155話 ガレンとジェラグ
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------(テンタ視点)------☆
カリオストロ(ルペン四世)さんの能力でテレポートした先は
……。
チーム『バンダム』チームハウスであるホワイトキャッスルの
中のコントロールルーム。
チーム『バンダム』のメンバーに加え、グロル・アノル(クリ
スタルマントパーズ)さんに、チーム『ガシャーン』と……!?
3人のエルフ……って、ああ、1人はアルウェン・メル(サイ
キックレディー)さんか……砦で一緒にゴブリンと闘った女の人
ってことは、後の2人はメル(サイキックレディー)さんと同じ
チーム『アメヒロ』の2人ってことか……。
と思いメル(サイキックレディー)さん達に挨拶をしようとした
時だった。
「んっ!?エメラルド兄さんの反応が消えた!」
とグロル(クリスタルマントパーズ)さんが叫んだ。
「えっ!」×9
『えっ!』
ホワイトキャッスルに居るメンバー(俺の中にいるオトア含む)が
グロル(クリスタルマントパーズ)さんの言葉に驚く中、俺のヘル
メット内の左モニターに映るエードラム様が、ポツリと呟いた。
『いえ、消えてはいないわ』
その言葉に、俺と三毛猫にグロル(クリスタルマント
パーズ)さんが驚き、
「消えてないってどういうことですか!?」×3
と叫んでしまった。
エードラム様の言葉が聞けないチーム『バンダム』やチーム
『ガシャーン』それにチーム『アメヒロ』の人達が驚き、
その中のスカイラーク(アロム)さんが俺に聞く。
「いったいどう言うとだ、テンタ俺達にも説明を……」
すると俺の代わりにグロル(クリスタルマントパーズ)さん
が、
「いや、俺達クリスタル兄弟は、お互いの存在を確認できるのだが、
悪魔の迎撃に向かってるはずのエメラルド兄さんの反応が今しがた
消えた……と俺は感じたんだが、テンタ君の中に居るエードラム様は
消えてないとおっしゃるのでな……つい驚いてな」
と皆に説明してくれた。
そして、俺に向かって、お辞儀をし、
「エードラム様ご説明を……そしてその説明をみんなにテンタ君
頼めるか?」
と言ってこられたので俺は頷き了承する。
そして、エードラム様の説明を聞きみんなに俺が説明した。
エードラム様の説明はこうだ。
ガレン(クリスタルマンエメラルド)さんは、反応が微弱だが消えた
わけではないらしい。
おそらく、変身が解け通常の肉体に戻って入るとのこと
だが、それにしても反応が微弱すぎるので、かなり弱っているらしい。
そして、その反応は、今から俺達が目指そうとしていた悪魔率いる巨獣
とガレン(クリスタルマンエメラルド)さん闘っているであろうグロルの
森の中ではなく、そこから数百キロ離れた南の……恐らく、ルベン国
王都ズムだろうと言うことと……驚愕することに、そこにはベビルデ
ーモン2体とレッサーデーモン1万体にレッサーデーモンより強力な
悪魔2千体もいるとのことらしい。
俺がエードラム様の説明を皆にすると全員が驚き驚愕する。
そんな中、グロル(クリスタルマントパーズ)さんが口を開き、
「と言うことは……ベビルデーモンと巨獣は囮……と言うことか」
その言葉にエードラム様が、
『そうね』
と頷くので俺も皆に
「そうだそうです」
と答えると、チーム『バンダム』のスカイラーク(アロム)さんが、
「ひょっとして奴らの狙いは……」
と言いかけると、すかさずキャスバル・ジェラグ(サー)さんが、
「ああ、王城の地下に眠る魔導騎兵が狙いだろうな」
と答える。
するとシュバイガー(ダル)が、
「おいおい、あれはもう動かせないのではなかったか!?」
と驚き、ジェラグ(サー)さんに聞き返すが、
「いや、あれを復活させられる人物が1人いる……」
と言いかけると、スカイラーク(アロム)さんがそこに
「ガレン・ジェラグ元公爵……だな」
と言うと、ジェラグ(サー)さんが
「ああ」
と頷く。
「ガレン・ジェラグ元公爵……ジェラグってジェラグ(サー)
さんと同じ苗字?親戚ですか?」
俺が頭に思ったことを口にすると……。
「んっ!?、ああ、そうだ私の叔父だよ」
と俺の疑問に答えてくれるジェラグ(サー)さんに、俺に次いで
メル(サイキックレディー)さんもジェラグ(サー)さんに
「私は苗字が同じだからサーさんの親戚だろうと思ったけど、
名前がガレンって……エメラルド柱と同じ名前なのは?」
と聞くと、グロル(クリスタルマントパーズ)さんが、話に
入って来て、
「ガレンはエルフ語で『緑』って意味だけど、エルフに知り合い
でも居たのかな?」
と更にジェラグ(サー)さんに聞くが、一瞬”んっ”って顔を
して
「ああ、違いますエルフは関係ないですよ、単に私の祖父が、
活躍されていた柱達にあやかりたいと、長男の我が父にニムと
クリスタル柱の名前を付け、次男の叔父にガレンと付けただけ
です」と答える。
それを聞いて納得顔のメル(サイキックレディー)さんとグロル
(クリスタルマントパーズ)さんだったが、独り険しい顔の
シュバイガー(ダル)さんが言う。
「そんなことより、王城がその元公爵に抑えれれたと言うこと
は、現女王の妹君の命は……」
と言いかけると、ジェラグ(サー)さんは、
「ああ、アルテイシアは恐らくもう……」
と力なく答えるが、そんなジェラグ(サー)さんにスカイラ
ーク(アロム)さんは言う。
「大丈夫!、女王アルテイシアさんは生きておられるよサー」
その言葉を聞いて”えっ”って顔を上げスカイラーク(アロム)
さんを見るジェラグ(サー)さんに、
「悪魔のことは見通せないが今、俺のブランチスキル『ミュータ
イプ』で探ったらアルテイシアさんは生きている、ただ、何か
塔のようなものに閉じ込められているようだが……」
それを聞いたジェラグ(サー)さんはポツリと呟く。
「おそらく……東か西の塔だろうな」
そんなジェラグ(サー)さんにヴァルカス(スレンダー)さんが、
「何でそんなことがわかるんだ?サー」
と尋ねると、
「ああ、王城にある東西の塔は、通常の結界とアンチマジック
結界が張ってあって、外からも中からも出られない仕組みになっ
ている場所なんだ」
と答える。
すると、その答えには納得したようだが、別の疑問が浮かんだ
ようで、ヴァルカス(スレンダー)さんは、ジェラグ(サー)さん
に聞く。
「なるほど閉じ込めるにはいい場所だが、そのそも何で元公爵は、
女王を殺さないんだい、殺した方が手っ取り早いって言うか、そも
そも元侯爵は、7年前のクーデターの時、サーの親父さんである
王を殺して地位を奪ったのではないかい?」
その発言に、シュバイガー(ダル)さんが、
「確かに妙だな」
とヴァルカス(スレンダー)さんに同意をするが、
「いや、意味はあるさ」
とスカイラーク(アロム)さんが口を挟む。
そんなスカイラーク(アロム)さんにヴァルカス(スレンダー)さん
「それはどういう?」
と尋ねると、スカイラーク(アロム)さんではなくジェラグ(サー)
さんが代わりに答えた。
「アロムの言う意味とは、俺達冒険者や、クリスタル教会は、基本
国の出来事には干渉できない……特に国同士の戦争なんかは当たり前だが、
1つだけ干渉できる方法がある。それは、その国の国王が、俺達に依頼
することだ」
その言葉を補足するようにスカイラーク(アロム)さんが説明する。
「つまり、魔物(悪魔含む)や災害……人災ではない天災によるものだ。
この時は我々冒険者やクリスタル教会に国王が依頼すれば俺達は介入できる」
「ん!?どういうことだ」
スカイラーク(アロム)さんの説明にまだ疑問を浮かべるシュバイガー
(ダル)さんに今度は、ヴァルカス(スレンダー)さんが、
「つまりだよ、ダル、今回は一見、悪魔がらみだから俺達は干渉できると
お前は思うだろう?」
とシュバイガー(ダル)さんに聞き返し、それにシュバイガー(ダル)さん
が、
「ああ、」
と頷くが、そんなシュバイガー(ダル)さんにヴァルカス(スレンダー)
さんが、
「でもな、今回肝心な王女が元侯爵と悪魔達に抑えれれている……って
ことは?」
再度、シュバイガー(ダル)さんに聞くヴァルカス(スレンダー)
の言葉に、
「ああ、なるほど……王女は依頼できないわな」
と納得したようだ。
その時、何かを思いついたのかジェラグ(サー)さんが言う。
「いや、手がないわけではない」
と言うと、ホワイトキャッスルキャプテンブライさんに、
「進路をルベン国のバージョレー領に向けてくれ!」
と言うのだった。
◇
ホワイトキャッスルは、一路ルベン国のバージョレー領を
目指していた。
「で、いったいこれからどうするつもりなんだサー」
とシュバイガー(ダル)さんが、ジェラグ(サー)さんに聞く。
「確かに王女が奴なの手にあるので国からの依頼は受けれないが、
国でなく領主に依頼してもらえばいい」
「なるほど」×2
ジェラグ(サー)さんの言葉にスカイラーク(アロム)さんと
ヴァルカス(スレンダー)さんが頷くが、シュバイガー(ダル)さん
は今一、理解できないようで、
「領主?」
と聞き返すと、
「領主から依頼された場合でも俺達は介入できるって事だよ、
ただ、その場合その領地のみの活動になるがな」
とジェラグ(サー)さんの代わりにスカイラーク(アロム)さん
が答えると、ようやくシュバイガー(ダル)さんも納得したようだ。
そして、ジェラグ(サー)さんは、
「叔父(元侯爵)も悪魔達もいつまでも王都に居座ってはいないだろう
せっかく戦力を手にしてそれを使わないってことはないだろう」
と話し、さらに、
「それに、バージョレー領を収めるガマル子爵は、俺と同じ学院の
学友だったから、話を付けるのに都合がいいんだ」
と言うと、シュバイガー(ダル)さんだけでなく、スカイラーク(アロ
ム)さん、ヴァルカス(スレンダー)さんも、
「なるほどな」×3
納得したようだ。
◇
-----(第三者視点)------☆
一方、ルベン国の王城内の女王の執務室では、
女王の執務机に座るベビルデーモンのダックル(真っ白な
ゴリラ男)が、その前に立つ同じくベビルデーモンのピッ
ポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)
とバット(ナマズ顔で、角が生えていて、人間の手足の男)
達と今後の打ち合わせをしていた。
「ピッポリト殿は、怪獣の補充に一旦ダリウス様の所に戻る
あろう」
と尋ねるダックル(真っ白なゴリラ男)に、ピッポリト(タ
ツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)は、
「ああ」
と答えると、ダックル(真っ白なゴリラ男)は、
「申し訳ないが、王都入場の降り殺した騎士達や市民の魂と
骸2万8000をダリウス様の所におるバルカン殿達に届けて
もらえぬか?」
と聞くとピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が
生えてる男)は、
「それはかまわぬが……」
と言いかけるピッポリト(タツノオトシゴに人間のような
手足が生えてる男)に”ああわかっている”と言うジェスチャー
で、ダックル(真っ白なゴリラ男)が、
「ああ、残りはバット殿の所の魔導騎兵の準備出来次第、王都に残る
市民を殲滅し、用意するでな」
とピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えてる男)に
言うが、
「で、それはいつ頃になる」
と聞き返すピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生えて
る男)に、ダックル(真っ白なゴリラ男)は、バット(ナマズ顔で、
角が生えていて、人間の手足の男)に視線を向け、
「いつ頃になるかの?」
と聞くと、バット(ナマズ顔で、角が生えていて、人間の手足の男)
は、
「そうさな~ジェラグの話によると【魔導騎兵】の整備に後1日は
かかるそうだ、その後デカレッサーデーモンを乗せて試運転をして
……後2日ほどか」
その言葉にダックル(真っ白なゴリラ男)は、ピッポリト(タツノ
オトシゴに人間のような手足が生えてる男)の方を見て、
「だそうだ」
と言うと、ピッポリト(タツノオトシゴに人間のような手足が生え
てる男)は、
「相分かった」
と言ったかと思うと、\ボワッ/とその場から消えるのだった。
そこへ、何処からともなくカラスが現れた。
そのカラスは、ダックル(真っ白なゴリラ男)の肩に留まると、
ダックル(真っ白なゴリラ男)の耳元に嘴を近づけ何かを報告する。
カラスの報告を聞いたダックル(真っ白なゴリラ男)は、目を見開き、
「クリスタルマントパーズと、転生者達が王都の隣の領地に向かって
おるじゃと!……」
驚くが、カラスの報告はさらに続き、
「なるほどなるほど、それにあの猫と小僧がのう」
と今度は細笑みを浮かべ、側に居たバット(ナマズ顔で、角が生えて
いて、人間の手足の男)に聞く。
「我は、少し準備を致す故少しの間ここをお頼みできるかの」
それを聞いたバット(ナマズ顔で、角が生えていて、人間の手足の
男)が、
「ああ、別にかまわんが」
と言う返事を聞いたダックル(真っ白なゴリラ男)は、その場
から\ボワッ/と消えるのだった。




