122話 「悪魔専用!?」
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------(テンタ視点)------☆
戦闘終了後、俺はデーモンレディー(マヤ)さんに
そっと大広間の床にそっと降ろしてもらう。
動けないことはないが、コンバットスーツの機能
が、すべて停止しているため、リバース&フェード
アウト(オトアと分離)が出来ないでいた。
そこで、クリスタルマンルビー(カラン)さんは、
「ちょっと出かけてくる」
と言って、、赤い眩い光の球になったかと思うと、
消えた。
しばらくして、再び赤い光の球が現れたと思うと、
そこには、クリスタルマンルビー(カラン)さんと
共にチーム『ポテンツァ』の魔法師のチャッピー
(キャットピープル)さんが居た。
そして、クリスタルマンルビー(カラン)さんは、
魔法師のチャッピー(キャットピープル)さんに
向かって、
「君は、修復の魔法は知っているか?」
と聞くと、
「えっ、あー、知ってますけど、私の魔力では
到底発動できませんよ」
と魔法師のチャッピー(キャットピープル)さんが
答えると、
「ああ、魔力の心配はいらない、それは俺の方で
何とかするから」
とクリスタルマンルビー(カラン)さんが答えると、
そのまま建物の外に出て、空に向かって、クリスタル
サインと言うクリスタルマン達にしか理解できない
文字を書くと。
その数分後、白い光の球、緑の光の球、黄色い光の
球に青い光の球が大広間に現れ、その各光の球が消え
ると、クリスタルマン、クリスタルマンエメラルド、
クリスタルマントパーズ、クリスタルマンサファイア
が、等身大(2m)の姿で現れた。
そして、クリスタルマン(ニム博士)さんが、クリス
タルマンルビー(カラン)さんに向かって言う。
「事情はクリスタルサインで分かった、早速、取り掛
かるぞ」
と声をかける。
すると、それに頷いたて、クリスタルマンルビー
(カラン)さんが、魔法師のチャッピー(キャット
ピープル)さんに向かって言う。
「今から俺達クリスタルマン5人のエネルギーを
君の魔法の杖に送るから、君はそのエネルギーを
使い、修復魔法を発動させてくれ」
その言葉に、
「えっ、あ……はい」
と戸惑いながらも了承する魔法師のチャッピー
(キャットピープル)さん。
その様子を見て、再びてクリスタルマン(ニム博
士)さんが、他の兄弟に向かって言う。
「やるぞ!」
その言葉に他のクリスタルマンの兄弟が頷き、
全員が輪になり、それぞれ右手を出して重ねる
と……。
「ペンタホース!」×5
5人で声をそろえ叫ぶ。
すると、重ねた右手に各クリスタルマン達の
白、緑、黄、青、赤の光が注がれ、それが集まり
やがて、クリスタルマン達の頭上に白い大きな光
の球が出来上がる。
そして、その光の大きな球は、魔法師のチャッピー
(キャットピープル)さんが持つ魔法の杖へと光を
注ぐ。
「うぐっ……」
膨大なエネルギーが注がれたため、魔法師のチャッピー
(キャットピープル)さんの杖が倒れそうになるのを
必死でこらえるるチャッピー(キャットピープル)さん。
そして、すべてのエネルギーが注がれた、杖先を俺の
方に向けて、
「聖なる癒しのその御手よ 母なる大地のその息吹
我らが前に横たわる 傷つき鎧を 我ら全ての力を
持て 今一度の力を与えんことを願う リペア!」
と魔法の呪文を唱える。
そして、唱え終えると同時に持っていた杖先を俺に
向けると、眩い光が杖から放たれ、俺の体を包み込
んだ。
(((((グィーン)))))))
すると起動音と共に俺のコンバットスーツのヘルメット
内の各種ランプが点灯するとともに警告音が鳴り響く。
そして左右のモニターにエードラム様とオトアの姿が
映し出されるとモニターに映るエードラム様が、
「ふぅ~」
と息をつき、
「もうどうなることかと思ったわ」
とおっしゃると、右のモニターに映るオトアが、
「でも、まだ15%の修復率ですよ」
と言うと、エードラム様は自信気に
「大丈夫、後は私が何とかする」
と言った途端、俺のコンバットスーツ内から光が
溢れだし、あっという間にヘルメット内に鳴り響く
警告音が鳴りやんだ。
「よし、これで完璧w」
と満面の笑みを浮かべるエードラム様だった。
「フェードアウトw」
「リバース」
これで、やっとオトアと分離し、コンバットスーツを
脱げた。
(ふぅ~)
◇
俺は、体力の限界を迎え、その場にへなへなと座り込む。
俺同様にチャッピー(キャットピープル)さんもその場に
座り込んだ。
ただ、彼女の場合、俺と違い体力の限界や魔力切れを
起したわけではなく、たんに、膨大な魔力を扱た
ことによる精神的なものみたい。
そんな、俺とチャッピー(キャットピープル)さんの元に
ルーフンさん(クリスタルマンサファイア)がやって来て、
俺と、チャッピー(キャットピープル)さんに水の入った
マグカップを差し出し、
「お疲れさん、2人共、まぁこれでも飲んで一息つきなさい」
と言って来た。
俺とチャッピー(キャットピープル)さんはそれを受取り、
「ありがとうございます」×2
と言ってお礼を言い、マグカップの水を”ゴクゴク”と
飲む。
「んっ、プハー」
よく冷えたマグカップの水を飲み俺は思わず声が出た。
その間に、ルーフンさん(クリスタルマンサファイア)は、
三毛猫の前にも水の入った皿を置き、
「オトアちゃんもどうぞw」
と声を掛けた。
「ありがとうございます」
とオトアはお礼を言い、皿の水をなめだすと、
ニム博士が、
「ブランチのインターバル時間の間にこの建物を調査しよう」
とみんなに声を掛けると、横に居たガレン(クリスタルマン
エメラルド)さんが、
「まだ、残党が残っているかもしれん、俺達はインターバル
中なので再変身できん、すまないが、ザマタン
(エディー)、イマタン(ジェシー)、ガマタン(チャド)の
3人は俺達の護衛として、付いてきてくれないか?」
と聞くと、3人は頷くがそれを聞いたデーモンレディー(マヤ)
さんがガレン(クリスタルマンエメラルド)さんに聞く。
「私は?」
自身の指さし効デーモンレディー(マヤ)さんに、”ああ”
って感じでこう言った。
「君は、テンタ君とチャッピーの護衛として残ってくれな
いか?」
と聞くと、
「ああ、はい」
とデーモンレディー(マヤ)さんは笑顔で快諾するのだった。
因みに、ニム博士や、ガレン(クリス
タルマンエメラルド)さんが言うインターバルと言うのは、
彼らが再び変身するための時間のことで、ブランチスキル
がMAXの5人は、本来ならインターバルなしに1日に5回
変身出来るのだが、今回5人はブランチの魔力
のすべてを俺のコンバットスーツ修復に使ってしまいブランチ
の魔力切れを起こして変身の強制解除になって
しまったので、この場合5分~10分のインターバルが必要
となるようだ。
柱達5人と、チーム『デビライザー』の3人は建物の
中を調べるため、ここ大広間から離れるのだった。
それを見送る、俺と三毛猫にチャッピー(キャットピープル)
さんとデーモンレディー(マヤ)さんだった。
◇
あれから30~40分たっただろうか、俺の体力も少し戻
ってきたかな?って思ったころ、チーム『デビライザー』の
ガマタン(チャド)さんが独り俺や三毛猫やデーモンレディー
(マヤ)さん達が居る大広間に1人戻ってくると、
「クリスタル柱がテンタ君とオトアちゃん
に一緒に来るようにってさ」
俺と三毛猫に告げると、それを俺の横で聞いていたデーモン
レディー(マヤ)さんが、ガマタン(チャド)さんに
「ん?テンタ君とオトアちゃんだけなの?」
と聞き返すと、”んっ”って顔をしたガマタン(チャド)さんが、
「いや、別にマヤ(デーモンレディー)やチャッピー(キャット
ピープル)達に内緒と言う訳ではないみたいだけど、要はオトア
ちゃんの中に居る光の精霊様に聞きたいことがあるみたいだぜ」
と返答すると、自身とチャッピー(キャットピープル)さんを
交互に指さし、
「別に私達も言って支障ないなら、私達も行くけど、それで
いい?」
とガマタン(チャド)さんに聞くデーモンレディー(マヤ)さん
に、
「ああ、いいと思うぜ」
と返すガマタン(チャド)さんの言葉に、デーモンレディー(マヤ)
さんは、チャッピー(キャットピープル)さんの方を見て、
「一緒に行きましょう、チャッピーさん」
と声を掛けると、チャッピー(キャットピープル)さんは、
「ええ、あ……はい」
と少し戸惑いながらも同意する。
ってことで結局皆で、ニム博士の待つ
場所へと向かうこととなった。
俺は、一旦しゃがむと、それを見た三毛猫は、すぐさま
俺の方にジャンプして俺の肩の上に乗る。
それを見たガマタン(チャド)さんが、全員に、
「じゃ、付いてきて」
と声を掛け歩き出す。
俺達は、ガマタン(チャド)さんの後を追い、この大広間を
出て行くのだった。
◇
大広間の左右にある通路のうち左の通路を通り、建物北側に
ある階段で5階へと上がる。
エードラム様の話を三毛猫から聞いて所によると、俺達が
通った通路の反対側にもこれと同じ階段があるそうだ。
そして、5階に着くとすぐに警備員室(反対側も同じ)があり、
建物の北側がこの建物の主のプライベート空間で、通路を挟ん
だ南側が、公務の空間になっていて、プライベート空間には
主の書斎や寝室並びに主の家族用の部屋があるそうで、公務
の空間には、執務室や応接室そして一番南側には大きな会議室
があるそうで、どうやら俺達はそこに向かっているようだ。
会議室に入ると、そこは会議用のテーブルも椅子もなく、
ただ、部屋の真ん中にポツンと王様が座るような椅子が
あるだけだた。
そこには、ニム博士をはじめ5人の
柱達と、チーム『デビライザー』のザマタン(エディー)
さん、イマタン(ジェシー)さんが居て、ニム博士(クリス
タルマン)が持つおわん型の装置について何やら話をして
居る様だった。
「連れて来ましたよ」
とガマタン(チャド)さんが、そこに居るニム博士(クリス
タルマン)達に声を掛けると、そこに居たニム博士(クリ
スタルマン)達全員が、話をやめ俺と俺の肩に載る三毛猫
を一斉に見る。
(えっ、なになになに)
俺は急にそこに居た人達に見られ、一瞬たじろぐが……。
そんな俺の心をよそに、ニム博士が、
俺に対し……いや俺の肩に載る三毛猫に聞く。
「この装置がこの砦のコントロール装置だと言うことは
分かるのだが、起動の仕方がわからないんだ、エードラ
ム様ならわかるんじゃないかと思ってね、オトアちゃん
エードラム様に聞いてみてもらえないかな」
三毛猫はそのニム博士の
言葉に、
「あっ、はい、聞いてみますと」
と答えるとしばらく固まった。
(あの人に悪魔の装置のことわかるのかな?)
と俺が一瞬心に思た時だった。
俺の頭の中に
≪失礼な、わかるわよ≫
と念話が入った。
(あっ、失礼しました)
えっ、オトアとフェードインしていないのに俺の心を読める
とは、恐るべし光の精霊……って頭に浮かんだが、また心を
読まれるのでは……と思い頭の中に浮かんだ言葉を打ち消す。
”ブルブルブル”
と俺が頭に浮かんだことを打ち消そうと頭を横に振るのを見
たガレン(クリスタルマンエメラルド)さんが、不思議そうに
「どうした?テンタ」
と聞いてくるが、俺は
「いえ、何でもありません」
と答える。
その間に固まっていた三毛猫が、
「エードラム様の話だと、今ニム博士が持っておられる装置が
この砦のコントロール装置だとおっしゃっています」
とエードラム様のお言葉代わりに答えると、ニム博士(クリス
タルマン)が、その言葉に
「いえ、それは私にもわかります、この装置の起動の仕方を
お聞きしているのです」
と言い返すと、三毛猫は、また固まり……そしてこう
答える。
「それは、悪魔専用だからじゃなぁい……っておっしゃって
ます」
その言葉を聞いて一瞬驚くニム博士だっ
たが、その言葉を近くで聞いていたとチーム『デビライザー』
のイマタン(ジェシー)さんが、
「悪魔専用なら俺達なら使えるって事か?」
と言うと、すかさずニム博士の隣にいた
ガレン(クリスタルマンエメラルド)さんが、イマタン(ジェ
シー)さんに
「いや、悪魔って言ってもお前達はこっちの悪魔ではないだ
ろう」
と言うと、その言葉に三毛猫がすぐさま
「いえ、イマタンさん達なら扱えるとおっしゃっています」
答えた。
その言葉に絶句するガレン(クリスタルマンエメラルド)さん
はじめ他の柱(クリスタル兄弟)達。
三毛猫の言葉に、イマタン(ジェシー)さんが、
「試にそれを俺に貸してみてくださいクリスタル柱」
と言いながら、お椀の装置を持つニム博士
から、おわん型の装置を受取り、頭からかぶってみると……。
「あっ、みえる!みえるよ」
大きな声で言うにイマタン(ジェシー)さんに、ニム博士
(クリスタルマン)が、
「なら、ためしにこの砦を移動させてみてくれ」
と言うと、イマタン(ジェシー)さんが、
「はい、やってみます」
と言うや否や、砦がゆっくり動いたのを感じた。
その様子に、
「なるほど……悪魔専用なんですね」
と呟く、ニム博士だった。
◇
取り合えず、この空中砦を動かせることがわかり、
下にあるデンスアーラ共和国の王都ベスティアの街の
パニックを回避する意味もあり、一先ず空中砦を
南支部上空まで移動させ、そこでこの砦を詳しく
調べることになった。
そこで、柱5人と、チーム『デビライザー』の4人
はこの砦にとどまるが、さしずめここに居ても何も
することのない俺と、三毛猫と魔法師のチャッ
ピー(キャットピープル)さんは、一足先にスクワ
ナ村帰ることになり、俺は再び、
「赤着!」
そして三毛猫がフェードインすると、すぐさ
ま左太腿の装甲版を開き、小槌を出し、そこからスカイ
バリアンを出し、後ろにチャッピー(キャットピープル)
さんを載せ、今いる会議室の窓から飛び出そうとした時
だった。
カラン(クリスタルマンルビー)さんから声を
掛けられる。
「ああ、ついでにベスティアの街の上空に居る、
食いしん坊の龍も一緒に連れて帰ってくれ」
と言われる。
(ん?食いしん坊の龍……ああ禍龍のことか)
と俺は理解し、
「はいわかりました」
と答えそのままスカイバリアンで飛び出した。
そして、しばらくスカイバリアンで空を飛んでいると
……
(あん?なんだあいつ)
そこには大きく膨れたお腹を上に向け仰向けに浮かぶ
禍龍の姿が見えたそして禍龍は仰向けに
浮かびながら、
≪ああ、もう喰えねぇ~≫
って言うのを聞いて、
俺は、
(この野郎)
と心に思うのだった。
劇中に出てくる「ペンタホース」は、特撮戦隊ヒーローのバ〇ルフィーバーJが使う
必殺技の名前です




