタ視点)------☆
明け方、目が覚めたので起きる。
こっちの世界に来てからは、朝起きるのが早くなった俺。
「おはようございます」
「おはようございます」
すでに起きているトム(バルジャン)さん、ガンボー(ガイゼル)さん
に挨拶をする。
「おはようテンタ、オトア」
「よう~おはよう」
トム(バルジャン)さん達と挨拶を交わした後、チームゴライジャー
の5人とも挨拶を交わし、次いでチームブラザーの2人とも挨拶を
交わす。
そして、曹将軍と、徐将軍とも挨拶を交わし……兵の皆さんは
あまりに人数が多いので、あえてこちらから挨拶はせず、
俺達に挨拶する人だけ、挨拶を交わした。
そして、冒険者だけ固まり朝食を取る。
今朝の朝食は、美魚村で食べた包子だ。
俺は、チャーシュー風を包んだ叉烧包と、刻んだ葉野菜が
入っているのが菜包を選び、三毛猫は、刻んだ葉野菜が
入っているのが菜包とあんこが入った豆沙包を選んだ。
そして、トム(バルジャン)さん、ガンボー(ガイゼル)さんは、
それぞれ、肉が入っているのは肉包と刻んだ葉野菜が入っている
菜包を選び、チームブラザーの于晏(スカイザー)さん
と、晨(グランザー)さんは、それぞれ、刻んだ葉野菜が
入っているのが菜包とチャーシュー風を包んだ
叉烧包を選んだ。
そして、チームゴライジャーのチャック(サンライジャー)さん、
ヴィスタ(マッハライジャー)さんにダニエル(フリーズライジャー)
さん3人は、それぞれ、肉が入っているのは肉包とチャーシュー
風を包んだ叉烧包を選んだ。
そして、エレノア(ラブライジャー)は、あんこが入った豆沙包を2個
選び……、ただ、ハンス(グランライジャー)さんは、何と、
チャーシュー風を包んだ叉烧包10個と、肉が入っている
肉包を10個に、あんこが入った豆沙包を10個
を選んでいた。
(朝からよく食べる人だ)
「いただきますw」×11
と手を合わせ包子をそれぞれが食べている時だった。
村を囲む擁壁の上に居た兵達が大声で、
「敵襲!」
と叫ぶ。
俺は、慌てて手に持っていた包子を無理やり口の中に詰め込む。
\グフッ/
そして、トム(バルジャン)さん、ガンボー(ガイゼル)さん
や、チームゴライジャーの5人、それにチームブラザーの2人
と村の南側にある擁壁の上に昇りあたりを見ると、
村を囲むように、オーク、オーガが東西南北擁壁に500体づつ
現れた、そして空には例の石猿の魔物が雲に乗り、村の上空に
待機している。
(あれ?石猿は昨日、禍龍にやられて60体のはずなのに
……100体に戻ってるよ)
と俺が驚いていると、オークとオーガの軍団は擁壁に迫っては来ず、
何故か擁壁の手前10mくらいで待機している。
そして、俺達が居る村の南側にある擁壁(ここが、村への入り口だ
ったところ)の前に待機するオークとオーガの前に3人のバッタの
頭の男とサボテン頭の男それにアリの頭の男が経っていた。
(おそらくこいつらはベビルデーモンだ)
と俺は思ったその時だった。
3人のベビルデーモンらしき男達のうち、アリの頭の男が、手に
持つ魔法の杖を振るい何やら呪文を唱えたか?って思ったら、
”ズズズズー”
と地響きがしたと思ったら、
\\ガバ//
と突然、村を囲む擁壁の周りに幅4mほどの堀があわられ、そして、
\\ザー//
と、その堀に水が沸き上がてきた。
それを見ていた曹将軍が、
「我等をここから出さないつもりだな」
とポツリとおっしゃった。
そして、曹将軍の横に居た徐将軍は、
「迎撃……」
迎撃用意と言いかけた徐将軍にチームゴライジャーのリーダー
チャック(サンライジャー)さんが言う。
「これ以上兵の犠牲を出さないために、俺達が戦闘に加わるので、
少し戦闘を開始するのは待ってくれないか、俺達が作戦を考える
から」
その言葉に、徐将軍は同意し、頷くのだった。




