167話 テンタVSダリウス
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------(テンタ視点)------☆
(どうしたら……)
俺は迷っていた。
ダリウス(オトア体)からオトアの体を取り戻したい
……だが、そのためには、ダリウス(オトア体)の心臓の
裏にある悪魔核を破壊しなければならない。
悪魔核を破壊すると言うことは、オトアの体にある心臓
を破壊することになる。
『どうしたの?テンタ君』
俺のヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が、
俺に尋ねる。
「あ……いや、オトアの体を気づ付けないで倒す方法は
ないものかと……」
と呟くと、
『それは無理ね』
とるエードラム様が即答する。
(わかっている、わかっているんだけど、好きな女の子の
体を傷つけることは……)
とさらに心で迷っていると、
『心臓を破壊してもエードラム様がすぐに心臓を再生
してくれるから大丈夫よテンタ君』
迷う俺にヘルメット内の右モニターに映るオトアが言う。
(わかってる……わかってるんだけど)
そして、
『刀の刃が通らないんじゃ、無傷……
って言うのは無理よテンタ君』
とさらにエードラム様が俺に言うが……。
『可能性としては悪魔核は心臓より少し左にあるから、
それをピーポイントで狙えば……』
俺の気持ちを察したのかエードラム様は俺にそう付け加えた。
(心臓の左……できるか俺!)
俺は意を決して、左太ももの装甲版を開き、銃を取り出す。
そして、ダリウス(オトア体)の心臓の少し左に銃の照準を
合せるが……
\カタカタカタ/
と銃を持つ手が震える。
「ふん、来ないのか小僧」
そんな俺をダリウス(オトア体)は鼻で笑い。
「ここだ、ここをよく狙え!」
と俺を挑発するかの如く、自身の左胸を指さし言う。
「っく、そ!」
\\バキュン//、\\バキュン//
「あっ、しまった!」
俺は銃を2発、発砲するものの狙いがハズレ、俺が撃った弾は
ダリウス(オトア体)の心臓目掛けて一直線に飛んで行く
が……。
\ピタッ/
俺が放った2発の弾丸は、ダリウス(オトア体)の前で停止
する!?
「えっ!」
そう、まさしく空中で停止したんだよ。
驚く俺をよそにダリウス(オトア体)は右手を突き出し、その
空中に浮かぶ2発の弾丸に向け、手を下に降ろすと……。
\コロンコロン/
空中に浮かんでいた弾は地面に落ちた。
「えっ、クッソ!」
驚く俺にダリウス(オトア体)は、俺を馬鹿にしたように言う。
「馬鹿め、はなからお前の攻撃は見切っておるわ」
「くっ……」
ダリウス(オトア体)の言葉に俺は何も言い返さないでいると、
『テンタ君、ダリウスが来ているアーマーを壊せない?』
とオトアが俺に聞いてくる。
「壊す!?って……」
俺に唐突に聞くオトアに俺は困惑していると、
『あのアーマーを壊せれば、私があいつの体の自由を奪えると
思うのよ……』
オトアが俺にそう告げる。
『そうね、イケルかもw』
そんなオトアの言葉を聞きエードラム様もそれに同意するが、
「えっ、でも奴のアーマーって……ビキニ……」
と言いかけて、顔が赤くなる俺。
するとエードラム様が、
『そうよ、ダリウスを裸に向いてやりなさい』
さも当然と言わんばかりに俺に言うが、
「でも……」
と言いかけると、オトアが”ギロ”って俺を睨んで、
『テンタ君えっち!』
と叫んだ。
(いやいや、俺は単に事実を言っただけで……)
と心で思っていると、エードラム様が少し呆れて、
『テンタ君、考え過ぎよ、確かに裸になるかもしれな
いけど……よく見て見なさいダリウスのアーマーの
ある場所は黒い毛で覆われてるから見えないわよ』
とおっしゃる。
俺はそう言われ、初めてダリウス(オトア体)見た時の
事を思い出すと……。
(あの時、胸と大事なところは黒い毛で覆われていた
っけか)
と思い。
「わかりました」
とエードラム様に答えると、エードラム様が俺に聞く
『魔法はもとより、銃弾などの攻撃は効かないから……
近接武器で、直接倒さないとだめだだからね、何なら
私がテンタ君を光で包んで光速移動で……』
とおっしゃるのを遮るように俺は
「あっ、いい手を思いつきました」
と答えるとイメージをしながら、左腕のガントレットから
魔法のナイフを抜く。
「スピア!」
俺の掛け声とともに、抜いたナイフが槍に変わる。
そして、手に持った槍に向かってこう叫ぶ。
「のびろ~!」
”シュン”======
即座に俺の持っていた槍はダリウス(オトア体)
まで伸びると、右肩の留め具を
\\バッキーン//
と破壊すると、俺は槍をすぐさま縮め、再び槍
を伸ばし、
”シュン”======
\\バッキーン//
右脇の留め具を破壊する。
「ぐっ、何をする!」
ダリウス(オトア体)は驚くと共に右胸を押さえて言う。
そして、
「えぇーい、小僧儂を愚弄しおって!」
と怒り、魔弾を次々と俺に放ってくる。
”シュン”〇======
”シュン”〇======
”シュン”〇======
が、
すかさずエードラム様が俺を光の球で包むと俺は光の速さで
移動して、それを避けながら
”シュン”======
”シュン”======
と槍を伸ばした縮めたりして攻撃を繰り返すが、
俺がどこを攻撃するかすでに予測していたダリウス(オトア体)
は、それを手で防ぐ。
そして、業をにやしたダリウスは、
「えぇーい」
と叫ぶと同時に右手に丸い黒い球を出すと、
「四界の闇を統べる王 汝の欠片の縁に従い 汝等全ての力もて
我に更なる力を与えよ、覆い尽くせ悪魔時空!」
と叫ぶと、ダリウス(オトア体)の手に持った黒い球が段々と
大きくなり、俺とダリウス(オトア体)の体を包み込んだ時
だった。
『うっ……』
俺のヘルメット内の左モニターに映るエードラム様が、
急に苦しみだしたかと思うと、エードラム様が映る
モニターにもノイズが走り出す。
と同時に俺を包んでいた光の球は消え、俺はその場に
立ち尽くし、
「な・何っ!」
と状況が把握できない俺は驚きを隠せないでいた。
◇
真っ暗な空間、音のなく静寂に包まれた空間に俺は居た。
そして、何処にも光源がないにもかかわらず、光り輝く
ダリウス(オトア体)が居た。
と、先ほどまで俺のヘルメット内の左モニターに映って
居たエードラム様がモニターから消えていた。
「え・エードラム様、エードラム様!」
と左モニターに向け叫ぶ俺に、ダリウス(オトア体)は
言う。
「ここは精霊の力を押さえ、悪魔の力を増す悪魔時空
……と言ってもまだこれはそれに似た疑似空間だがな」
その言葉に俺は驚き、
「何だと!」
ダリウス(オトア体)に叫ぶが、ダリウス(オトア体)
は押さえていたビキニアーマーの右のブラ部分から手を
離し、ついでにブラ部分を自身の手で引きちぎる。
それを見たヘルメット内の右モニターに映るオトアが
すぐさまダリウス(オトア体)の体を操ろうとするが、
『あれ!?ダメ操れない』
その様子がわかるのか、ダリウス(オトア体)は、
「言ったであろう、ここは悪魔の力を増す悪魔時空
だと」
自信ありげにオトアに言う。
そして、俺に素早く近づくと俺のベルトバックル部分を
掴み言う。
「さぁ、魂をもらおうか」
\\☆バリバリバリ☆//
俺の体に電流のようなものが走り、
「ぐわぁ~~!」
体がしびれ動けなくなると同時にモニターに映るオトア
も苦しみだし、オトアが映るモニター自身も点滅を始める。
(やばい、やばいぞ!)
◇
-----(第三者視点)------☆
「よし、大方片付いたか」
とバルジャン(トム)は言うと振り返り、
「ガンボー、ミリー、アナ、シェリー、タミー!
テンタを追いかけるぞ」
と言うと、
「うむ」
「あっ、わかった」
「今いくべぇ」
「うん」
「了解、パパ」
とそれぞれから了解の返事を聞くと、改めて
未だ、シープヘッドを”ムシャムシャ”食べて
居る禍龍に向け言う。
「禍龍後は頼んだぞ!」
そのバルジャン(トム)言葉に”ムシャムシャ”食べ
ながら禍龍が頷くのを見て、
「チョー!」
と広場からバルコニーへとジャンプすると、他のメ
ンバーがバルコニーやって来るのを待って
いると、
「バルジャンさん俺達も」
とチーム『ガシャーン』のガシャーン(ブルーノ)がバルジャン
(トム)に声を掛ける。
その後ろにはチーム『ガシャーン』の魔法師ルナの
姿もあった。
「ああ、頼む」
と軽くバルジャン(トム)が、ガシャーン(ブルーノ)に返すと、
今度は別の方から、
「私達も一緒に」
とチーム『アメヒロ』のサイキックレディー(アルウェン)
が声を掛ける。
バルジャン(トム)がその声に振り向くとそこにはサイ
キックレディー(アルウェン)以外のメンバーも居た。
「そうだな、頼むわ」
と声を掛け、チーム『ガンブレイブ』メンバーも揃った
ところで、バルジャン(トム)達がバルコニー奥に進も
うとした時だった。
「ダリウス様の邪魔はさせませんよ」
とバルジャン(トム)達の行く手を阻もうとする
カッツ※1が居た。
そして、
「でませー!」
と叫ぶと、バルジャン(トム)達の周りを囲むように現れる
山羊頭の男達。
これは、人間にレッサーデーモンが憑依した姿。
それらの山羊頭の男達は騎士達の持つ剣や槍を持ち、体には
フルプレートアーマーを纏っていた。
その数300体。
「やれ!」
カッツ※1の言葉に山羊頭の男達が一斉にバルジャン(トム)達
を襲うとするが……。
「チョー!」
トムは自身を銀色の光で包み、光の速さで移動しながら、手に
持った『ソウルスレイヤー』で次々と襲って来る山羊頭の男達
の魂を狩りとって行く。
「な・何と!」
あっと言う間にバルジャン(トム)は、300体の山羊頭の男
達を倒し、カッツ※1に向かって、
「ふん、なめるな悪魔!」
と啖呵を切る。
すると、カッツ※1は、
「えぇーい、小癪な!」
と言ったかと思うと、今度はバルジャン(トム)達の周りに
再び300体の山羊頭の男達だし、しかも空中には、蝙蝠の羽を
付けた約2,000体の山羊頭の男達を出した。
それを見たバルジャン(トム)は、仲間に
「俺と、ガシャーンは空中に居る奴を、残りのメンバーは、
周りにいる奴に対処しろ」
と指示を飛ばすと、自身は、
「バーバリアーン!」
と叫び自身の能力でエアーバイクを出すとそれに跨り、空へと
上がって行く。
そしてバルジャン(トム)の指示を受けたガシャーン(ブルーノ)
は、
「アマンダージェ~ット!」
と叫ぶ。するとアマンダ―と呼ばれるロボット犬が、小型
ジェット機に変形し、すぐさまそれに乗りこむガシャーン(ブルーノ)
そしてバルジャン(トム)同様、空中に居る山羊頭の男達
の所に向かうのだった。
そして、残ったメンバー達はそれぞれの武器を手に持ち、300体の
山羊頭の男達と対峙する。
\\バリバリバリ//
ガンボー(ガイゼル)は、自身が作ったマシンガンを2丁だし、次々と
弾丸を山羊頭の男達に打ち込み。
「スピンソーサー!」
「パープルハンマー!」
タミーとシェリは、回転する円盤とハンマーで次々と山羊頭の男達
を倒す。
また、アナ(ガイゼル妻)はその手に持ったハルバートで
「こ~の~!」
と山羊頭の男の頭をカチ割り、魔法師のミリー(トム妻)と同じく
魔法師のルナは、
「「床の岩よ我が求める形となれスパイクホーム!」」
と魔法の呪文を唱え、土俗魔法でバルコニーの床を円錐形の
棘だらけにし……。
\グェー/、\ギョエー/、
山羊頭の男達の足を貫かせる。
さらに、チーム『アメヒロ』のサイキックレディー(アルウェン)
が、
「サイキックフリーズ!」
と叫び、山羊頭の男達の動きを止めると、超人マッスル(バル)は、
「ふん」
\ドゴッ/、\ドスッ/、\ボスッ/
とその丸太のように太い腕で次々と山羊頭達を殴り飛ばし、
チーム『アメヒロ』の光速サンダーマン(エル)は、光速
で移動しながら、手に持った悪魔核を破壊する波動を発する
レイピアで次々に山羊頭の男達を倒して行く。
それを見たカッツ※1は、
「えぇ~い、こうなれば!」
と言い、
「ボティス!」
と叫んだ。
すると、カッツ※1は、巨大なワイバーンに似た翼竜へと
姿を変える。
\\バリバリバリ//
\\ガラガラガラ//
体長30mの巨大ななワイバーンに似た翼竜へとカッツ※1が
変身したことにより、バルコニーはその重みに耐えかねて崩れる。
「わー」×6
「うわぁ~」×3
それと共に、落ちて行くバルジャン(トム)とガシャーン
(ブルーノ)以外のメンバー達であった。
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※1カッツ(電球のような頭で、電球のソケット部分に目と口がありの男)




