165話 ジュラグとキャスバル
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-----(第三者視点)------☆
斜めに傾いた巨大魔導騎兵の頭部ハッチを開け、ジェラグ
元公爵達は、目の前に広がる光景に、
「ムムッ」
「何と!」
「これは……」
と驚きの声をあげる。
1,000体近くいた魔導騎兵の内、300体ほどの魔導騎兵
は倒され、残りの魔導騎兵も動かなくなっていた。
そこへ、
\ズシン/、\ズシン/、\ズシン/
金色の巨人がやって来てジェラグ元公爵達の前に立つと。
「叔父上、雌雄は決しました……もう諦めてください」
と金色の巨人『サー専用ザム』(サー)※1がジェラグ元公爵
に声を掛けると、ジェラグ元公爵※2は、その金色の巨人を
睨み言う。
「えぇーい、またしてもお前か!キャスバル」
「……」
そのジェラグ元公爵※2の言葉には『サー専用ザム』(サー)※1
は何も答えないでいると、
「えぇーい、お前ら親子はどうしていつもいつも儂のやることに
邪魔だていたしおって!」
と自身の怒りを『サー専用ザム』(サー)※1にぶつけると、
「それは、叔父上の考えが間違っているからです」
と『サー専用ザム』(サー)※1は答える。
その言葉に、ジェラグ元公爵※2は、
「何が間違っておると言うのだ!、我等神に選ばれし者が
愚民たちを導くのがこの世の道理というものではないか」
と言い返すが、それに『サー専用ザム』(サー)※1は、
「我等王族が神に選ばれし者……だと?」
とポツリと言うと、ジェラグ元公爵※2は、さも自慢げに
「そうだ、我等はこの国を治め民を導くためにこの世に
生まれてきたのだ、現に、帥には、その巨人に成れる力
を神から与えられておろう!」
と言うと、『サー専用ザム』(サー)※1は頷き、
「確かにこの力は神から授かったもの……しかし、この力は
民を殺すための力ではなく、守るための力です叔父上」
と力強く言い返すと、ジェラグ元公爵※2は、
「何を申す、 大事の前の小事多少の犠牲は
致し方なかろう?」
とすましたように言うと、そのジェラグ元公爵※2の言葉に、
『サー専用ザム』(サー)※1は、目を剥き怒鳴るように言う。
「民在っての国ですぞ叔父上!、いかに我等王族が聡明であっ
ても、この国に住まう民失くして国と言えましょうか!」
その言葉にジェラグ元公爵※2は静かに言う。
「ただ、ただ物を消費するだけのこの世界……文化も芸術も
育たんこんな世界では、もう持たんのだキャスバル」
その言葉に『サー専用ザム』(サー)※1も静かに答える。
「それは致し方ありませんよ叔父上、魔物がうじゃうじゃ
居るこの世界のでは、人々は生きるのに精いっぱいなんです」
その『サー専用ザム』(サー)※1の言葉に目を見開き、
ジェラグ元公爵※2は言う。
「だからこそ、儂がこの世界を統一し、愚民たちに安心安全な
場を提供してやろうと言うのに……兄や帥はそれに反対する
……なぜじゃ、なぜ、ダメなのじゃ、帥のその能力があれば、
世界……とは言わんが、西方4ヶ国ぐらいは統一できよう
ものに」
その言葉に『サー専用ザム』(サー)※1は、
「今の私はサー・アズナベール。それ以上でもそれ以下でもない、
それに私が望むものは……みんなが笑って暮らせる世界……
ですよ叔父上」
と言うと、ジェラグ元公爵※2は、
「なら、儂と同じではないかキャスバル、貴様こそ、その力を
無駄に消耗していると、なんで気がつかん?」
と答えるが、それに対して首を横に振りながら、『サー専用ザム』
(サー)※1は言う。
「私は、民の命を犠牲にして、それで世界が救えると思ってはい
ません! 新しい時代をつくるのは老人ではない!そんな決定権
は叔父上や王族に在るわけがない!」
その言葉を聞いたジェラグ元公爵※2は
「……」
無言になり、そして落胆したような顔で、
「ならば、致し方ない」
と言ったかと思うと、その次の瞬間!懐から丸い物体を出してき
てそれを”ゴクリ”と飲み側に居た元公爵護衛騎士のケダルンと
魔導士リキシア(女性)に一言言う。
「2人ともすまんな……」
☆\ピカーッ/☆
と同時にジェラグ元公爵※2の体が光ると
「うわぁー!」
「ああ!」
と側に居た巨大魔導騎兵と魔導士リキシア(女性)
はその光に吸い寄せられたかと思うと、再び、
☆\ピカーッ/☆
と輝くと”ぐんぐん”その光は大きくなる。
そして、周りにあった魔導騎兵や、巨大魔導騎兵の残骸を
吸収して……身長120mもの巨大なアイアンゴーレムへと、
なるのだった。
◇
「チィーッ!」
「させるか!」
「ええいっ!!戦わずして後退か!!」
『サー専用ザム』(サー)※1と『バンダム』(アロム)※3
それに『ダム』(ダンバ)※4は、そう言いながら、巨大なアイアン
ゴーレムから退避するが、
「逃がさん!」
と巨大なアイアンゴーレム※6は、目から破壊光線を放った。
☆\ピィー/======
『サー専用ザム』(サー)※1と『バンダム』(アロム)※3は
かろうじて回避するも『ダム』(ダンバ)※4はその光線を浴びて
しまう。
「うわっ!」
\\ボカーン//
アイアンゴーレム※6の破壊光線を浴びた『ダム』(ダンバ)※4
は爆発し……元のゲルト(ダンバ)の姿に戻ってしまった。
「大尉!!」
思わず叫ぶ『サー専用ザム』(サー)※1と『バンダム』(アロム)
※3だが、そんな2人にゲルト(ダンバ)は言う。
「すまん、やられた……今度こそという言葉は…あまり使いた
くないものだな」
そのゲルト(ダンバ)の言葉と姿を見て『サー専用ザム』(サー)
※1と『バンダム』(アロム)※3は、
「ふぅ~」×2
と安堵の表情を浮かべ、『バンダム』(アロム)※3が、
元の姿に戻ったゲルト(ダンバ)に言う。
「後は俺達に任せて、安全な所に避難してくれ」
その言葉に、手を上げゲルト(ダンバ)は、
「すまん、そうさせてもらう」
と言うと、その場から避難するのだった。
とそこへ、”キーン”=====
と空を駆け抜ける『Bファイター』(スレンダー)※5の姿があった。
「あれ?なんか敵の姿が変わってる!?」
と言う『Bファイター』(スレンダー)※5に、『サー専用ザム』
(サー)※1が言う。
「ああ、あれは私の叔父、ジェラグ元公爵が変身した姿だよ」
その言葉を聞いて、
「あれれ、転生者以外でも変身できるのか!?」
と驚く『Bファイター』(スレンダー)※5に『バンダム』
(アロム)※3が、
「俺達の変身とは違うがな」
と言い返すと、『Bファイター』(スレンダー)※5は、
「まぁ、よくわかんないが、敵なんだろう……そんじゃま」
と言うや否や自身の下部のウエポンベイを開き爆弾を投下する。
↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ヒューン====
↓ ↓ ↓
〇 〇 〇
\\ドッカーン//、\\ドッカーン//、\\ドッカーン//
投下した爆弾の内1発が巨大なアイアンゴーレム※6の左腕に
命中し、
”ジュルジュルジュル”
と巨大なアイアンゴーレム※6の左腕を溶かすのだった。
「なぁ~んてお上手なんでしょw」
自身が投下した爆弾が巨大なアイアンゴーレム※6に命中し、
上機嫌な『Bファイター』(スレンダー)※5だったが、
そんな『Bファイター』(スレンダー)※5に、
「オノレ、蚊トンボめ!」
と言うや否や巨大なアイアンゴーレム※6は、空中を飛ぶ、
『Bファイター』(スレンダー)※5に向け目から破壊光線を
再び放つ。
☆\ピィー/======
少し油断していた『Bファイター』(スレンダー)※5は、
その光線を浴び、
「うわっ!」
\\ボカーン//
と爆発し、そのまま地面に不時着すると、先ほどのゲルト(ダンバ)
同様、元のヴァルカス(スレンダー)の姿に変わった。
「あ・わるい、油断した」
と地上で頭をかきながら言うヴァルカス(スレンダー)に、
『バンダム』(アロム)※3が、
「後は俺達に任せて、安全な所に避難してくれ」
その言葉に、ヴァルカス(スレンダー)は、
「すまん!」
と一言言うと、その場から避難するのだった。
◇
巨大なアイアンゴーレム※6は、失った左腕を元に戻すべく
またもや動かなくなった魔導騎兵達を吸収する。
「チィーッ、腕が元に戻ったか」
その様子を見た『サー専用ザム』(サー)※1が唇を噛みしめる
ように言うと、
「少佐、奴のデーターを今送る」
と『バンダム』(アロム)※3が、自身のブランチスキル『ミュー
タイプ』の能力で見た相手のデーターを『サー専用ザム』(サー)
※1に思念伝達で送って来た。
\ピッ/
HP 10000
MP 600 /1200
運動性 800
攻撃力 9000
防御力 3000
命中 82
回避 70
※目からか破壊光線、金属による自己修復。
そのデーターを見た『サー専用ザム』(サー)※1は、目を
見開き、『バンダム』(アロム)※3に言う。
「こ・これは……」
すると『バンダム』(アロム)※3は頷き言う。
「そうだ、でたらめなくらい高い数値だが……」
と言いかけた『バンダム』(アロム)※3の言葉に『サー専
用ザム』(サー)はかぶせるように言う。
「異常に魔力消費が多い!」
『サー専用ザム』(サー)※1のその言葉に、『バンダム』
(アロム)※3は、
「そうだ、だからそんなに長く持たない、ほっといてもそのうち
魔力が切れる」
その言葉を聞いた『サー専用ザム』(サー)※1が、
「少尉頼みがある、叔父上の相手は私1人で
決着をつけたいのだが……」
と頼むと、『バンダム』(アロム)※3は、
「いいさ、任せる……でも無理はするなよ少佐」
と答えると、『サー専用ザム』(サー)※1は、
「すまない」
と『バンダム』(アロム)※3にお礼を言ってから、
巨大なアイアンゴーレム※6に向き合い、
「一族の不始末、同じ一族に生まれた私がつける!」
と巨大なアイアンゴーレム※6に指を指し宣言すると、
巨大なアイアンゴーレム※6は、
「何をこしゃくな」
と言い放つと、目から破壊光線を連発する。
☆\ピィー/======
☆\ピィー/======
☆\ピィー/======
「やらせはせん・やらせは……」
☆\ピィー/======
☆\ピィー/======
無双さにビームを連発し続ける巨大なアイアンゴーレム※6
だったが、『サー専用ザム』(サー)※1は、自身のブランチ
スキル『3倍』を使い高速移動でそれを全て回避し、巨大な
アイアンゴーレム※6の真後ろに回り込むと自身の能力で出した
バズーカ砲を構え、
「叔父上、私からの手向です。父上と仲良く暮らしてくだされ」
と敬礼をした後、
☆”ズッキューン”======
と巨大なアイアンゴーレム※6の後頭部を撃ち抜いた。
\\ボカーン//
とバズーカで頭を撃ち抜かれた巨大なアイアンゴーレム※6
は、そのまま体が崩れその場に倒れる。
”ズズズズズ”
\\ドッシーン//
辺りは一瞬静寂に包まれたのだった。
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※1 『サー専用ザム』(サー)
キャスバル・ジェラグ冒険者名【サー・アズナベール】。
※2 ジェラグ元公爵
ガレン・ジュラク
※3 『バンダム』(アロム)
ルーク・スカイラーク冒険者名【アロム・ビダン】。
※4 『ダム』(ダンバ)
ゲルト・シュバイガー冒険者名【ダンバ・ダル】。
※5 『Bファイター』(スレンダー)
フレヂー・ヴァルカス冒険者名【スレンダー・ハイ】。
※6 巨大なアイアンゴーレム(ジェラグ元公爵変身後)




