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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第3章 禍龍(かりゅう)編
72/204

71話 「強力な戦力ならありますよ」

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457




 『天堂(ティエンタン)』の正面玄関前広場。


銀着(ぎんちゃく)!」


トムさんはブランチに変身し、すぐさま


「バーバリアーン!」


と自身のブランチ能力で、エアーバイクを呼び出すと、その後


ろにガイゼルさんを乗せ飛び立つ。


俺の小槌からスカイバリアンを出し、すぐに跨るとトムさんを


追った。


 東支部までは、馬車で、大体1時間ほどだが、俺とトムさんの


エアーバイクで、20分もかからないってか、本気を出せば2分


ほどで着くのだが、トムさんの後ろには生身のガイゼルさんが、


乗っているため本気は出せない。


と考えていると、東支部が見えてきた。


 田園風景の中に突然現れた、直径2kmの円形の都市。


 この俺達の世界の中国に似た晋王国内にあって、唯一中世のヨー


ロッパ調の建物が並ぶ街、他の都市と違い擁壁には囲まれていない。


 その中心部にある、小さなお城風の建物の真ん中にある庭に着陸


する。


 すると、その庭に着陸した俺達に、7人の人々が駆け寄って来た。


そのうちの5人は、この東支部の冒険者ギルドマスター(支部長)の


チームゴライジャーさん達で、後の2人は、マイケル(メカイダー)


さんとルーク(メカイダーダブルオー)さんが所属するチームブラ


ザーのリーダーの吴・于晏(ウ・イエン)さんこと、スカイザーさ


んと、吴・(ウ・チェン)さんこと、グランザーさんだ。


「おお、来てくれましたか」


とチームゴライジャーのリーダーチャック・リーヴァイさんこと、


サンライジャーさんが、トムさんに声を掛ける。


「おう、チャック」


と軽く手を上げ言うトムさん。


そして、近寄るチームブラザーのリーダーの吴・于晏(ウ・イエン)さんこと、


スカイザーさんに向かって、


「お前とこの2人、俺の家族がいる『天堂(ティエンタン)』で、預かって


いるがいいか?」


と言うと、


「ええ、構いませんよ、どうせあいつらB級だから今回は連れて


行けませんしね」


と吴・于晏(ウ・イエン)さんこと、スカイザーさんの言葉に、


「おう、そうか」


と軽く返すトムさん。


その時、バーバリアンから降りたガイゼルさんが、チームゴラ


イジャーのリーダーチャック・リーヴァイさんこと、サンライ


ジャーさんに言う。


「まさか、これだけの人数で行くのか?チャック」


と問いかけると、チャック(サンライジャー)さんが、ガイゼル


さんに向かって、


「ええ、この晋王国周辺にはA級以上は、ガイゼルさんとこの


バルジャン(テンタ)を含めて10人……これだけです」


と言い切る。


「いくら何でも少なすぎやしないか」


チャック(サンライジャー)さんの答えに不満を言うガイゼルさ


んに、


「そうなんですが……やるしかないんですよ」


と答えるチャック(サンライジャー)さんだった。


そこに、トムさんが言う。


「まぁ、なんにせよ詳しい状況を教えてくれチャック」


その言葉に、チャック(サンライジャー)さんが、


「詳し話は、ギルドの中で」


と言い、俺達をギルドの建物の中に案内するのだった。













 ギルド内にあるギルドマスターの部屋に案内された俺達は、


そこで今回の詳しい経緯をチャック(サンライジャー)さん


から聞いた。


 チャック(サンライジャー)さんの話によると、7月初め


に晋王国南部で、突然、オークとオーガ2千が、現れ周辺の


村々を襲い北上、当初討伐に当たった晋王国の守備隊3千が


全滅、それを受け、晋王国晋木郡方面軍2万と、南晋国秦隋みなみしんこくしんずい


郡方面軍1万合わせて、3万の連合軍がオークとオーガ2千


の討伐に当たっらしい。


そして、一時は、そのオークとオーガ2千を半分まで倒し、


そのまま殲滅……と思いきや、突然、その戦場に石猿と言う


魔物百体が現れ、空から晋王国と南晋国の連合軍に攻撃を


仕掛け、そのため晋王国と南晋国の連合軍は、戦力の20%


を失ったらしい。


そこで急遽、近くにあった、、はん村に入って、村全体を簡易


の砦として構築し、現在そこで、魔物達と籠城戦を展開中


とのことで、そこの、非戦闘員である村人と、負傷した兵


の救出、出来れば、魔物の討伐をと晋王国からのギルドに


対してのクエストだと言うことだった。


そこまでの話を聞いて、ガイゼルさんが、チャック(サンラ


イジャー)さんに聞く、


「じゃ、村人や負傷兵の救出とオークとオーガ千体とその石猿


100体の討伐って事でいいのか?」


その言葉にチャック(サンライジャー)さんは、ガイゼルさん


に首を振り言う。


「いいえ、減ったはずのオークとオーガは、その後数がまた


2千に戻っているんですよ」


それを聞いて、驚いたガイゼルさんが、


「えーっ、また、2千に戻ってるって、そりゃお前、この


クエスト無理ゲーにもほどがあるぞ!」


とチャック(サンライジャー)さん言い返すと、


「まぁ、そうなんですけどね……」


とチャック(サンライジャー)さんは小さな声で言う。


そこまでの話を聞いていて、急に俺のヘルメット内の左モニ


ターのエードラム様が言う。


『強力な戦力なら、あるじゃない』


その言葉に俺が、


『へぇ?、強力な戦力ですか……』


と呟くと、急に頭の中に念話とは違う……そうだな、強いて


言うなら、テレパシーのようなものが聞える。


≪おーい、いい加減ここから我を出せ!≫


(?……!?)


『ああ、忘れてた』


俺はすぐさま、チャック(サンライジャー)さんをはじめ


そこに居るみんなに言う。


「ありますよ、強力な戦力!」


急に大きな声で言う俺に、俺の周りのみんなは、驚くのだった。













 先ほど到着時に降り立った東支部の広場に出て、


「みなさん、少し下がっててください」


とみんなに警告する。


「テンタ、何をするつもりなんだ」


とガイゼルさんが俺に問うが、


「今から、龍を出しますので」


と答えると、一同がその言葉に驚き言う。


「龍!?」×9


みんなが、”わけわからん”って雰囲気の中俺は、


左太腿の装甲版を開き、小槌を取り出し小槌を振るい言う。


「出でよ禍龍かりゅう!」


\\ボワッ//


すると、体長30mの龍が現れる。


それを見て、一同が声をあげる。


「おお~!」×9


≪ふぅ~、やっと娑婆に出てたわい≫


出現するや否やそう呟く禍龍かりゅうがそう呟く。


 禍龍かりゅうの呟きは他の人達には、聞えてないが……。


「て・テンタ!これはいったい……」


驚くトムさん。


「お前、この龍をどうしたんだ」


同じく驚きながら、俺に聞くガイゼルさん。


 状況がわからず、戦闘態勢を取ろうとするチームゴライジャー


の5人と、チームブラザーの2人に、俺は、


「大丈夫です、味方ですからw」


って言って、”落ち着くように”ってジェスチャーで伝える。


 困難する、面々に俺が、禍龍かりゅうとの経緯いきさつを話すのだった。













「なるほどな……7千年前のか」


と唸るように言うトムさん。


「テンタ、お前っていつの間に無敵になったんだw」


と茶化す様に言うガイゼルさんに、


「7千年前って言えば、あのあたりに伝説の超古代文明の


一つ、チョーラ帝国ってのがあったとは聞いていたが……


龍が、いたとはな」


とチームゴライジャーのリーダーチャック(サンライジャー)


さんが呟く。


「本当に、大丈夫なのこの龍……」


と疑いの目で俺を見てくるチームゴライジャーのエレノア


(ラブライジャー)さんに俺は、


「大丈夫ですよ」


と答える。


「バルバン……いや、テンタ君ってエードラム様の力を得て


るのか……なるほどな」


と1人違う方向で、感心するチームブラザーのリーダーの


于晏イエン(スカイザー)さん。


(えー、今更そっちですか)


とは思うものの、確かにエードラム様のことは、うちの


メンバーにしか言ってなかったかと思い、そのことは


口にしなかった。


そんな時、禍龍が急に


\\グオー//


と雄叫びをあげる。


「何!」


「どうした!」


「わぁー」×7


驚き言う、トムさんとガイゼルさんに他の7人。


そんな中、雄叫びをあげる禍龍かりゅうに俺のヘルメット


内の左モニターのエードラム様が、


『どうしたの禍龍かりゅう


禍龍かりゅうに訳を聞くと、


≪あー、腹減った≫


と言う禍龍かりゅう


『あらら、無敵を誇る禍龍ともあろう龍が、お腹すいた


ってねぇ』


と少し呆れて言うエードラム様に、禍龍かりゅうは少し、憮然とした


態度で言う。


≪仕方あるまい、7千年も何も口にしとらんのだ≫


その言葉にエードラム様が、


『まぁ、仕方ないねぇ~テンタ君なんかこの子の食べ物ない?』


と聞いてこられたが、俺は龍の食べ物が何なのかわからなかった


ので、エードラム様に尋ねる。


『あの~龍って何食べ運ですか?』


俺のその問いに、エードラム様は即答する。


『なぁ~んでも食べるはよ』


『なぁ~んでもと言われましても……』


とエードラム様の即答に困る俺に、


『そうね、人間の食べる物でもいいし、何なら人間や魔物なんか


も食べるはわよw』


と、さらっと、恐ろしいことをおしゃるエードラム様。


(流石に人間は、まずいですよ~エードラム様)


って俺が思っていたら、今度は、俺のヘルメット内の右モニター


のオトアが言う。


『魔物でいいなら……あるんじゃないテンタ君w』


とにこやかに俺に言うオトアに、俺は少し考えた。


(えっ、こいつの腹を満たせる魔物って俺持って……あっ!)


 俺は思い出した。


『えーと、禍龍かりゅう?』


と声を掛けると、禍龍かりゅうは、少し不機嫌そうに、


≪なんじゃい≫


と俺に返事をする。


『あのさ、今手元には”海坊主”しかないんだけど……』


て言うと、禍龍かりゅうが、俺の”海坊主”って言葉に反応して、


”ピク”っとすると、目を輝かせ言う。


≪なんと!海坊主ってか、あれは、ここの海では、めったに


現れん魔物ではないか!≫


≪食べる食べる、食べるぞテンタ≫


とかなり興奮気味の御様子だった。


『わかったから少し大人しくしてて下さいよ』


と言い、まず、この一連の会話を周りの人達に話す。


「あの~禍龍かりゅうが、お腹すいてるみたいなんで、


今食事させますので、少し待ってて下さい」


「ああ、わかった」×2


トムさんとチームゴライジャーのリーダーチャック(サン


ライジャー)さんだった。


\\ドン//


 禍龍かりゅうの前に、海坊主の遺骸を置くと、禍龍かりゅうは、その短い手?、前足を


使い、海坊主を頭から”ムシャ、ムシャ”と食べる。


 正直、見ていて気持ちのいい物ではないので、みんなでその場を離れ、


禍龍かりゅうが食事を済ませる間、はん村に向かうための準備


に取り掛かるのだった。













 出発の準備が出来、また、禍龍かりゅうの食事も終わったので、出発!


となるのだが、ここで1つまた問題がある。


 禍龍かりゅうが加わったことで、戦力には問題がなくなったのだが、ここ、


東支部から、はん村に向かう移動……正確には移動速度に問題が


あった。


 俺、トムさんは、それぞれのエアーバイクまた、チームブラザーのリー


ダーの于晏イエン(スカイザー)さんは、戦闘機に変形し、音速の速


度で移動できるが、それでも、はん村までは、3時間以上かかる。


そのほかのメンバーは、チームゴライジャーの使う熱気球でを使っての


移動となり、10時間以上はかかる……。


 現場の状況はわからないが、出来るだけ急ぐに越したことはない。


 本来なら、転送魔法円を使えばいいのだが、元々田舎の村に、転送


魔法円が設置している訳もなく、また、現在、籠城戦をしている晋王


国と南晋国の連合軍が、その魔法円を構築してもらうだけの余力が


あるのかどうなのかも、こちらから連絡のしようもないので、わから


ない現状だ。


 禍龍かりゅうも単独であれば、俺やトムさんのように同様に音速での


空中移動はできるとのことなので、俺、トムさん、于晏イエン(スカイザー)


さんに禍龍かりゅうを咥えた4人が先に先行するか、と言う話に


なりかけた時、俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様が、


俺に向かって提案してきた。


『提案なんだけど、メンバー全員を禍龍かりゅうの背中に乗せて、私が


テンタ君に使う赤い光で、禍龍かりゅうを包んだら、光速移動できる


と思うんだけど……』


その突飛な提案に、


『えっ!』×2


俺とオトアが驚くが……。


(確かに光速で移動できれば……)


と俺はエードラムさんの提案にそう思い、みんなに伝えると、


「おお、それはありがたい」


とチームゴライジャーのリーダーチャック(サンライジャー)さん


が言う。


「君はいったい何者なんだ」


と俺の提案に困惑するチームブラザーのリーダーの于晏イエン


(スカイザー)さんだったが、おおむね了解を得た。


 禍龍かりゅうには、エードラム様が直接伝えると、


≪おいおい、そんなむちゃな!≫


とは言うものの、俺のヘルメット内の左モニターのエードラム様


が、”チラッ”と睨むと、


≪相分かった≫


と了承してくれた。


(モニターのエードラム様が、禍龍かりゅうを睨んでも、禍龍かりゅう


には、見えないはずだけどな……)


とは、思ったが俺は何も言わないでいた。













 俺が、禍龍かりゅうの頭部に乗り、他の人達は背中に乗る。


「みなさん、良いですか~w」


「おお!」×9


と返事を頂いたので、俺は禍龍かりゅうの頭の上で右腕を頭の上に突き


出し、右掌を開く……って、ここで俺の体のコントロールをエード


ラム様に渡すと。


『行くよ、テンタ君!』


と声を掛けるので、俺は


「はい」


と返事をした直後、俺の右掌から赤い光の球が現れ、それがどんどん


と大きくなり、やがてみんなが乗る禍龍かりゅうをも包み込んだ。


『しゅっぱぁ~つ!』


元気よくエードラム様が叫ぶと、”ビユーン彡”って感じで俺達は、


目的地のはん村に向かう……って、もう着いた!。


 目の前には、土の擁壁で囲まれた村。


そこに4方から攻め入るオークとオーガの軍団に、その上空には、雲


に乗り、上空から村を攻撃する猿!?それを城壁から魔法師や弓矢兵


が応戦し、また、城壁をよじ登ろうとしているオークとオーガを、槍


や刀を振るい城壁から落とす兵達……中には将軍らしき人物が、


青龍偃月刀せいりゅうえんげつとう所謂日本のなぎなた風の武器を振るい、


必死に応戦している姿があった。








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