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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
73/204

72話 大転移計画

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457





(えっ、もう着いたの!)


 禍龍(かりゅう)を包む赤い光が消え、目の前には、土の擁壁で囲ま


れた村が見えた。


そこに4方から攻め入るオークとオーガの軍団に、その上空には、雲


に乗り、上空から村を攻撃する猿!?それを擁壁から魔法師や弓矢兵


が応戦し、また、擁壁をよじ登ろうとしているオークとオーガを、槍


や刀を振るい擁壁から落とす兵達……中には将軍らしき人物が、青龍


偃月刀(せいりゅうえんげつとう)所謂日本のなぎなた風の武器を振るい、必死に応戦


している姿がある。


「いてててっ」


 俺は、今回動いてないはずだが体がきしむ。


 俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様が、


『テンタ君、後で回復魔法掛けるから、しばらく我慢してねw』


笑顔で俺に言う。


『はい』


俺がそう返事を返すと、エードラム様が、禍龍(かりゅう)に向かって言う。


禍龍(かりゅう)、あれを迎撃して』


≪相分かった≫


エードラム様の指示を受けた禍龍(かりゅう)は、突然、口を大きく開ると、


大きく開けた口に光の粒子が集まり、やがて禍龍(かりゅう)の口いっぱい


に大きな光の球になる。


\\パシュッ//


それを口から撃ちだした。


”ビユーン彡”


\\ドッカーン//


禍龍(かりゅう)が口から撃ちだした光の球は、雲の上に乗る猿達に命中した。


これは、禍龍(かりゅう)の必殺技の1つ、プラズマ火球なんだそうだ。


 だがしかし、100体ほど居た猿の魔物のうち、60体は不意に禍龍(かりゅう)


が攻撃したにもかかわらず、バリア……いや、あれはアンチマジックシールドを張っ


て、禍龍(かりゅう)のプラズマ火球攻撃を防いだのだった。


≪な・何っ!生意気な奴等だ≫


禍龍(かりゅう)が、呟くが……。


 次の瞬間、どういう訳か雲に乗っている猿の魔物も、また、地上で砦の擁壁を


昇っていたオークとオーガ達も急に撤退を始めるのだった。


(何で?)













------(第三者視点))------☆



 一方、禍龍(かりゅう)が、石猿達を自身が放つプラズマ火球で攻撃したころ晋王国


の王都、(きん)から南に数千キロ進んだ南晋王国との境界に近い


山深い場所、古の時代のオークとオーガの製造工場に居たウプシロン


(バッタの頭の男)と、ファイ(アリの頭の男)と、カイ(サボテン


頭の男)3人は魔法の鏡で、籠村はんむらの戦いの様子を見ながら、


驚いていた。


「な・なに!」


「何であいつがここにいる!」


「あれは、プサイが封印したのではなかったのか!」


ウプシロン(バッタの頭の男)と、ファイ(アリの頭の男)と、


カイ(サボテン頭の男)が驚き叫ぶ。


「兎に角、一時撤退だ」


「ああ、そうだな」


「ちょうど近くに森がある、そこに一旦引かせよう」


ウプシロン(バッタの頭の男)と、ファイ(アリの頭の男)と、


カイ(サボテン頭の男)が口々に言うと、オークやオーガ、


それに石猿をそれぞれに撤退命令を出すのだった。












------(テンタ視点)------☆





(何で?)


って、思いながらも、俺のヘルメット内の左モニターのエード


ラム様が禍龍かりゅうを促し、俺達は砦化されたはん村の擁壁内の空地


に降り立つ。


 と周りから、武器を持った兵達が、俺達を警戒しながら”ぞろ      


ぞろ”と集まり俺達が乗る禍龍かりゅうの周りを囲む。


 今にも、持っている槍で俺達を襲うとする殺気がすごい。


 そこへ、東西の城壁からそれぞれ降りてきた将軍らしき2人の


男達が、殺気立つ兵達に言う。


「引け!この者達は見方だ!!」×2


(何で分かるんだろう)


そして、1人の将軍らしき人物が名乗る。


「私は、晋王国、晋木郡方面軍将軍、曹 子孝ツァォズーシァォだ」


「そして、こちらが……」


ツァォ将軍が隣居る将軍らしき人を見ると、


「私は南晋王国、秦隋しんずい郡方面軍将軍、徐 公明シュゴンミンです」


と自己紹介をしてくれた。


「で、そちらは、聖クリスタル国東支部の冒険者とお見受け


するが……」


と、名乗りを促されたので、皆、禍龍かりゅうから降りて、東支部の冒険者


ギルドマスター(支部長)であるチーム・サンライジャーのリーダーの


チャック(サンライジャー)さんが、1歩前に出て、ツァォ将軍の前に


立ち、


「初めまして、私が、聖クリスタル国東支部の冒険者ギルドマスター(支


部長)であるチーム・ゴライジャーのリーダー、サンライジャー(チャ


ック)です」


と言いながら手を出し、ツァォ将軍次いでシュ将軍と順に握手を交わし、


そして、


「この者達が、S級及びA級の冒険者達です」


と俺達を紹介するので、それぞれ将軍たちに軽く頭を下げると、ツァォ


将軍とシュ将軍は、順番に俺達と握手しながら、俺を含めた冒険者側の


人達が、1言ずつ、自己紹介をする。


「チーム・ゴライジャーのマッハライジャーです」


「同じくグランライジャーですたい」


「同じくフリーズライジャーです」


「同じくラブライジャーですw」


「俺達は、チームブラザーのスカイザーです」


「同じくグランザーです」


「チームガンブレイブのバルジャンだ」


「同じく、ガンボー」


「えーと同じくバルジャンです」


お互い握手を交わし、自己紹介を終えると、シュ将軍が、徐に


聞いて来た。


「で……この龍は?」


その言葉に俺が


禍龍かりゅうです」


と言うと、すかさずバルジャン(トム)さんが、俺の頭を押さえ


ながら、


「このバルバンが使役する龍です」


と2人の将軍に説明すると、


「ほう~、転生者って言うのは飛びぬけた戦闘力を持っていらっ


しゃるとは聞いていましたが、龍まで使役されるんですねぇ~」


としきりに感心する。


その時、不意にラブライジャー(エレノア)さんが、ツァォ将軍


に聞いた。


「将軍は、なぜ一目見ただけで、私達が冒険者だと分かったんで


すか?」


その言葉に、少し”プッ”と吹きそうになるのを我慢して、


「んぷっ、いや失礼、冒険者と言うより転生者だとすぐわかりま


したのでな」


そのツァォ将軍の返答に、ラブライジャー(エレノア)さんが、


首を傾げさらに


「何故ですの?、なぜ私達が転生者だとお判りに……」


と聞くラブライジャー(エレノア)さんに、


「いや~あなた方の鎧……と申しますか戦闘服……でしたかな?


とても我が国……と言いますかこの世界の物とかかなり異質と


申しましょうか、なのですぐにわかったのですよ」


との返答に俺達全員が絶句する。


(まぁ~確かに俺も含めて70年~80年代にかけての特撮や映画


のヒーローの姿だもんな……つまりこの世界では、俺達浮いてる


ってことだよな)













------(第三者視点))------☆




 テンタ達が、ツァォ将軍とシュ将軍と自己紹介を交わしている


ころ。


そこから数百キロの場所にある、古の時代のオークとオーガの製造


工場に居たウプシロン(バッタの頭の男)と、ファイ(アリの頭の


男)と、カイ(サボテン頭の男)3人のベビルデーモンのうちの


1人、ウプシロン(バッタの頭の男)が、魔法の鏡を使い、三日


月魔王国の北部にある山城跡、かつて人鬼が居城していた城跡に、


悪魔子爵ゴースン達が、ここを本拠地と定めた所の居る、プサイ


(顔がバラの花で体は茨で出来た女)と会話をしていた。


「プサイ、貴様がかつて人間だったころに封印したと言っていた


禍龍かりゅうが現れたぞ、これはどう言うことなのだ」


とウプシロン(バッタの頭の男)が、プサイ(顔がバラの花で


体は茨で出来た女)に尋ねると、


「何を寝ぼけたことをおっしゃってるのウプシロン、禍龍かりゅうは、


この私がりょうの中に作った異空間に閉じ込め、何重


ものの術式で封印してあるのよ、あれを破れる者など、この


世に存在する訳ないでしょうw……第一、もしそれが破られ


たのなら、そこを警備している俑兵ようへい達が動き出すはずよ、


そして俑兵ようへい達が動き出せば、すぐさま私に分かる仕組み


になっているのよ~、そして、その反応はいまだにないわw」


と自慢げに、ウプシロン(バッタの頭の男)に言う、プサイ


(顔がバラの花で体は茨で出来た女)だったが、


「では、これはどういうことだ」


とウプシロン(バッタの頭の男)が、先ほど禍龍かりゅうが、石猿を撃破する


映像を魔法の鏡移すと、


「うっ……何ですって、なぜそこに禍龍かりゅうが居るのですか!」


と唸りながら、ウプシロン(バッタの頭の男)に質問するが、


「それを俺が、お前に聞いているのだよプサイ」


とウプシロンその言葉に、俯き肩を震わせ黙り込むプサイ(顔が


バラの花で体は茨で出来た女)。


「……」


しばらくして、急に顔をあげたプサイ(顔がバラの花で体は茨で


出来た女)は、ウプシロン(バッタの頭の男)に、


「確かめてまいります!」


と言って、通信を切った。


 プサイ(顔がバラの花で体は茨で出来た女)との通信を終えた


ウプシロン(バッタの頭の男)に、カイ(サボテン頭の男)が、


尋ねる。


「どうだった?」


その言葉に、ウプシロン(バッタの頭の男)が、


「確かめに行っておる」


と答えると、カイ(サボテン頭の男)が、


「まぁ、あれが禍龍かりゅうであろうとなかろうと、対処せねば


ならんのだが……」


ウプシロン(バッタの頭の男)とカイ(サボテン頭の男)が


そのような話をしている時、ファイ(アリの頭の男)が、一時


撤退させ、はん村の近くに待機させている、オークとオーガ並びに


石猿達の被害状況を視察し戻って来た。


「おう、どうだったファイ?」


と尋ねるカイ(サボテン頭の男)に、


「ああ、損耗はオーク30にオーガ20、それに石猿が40


……ってところだな」


と報告すると、ウプシロン(バッタの頭の男)は、


「オーク、オーガの補充は問題ないが、石猿の補充がやっか


いだな……」


と考え込むが、考えこむウプシロン(バッタの頭の男)に


カイ(サボテン頭の男)が言う。


「問題ない、石猿にそれを指揮する石猿王には、レッサーデ


ーモンを憑依させてある、今、念話で命じて、新しい石猿を


捉えてくるよう命令した、捕まえ次第、それら新たな石猿達


に私が新たにレッサーデーモンを召喚し、憑依させるゆえ、


何の問題もない」


その言葉を聞いて、ウプシロン(バッタの頭の男)は、


「そうか、なら問題ないな」


と言う言葉を聞いて、ファイ(アリの頭の男)が、


ポツリと言う。


「後は、あの禍龍かりゅうをどうするか……だな」


その言葉に、ウプシロン(バッタの頭の男)とカイ


(サボテン頭の男)が、黙って頷くのだった。













------(テンタ視点)------☆




 お互いの自己紹介も終わり、俺達冒険者は、変身ブランチを解除し、


通常の姿に戻っている。


 当然、俺もオトアをフェードアウトし、コンバットスーツも解除


している。


 俺の体から三毛猫オトアが出てきた時、2人の将軍を含む晋王国


の兵達は、驚いていたが……。


 それはさておき、今は、エレノア(ラブライジャー)さんが、


小槌から出した石でできた転移魔法円の部品を、于晏ゆいえん


(スカイザー)さんと、チェン(グランザー)さんが手伝い、


この村の中央の広場にて組み立てている所で、その間にヴィスタ(マッハ


ライジャー)さんと、ダニエル(フリーズライジャー)さんは、魔法


師達に、魔力回復薬のエーテルを配っていた。


 さらに、トム(バルジャン)さんとガイゼル(ガンボー)さん


は、傷ついた兵士達にポーション(治癒薬)やハイポーション


(治癒薬上位)配っている。


 ただ、このポーション(治癒薬)やハイポーション(治癒


薬上位)を飲ませたからと言って、ゲームのようにすぐに怪


我が治ると言うものではなく、傷にもよるがポーション(治


癒薬)で、約3日、ハイポーション(治癒薬上位)でも、


1日は、かかると言うことなので、負傷して戦えない兵士達は、


ここの村人達同様に、今、エレノア(ラブライジャー)さん


達が組み立てている転移魔法円で東支部に転移する予定。


この戦いで晋王国と南晋王国の兵3万のうち、死傷兵1万8


千人、うち死亡兵6千人だと言うことで、実に損耗率60%


を越えていた。


 転移させる予定と言っても、転移させるのはは村人約2千


人と、傷ついて戦えない兵士約1万2千だ。


 これを転移魔法円で転移させるには、膨大な魔力が必要と


なるが、肝心のそれを起動させる魔法師達は、この村に土の


擁壁を土俗魔法で作成したり、空から襲ってくる”石猿”に


攻撃魔法で応戦したり、はたまた、傷ついた兵を治療したり


と、今残っている魔法師は、殆ど魔力を残していない。


 だから、ヴィスタ(マッハライジャー)さん達が、今配っ


ているエーテル(魔力回復薬)を飲ませても、すぐの転移


は難しいのだが……。


 しかし、ここに、俺と三毛猫オトアが居る。


俺が、三毛猫オトアと合体(バルバンの姿)すれば、


エードラム様の力により、魔法力無限なわけなので、魔法


師に代わり、俺が、いや、俺達が転移魔法円を動かすことに


なった。


 さて、魔法円が組み上がったみたいなので、俺は”赤着せきちゃく”し、


フェードイン(オトアと合体)するが……。


 ただ、村人がこの広場に大きな顔押して居座る禍龍かりゅうを見て


怖がるので、


禍龍かりゅう、悪いけど少しの間、小槌の中に入っててくれ


ないか?」


って、俺が言ったんだけどね……。


禍龍かりゅうが、憮然として一言。


「断る!」


って言われて……俺が、すご~く困っていたら、俺のヘルメット


内の左モニターのエードラム様が、モニター越しに”ジト目”を


すると、禍龍かりゅうは、慌てて、小槌の中に入るのを承諾してく


れた。


(エードラム様の目つきって禍龍かりゅうには、見えないと思うん


だけどな~)


って再び思う俺だった。




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