195話 耐えるオトア
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-----(第三者視点)------☆
押さえようとする右手を跳ねのけダリウス(オトア体)の左手は、なおも
\パチン/
\パチン/
\パチン/
と自身の頬を叩く。
「えぇ~い!」
言うことを聞かない左手を無理やり右手で押さえつける……。
と、今度は口が勝手に呟きだした。
「て・テンタ君を返せ……」
自身の意思とは関係なしに呟く自分の口に驚くダリウス(オトア体)。
(あの女の魂と儂の魂は完全に同化したはず……なのに)
ダリウス(オトア体)は、オトアの意思が自身の体に影響を与えることに
困惑する。
その時、ダリウス(オトア体)は絶叫する。
「返せぇ~テンタ君をぉ―――!!」
その絶叫した自身の言葉にダリウス(オトア体)は、
『ありえん!ありえんのだ』
と憤慨したように叫ぶ……が、
「いやぁ―――!!!」
再び狂ったように叫び、自身の頭を抱えてその場に膝まづく。
(いかん、このままでは……)
ダリウス(オトア体)は、そう心で呟くと、
\ウォーッ!/
と叫び声をあげながら、すっくと立ちあがり、自身を紫の炎で
包み込んだ。
\ぼっ/
「キャァ――――ッ!!!」
この悲鳴はダリウス(オトア体)ではなくオトアの悲鳴。
『熱い……だろ、痛いだろ……このまま、意識を失え!』
ダリウス(オトア体)は自身の肉体にダメージを与えることにより、
オトアの意識を失くそうとしている。
しかし、その苦痛は、オトアだけでなく自身にもダメージを与える
ものだった。
\ぼ~/
『っく、』
「きゃ~!!」
オトアとダリウス(オトア体)は、熱さと痛みに共に悶絶する。
『ええ~い、早くくたばれ女!』
「っく……か・え・せ……」
『なかなかしぶといな……ならば!』
\おぉおおおおおっっ‼/
\\ぼ~//
ダリウス(オトア体)は、雄たけびを上げながら自身を包み込む紫の炎
の火力をさらに増す。
「っく……っく……か・ぇ・せっ……」
熱さとそれに伴う痛みで意識が飛びそうになりながらも耐えるオトア
だった。
◇
「ぅっく……」
デーモンレディー(マヤ)は、※4ナイアルラトホテップが放つ無数の
岩の矢を避けたのだが……うちのすべては避け切れず、そのうちの1矢
がデーモンレディー(マヤ)の左肩を射抜いていた。
本来、デーモンレディー(マヤ)には超速再生の能力があるのだが、
ダリウス(オトア体)が召喚した悪魔時空の中ではその能力が極端に
制限されている。
肉体の再生はされるものの、その速度はかなり遅い。
(何とか、間合いを詰めないと……)
デーモンレディー(マヤ)は自身の攻撃がすべて※4ナイアルラトホテップに
防がれる中、毒の尻尾攻撃をするため、間合いを詰めようと考え、何度か
試みるも、※4ナイアルラトホテップはそれを許さないでいた。
その時であった。
上空から、
「ルビニューム光線!」
という叫びと共に
”ピー”========
突然、ルビー色の光線が※4ナイアルラトホテップの頭部を襲う。
\\ズバーン//
※4ナイアルラトホテップの頭部が吹っ飛び※4ナイアルラトホテップ
は一瞬動きを止めた。
その一瞬の隙を突いて、デーモンレディー(マヤ)は※4ナイアルラト
ホテップの懐に飛び込むと、自身の尻尾の先を※4ナイアルラトホテップ
の左の足の付け根に突き刺した。
その数秒後、※4ナイアルラトホテップの体は砂となり、その場から
消えて行くのだった。
「ルビー柱~w」
と上空に居るクリスタルマンルビー(カラン)に手を振るデーモンレデ
ィー(マヤ)に、クリスタルマンルビー(カラン)は言う。
「早くテンタの元に行こう!」
それに対し、デーモンレディー(マヤ)は頷きかけたが……。
「その前に、ザマタン達を檻から出さないと」
とクリスタルマンルビー(カラン)に言うが、クリスタルマンルビー
(カラン)はその言葉に首を傾げ、
「檻!?」
と言うと、デーモンレディー(マヤ)は自身が指さした方を見て、
「ほら……ってあれ!?」
※4ナイアルラトホテップが喪失して、閉じ込められた檻が消え、デーモン
レディー(マヤ)の方に飛んでくるザマタン達が見え。
「ああ、檻から出られたのね」
と一人納得するデーモンレディー(マヤ)だった。
◇
”ピー”=====
((((ビヨ~~ン))))
\パッ/
「あっ!くそっ!」
相変わらず、クリスタルマンエメラルド(ガレン)と怪鳥
ウインタム(銀色の鳥)の光線と超音波を攻撃を※2ショ
クズは、自身のテレポート能力で回避していたが……。
回避するためテレポートした先にクリスタルマントパーズ
(グロル)が居た。
クリスタルマントパーズ(グロル)は自身の前に現れた
※2ショクズに対し、必殺のトパニューム光線を放つ。
”ピー”=====
\\ドッカーン//
クリスタルマントパーズ(グロル)の放ったトパニューム
光線を浴びた※2ショクズ は大爆発を起こし粉々に散る
のだった。
「兄さん、急ぎましょう」
※2ショクズ の大爆発を見て、クリスタルマントパーズ
(グロル)は、クリスタルマンエメラルド(ガレン)に向け
そう言うと、クリスタルマンエメラルド(ガレン)はそれに
「ああ」
と言って頷き、クリスタルマントパーズ(グロル)と共に
怪鳥ウインタム(銀色の鳥)を連れ、テンタの元に向かうの
だった。
◇
※3イタカと対峙するクリスタルマン(ニム博士)。
2人が睨み合いをする中、クリスタルマン(ニム博士)の側に
クリスタルマンサファイア(ルフーン)が現れた。
「兄さん!」
とクリスタルマンサファイア(ルフーン)が、クリスタルマン
(ニム博士)に声を掛けると、クリスタルマン(ニム博士)は
クリスタルマンサファイア(ルフーン)の方をみて黙って頷く。
それを見たクリスタルマンサファイア(ルフーン)も頷き、
2人は※3イタカを見ると、まず、クリスタルマン(ニム博士)
が、クリスタル念力で※3イタカの動きを封じる。
そして※3イタカの動きが停まった所で、クリスタルマンサファ
イア(ルフーン)光線を放つ。
”ピー”=================
クリスタルマンサファイア(ルフーン)は自身の必殺光線を※3
イタカの体全体にまんべんなく照射させ、※3イタカを弱らすと、
すかさず、クリスタルマン(ニム博士)はクリスタル念力を解き、
再び自身の必殺光線を放つ。
”シャー”=====
\\ドッカーン//
※3イタカは大爆発を起こし、爆発四散するのだった。
それを見たクリスタルマン(ニム博士)は、クリスタルマン
サファイア(ルフーン)に言う。
「急ごう!」
その言葉にクリスタルマンサファイア(ルフーン)は、
「はい」
と返事を返し、2人はテンタの元に向かうのだった。
◇
”ビシューン”=====
”ビシューン”=====
シェリーとタミーは同時にファイザー銃のビームを放つ。
と、
「バルジャン~ダイナミック!!」
バルジャン(トム)は必殺剣技を放った。
\\ズバーン//
\グェ~/
※1アザートホースは悲鳴をあげるが……。
バルジャン(トム)の必殺技の剣技も※1アザートホースに
深手を負わせるものの、致命傷は与えられないでいた。
「くっそっ!!」
毒づくバルジャン(トム)だったが、※1アザートホースに
異変が起こる。
体がブルブルっと震えたかと思うと、※1アザートホース
の側に1体の魔人を召喚した。
「何だ!」
「えっ!」
「あっ!」
それを見て驚くバルジャン(トム)にシェリーとタミー。
3人の目の前に現れたのは身長70mの巨大な半魚人
※5ダゴンだった。
3人はその魔人にすぐさま攻撃を仕掛ける。
バルジャン(トム)、シェリー、タミーの3人は、
同時にファイザー銃を放つが………。
”ビシューン”=====
”ビシューン”=====
”ビシューン”=====
※5ダゴンの表皮には粘液性の液体が覆っており、それが
3人のビーム攻撃を弾く。
「えぇ~いクソ!」
毒着くバルジャン(トム)だったが、そんなバルジャン(トム)
達に※5ダゴンは口から体液を吐き浴びせる。
\\ブッシャ!//
「あっ!」×3
※5ダゴンの体液を浴びた3人が思わず声をあげる。
\シュルシュルシュル/
※5ダゴンの体液を浴びた3人のコンバットスーツが、煙を
上げながら溶けだした。
「ヤバイ!!!」×3
バルジャン(トム)、シェリー、タミーの3人は思わず声を
あげるのだった。
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※1アザートホース 最古の魔王で毬藻の親分
※2ショクズ 大きな丸い岩の集合体のようなもので、
それぞれの丸い岩には赤い目が1つある
※3イタカ 目が青く光る巨人って感じで、手の指が
長くする鋭い爪が生えている
※4ナイアルラトホテップ
馬の蹄の節がある2本の足に頭部は鞭の
様で、顔が無く大きな3本爪の巨人
※5ダゴン 巨大な半魚人 体の表皮の粘液性の液体が
敵の攻撃を防ぐ。




