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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第2章 光の精霊編
46/204

45話 アダマイトの坑道(中編)

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457




 皆で手を合わせせ、


「「「「ごちそうさまでした」」」」


と言うと、出発の準備をする。


紫着しちゃく!」


黄着おうちゃく!」


赤着せきちゃく!」


それぞれが、コンバットスーツを装着すると、


再び坑道の奥へと進んだ。


 ガーゴイルを倒した場所から歩くこと約1km。


前方に何やら、七色に光るカーテン?らしきものが


見えてきた。


俺達は、警戒し、サーチャースコープを使おうとした


その時だった。


 なんだか、体が”ふわふわ”しだし……。


 そして、光のカーテンに、なぜだか学校のクラスメ


イトが見えたり、とうさん、かあさんの姿が見えた。


「あれ、どうしたの?とうさん!、かあさん!」


と俺はそう声を掛けるが、とうさんとかあさんは、


唯、ほほ笑むだけだった。


「こっちに来てたの?とうさん!、かあさん!」


と再度問いかけるが、ただ、唯、笑顔で笑っている


だけ……。


すると、そのとうさんとかあさんの側にオトアが居た。


それも、三毛猫になる前のオトア。


「オトア、人間に戻れたのか!」


と叫んでみるが、光のカーテンの中に居るオトアは、


何も言わず、笑顔で手招きをする。


 俺は、オトアの手招きする光のカーテンの方に


歩いて行くのだた。













------(第三者視点)------☆




 突如として、テンタ達の前に現れた、七色に輝く光の


カーテン。


 そこに、テンタ、シェリー、タミーが、吸い込まれる


ように歩き出した。


それを見て、三毛猫オトアは、みんなに話しかける。


「テンタ君、シェリーさん、タミーさん……みんなどうし


たの!?」


 しかし、テンタもシェリー、タミーも三毛猫オトアの声が


聞えていないようだ。


「みんな、どうしたの!?」


必死に叫ぶ三毛猫オトアに、


≪あー、やばいね≫


三毛猫オトアと同化したエードラム(光の精霊)が言う。


「みんな、どうしちゃったんですか?」


三毛猫オトアが自分に同化したエードラムに聞く。


≪んー、あれはアラクネの仕業ね≫


「アラクネ?ですか」


エードラムの言葉に聞き返す三毛猫オトア


≪アラクネって蜘蛛の魔物なんだけど、本体は地中の


中に居て背中から、幻影を人に見せて惑わせるのよ≫


とエードラムの説明に、


「惑わせてどうなるんですか?」


と質問する三毛猫オトア


≪惑わせ、近づいてきたところで、地中に居る


本体がね……≫


とじらすような説明に、三毛猫オトアが、


「本体がどうするんですか!エードラム様!」


怒鳴った。


≪ああ、ごめん、ごめん、本体が食べてしまうのよ≫


その言葉を聞いた三毛猫オトアは、驚き叫ぶ。


「え――っ、駄目じゃyないですか!」


三毛猫オトアの叫びにエードラムは軽く、


≪そうね≫


と答えるのだが、三毛猫オトアが、


「助けないと!」


と言いながら、走り出そうとするが、それをエードラムが


止める。


≪待って、やみくもにオトアちゃんが突っ込んでも食べれ


れるだけだから≫


その言葉に三毛猫オトアは、


「でも~!」


と不服そうに返す。


そんな三毛猫オトアにエードラムが言う。


≪ちょっと、オトアちゃんの負担になるけどいいかしら?≫


と聞く、それに対して、


「良いも悪いもないです、今すぐみんなを助けてください」


と言う三毛猫オトアの言葉を聞いて、


≪わかったわ≫


と言うや否や、三毛猫オトアのコントロールをエードラ


ムが取り、三毛猫を走らせ、ジャンプする。


そして目の前に居るテンタ達を飛び越え、空中で魔法を発動


させる。


「シャイニングアロー・ディバイダー!」


そうエードラムが叫ぶと、一本の光の矢が形成され、地面に


向けてそれを発射するが、地面に刺さる前に無数の矢に分離


し、


\シュパッ/


\ブシュッ/、\ブシュッ/、\ブシュッ/、\ブシュッ/


と地面に刺さった。


\\グァァァッ//


悲鳴とも、泣き声とも聞こえる声がし、無数の矢が刺さった


地面が、


\\ズッズッズッ――//


\\グラグラグラ//


と揺れたかと思ったら、


\\ドッカーン//


と体長1.6mの大きな土蜘蛛が出てくるのだった。












------(テンタ視点)------☆







地面が、


\\ズッズッズッ――//


\\グラグラグラ//


と揺れた。


「えっ、なになに?」


俺は、急に夢から覚め現実に引き戻されたようで、気が付くと


目の前に大きな土蜘蛛が居た。


”はっ”として、俺はビームガンを抜く。


俺の隣に居たシェリーさんとタミーさんも同じだったようで、


俺と同じくビームガンを抜いていた。


3人はお互いの顔を見合わせると、すぐさま、


「「「トリプルバスター!」」」


3人が同時にしかも同じ個所にビームを集中させた。


”ビシューン”


\\\ズキュン///


\\\ボン///


3人が放つ光線が大きな土蜘蛛の顔を吹っ飛ばした。


すると大きな土蜘蛛は体を”ガク”っとさせそのまま動かなく


なった。


「ふぅ~」


俺がため息を着くと、シェリーさんが


「これはいったい……」


と状況を考えている横で、タミーさんが、


「どういうこと?どう言うことよ」


と俺とシェリーさんに聞いてくるが、俺とシェリーさんが、


両手を広げて、”さぁ~”って言うポーズをとった。













 俺達と、土蜘蛛の死骸の間に、三毛猫オトアが倒れていた。


「オトア~!」


「オトアちゃん」


「オトアちゃん」


俺と、シェリーさん、タミーさんが倒れている三毛猫オトア


前に駆け寄り、俺は三毛猫オトアを抱きかかえて、もう一度


「オトア!どうしたんだ」


と叫ぶと、俺の頭の中にエードラムさんからの声がした。


≪いやー、そのう~、みんながアラクネに食べられそうだったんで、


でね、オトアちゃんに助けてって言われてねぇ……≫


 なんだか要領が得なかったが、話をよく聞いてみると、


この大きな土蜘蛛はアラクネと言う魔物で、本体である土蜘蛛の


部分は地中に居て、背中から、人を惑わすフェロモンと共に、


幻影の光を出して、自身の近くにおびき寄せ食べるらしい。


それで、俺やシェリーさん、タミーさんがまんまと、アラクネの


術中にはまり、食べられそうになっていたのを助けようとした


三毛猫オトアが、エードラム様にお願いし、エードラム様が


三毛猫オトアの体を使って魔法攻撃を行使したら……。


三毛猫オトアの体に思った以上に負荷をかけてしまい、


三毛猫オトアが気絶したって事らしい。



それを聞き、シェリーさん、タミーさんにも俺の口から説明した。


 幸い、気を失っているだけで、三毛猫オトアの体に別状は、


ないらしいが……。


「ごめん、オトア、俺がふがいないばかりに」


と俺は三毛猫オトアに謝り、小槌から敷物と毛布をだし、


三毛猫オトアをそこに寝かせた。


「ごめんね、オトアちゃん」


とシェリーさんが毛布にくるまれ、すやすやと寝る三毛猫オトア


を撫でながら謝るシェリーさん。


その横で、三毛猫オトアを見つめながら、


「ごめん、オトアちゃん」


と頭を下げるタミーさんだった。












 三毛猫オトアをそのまま寝かせて、3人で話し合う。


「まだ、午後3時だけど、今日は無理せず、ここで野営に


しようか」


とシェリーさんの提案に、俺とタミーさんも同意し、野営の


準備と、そして、シェリーさんとタミーさんは、先ほど三毛猫オトア


と言うかエードラム様が倒した、アラクネの死骸をシェリーさん


の小槌に収納する。


収納する際、こいつの能力をサーチしてみると、



【アラクネ】


HP     0/500


MP     0/300


運動性   0/ 80


攻撃力   0/200


防御力   0/250


命中     0/ 65


回避 0/ 63


≪アラクネ死骸≫×1


 なんでも、こいつのフェロモン袋ってのが、香水の原料に


使えるとかで、1,500クリスタル(30万円)でギルド


で買い取ってもらえるとか。


 でも、本来、こいつのフェロモンを嗅いだ人間は、性的な


高揚し、見せられる幻影もセクシーな幻影らしいが……、


俺も、シェリーさんも、タミーさんも幻影には惑わされたが、


その……セクシーなってのはなかった。


これは、エードラム様曰く、フェロモンを嗅がなかったか、


嗅ぐ前にエードラム様が攻撃して、アラクネがフェロモン


を出せなかったか……かも?と言う話だった。












 3人とも持っている1人用テントを準備する……と言っても、


小槌から出し、テントにある仕掛けを”ポン”と触ると、自動で


テントが張れる。


(便利だね~)


 それに、火の準備もいらない……だって料理は作らないからw。


 しかも、本来焚く、魔物避けの香を焚く必要もない。


 なぜなら、俺達が寝てる間、三毛猫オトア中に居るエード


ラム様が俺達に変わり見張ってくれるそうで、もし、魔物の気配


があったら三毛猫オトアを起こして俺達に知らせてくれるん


だと。


(精霊って便利w)


 その三毛猫オトアもあれから2時間ぐらいで復活!。


今は、元気になって、シェリーさんとタミーさんの女子3人で、


何やらお話をしている所だ。


 俺はこの間に、コンバットスーツの魔晶石を交換していた。


俺の魔晶石の交換が終わったころ、シェリーさんが、俺の所に


来て、


「そろそろ、夕ご飯にしな~い」


って言ってきたので、


「そうですね、で、今日の夕飯何にします」


と聞くと、その声が聞えたのか、三毛猫オトアとしゃべって


いたはずのタミーさんが言う。


「フリテ―レンがいいw」


その言葉に俺も


「ああ、それいいですねぇ~」


って返すと、シェリーさんが、


「じゃ、それにしましょうw」


と言った。


 3つ並んだテントの前で、敷物を敷き、そこに各人が自分の


皿を出す。


そしてシェリーさんが自分の小槌から、フリテ―レンとその


付け合わせのフライドポテトが載った大皿と、それを取り分


けるためのトングを出し、みんなが座る前に置いた。


 『フリテ―レン』とは、以前俺と三毛猫オトアの歓迎会


で、アナさん(ガイゼル嫁)が作ってくれたことのある料理で、


 俺達の世界で言うドイツ系や中東で食べられている「シュニ


ッツェル」と言う、日本のとんかつのような料理。


日本のとんかつと違うのは、使う肉が豚ではなく羊肉で、お肉を


叩いて薄くのばし、衣をつけ、フライパンに少し多めの油を入れ


て揚げ焼きにしたもの。


 各自、トングで、『フリテ―レン』と付け合わせのフライド


ポテトに同じく付け合わせの野菜(葉物)を順番に取って行く。


 そして、それに合わせて、丸いハードロール系のパンをタミ


ーさんが小槌から、各自の皿に出して行く。



「「「「いただきますw」」」」


皆で手を合わせ『フリテ―レン』をいただく、当然だが、


いただく前には、ちゃんと三毛猫オトアが食べやすいよう


『フリテ―レン』を細かく切ったり、パンを細かく千切って


はある。


 皆で、談笑しながら食べる夕食は実に楽しく、実においしい


と思う俺と三毛猫オトアだった。












「「「「ごちそうさまでした」」」」


皆で手を合わせ、片付けをすると言っても、”泉の水筒”の


水を使い、各自の皿を洗い、小槌に収納するだけだけどね。


片付けが終わると各自自分のテントに入る。


 俺と三毛猫オトアは、同じテントで寝る。


「おやすみ、オトアw」


「おやすみなさい、テンタ君」


ZZzzzz。












 翌朝。


 生暖かい……ザラとしたものが頬をつたう。


 何度も何度も。


「んっ!」


(い・い痛い!)


 ハッとして目が覚める。


「テンタ君おはよう~w」


「んーっ、あ、オトアおはよう~w」


 ちょっと前まで、同じルーティーンだったが、その時は舌舐め


と共に猫の泣き声で起こされ居たが、今は違う。


ちゃんとオトアの声で挨拶できることに幸せを感じる俺。


 昨日使っ寝袋を小槌に収納し、自分達のテントから三毛猫オトア


共に出ると、丁度、シェリーさんとタミーさんもテントから


出てきたところだった。


 3人で、まず、寝ていたテントを片付ける。


っと、言ってもテントにある仕掛けを”ポン”と触るだけ、あっという


間にテントがたたまれ、それを小槌に収納する。


 それから、朝のご飯の用意っと言ってもまた、誰かの小槌から出すだけ


……何だが、今回は、俺の小槌から、『ケーゼクノップフリ』と言う


パスタを出す。


夕食のように各自の皿に鍋に入った『ケーゼクノップフリ』を分けて行く。


 この『ケーゼクノップフリ』って料理は、日本で言う所謂、スパゲティ


の麺……と言ってもかなりやわらかい……が、これに揚げた玉ねぎと、


すりおろしたチーズを掛けた料理。


 実は今回俺や三毛猫オトアだけでなく、シェリーさんとタミー


さんも食べたことのない料理だった。


「「「「いただきますw」」」」


皆で手を合わせ『ケーゼクノップフリ』をいただく、今回は三毛猫オトア


の分を細かくする必要はない。


 食べた俺の感想としては、麺はやわらかくスパゲティと言うより、


縮れたうどん!?かな、それと、かなりチーズが効いている。


 始めは”んっ”って感じだけど、なれれば、食べれるって感じかな。


「「「「ごちそうさまでした」」」」


皆で手を合わせ、片付けをすると言っても、”泉の水筒”の


水を使い、各自の皿を洗い、小槌に収納するだけだけどね。


(毎度毎度、楽でいいね)













 昨日、テントを張ったところから歩くこと約1km。


「うっわ!」


「うわぁ~!」


「なにこれ!」


俺、シェリーさんタミーさんが自分達の前方を見て叫ぶ。


「「「サーチャースコープ」」」



【小ワーム】


HP     100


MP      40


運動性   70


攻撃力   80


防御力   40


命中      68


回避 60


×400



 俺達が驚くのは魔物の強さではなく、数。


全長0.5mの俺達世界の田舎に出る蛇くらいの大きさだし、


口から溶解液を吐くんだが、その溶解液は、岩石を溶かせる


が、鉱物、金属を溶かすほどの威力はない。


だが、問題はその数400匹。


それが、地面といい、壁といい、天井といい……。


そこら中から、生えているって感じ、しかもこの【小ワー


ム】冒険者ギルドでは引き取ってくれない言わば無価値。


無価値だからと言って、放ってはおけないのだが……。


 目の前の魔物の暴力的な数に、俺達は絶望するのだった。



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