175話 いぶりだし
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------(テンタ視点)------☆
「全機発進!」
ニム博士の号令のもと、俺達はチームごとの
シャトルに乗り出発する……。
訳なんだけどね……。
当初は、武装した全長20mの上陸艇5機と
チーム『バンダムチーム』のチームハウスであるホワイト
キャッスルで出撃予定だったが、色々あって今出撃するのは
、全長40mの宇宙と空両方飛べる大型戦闘機1機と、同じ
く全長40mで、2機のプロペラで浮上して、2つの垂直尾
翼に取り付けられたプロペラで推進する大型戦闘機1機に
全長25mのキャタピラで地上を走行できる高次元戦闘車
1機と全長15m通常の武器を備えた上陸艇
2機での出撃になった。
これには色々理由がある。
まず、宇宙と空両方飛べる大型戦闘機1機と言うのは、
言わずと知れた、クリスタルマンエメラルドの話に出てくる
地球防衛軍極東支部クリスタル警備隊が使用する大型戦闘機
『クリスタルフェニックス』で、何故わざわざそんなものを
新たに量子プリンターで作成したか……って言うと、今から
向かうダリウスの本拠地『デビルキャッスル』の中は、ダリ
ウスが作る『悪魔時空』で満たされている可能性がある。
この空間では、精霊力が制限される訳。
ここで問題になるのは、クリスタルマン達柱5人だ。
柱達は他の転生者のブランチ以上の圧倒的な力……それこそ
悪魔を一撃で倒せる力を手にしている。
実は、それには理由があって、転生者のブランチ能力は
多少の力の差があるものの、本来は大体同じようになって
居るのだが、それは生まれてすぐに光の精霊エードラム様
の加護を受けているためである。
彼らの圧倒的な力は本来のブランチ能力を精霊の力で、強化
されたものだった。
しかし、『悪魔時空』ではその精霊力が抑えられる。
故に本来の力が出せないと言う訳。
力が出せないとは言え、その力が制限されると言う訳ではなく
、力そのものはそのままなんだけど……つまり、時間制限が
かかってしまうと言うものだ。
その時間制限は約10分だそうで、10分経って元の姿に
戻った時に再変身できるはできるが、恐らく『悪魔時空』
での再変身には30分程度かかると言う訳で、その間、
戦闘力を補うための支援機としてクリスタルマンシリーズ
随一の戦闘力を誇る『クリスタルフェニックス』が選ばれた
そうだ。
因みに今回の決戦に北支部の支部長である
チーム『シスタームーン』が参加しなかったのも実は、
彼女らも闇の精霊『ドラハダス様』の加護を受けている
のと彼女らは魔法主体で戦うスタイルなので、それ以外の
武器があるとしても、思うように戦えないだろうとエードラム
様の判断により辞退してもらったのだった。
ここで、これを聞いたチーム『ゴライジャー』のヴィスタ
(マッハライジャー)さんが、
「なら、俺達も」
って言って、全長40mで、2機のプロペラで浮上して、2つ
の垂直尾翼に取り付けられたプロペラで推進する大型戦闘機、
『バリバリン』を作ることに、そしてそして、それを見た
トム(バルジャン)さんが、
「なら、俺らも」
って言って宇宙シェリフバルジャンの劇中に出てくる高次元
戦闘車バビオンを製作したのだった。
なので、チーム『仮面ソルジャー』と合同チームであるチーム
『デビライザー』とチーム『アメヒロ』はそれぞれ元々の案で
ある上陸艇を使うこととなった。
当然、いくら大きい宇宙船であるジェイナスであっても、
全長40mを超す、戦闘機を船内で作成はできないとAIボギ
が言うので、宇宙船のある丘の麓にある村の広い広場に量子
プリンターを新たに設置して作成したのであった。
(皆わがままだな)
◇
事情はともあれ、俺達は元の大陸に通じる転移トンネルへと
向った。
そして転移トンネルを抜けると、そこには、禍龍が
既にスタンバイしていた。
俺達が転移してくると、禍龍は黙って頷き、俺達を
迎い入れる。
すると、柱達が乗る『クリスタルフェニックス』からレーザー通信
が入る。
「これより 亜空間ソナーを撃つ」
とニム博士のセリフと同時にと、柱達が乗る
『クリスタルフェニックス』が、亜空間ソナーを撃った。
((((クワ~ン)))))
すると各機の亜空間レーダーに反応が出る。
\ピコーン/
『亜空間AFG1037に反応あり』
各機に搭載されたAIが言う。
そのセリフに、『クリスタルフェニックス』に乗るニム博士
(クリスタルマン)がレーザー通信にて号令を出す。
「各機、次元移動魚雷、発射準備!」
その号令に、
「了解!」
「了解、ウエポンベイ開きます」
「ラジャー!」
「喜んで!」
とでチーム『仮面ソルジャー』と合同チームであるチーム
『デビライザー』とチーム『アメヒロ』の乗る上陸艇からの
返事に続き、チーム『ゴライジャー』が乗る『バリバリン』に
俺達が乗る戦闘車バビオンからも返事が返ってくるのを聞き、
「発射!」
とニム博士の号令と共に、各機は機は、
次元移動魚雷と呼ばれるミサイルを発射した。
\\ボシュッ//、\\ボシュッ//
\\ボシュッ//、\\ボシュッ//、\\ボシュッ//。
一斉に放たれた次元移動魚雷は、発射されると同時に
\シュポッ/、\シュポッ/、\シュポッ/、
\シュポッ/、\シュポッ/
と消えて行く。
(これでいぶり出せるのかな?)
◇
-----(第三者視点)------☆
悪魔城の会議室に、※1悪魔公爵ヤブー
とその配下の悪魔達が集っていた。
そんな中、
「ダリウス様の魂とあの小娘の魂が融合するまで後1日か」
と悪魔公爵ヤブー呟く。
するとそれを受け、※1悪魔公爵ヤブー配下の※2メフィレスが
待ち遠しいと言う顔で言う。
「後1日で、この世界は我等のものですな」
それを受けて、その隣に座る※3ゼットが、
「それに、この世界を征服すれば奴らに倒されたバンバ様や
シャッキー様達もすぐに復活なされるでしょう」
と上機嫌で言う。
そして、それにさらに乗るかのように、※4 コースが、
「何より、今まで我等を愚弄してきたクリスタルマン達を
殲滅出来ますわw」
とにこやかに話す。
それら、配下の言葉ににこやかに頷く、※1悪魔公爵ヤブー
であったが、その時だあった。
\\\ズバーン///、\\\ドカーン///、
\\\ボカーン///
と爆発音と共に 悪魔城全体が
\\\ズズズズズッ///
と大きく振動した。
※5バルカンが驚き立ち上がりながら叫ぶ。
「な・何事!」
すると会議室に山羊の顔の男が入って来て血相を変えて言う。
「報告いたします、何者からかの攻撃を受けております!」
その報告に、
※6メドロンが驚き叫ぶ。
「そんなバカな、ここは、亜空間ですよ、そう簡単に我々の居る
位置がバレるわけないでしょう」
その言葉に※7ベダンが、
「ではこの空間に侵入者が!?」
と悲壮な顔で言うが、それを否定するように報告に来た山羊の顔
の男が、
「この空間には敵が侵入した形跡はございません」
と返すと、※2メフィレスが、
「外部から、無数にある亜空間の中から我等の居る亜空間を特定して
攻撃してきたとでも言うのか!」
と報告に来た山羊の顔の男に怒鳴りつけるように言うが、言われた
山羊の顔の男は、唯、唯困惑し、
「わかりません」
と答えるのだった。
◇
\\\ズバーン///、\\\ドカーン///、
\\\ボカーン///
\\\ズズズズズッ///
今だ攻撃を受け続ける悪魔城。
今、※1悪魔公爵ヤブーとその配下達は、会議室を出て、
悪魔城のコントロールルームに居た。
「えぇ―――ぃ、まだ攻撃してくる奴の場所は特定できぬのか!」
癇癪気味に装置を操作する山羊の顔の男に怒鳴る今※1悪魔公爵
ヤブー。
\\\ズバーン///、\\\ドカーン///、
\\\ボカーン///
\\\ズズズズズッ///
「グッ……」
再びの攻撃に歯ぎしりをしながら怒りをこらえる※1悪魔公爵ヤブー
だったが、そんな時1体の装置を操作する山羊の顔の男が、※1悪魔
公爵ヤブーに告げる。
「あ・通常空間からです」
それを聞いた※1悪魔公爵ヤブー以下配下の6人が驚き、
「な・何ぃ~!!!!」×7
声をあげる。
そして、「あ・通常空間からです」の山羊の顔の男の報告に、怒り心
頭で※1悪魔公爵ヤブーは言う。
「こうなれば、通常空間に浮上しろ!」
しかし、その言葉に※4パンドンが異議を唱える。
「しかし、ダリウス様の魂の同化までここに居ろと言うダリウス様の
めい……」
と言いかけると、それを遮るように※2メフィレスがに※4パンドン
に言う。
「ここにとどまっていては通常空間への攻撃は出来ぬ」
しかし、その言葉に※4パンドンは、
「しかし……」
と言いかけるが、そんに※4パンドンに※3ゼットが話しかける。
「なぁ~にこの城の中は我等悪魔の力が増す『悪魔時空』だ、
めったなことでは遅れはとらんと言うことだ」
と言い、それに加えて再び※2メフィレスが、※4パンドンに
言う。
「それに、いざとなれば洗脳した原初の魔王を使えばよい」
その言葉にが※4パンドンは、
「確かに……」
と呟くと、そのやり取りを聞いていた※1悪魔公爵ヤブーは、
「では、よいか、只今より浮上する!」
と宣言し、装置を操っている山羊の顔の男達に命令する。
「悪魔城浮上!」
「はっ!」×4
※1悪魔公爵ヤブーの命令に装置の操作をしていた4体の山羊
の顔の男達は返事を返すのだった。
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※1悪魔公爵ヤブー(ミノカサゴの頭で体は蟹の甲羅状で覆われた男の姿 )
※2メフィレス(黒い梟の顔で体が狼の毛で覆われ尻尾が蛇の男)
※3ゼット(提灯アンコウ人間の手足の男)
※4パンドン(紫の髪に緑色の体色で、顔には目のみの女)
※5バルカン(青いザリガニに人間の足の男)
※6メドロン(頭が蛸腕かイソギンチャクで、体色は黄色の女)
※7ベダン(黒い体色で、顔がウミウシ人間の手足の女)




