184話 満身創痍
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-----(第三者視点)------☆
クリスタルマンルビー(カラン)は両手に持った2本の斧を
高らかにあげると……。
「今だ、ファイザー砲発射!」
「ラジャー」
ニム博士の命令にボギ133が返事を返すと
同時にファイザー砲の発射ボタンを押す。
”ビシューン”======
『クリスタルフェニックス』の先端から発射されたビームは、クリス
タルマンルビー(カラン)がかざすお2本の斧に命中する。
\\ビシャーン//
ビームが命中した2本の斧が光り輝くと。
それをクリスタルマンルビー(カラン)は、『ヘカトンデーモン
サイクロプス ドラゴン』目掛けて投げつけた。
”ビユーン”======
((((クルクルクル))))
\\シュポッ//、\\シュポッ//、\\シュポッ//
\グギャー/×10
次々と『ヘカトンデーモン サイクロプス ドラゴン』の首を
飛ばし、続いて首がなくなった『ヘカトンデーモン サイクロ
プス ドラゴン』の体目掛け、
「ルビニューム光線!」
”シャー”============
\\ドカーン//、\\ドカーン//、\\ドカーン//
首を失った『ヘカトンデーモン サイクロプス ドラゴン』
の体たちは、クリスタルマンルビー(カラン)の必殺の光線
を受けて爆発四散するのだった。
◇
一方、クリスタルマントパーズ(グロル)と、クリスタルマン
サファイア(ルフーン)は、遮光器土偶に似た『ヘカトンデーモ
ンバンドック』と対峙していた。
「ティァ!」
クリスタルマントパーズ(グロル)が持っていた槍を『ヘカトン
デーモンバンドック』に投げつけると同時に、クリスタルマン
サファイア(ルフーン)は、『ヘカトンデーモンバンドック』
の後ろに回り込み、背中を斬りつける。
「テーイ!」
\カキーン/
\カーン/
しかし、クリスタルマントパーズ(グロル)の投げた槍は、
弾かれ、斬りつけたクリスタルマンサファイア(ルフーン)の
剣の刃も跳ね返した。
「っくそ!」
「硬い!」
クリスタルマントパーズ(グロル)と、クリスタルマン
サファイア(ルフーン)は、そう呟く。
すると、『ヘカトンデーモンバンドック』は自身の正面に居る
クリスタルマントパーズ(グロル)の方を見て、薄目を開けた
状態から目を見開き……見開いた両目から光線を放つ。
”ピー”============
「んっ!」
クリスタルマントパーズ(グロル)は慌てて、持っていた槍を
捨て、両手でバリアを張り光線を防ごうとするが……。
\\バッキーン//
クリスタルマントパーズ(グロル)の張ったバリアは、粉々に
砕かれ、光線を浴びたクリスタルマントパーズ(グロル)は
そのまま吹き飛ばされる。
((((くるくるくる))))
吹き飛ばされた勢いで空中を回転しながら地面に落ちて行く
クリスタルマントパーズ(グロル)。
「グロル兄さん!」
それを見ていたクリスタルマンサファイア(ルフーン)は、
思わず叫ぶ。
と、
地面すれすれで体勢を立て直し、何とか地面手前で踏ん張る
クリスタルマントパーズ(グロル)。
「ふ~あぶねえ、あぶねぇ」
と一人ごちるクリスタルマントパーズ(グロル)。
また、クリスタルマントパーズ(グロル)の様子に
安堵の表情を浮かべ。
「ふぅ~」
と息を吐くクリスタルマンサファイア(ルフーン)だったが、
そんなクリスタルマンサファイア(ルフーン)に対し、
『ヘカトンデーモンバンドック』はゆっくりと首を回し、
真後ろを向く。
「えっ!」
急に真後ろを向かれたクリスタルマンサファイア(ルフーン)
は絶句するが、そんなクリスタルマンサファイア(ルフーン)
に向け、『ヘカトンデーモンバンドック』は、クリスタルマ
ントパーズ(グロル)と同じように目を見開き、
”ピー”============
と光線を放った。
「やっば!」
クリスタルマンサファイア(ルフーン)も慌てて持っていた剣
を捨て、『ヘカトンデーモンバンドック』の放つ光線を防ごうと
バリアを張るが……。
\\バッキーン//
「グわ~!」
”ビユーン”============
\\ドッカーン//
光線を浴びたクリスタルマンサファイア(ルフーン)は、
そのまま吹き飛ばされ氷で出来た山脈の斜面に激突した。
「うっぅ……」
”ビユーン”============
それを見たクリスタルマントパーズ(グロル)が心配し、
クリスタルマンサファイア(ルフーン)のもとに飛んできて、
「大丈夫かルフーン!」
と心配そうに声を掛けると、クリスタルマンサファイア(ルフ
ーン)は頭を左右に振りながらゆっくり立ち上がり、
「……っ、ええ……なんとか」
とクリスタルマントパーズ(グロル)に答えた。
すると、クリスタルマントパーズ(グロル)は少し険しい顔で、
「こうなったら……あれを使うしかないか……」
と呟くと、それを聞いたクリスタルマンサファイア(ルフーン)
は、クリスタルマントパーズ(グロル)の顔を覗き込み言う。
「グロル兄さん、あれを使うとは?……」
と疑問を口にすると、クリスタルマントパーズ(グロル)は、
クリスタルマンサファイア(ルフーン)の方を見て額を指さし、
「これだよ」
と言うと、クリスタルマンサファイア(ルフーン)は驚き、
「えっ、まさか!あれを使うつもりですか!?」
とクリスタルマントパーズ(グロル)の顔を見ながら聞くと、
「あいつはこれを使わなきゃ倒せない」
と答えるクリスタルマントパーズ(グロル)に、クリスタル
マンサファイア(ルフーン)は、困惑した顔で、
「でも、アイツを倒せてもまだ、ベビルデーモン達が残ってい
るんですよ……」
と言うと、クリスタルマントパーズ(グロル)は、クリスタ
ルマンサファイア(ルフーン)に向かってニッコリ笑い。
「大丈夫さ、クリスタルマンルビー(カラン)もまだ戦えそ
うだし、『クリスタルフェニックス』も健在なんだから、
後は兄さん達が何とかしてくれるって」
と言うと、その言葉にクリスタルマンサファイア(ルフーン)
も覚悟が決まったのか、
「わかりましたやりましょうグロル兄さん」
と言い、お互いが頷きあい、
「ティァ!」
「テーイ!」
と叫びながら『ヘカトンデーモンバンドック』のもとに
飛び立つのだった。
◇
『ヘカトンデーモンバンドック』の前に来たクリスタルマン
トパーズ(グロル)とクリスタルマンサファイア(ルフーン)
は自身の額にある「トパーズクリスタル」と「サファイア
クリスタル」を外し手に取るとそれを高らかにかに上げると、
それぞれの「トパーズクリスタル」と「サファイアクリスタ
ル」は黄色い光の球と青い光の球に代わり、どんどんと大き
くなり、やがてその2つの光球が一つになり、『ヘカトンデ
ーモンバンドック』目掛けて飛んで行く。
それを見て、『ヘカトンデーモンバンドック』は慌てて
目を見開き光線を撃つが、
”ピー”============
クリスタルマントパーズ(グロル)とクリスタルマンサファイア
(ルフーン)が作った大きな光球の光の圧力に負けてビームが
拡散するだけでなく、『ヘカトンデーモンバンドック』の放つ
悪魔闘気もその大きな光球の光の圧力に負け吹き飛んでしまう
のだった。
一方、その光の球を放ったクリスタルマントパーズ(グロル)
とクリスタルマンサファイア(ルフーン)の2人は、光を放った
後、目から光が消え、体をだらんとさせたかと思うとそのまま
その場から落下する。
そしてその落下の途中2人は、クリスタルマントパーズとクリ
スタルマンサファイアの姿から、元の人の姿へと変わりながら
更に地面に向かって落下するのだった。
◇
そのころ、クリスタルマンルビー(カラン)と共に『ヘカト
ンデーモン サイクロプス ドラゴン』と戦っている『クリス
タルフェニックス』の操縦席では、ボギ133が、地面目掛けて
落下して行くグロル(クリスタルマントパーズ)とルフーン
(クリスタルマンサファイア)に気づき、同乗するニム博士
(クリスタルマン)とガレン(クリスタルマンエメラルド)
に報告する。
「コウエネルギーガ、テキ ヘカトンデーモンバンドック
ノ ズジョウニ シュツゲン!」
その言葉に、ニム博士とガレン(クリスタル
マンエメラルド)は驚き、
「なっ・何!」×2
と声をそろえて言いながら『クリスタルフェニックス』の操縦席
にある大型モニタを見る。
「まぁっ・まさか!グロル達あれを使ったのか!」
『ヘカトンデーモンバンドック』の頭上にある光の球を見て
ガレン(クリスタルマンエメラルド)は声をあげると、その言葉に
ニム博士は冷静に、
「ああ、あれは間違いなくクリスタルフォースだ」
と答えると、ガレン(クリスタルマンエメラルド)は険しい顔で
「何て……無茶を」
と呟くが、それを聞き流して、ニム博士は
ボギ133に命令する。
「直ちに2人をこちらに転送してくれ」
「ラジャー」
ボギ133は、ニム博士の命令に2人の転送を
試みるが……。
「ダメデス ラッカソクドガハヤスギテ テンソウ ロック
デキマセン」
と報告をすると、それを聞いたガレン(クリスタルマンエメラルド)は、
「えぇ~い!」
と言い捨てるように言うと慌てて『クリスタルフェニックス』の操縦席
から飛び出すのだった。
◇
\ガチャ/
『クリスタルフェニックス』の機体の外に出たガレン(クリスタルマンエ
メラルド)は、ジャケットの内ポケットから1枚のカードを出し叫ぶ。
「頼むぞ!ウインタム」
するとカードから光が飛び出し、見る見る大きくなるとそこには
銀色の怪鳥ウインタムの姿があった。
怪鳥ウインタム(銀色の鳥)はすぐさま地上に向けて落下するグロル
(クリスタルマントパーズ)とルフーン(クリスタルマンサファイア)
のもとに飛んで行く。
怪鳥ウインタム(銀色の鳥)は、地面すれすれでグロル(クリスタル
マントパーズ)とルフーン(クリスタルマンサファイア)を自身の背中で
受け止め、主人の待つ『クリスタルフェニックス』の方へと向かうのだっ
た。
その間に『ヘカトンデーモンバンドック』の頭上にグロル(クリスタルマ
ントパーズ)とルフーン(クリスタルマンサファイア)が自身の全エネル
ギーと引き換えに作った光の球『クリスタルフォース』はどんどんと
『ヘカトンデーモンバンドック』の方に落下し、やがて『ヘカトンデー
モンバンドック』の体全体をその光の球の中に包み込んだ。
\ミシッ/、\ミシッ/、\ミシッ/、\ミシッ/、
光の球に包まれた『ヘカトンデーモンバンドック』の体にひびが入り、
そして
\\バキバキバキ//
と粉々に砕け散るのであった。
◇
\ガチャ/
ボギ133に手伝ってもらい気絶するグロル(クリスタルマントパーズ)
とルフーン(クリスタルマンサファイア)を『クリスタルフェニックス』
の操縦席後ろの席に座らせると、ガレン(クリスタルマンエメラルド)は、
操縦席前方にるニム博士に向かって、
「戦況は?」
と聞くと、ニム博士は、ガレン(クリスタルマンエ
メラルド)に向かって、
「ああ、今、クリスタルマンルビー(カラン)がすべての『ヘカトンデーモン
サイクロプス ドラゴン』を倒したところだ」
と答えると、
ガレン(クリスタルマンエメラルド)が、
「じゃぁ、後は……」
と言いかけると、ニム博士は頷きながら、
「ああ、後はベビルデーモンだな」
そんな会話をしている時だった。
「ウハハハハハァ~!!」×2
この空間中に響くように聞こえる男女の声。
「どこだ!出てこい」
とクリスタルマンルビー(カラン)が真っ暗な空に向かって叫ぶと。
クリスタルマンルビー(カラン)と『クリスタルフェニックス』の
前に\パッ/と現れる男女。
男は、黒い梟の顔で体が狼の毛で覆われ尻尾が蛇の姿で、女は、
紫の髪に緑色の体色で、顔には目のみの姿をしていた。
そして男が、
「我が名はメフィレス!」
と名乗り、続いて女が、
「我が名はコース」
と名乗った。
そして、クリスタルマンルビー(カラン)と『クリスタルフェニックス』
に向かってメフィレスが、
「満身創痍……だなクリスタルマン達」
と上から目線で言うと、それにクリスタルマンルビー(カラン)が言い返す。
「何だと、満身創痍はお前達ではないのか」
とメフィレスとコースは、再び
「フフフフッ」×2
と笑うと、メフィレスとコースは2人声をそろえて、
「これでもそんな事が言えるのかな」×2
と言うや否や。
「ボティス!」×2
と2人同時に叫ぶと2人は黒い煙に身を包む。
そして2人が身を包んだ黒い煙が徐々に巨大化し、
現れた姿は……。
漆黒色の3首のドラゴン(メフィレス)と赤と紫の2首の
ドラゴン(コース)だった。
そして漆黒色の3首のドラゴン(メフィレス)は言う。
「さぁ~て、この我等にクリスタルマンルビー(カラン)と
そのチンケナ乗り物だけで我らに勝てるとでも……」
と半ば自分達が勝ったと言わんばかりに、クリスタルマン達に
言うのだった。




