103話 もう武器ないって!
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------(第三者視点)------☆
一方、テンタがガイスト隊長と戦っているころ。
冒険者ギルド南支部の闘技場に居た三毛猫と言うと
……。
「あ~ん私にも抱かせてよ~」
「えーっ、さっき抱いてたじゃん」
と三毛猫を取り合うハワイ系の女性達。
この2人を紹介すると、2人は冒険者で、所属チームは『ナル』。
共に19歳で『ナル』メンバーはこの2人だけだ。
1人は、マカナ、転生前は『中森かおる』。
16歳の時、遊覧船の沈没事故で亡くなり、このイデアに転生して
きた。
使用できるブランチは、アニメ『海底王女マリーナ』の主人公マリ
ーナ。ピンクのウエットスーツ姿で、ブーツに仕込まれたジェット
水流装置で海底を自由に泳げ、また、オキシドールキャンディー
と呼ばれるキャンディーを口に入れることにより、1時間は海底
で呼吸できる。
武器は電磁ヨーヨーで、ブランチスキルは、『会話』海の生き物と
会話できる能力がある。
もう1人は、ナイア、転生前は『岡田博美』。
15歳の時に学校の水泳の授業の時突然心臓麻痺を起こし亡くなり、
このイデアに転生してきた。
使用できるブランチは、アニメ『海のトリン』の主人公トリン。
人魚の姿で、手にはオリハルコンの3又の槍を持つ。
水中では鰓呼吸できる。
武器は手に持っているオリハルコンの3又の槍でブランチスキルは、
『使役』魔物以外の海の生き物を使役できる能力がある。
そんな2人に昨日から、もてあそばれる三毛猫だったが、
三毛猫は何の抵抗もせず、2人の好きにさせていたのだが
……。
そんな中頭にエードラムの言葉が響いた。
≪オトアちゃん、悪魔が来る≫
「えっ!」
エードラムの言葉に三毛猫は、ビクっと反応し、すぐさま
マカナとナイアの手からするりとすり抜け、側に居た支部長の黄雷
の元へと走る三毛猫。
「あっ、どこ行くのオトアちゃん」
「待ってぇ~」
そんなこととは知らず三毛猫を追いかけるマカナとナイアである。
◇
「悪魔が攻めて来ます」
と黄雷の側まで行った三毛猫が報告すると、
三毛猫を追いかけていたマカナとナイアもそれを聞き驚く。
「えっ!」×2
しかし、黄雷の方はそれに冷静に頷き、立ち上がって、
ギルドの闘技場に居るみんなに聞こえるように言う。
「全員、戦闘準備!」
その言葉に、黄雷以外の『仮面ソルジャー』チームの
3人がそれに反応して、変身する。
「変身!」
「ソルジャ~変身!」
「変身レッド!」
それぞれが懐からお面を出してそれを顔につけてから変身ポーズを取る
と、仮面が光、やがてマスクに変わりそして体全体が変わっていく。
楊黒暗さんこと仮面ソルジャーブラック、周雪
さんこと仮面ソルジャーホワイト、それに呉火さんこと
仮面ソルジャーレッドの面々。
それを見て、ガイゼルさんも変身する。
「ガンボー!」
見る見る上半身裸のムキムキマンに変わるガイゼル。
その様子に、慌てて変身するマカナとナイア
「マリーナ!」
「トライデント!」
マカナは、ピンクのウエットスーツ姿になり、ナイアは、
人魚姿に変わる。
そして、最後に、ギルマスの黄雷が、懐からお面を出し、
変身ポーズをとり
「セットアップバイオレット!」
と叫ぶと、仮面が光、やがてマスクに変わりそして体全体が変わっていく。
そこへ、ギルド職員が慌てて入って来た。
「ギルマスぅ~!大変です、空から魔物がたくさんこっちに向かってきます」
その言葉を聞いた黄雷こと仮面ソルジャーバイオレット
は、その職員に聞く
「数は!」
すると職員が答えた。
「わかりません!」
その言葉にそのに居た全員が、
「んっ!」
と声をあげ、ギルド職員を見るのだった。
◇
「方角は!」
数がわからないと言うギルド職員に仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)
が聞くとギルド職員は、
「西の方角からです」
と答えた。
それを聞いた支部長の仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)
が、
「弓を使えるものと魔法師……」
と言いかけて、
「悪魔に魔法攻撃は効かないんだったな……」
と言い、
「兎に角西の城壁の上に弓を扱えるものを集めて迎撃させろ!」
とギルド職員に指示を出した。
「わかりました」
指示を出されたギルド職員は、そう返事を返し、その場を足早に立ち去って行く。
それを見ながら、仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)が呟く。
「ブルーノ(ガシャーン)が、変身を使えたら迎撃出来るのだが……」
その言葉に、仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)が、
「だとしても、ブランチの能力での飛び道具は悪魔に効果あるまい」
と仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)に言うと、ふと目線を
ガンボー(ガイゼル)に移して言う。
「ガイゼル(ガンボー)、能力以外の武器はもっていないか?」
とガンボー(ガイゼル)に尋ねると、とガンボー(ガイゼル)は、
「あるにはあるが……俺はオトアを守らにゃ~ならんからここを離れるわけには
いかんぞ」
と言うと、仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)が、
「なら、オトアちゃんの護衛は俺が変わろう、その代わりガイゼル(ガンボー)
が、悪魔達を迎撃してもらえんか?」
とガンボー(ガイゼル)に尋ねると、
「えっ、しかし、テンタとの約束が……」
と言うと、仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)が、
「いや、それはわかるが、見ての通り、対空能力を持った転生者がいないんだ、
……それに、俺には、ブランチ能力の”シャドー”がある、いざとなったらこの
シャドーで、オトアちゃんを守れると思うがな」
とガンボー(ガイゼル)を説得するように言う。
ガンボー(ガイゼル)は少し考えて、
「そうだな、わかった」
と仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)に言うと、それを聞いていた
支部長の仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)が、
「よし、俺達仮面ソルジャー3人と、ガンボー(ガイゼル)とで迎撃に当たる、
他の物はここで仮面ソルジャーブラック(楊黒暗)と共に待機し
ながら、三毛猫ちゃんを守ってくれ!」
と言い、達仮面ソルジャー3人と、ガンボー(ガイゼル)とで出て行こうとすると、
海底王女マリーナ(マカナ)と海のトリン(ナイア)が、支部長の
仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)に声を掛ける。
「私達も行く」×2
それを聞いて、仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)が振り向きざまに
「お前達は、水中特化型のブランチじゃないか、まして海のトリン(ナイア)は、
人魚の姿だ、それでどうやって空の敵と戦えると言うんだ」
とあきれ気味に言うと海底王女マリーナ(マカナ)と海のトリン(ナイア)は、
返す言葉がなかった。
「……」
そんな2人に仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)が、
「気持ちはありがたいが、2人はオトアちゃんの面倒を見ていくれ」
とウインクすると、海底王女マリーナ(マカナ)と海のトリン(ナイア)は、
嬉しそうに、
「はいw」×2
と声をそろえ言うのだった。
◇
ここ冒険者ギルド南支部は、デンスアーラ共和国の外にあると言うのも
あるが、例え、デンスアーラ共和国の中にあったとしても、デンスアーラ
共和国自体、他の国と違って城壁作らない国なので、南支部には、支部を
ぐるりと囲む城壁が備わっている。
その城壁の西側の上部に、ギルドマスターの命を受け、弓を持ったものが
集まっていた。
「こりゃ~100や200では済まないぞ」
とその城壁の上から迫る魔物達を見て1人の男が言う。
その傍らに居たもう1人の男が、
「ホントだな、こりゃ俺達の手には負えねぇ~ぜ」
と言うと、先ほどの男が、
「なぁ~に、おっつけギルマス達転生者が来るだろうから、俺達は
それまで時間稼ぎすりゃ~いいだけだ」
と言い返す。
すると、そこへギルド職員らしき男が、城壁に集まった男達に
「みんな~迎撃準備!」
と大声で言うと、城壁に弓を持って集まった男達は、矢をつがい
空の魔物に矢を射る準備をする。
「放てぇ~!」
ギルド職員らしき男が、大声でそう言うと、弓を構えた男達は、
次々と矢を放つ。
ピシュン◇彡、ピシュン◇彡、ピシュン◇彡
無数の矢が、空を飛んでいた蛾のような魔物に次々飛んで行くが、
200体居た蛾の魔物のうち、20体ほどは、矢を射られ地面へと
落下して行くものの、その他の蛾の魔物達は、矢を避けるように
飛行し、そして……。
自身の羽をパタパタさせ、城壁の上に居る男達に自身の羽の鱗粉
をばらまく。
「グッ」
「うぅっ…」
「ぐぅぅ…か・体が……」
「しびれて……」
と言いながら、おおよそ30人居た男達は、次々とその場に倒れて
行く。
そこへ、地下の闘技場から仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)
達が城壁の上に上がて来て、
「な・なに!」×4
と城壁に居た男達が倒れているのを見て驚く。
そして、倒れた男達を見て、仮面ソルジャーバイオレット(黄雷)
が言う。
「こりゃ~麻痺の鱗粉か」
その言葉を聞いたガンボー(ガイゼル)は、自身の小槌から、防毒
マスクを取り出しつけてから、仮面ソルジャー達にそれぞれ自身の
作った武器を出す。
その間に、仮面ソルジャーホワイト(周雪)が
ギルド職員達を呼びに行き、蛾の魔物の鱗粉で体が麻痺した者達
を救護室に運ぶよう指示するついでに、
「魔法師を呼んで、こいつらに浄化の魔法を掛けるように言ってくれ」
とも指示をしていた。
その間にガンボー(ガイゼル)は、自身の小槌から四角い双眼鏡
のようなものを出し、空を飛ぶ蛾の魔物を見た。
\ピッ/
【デーモンサハギンモス(悪魔+魚人+蛾)】
H P 998+180
M P 320+ 60
運動性 125+ 90
攻撃力 890+140
防御力 620+ 80
命中 90+ 5
回避 72+10
※
・悪魔闘気(魔法無効)
・麻痺の鱗粉)
・魔法攻撃各種
・レイピア
×180
「ほう~なかなかの数だな」
と双眼鏡を覗き言うガンボー(ガイゼル)。
因みにこの双眼鏡は、テンタやシェリー達のコンバットスーツに
備わるサーチャースコープ
の機能をまねて、ガンボー(ガイゼル)が自作したものだ。
仮面ソルジャー達にガンボー(ガイゼル)がそれぞれ武器を渡すが……。
渡された仮面ソルジャー達はそれを受取り、首をかしげる。
「こ・これが武器か?」
とガンボー(ガイゼル)に尋ねる仮面ソルジャーレッド(呉火)。
「ああ、そうだ」
とあっさり答えるガンボー(ガイゼル)。
ガンボー(ガイゼル)が仮面ソルジャー達それぞれに手渡したのは黒い投網。
「この網でどうやって倒せと……」
と質問する仮面ソルジャーホワイト(周雪)に、ガンボー(ガ
イゼル)は、説明した。
この投網は、以前悪魔が両替商を襲った時にクリスタル警察のロボットデカ・
Dが使った黒い網と同じで、相手の体内の魔力を外に放出する効果の
ある網だと言うことだ。
「なるほどな……」
説明を聞いた仮面ソルジャーホワイト(周雪)は納得したように
そう呟くのだった。
◇
投網をガンボー(ガイゼル)から受け取った支部長の仮面ソルジャー
バイオレット(黄雷)は、ギルド職員を呼び、魔法師を集めさせ、西の
城壁に向けて、土属系魔法でスロープを作らせ、他の仮面ソルジャー達に向け、
「作戦開始!」
と号令をかけると、それぞれの仮面ソルジャー達が自身の能力で、専用マシン(オー
トバイ)を出す。
「こいティーガ!」
「レオン!」
「ライガー!」
それぞれのマシンは、それぞれの仮面と同じ、白い虎、赤い獅子、紫の獅子虎
の色と形をしており、前足と後ろ足でタイヤを挟み込んだ姿。
\Boone/ 、\キュルキュルキュル/
それぞれのマシンがエンジンをふかし、タイヤを滑らせスロープに向け走り出す。
そして、
\Boone/
スロープでジャンプし、さらにジャンプしたオートバイからジャンプする。
「とー!」×3
そして、空中に居るデーモンサハギンモス(悪魔+魚人+蛾)達に投網を投げる。
網にはそれぞれ、約50体ほどのデーモンサハギンモス(悪魔+魚人+蛾)達が
掛かると、
「とー!」×3
その網を持って、地上へと降りる仮面ソルジャー達。
そして、網の効果により魔力を失い自身の体から悪魔闘気(魔法無効)を出せなくなった
デーモンサハギンモス(悪魔+魚人+蛾)達に仮面ソルジャーレッド(呉火)
が、
「ヘルファイアー!」
\ボー/
と叫びながら、炎を口から吐いて、網ごと燃やして行く。
その間に、ガンボー(ガイゼル)は、円錐形の形をした爆薬入りの矢を弓で射って、1体
づつ、倒して行く。
”シュッ◇彡”、\ボン/、”シュッ◇彡”、\ボン/”シュッ◇彡”、\ボン/。
爆薬入りの矢がなくなったころ、すべてのデーモンサハギンモス(悪魔+魚人+蛾)を
倒して”ほっ”としたガンボー(ガイゼル)だったが、そこに
\\ブーン//
と大きな羽音がするので、空を見上げるガンボー(ガイゼル)。
そこには沢山の新たな魔物の姿があった。
ガンボー(ガイゼル)は慌てて防毒マスクを外し、双眼鏡で新たに
現れた魔物達を見ると……。
\ピッ/
【デーモンサハギンホッパー(悪魔+魚人+バッタ)】
H P 1000+180
M P 330+ 60
運動性 140+ 90
攻撃力 883+140
防御力 625+ 80
命中 87+ 5
回避 84+ 10
※
・悪魔闘気(魔法無効)
・クラッシャー(かじる)
・各種魔法
・青龍刀
・ジャンプ力(30m)
×200
【デーモンサハギンマンティス(悪魔+魚人+カマキリ)】
H P 1200+180
M P 360+ 60
運動性 260+ 90
攻撃力 1000+140
防御力 800+ 80
命中 92+ 5
回避 76+ 10
※
・悪魔闘気(魔法無効)
・鎌(両腕)
・各種魔法
×200
と双眼鏡に出たのを見て、ガンボー(ガイゼル)が
「おい、おい、もう武器ないって!」
とぼやくのだった。




