192話 焦り
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------(テンタ視点)------☆
突然、クリスタルの中のオトアは目を開き、俺を”ジロ”と
見た。
「お・オトア!」
俺が思わずそう叫んだ瞬間、
\\ビリビリ//、\\バリバリバリ~//
突然、オトアの入っているクリスタルにヒビが入ったかと思うと
\\バリバリバリ~//、\\ガラガラガラ//
とクリスタルが崩れ去り、中からオトアが出てくる。
「オトア!」
俺は思わずオトアに駆け寄ろうとした時だった。
「我の眠りを妨げたのは貴様か!」
とオトアは俺に言うのだった。
そうだった……こいつはオトアではなくダリウス(オトア体)だ。
頭では分かっている……分かっているんだが、どうしても……。
と考えていたら、突然、ダリウス(オトア体)の拳が俺に飛んでくる。
「おっと!」
俺はそれを後ろに飛んで避ける。
俺は、腰の後ろにある刀さんの柄を握るが……。
(こいつの体毛は刀さんの刃が通らなかったんだよな)
と思い柄から手を放す。
「おのれ~!!」
ダリウスが今度は俺に向け、魔弾を何発も放ってくる。
\\パシューン//、\\パシューン//、\\パシューン//
「おっと!」
それを何とかかわしながら、俺は再び考える。
(何とか奴の魂とオトアの魂を分離できないものか……)
とその時だった。
近くに止めてあった『ウルバリアン』が急に浮上し、プラズマ
カノン砲で攻撃した。
〇”バシューン”======
〇”バシューン”======
「おい!」
俺は焦り思わずそう叫ぶ。
\\バッコン//、\\バッコン//
\ジュー/
2発放たれたプラズマカノン砲の内、1発がダリウスの腹に
命中する。
「ぅっぐ……」
腹を押さえ屈みこむダリウス。
(ウルバリアン勝手なことするなよな!、オトアが死んだらどうする)
と俺が思いながらも、プラズマ砲が命中したダリウス(オトア体)の腹を
よく見て見ると……。
プラズマ砲が当たった腹の体毛が溶け、むき出しの肌が見える。
(んっ……これは)
俺はそう思い、悪魔核を破壊する波動を放つ手裏剣を手に取る。
\シュッ/、\シュッ/、\シュッ/
俺は3枚の星形手裏剣をダリウスの体毛が溶け、肌がむき出しの
腹へと投げつけた。
((((クルクルクル))))
\ブシュッ/、\ブシュッ/、\ブシュッ/
俺が投げた手裏剣は見事ダリウス(オトア体)のむき出しの腹へと
刺さる。
「っなぁはっ!……」
手裏剣の真ん中にあるクリスタルが点滅する。
\ピカ/、\ピカ/、\ピカ/
「ぐわぁ~!!!おのれ!」
ダリウスはそう叫ぶと、全身から黒い光を放つ。
ダリウス(オトア体)が放った黒い光は、俺を襲った。
が、しかし、
俺の前に『ウルバリアン』がやって来て俺を庇う。
\\\ボカーン///
俺を庇った『ウルバリアン』は、ダリウス(オトア体)が放つ
ら黒い光を浴びて爆発四散した……と同時に俺はその爆風を
受け飛ばされるのだった。
「うわぁ~!!!」
◇
-----(第三者視点)------☆
「トリプルバスター!!!」
”ビシューン”=====
”ビシューン”=====
”ビシューン”=====
バルジャン(トム)、シェリー、タミーの3人は、
同時にファイザー銃を放つが………。
※1魔王は、毬藻のような体から、
紫の光線を放ち、それを防ぐ。
「っくっそ!」
それを見て悔しがるバルジャン(トム)。
バルジャン(トム)は内心焦っていた。
(早く、テンタの元に行ってやらねば……)
と、
だが、バルジャン(トム)の焦りと裏腹に、※1魔王は、
トム達の攻撃を全く受け付けなかった。
◇
”ピー”=====
((((ビヨ~~ン))))
\パッ/
クリスタルマンエメラルド(ガレン)と怪鳥ウインタム
(銀色の鳥)が、光線と超音波を放つが、それを※2ショクズ
は、自身のテレポート能力で回避する。
「ったく、岩の癖にちょこまかと!」
クリスタルマンエメラルド(ガレン)はそれを見て悪態をついた。
クリスタルマンエメラルド(ガレン)もまたバルジャン(トム)
同様に焦っていた。
(早く、テンタの元に行ってやらねば……)
と、
◇
”シャー”=====
必殺のクリスタリューム光線を放つクリスタルマン(ニム博士)。
しかし、自身の周りに高速に回る渦を作り防ぐ※3イタカ。
「う……む」
自身の必殺光線を弾かれ考えるクリスタルマン(ニム博士)。
(奴の竜巻を消さねば……)
と思いたったクリスタルマン(ニム博士)は、自身も高速に回転
する。
するとクリスタルマン(ニム博士)の周りに竜巻が発生し、竜巻
の中に居たはクリスタルマン(ニム博士)はそのまま上空へと飛び立ち、
自身の発生させた竜巻から逃れると、クリスタル念力を使いその竜巻
を※3イタカの発生させる竜巻とぶつけ相殺させる。
と同時に再び、
”シャー”=====
クリスタルマン(ニム博士)の必殺光線を放つ。
クリスタルマン(ニム博士)の放った光線は見事※3イタカに
命中。
\\ドッカーン//
大爆発と共に※3イタカの腹に大きな穴を開けるが……。
その大きな穴はすぐさまふさがる。
(っく、超速再生か!)
その様子に心でぼやきながらも、クリスタルマン(ニム博士)
もまた焦っていた。
(早く、テンタの元に……)
◇
「デーモンディスチャージ!!」
☆\\バリバリバリ//☆
デーモンレディー(マヤ)は、目の前の※4ナイアルラトホテップ目掛け、
全身から高圧電流を放つが……。
※4ナイアルラトホテップは素早く自身を岩のドームで包みこみそれを
防ぐ。
デーモンレディー(マヤ)と一緒に戦っていたはずのザマタン(エディー)
、イマタン(ジェシー)、ガマタン(チャド)は、※4ナイアルラトホテップ
が作り出した岩の檻に閉じ込められている。
デーモンレディー(マヤ)は考える。
(何とか奴の懐に飛び込まないと……)
そう、必殺技のすべてを防がれているデーモンレディー(マヤ)だが、
実はデーモンレディー(マヤ)にはまだ奥の手が残っていた。
彼女の尻尾から出る毒だ。
この毒は、悪魔を含めすべての魔物に効く毒なのだ。
(何とか……奴の懐に飛び込まないと……)
デーモンレディー(マヤ)は慎重に※4ナイアルラトホテップと
間合いを取りながら考えるのだった。
◇
「漆黒よりも暗きもの 死と運命を統べる王 汝の暗き祝福で
永久の闇の檻にあやつを閉じ込めよ」
闇の精霊ドラハダスが呪文を唱えると、巨大な7つ首のドラゴン
(ヤブー)は自身の視界を奪われた。
「な・なんだと!!」
驚く巨大な7つ首のドラゴン(ヤブー)だったが、奪われたのは
視界だけではなかった。
視覚はもちろん、聴覚、嗅覚などの五感だけでなく、魔力感知等の
感覚おも奪われていたのだった。
「何だこれは、何も見えん、何も聞えん……何も……感じん}
そう戸惑いの声をあげるが、巨大な7つ首のドラゴン(ヤブー)
自身の声も巨大な7つ首のドラゴン(ヤブー)は聞こえていなかった。
巨大な7つ首のドラゴン(ヤブー)は焦っていた。
(早く、ダリウス様の元に行かねば……)
焦りすぎて、7つ首のドラゴン(ヤブー)は、悪魔闘気を全開ししながら、
7つの首それぞれから、炎、水刃、稲妻、冷気、岩の槍、風刃、重力波
を放つが、自身の纏う悪魔闘気によりそれはすべて、無に帰って行く。
その様子をじっと眺めている7人の精霊と三毛猫。
見つめながら7人の精霊の1人闇の精霊ドラハダスが、三毛猫に
向かって言う。
「自身の魔法を自身の悪魔闘気で消す……もって30分ってとこですかねぇ
お姉さま」
その所場に黙って頷く三毛猫だった。
◇
------(テンタ視点)------☆
俺は爆風で飛ばされほんの少し気を失っていたようだ。
「ぅう……」
気が付いた俺の視界にダリウス(オトア体)の足が目に入った。
「お・とあ……」
俺がそう小さく呟くと、
「ふん!」
とダリウス(オトア体)は言って、俺を蹴とばした。
\ドスッ/
「ぅがっ」
俺は再び地面を転がった。
そして、そんな俺を見たダリウス(オトア体)は、
「ふん、たかが人間の分際で今まで儂にたてつきよって」
と吐き捨てるように言うと、
「お前はここで死ね」
と言い、魔法で剣のようなものを出すと、それを俺に向け
刺そうとした時だった。
\\グギャー//
と言う獣の雄叫びのような叫びが聞こえる。
「な・なんだ」
ダリウス(オトア体)は一瞬動きを止め、雄叫びが聞える方を見る。
そこには、巨大な7つ首のドラゴン(ヤブー)が悪魔闘気を全身から
放ちながら、7つの首からそれぞれ、炎、水刃、稲妻、冷気、岩の槍
、風刃、重力波を放つものの自身の放つ悪魔闘気で吐いた側からそれら
が消えて行くのが見える。
それを見てダリウス(オトア体)は、
「何をしているのだヤブー……」
と呟くが、その巨大な7つ首のドラゴンの傍らにいる三毛猫
率いる8大精霊の姿を見て再び
「おのれ、ドラハダスめ」
と8大精霊を睨みながら苦々しく言うのだった。
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※1アザートホース 最古の魔王で毬藻の親分
※2ショクズ 大きな丸い岩の集合体のようなもので、
それぞれの丸い岩には赤い目が1つある
※3イタカ 目が青く光る巨人って感じで、手の指が
長くする鋭い爪が生えている
※4ナイアルラトホテップ
馬の蹄の節がある2本の足に頭部は鞭の
様で、顔が無く大きな3本爪の巨人
※5悪魔公爵ヤブー ミノカサゴの頭で体は蟹の甲羅状で覆われた男
エードラム光の精霊
ドラハダス闇の精霊
チニャ 火の精霊
ギィー 風の精霊
イシュカ水の精霊
シュナーフタ冷気の精霊
イハル 土の精霊
トールナッハ雷の精霊




