176話 決戦その1
カクヨムにても同時掲載しています
https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457
------(テンタ視点)------☆
「次元移動魚雷 発射!」
『クリスタルフェニックス』に乗るニム博士
の号令と共に一斉に魚雷を発射する。
\\ボシュッ//、\\ボシュッ//、\\ボシュッ//。
一斉に放たれた次元移動魚雷は、発射されると同時に
\シュポッ/、\シュポッ/、\シュポッ/、
\シュポッ/、\シュポッ/
と消えて行き、しばらくすると……。
\\ゴー//
と言う唸り声のような音と共にそれは現れた。
ゆっくりと、上部より現れたそれは、山羊の頭蓋骨
って感じの高さおよそ300m、幅約150mの
大きさのものだった。
「これが奴らの拠点か!」
とレーザー通信からニム博士の
驚きの声が聞える。
(大きいと言ってもそれほど……)
と俺が心に思った瞬間だった。
\\ズン//
と言う音と共に、それは3倍ほどの大きさになる。
「おお!」
各自がそれを見て驚きの声をあげる中、それは、
大きな口を開けると……。
\\ビユーン//======
「あ!」
「ぐぅ!」
すさまじい風と共に俺達を飲み込んで行くのだった。
◇
「うっ……」
真っ先に気が付いたのはトム(バルジャン)さん。
「みんな大丈夫か!」
と俺を含むメンバーに声を掛ける。
「ああ」
「はい」
その声にガイゼル(ガンボー)さんと俺が答えると、
「ミリー、アナ大丈夫か?」
とガイゼル(ガンボー)さんが側に居たミリー(トム妻)さん
とアナ(ガイゼル妻)さんに声を掛ける。
「ええ」
「わたしは大丈夫だべ」
その声にミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さん
は無事だと答えると、
「シェリー、タミー」
とトム(バルジャン)さんが娘を心配し声を掛けるが、
声を掛けられた2人は、頭をぶつけたらしく自身の頭を
押さえながら、
「ええ、パパ、何とか無事よ」
「頭ぶつけた、いったーいよ、パパ」
と姉のシェリーは父親の気遣いに強がるが妹のタミーは、
父親に痛みを訴えると、母親のミリー(トム妻)が、
「大丈夫よタミー血は出てないから」
と頭を手で押さえるタミーの手を退け、頭の傷を確認
しながら言う。
そんな様子をよそにトム(バルジャン)さんが、戦闘車
バビオンのナビゲーターを務めるアンドロイドのボギ110
に聞く。
「ボギ110現在位置は?」
その言葉にアンドロイドのボギ110は、
「ワカリマセン ドコカノ アクウカン ノ ヨウデス」
と答えた。
「亜空間……」
とボギ110の答えにトム(バルジャン)さんがそう呟くと、
横に居たガイゼル(ガンボー)さんが、トム(バルジャン)さん
に言う。
「悪魔時空……ってことか、トム」
その言葉にトム(バルジャン)さんが頷き
「ああ、おそらく……」
と答えた時だった。
「キョダイナ セイブツガ キュウソク セッキン シテキマス」
とアンドロイドのボギ110が告げる。
「「何っ!!」」
その言葉にトム(バルジャン)さんとガイゼル(ガンボー)さんが
声をそろえて驚き、前方のスクリーンに全員の目が注がれた時だった。
≪テンタ、探したぞ≫
と俺の頭に聞きなれた奴の声がした。
と同時に画面を見入る全員が声をそろえて言う。
「禍龍!!」×7
前方に迫る禍龍の姿を見て全員が緊張から一変して
笑顔に変わるのだった。
◇
-----(第三者視点)------☆
一方、別の場所では……。
「悪魔時空に引き込まれたか!」
ニム博士が叫ぶと、その横に居た
ガレン(クリスタルマンエメラルド)が、
「他のメンバーは!」
すかさずクリスタルフェニックスのナビゲートをしている
ボギ133に聞く。
「他のメンバーは!?」
するとガレン(クリスタルマンエメラルド)に聞かれた
ボギ133は亜空間レーダーを見て言う。
「コノクウカンニ ユウグンキ ガ 1キ アリマス」
と答えると、ニム博士がすぐさま
「どこのチームだ!」
と聞き返す。
すると、しばらく操作したボギ133は、
「スクリーンニ ダシマス」
と答え、その友軍機が映し出されると、
「チーム仮面ソルジャーのか」
と同じくスクリーンに目をやるグロル(クリスタルマント
パーズ)が声を上げた。
するとすぐさまニム博士がボギ133
に聞く。
「他は!?」
するとボギ133は
「ホカニ キエイハ アリマセン」
と答える。
その時だった。
真っ暗な空間に2人の声が響き渡る。
「ようこそ、クリスタルマン」
「ようこそ、仮面ソルジャー」
それは、※1メフィレスと※2コースの声だった。
そして、※1メフィレスが続けて言う。
「ここが、お前達の墓場になるのだ」
その声に、クリスタルフェニックス内で、カラン
(クリスタルマンルビー)が吠えた。
「そうはさせない!」
と同時に、ニム博士がボギ133
に
「すぐさま、仮面ソルジャーチームに通達!直ちに
戦闘態勢に入り、我々と共闘するように」
と告げると、ボギ133はすぐさま
「ラジャー」
と答え、仮面ソルジャーチームに連絡を取るのだった。
◇
また、別の悪魔時空では、
「ユウグンキハ、チームデビライザーとチームアメヒロ
ガノル シャトル1キ アリマス」
とチームゴライジャーのバリバリンのナビゲートを
するアンドロイドのボギ084が報告すると、チーム
ゴライジャーのリーダーであるチャック(サンライジャー)
がすぐさま通信を繋げてくれ」
と告げると、ボギ084は、
「ラジャー」
と答えるとすぐさまチームデビライザーとチームアメヒロ
が乗るシャトルに亜空間通信を繋げ、
「ツナガリマシタ」
と報告すると、正面のスクリーンにチームデビライザーと
チームアメヒロの面々の姿が映し出されると、チームアメヒロ
のキャロライン(サイキックレディー)が、チームゴライジャ
ーのリーダーであるチャック(サンライジャー)に聞く。
「支部長、いったいどうなってんの?」
それに対し、チャック(サンライジャー)は言う。
「わからん……が、恐らくここは悪魔時空だろう」
と答えるとチームデビライザーのマヤ(デーモンレディー)
が再びチャック(サンライジャー)に
「他のみんなは……」
と聞くとチャック(サンライジャー)は再び
「わからん……が、恐らくここの空間には我々だけだろう」
と再び答えると、チームアメヒロのキャロライン(サイキック
レディー)がチャック(サンライジャー)の言葉に呟く。
「おそらく、私達とは別の場所に飛ばされた……ってこと?」
その呟きにチームゴライジャーのヴィスタ(マッハライジャー)
が答える。
「おそらくな……」
その言葉に一瞬、重苦しい空気が流れるが、そんな空気を飛ばす
ようにチャック(サンライジャー)が叫ぶように言う。
「ここは敵の本拠地、みんな気を引き締めろ!」
その言葉に全員が”ハッ”としたように
「ラジャー!!」×11
と返答するのだった。
◇
そして残るは、チームバンダム。
ここはホワイトキャッスルをそのまま使っているのだが、
レーダーや各種センサーなどは、クレアド星人の物に
交換してあった。
「オペレータ!状況を報告」
とホワイトキャッスルのキャプテンのブライがオペレーター
に指示をするとオペレーターと呼ばれる男性が報告する。
「ここは、何処かの亜空間らしき場所です」
と報告すると、別のオペレーターが続けて、
「味方の友軍機なし、敵影なし」
と報告する。
あたりは真っ暗な空に地上には鉱物の山々や平原が見える。
「うーん、やはりここは悪魔時空……と考える方が
いいかもな」
とルーク(アロム)が呟くと、それに
「そうだな」
と同意するキャスバル(サー)に問いかけるフレヂー(スレンダー)。
「他の連中は?」
するとそれに、
「おそらく別の場所だろうよ」
と答えるゲルト(ダンバ)。
そしてその言葉を補足するようにキャスバル(サー)が言う。
「おそらく我々をバラバラにして各個撃破するつもりだろう」
その言葉にフレヂー(スレンダー)は、
「ホント、悪魔ちゃん達はお下劣な考えをするんだな」
と冗談ぽく道化て言った時だった。
「前方の平原に敵影を捕えました」
とオペラレーターの一人が叫ぶ。
するとキャプテンのブライがそのオペレーターに命じる。
「スクリーンに出せ!」
「スクリーンいだします」
命令を受けたオペラーターが画像をメインスクリーンに投影
すると……。
「何だこれ!?」
とそれを見て叫ぶゲルト(ダンバ)に、
「金属のゴーレムみたいだな」
とキャスバル(サー)が呟くと、それに
「俺達にはおわつらい向けな敵だぜ」
とにやりと笑うフレヂー(スレンダー)。
すると、ルーク(アロム)がキャプテンのブライに向かって
「ホワイトキャッスルはここの位置に固定!、迎撃には
俺達が出る」
と告げると、キャプテンブライは、
「はっ!」
と答え、すぐさまホワイトキャッスル操舵手のミラに
向けて言う。
「ホワイトキャッスル現在地に固定しろミラ」
その言葉に操舵手ミラは、
「はい、ホワイトキャッスル現在地に固定します」
と復唱し、ホワイトキャッスルを現在地に固定した。
それを見届けたルーク(アロム)達4人は、
ブリッヂから下のハンガーへと降りようとしたが、
その途中足を止め、キャスバル(サー)がキャプテン
ブライに向かって振り向くと、
「援護は任せたよ」
と言うと、キャプテンブライは、
「はっ」
と答えた。
その返事を聞いたキャスバル(サー)はブライに向かって
にっこりと笑いうとそのまま他のメンバー同様にハンガーに
降りて行くのだった。
そしてハンガーに降りた4人はまずは変身する。
「アロム、バンダム行きまぁ~す」
「スレンダーBファイター出る!」
「ダンバ・ダル出る!」
「サー、ザム出る!」
変身した4人はそれぞれ外部パーツを付け、壁に
立てかけてある自分達専用に宇宙船ジェイナスの量子プリンター
で作らせた専用ライフルを手に持ち、”ビッシューン”====
とカタパルトから次々と敵のゴーレムに向け飛び出して行くの
だった。
==========================
※1メフィレス(黒い梟の顔で体が狼の毛で覆われ尻尾が蛇の男)
※2コース(紫の髪に緑色の体色で、顔には目のみの女)




