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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第5章 逆襲のダリウス編
158/204

157話 人質交換

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457







------(テンタ視点)------☆




 水晶玉から映像は途切れると、


「アルテイシア……」


「兄さん……」


「女王が……」


とポツリと呟く、ジェラグ(サー)さんにグロル(クリスタル


マントパーズ)さんとガマル子爵。


そんな中、俺の膝の上に載っていた三毛猫オトアの体が


急に光り輝きだした。


「なっ!」


驚くガマル子爵とその側近を庇うようにガマル子爵の騎士団長


が2人の前に庇うように立ち腰の剣を抜こうとするのをジェラ


グ(サー)さんが、”サ”っと制止する。


 また、チーム『ガシャーン』のルナ(魔法師)さんは、ブル


ーノ(ガシャーン)さんを庇うように立ち持っていた魔法の杖


で障壁を張ろうと身構えたり、チーム『アメヒロ』の3人に至


っては、ブランチに変身しようと慌ててポーズを取りかけるが、


そんな中、三毛猫オトアの体から出る光の正体を知っている


グロル(クリスタルマントパーズ)さんや、CIC情報局員の


ミーア(ふみ子ちゃん)さんにチーム『バンダム』の面々は至


って冷静で、その中のグロル(クリスタルマントパーズ)さん


が、会議室に居る全員に向け言う。


「大丈夫、あれは光の精霊エードラム様だ」


その言葉に光の正体を知らない面々が、


「えっー光の精霊!!」×8


と驚き声をあげる中、三毛猫オトアの体から光の精霊エードラム


様が姿を現した。


グロル(クリスタルマントパーズ)さんや、CIC情報局員の


ミーア(ふみ子ちゃん)さんにチーム『バンダム』の面々が出現


したエードラム様に頭を下げると、


「わたくしをはじめて見る方もおられるみたいだけど、わたくし


は光の精霊エードラムです。オトアちゃんの体に入ったまま説明


をしてもよかったのだけど……事態は急を要するので姿を現しま


した」


と皆ににっこり微笑みかけるエードラム様。


その様子に、口あんぐりのガマル子爵と側近に子爵の騎士団長達。


「せ・精霊様が……」


「なるほど……だからだったのね」


驚愕するガマル子爵とは、対照的に何かを納得したように言う


チーム『アメヒロ』アルウェン(サイキックレディー)さん。


そして、姿を現したエードラム様が、


「ダックルと言うベビルデーモンの条件を飲んでテンタ君とオトア


ちゃんを奴らに引き渡し、人質を解放させましょう」


と会議室に居る全員に向かって言った。


 しかし、それに対し、チーム『バンダム』のジェラグ(サー)さん


が、


「しかし、テンタ君とオトアちゃんを奴らに引き渡してもアルテイ


シアやエメラルド柱が、戻って来ると言う保証はないのではありま


ぬか」


と言うと、その言葉にエードラム様が、


「そうでしょうね、だからこちらも策を講じます」


ときっぱり言い放つ。


そんなエードラム様にグロル(クリスタルマントパーズ)さんが


「策とはどのような……」


と聞くと、エードラム様が、


「それを今から話します」


ときっぱり言うのだった。












「それを話す前に……」


とエードラム様が言うと、会議室の端の床に3つの魔法円が現れた


かと思うと、そこには3人の男の人が立っていた。


(ああ、ニム博士クリスタルマン達だ)


「な・何が起こっているのだ!」


とこの光景に驚くガマル子爵にジェラグ(サー)さんは優しく耳打ちを


する。


「柱達は、光の精霊のご加護を受けているのだよ」


それに対して、ガマル子爵は、


「精霊の加護を受けると、精霊に呼び出されるのか?」


と疑問を口にするが、ジェラグ(サー)さんはただ、


「ああ」


と答えるのだった。


そして、ニム博士クリスタルマン達が召喚されたのを確認した


エードラム様は、


「これから、テンタ君とオトアちゃんを囮にした人質奪還作戦を


説明するからあなた達もここに座りなさい」


と言ってニム博士クリスタルマン達柱3人を会議室の席に座るよう


促す。


「はい」×3


ニム博士クリスタルマン達柱3人は、何の躊躇もなくそれに従うの


だった。













 エードラム様の説明を一通り聞いた会議室に居る面々は、納得の表情


だったが……。


「でも、それだとテンタ君が1人危険なのでは?」


と1人納得のいかない三毛猫オトアがエードラム様に言う。


それに対し、エードラム様は


「確かに、テンタ君が危険なのはわかるけど……」


三毛猫オトアに言いかけるのを俺が遮って、


「もとより、危険は覚悟の上だよ、それで、オトアの体が取り戻せるなら


俺はかまわないと思ってる」


と心配する三毛猫オトアに言うと、


「でも……」


と俺に不安気に言葉を返そうとする三毛猫オトアに、


「大丈夫、奴等(悪魔)も俺を捕まえてすぐには殺さないさ、俺を殺すと


したら、ダリウスの目の前だろうし」


「うん……」


俺の言葉に三毛猫オトアは”うん”と言いながらも納得はしていない様子


だが、俺は強引に


「エードラム様、皆さんこの作戦で行きましょう」


とみんなの前で宣言することにより強引に作戦遂行を承認した。


「まぁ、テンタにその覚悟があるならいいんじゃないか」


とスカイラーク(アロム)さんも言ってくれて、エードラム様の作戦が


実行されることとなった。


「時間がない、急いで応援を呼ぼう」


とカリオストロ(ルペン四世)さんが言うや否やテレポートで、会議室を


出て行くのだった。













-----(第三者視点)------☆




 

 ダックル(白いゴリラ)が、期限を決めてから2日後、ピッポリト


(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)が、グロルの森


の中にある穴(転移門)から怪獣246体を引きつれ、ルベン国に入り、


王都ズムに張られた結界を、悪魔闘気を放ちすり抜ける。


それに続いて率いられていた怪獣達も同様に悪魔闘気を放ちながら結界内


に侵入して行った。


その様子を、今は使われていない建物の中から、そっと見ている聖クリス


タル国CIC情報局所属のソマーズ・ワグナー(サイバティック・ジェイミー)。


ソマーズ(サイバティック・ジェイミー)は、その様子をすぐさま念話で、


カリオストロ(ルペン四世)に報告する。


≪今、悪魔の1人が、怪獣を引きつれて王都に入って行きました≫


その念話にカリオストロ(ルペン四世)が、


≪で、怪獣の数は?≫


と聞き返すと、ソマーズ(サイバティック・ジェイミー)は、


≪おおよそ250体弱です≫


と答えると、カリオストロ(ルペン四世)は、


≪よし分かった、取り合えずソマーズは一旦こちらに戻ってくれ≫


と答えると、


≪了解!≫


とソマーズ(サイバティック・ジェイミー)は答え、建物をそっと離れる


と、その後はブランチに変身し、サイボーグの足を生かして全力でガマル


子爵の居城ギャロップ城を目指し駆け出していくのだった。













 一方、王都の結界を通り抜けたピッポリト(タツノオトシゴに


人間のような手足が生えてる男)は、王城内の女王の執務室に出向き、


ダックル(真っ白なゴリラ男)の前に来ると、


「んっ、ダックよまだ、この王都の残りの住民の魂を狩っておらぬとは


どう言うことだ」


と執務室に平然と座るダックル(真っ白なゴリラ男)に問いかけると、


「そんなのは後回しじゃ、もうすぐ特上の魂……ダリウス様がお望みの


あの猫の魂が手に入るのじゃからな」


それを聞いたピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生え


てる男)は、


「な・なんじゃと!」


と驚き叫んだ。


そんなピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)


にダックル(真っ白なゴリラ男)は、


「そなたに儂が嘘をついてどうする……まぁ、明日になれば嘘かどうか


わかるがの」


と自身たっぷりな態度に、ピッポリト(タツノオトシゴに人間のような


手足が生えてる男)は、側に居たバット(ナマズ顔で、角が生えていて


、人間の手足の男)の方を見ると、バット(ナマズ顔で、角が生えていて


、人間の手足の男)は、黙って”うん”と頷いた。


それを見たピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)


は、”はぁー”って感じで固まるのだったが、そんなピッポリト(タツノ


オトシゴに人間のような手足が生えてる男)にダックル(真っ白なゴリラ男)


は、その内容を自慢げに話して聞かせるのだった。














 ルベン国の王都ズムにある王城の王の執務室で、ダックル(真っ白なゴリラ男)


が、ピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)に三毛猫オトア


の魂を奪う計画の説明を説明をしているころから、数時間たったころのルベン国のバージ


ョレー領の中心にあるガマル子爵の居城ギャロップ城の会議室には、カリオストロ


(ルペン四世)が、何回かのテレポートで、応援のメンバーが集っている。


1つは、エルフのダン・ギル隊長に率いられたクリスタル教会西支部の悪特隊あとくたい


で、もう1つは、テンタが所属するチーム『ガンブレイブ』のメンバーだった。


トム(バルジャン)、シェリー、タミーは、冒険者協会北支部から、そしてガイセル


(ガンボー)は、カザード国から、そしてミリーとアナは本国の聖クリスタル国から


だった。













------(テンタ視点)------☆





「トムさんやガイゼルだけでなくミリーさんとアナさんまで……」


と駆け付けたメンバーに俺は頭を下げる。


「あら、テンタ君私達も来たのに!」


自分達の名前が出なかったことを不満に思うタミーさんが、少し拗ねた


ように言うので、俺は、


「もちろん、シャリー―さん、タミーさんもありがとうございます」


と頭を下げると、”まぁいいわ”って顔された。


「ところで、お店はどうされたのですか?」


と俺はそんなシャリーさんとタミーさんをほっといてミリーさんに聞く。


「お店……休業したわよw」


とミリーさんがあっさり答えるが、


「俺達のためにすみません」


ともう一度頭を下げる俺と三毛猫オトアに、手を振り


「何言ってんの、私達おんなじチームじゃない」


と言うミリーさんに続き、アナさんも


「同じチームって事は家族なんだべから、当然だべさ」


と俺達に言ってくれた。


「ありがとうございます」×2


そんなミリーさんとアナさんに俺と三毛猫オトアはもう一度頭を下げて


いると、


「皆、準備はいいか」


とニム博士クリスタルマンが皆に声を掛ける。


「「「はい」」」


と全員でニム博士クリスタルマンに返事を返すと、


「では、今から潜入班のCIC情報局員メンバーと、チーム『ガン


ブレイブ』、それにチーム『アメヒロ』に悪特隊西支部あとくたいの面々は、


今からカリオストロ(ルペン四世)のテレポートで現場まで向かって


くれ」


と言うと、


「「「はい」」」×12


とメンバーが返事を返し、全員で手を繋ぎ輪になり、カリオストロ


(ルペン四世)テレポートで一瞬にして会議室から消える。


続いて、


「我々柱4人とチーム『ガシャーン』の2人は今からショコラ伯爵の


セイユ領に向かうが、残りのチーム『バンダム』は、ここに残って待機


……だが、テンタ達の付き添いをジェラグ(サー)とスカイラーク(アロム)


に頼めるか」


とニム博士クリスタルマンが言うと、ジェラグ(サー)さんとスカ


イラーク(アロム)さんは、


「ああ」


「はい」


と力強く返事を返すのを見て、ニム博士クリスタルマンは頷くと、


変身せずに魔法の杖を出して、メンバーの足元に転移魔法円を発生させ、


そのままこの部屋から消えるのだった。














「では、我々も出発しようか」


とジェラグ(サー)さんに言われ、俺は出発のため準備をし、肩に


三毛猫を乗せ


禍龍かりゅう後を頼んだよ」


かりゅうに言葉を掛けると、\ワン/とかりゅうが吠え、かりゅう


の背中に載るもう1匹の三毛猫が、


「気を付けてねテンタ君」


と言う言葉に俺は手を挙げ答えると、ジェラグ(サー)さんと


スカイラーク(アロム)さんと会議室を出て、ガマル子爵が用意してくれた


馬車で、ギャロップ城を出て、一路、王都ズムとの境界線に向かうのだった。













 途中、馬車の中でサンドイッチで昼食を取り、馬車は小一時間ほどで、


王都ズムとの境界線にたどり着いた。


 ジェラグ(サー)さん達と馬車を降り、王都を囲むように張られた結界


の前に立つ。


「おい、ダックル2人を連れて来たぞ!」


とジェラグ(サー)さんが大きな声で言うと、しばらくして、王都に張られた


結界が消えたかと思うと、\ボワッ/と現れるダックル(真っ白なゴリラ男)。


その傍らには、ブロンズ化したガレン(クリスタルマンエメラルド)さんと、


顔が羊で、下半身が羊の毛におおわれ、上半身が肌の真っ白な人間の姿の


魔物とロープで腕と体をぐるぐる巻きにされた王女の姿があった。


「期限より1日早いとは、感心感心」


と勝ち誇ったように言うダックル(真っ白なゴリラ男)。


「キャスバル兄さん!」


体をぐるぐる巻きにされた王女がジェラグ(サー)さんを見てそう叫び1歩


近づこうとするのを女王の巻きつけられたロープの端を持つ顔が羊の魔物が、


”クイ”っとロープを引き、俺達の方に行かせないようにする。


その様子に心配したジェラグ(サー)さんが思わず、


「アルテイシア!」


と声をあげるが……。


「女王は本物だが、エメラルド柱が本物か確認できない!」


と隣に居たスカイラーク(アロム)さんが、ダックル(真っ白なゴリラ男)に言う


と、


「それもそうか」


とダックル(真っ白なゴリラ男)は言いながら、指を\パチンッ/と鳴らすと


ガレン(クリスタルマンエメラルド)さんの体は元の体に戻るが、すかさず


ダックル(真っ白なゴリラ男)は、ツタのようなもので女王同様にぐるぐる


巻きにする。


「これでどうだ」


とスカイラーク(アロム)さんに言うダックル(真っ白なゴリラ男)。


その言葉に、スカイラーク(アロム)さんは自身のブランチスキル


『ミュータイプ』を使いガレン(クリスタルマンエメラルド)さんを確認


する。


「うん、確かに柱だ」


とダックル(真っ白なゴリラ男)に向け言うと、


「では、交換と行こう」


とダックル(真っ白なゴリラ男)が言うと、ゆっくりと女王とガレン


(クリスタルマンエメラルド)さんは、こちらに向かって歩きだす。


それを見た、ジェラグ(サー)さんが俺を見て頷くので、俺も悪魔の方に向か


ってゆっくりと歩き出す。


途中、すれ違い様にガレン(クリスタルマンエメラルド)さんに


「すまんな、俺がドジったために……」


と謝られたが、そんなガレン(クリスタルマンエメラルド)さんに俺は


「大丈夫」


とだけ伝え、悪魔側に歩いて行った。


ダックル(真っ白なゴリラ男)のもとに俺が付くと再びダックル(真っ


白なゴリラ男)は王都に結界を張るのだった。


 俺は、その時思う。


(うまくいってくれよ)


と。



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