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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 オトアピンチ!ブランチキャンセラー編
101/204

100話 年なんじゃなぁ~い?

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457






------(テンタ視点)------☆




 今から向かうデンスアーラ共和国は、他の国々と違って、国境線に


城壁もなければ、国に入るのに関所を通る必要もない所らしい。


 元々他の国に侵略されたこともなければ、逆に侵略することも


無かった国で、そもそも国民に侵略する、されると言う発想自体が


ない国らしい。


なので、ダイレクトにカニス村まで向えるのだ。


 カニス村までの道中で、屋根に居たジーン(燕族)さんが、俺達の


馬車けんたうろすしゃの正面にあるレツさんとダイさんと話を


するための窓から、逆さまに顔を出し、俺達にこれから向かうカニス村


の話を聞かせてくれた。


 ジーン(燕族)さんカニス村と言うのは、デンスアーラ共和国の北東


にあり、住んでいるのは獣人と呼ばれる種族のうち狼人、狐人、犬人が


居るんだが産業としては主にカペル(ヤギ)の放牧なんだそうで、そして


そのそのカニス村は『ウスリ山』、『ラウシ山』、『アタタ山』、


『ラカン山』の4つの山に囲まれているそうでその山の一つ『ウスリ山』


と言うの山に例の銀の鎧を着た人間を運ぶ魔物の集団の目撃情報があった


らしい。


そして、ジーン(燕族)さんがその『ウスリ山』を調査したところ、


その山の中腹には洞窟があり、その洞窟に悪魔探知機が反応した


とのことだった。


その話を聞いて、シェリーさんが言う。


「山の中腹にある洞窟って……いかにもって感じね」


その言葉に、タミーさんが言う。


「罠かな?」


その言葉にミリー(トム妻)さんが、


「罠であろうと、なかろうと、そこに悪魔が居て、トムが居る可能性が


あるなら、行ってみるまでよ」


と言うと、皆は黙ってしまった。


(はい、ごもっとも)


俺はミリー(トム妻)さんの言葉に心で納得するのだった。


その日の夕方、俺達は、カニス村へと到着する。


 事前にジーンさん(燕族)がこの村の公民館を貸してもらえるように


村のおさのルー(狼人)に話を通してあるそうだ。


 一応、俺とミリー(トム妻)さんと、チーム『ポテンツァ』のレオン


(獅子族)さんが、ジーン(燕族)さんを伴い、村長むらおさのルー


さんを訪ねてご挨拶に行く。


 村の中心より少し北におさの家があった。


なだらかな坂を上り……それはあった。


「な・なんだこれ」


思わず俺は村長むらおさのルー(狼人)さんの家を見て、そう口にし


てしまった。


俺の驚き発した言葉に”クスクス”笑うミリー(トム妻)さんに、それを


不思議そうに首をかしげる、レオン(獅子族)さんが、ジーン(燕族)さん。


(だって……大きな犬小屋って感じの家なんだもん)


 まぁ、さすがに扉もあるけど……つくりはほぼ犬小屋、ただ凡そ、


普通の木造の2階建てって感じの大きさで、


「どうぞ、中にお入りください」


とルー(狼人)さんに言われ中に入ってみると、案の定普通の2階建ての家


だったんだけどね。


居間に通され、村長むらおさルー(狼人)さん自らお茶らしきものを入れ


てくれた。


「どうぞ」


「恐縮です」


村長むらおさ自らお茶を入れてもらい恐縮する俺。


さっそく、ジーン(燕族)さんが、


「以前お願いしていたように、しばらく、公民館を宿としてお借りしますね」


とルー(狼人)さんに言うと、


「ああ、構わんですよ、秋の村祭りまではあそこは使わんですから」


と言ってくれた。


すると、ミリー(トム妻)さんが、ルー(狼人)さんに聞く、


「お聞きしたいのだけど……」


すると、ルー(狼人)さんは、ミリー(トム妻)さんの方を見て


「何ですかな?」


と聞くと、ミリー(トム妻)さんは、


「あの~魔物が銀の鎧を着けた人間を運んでいたと言う『ウスリ山』とは


どう言う山ですの?」


とルー(狼人)さんに質問すると、ルー(狼人)さんは、”ああ”って


感じで、


「ウスリ山ですか、あ……あの山は禿山ですわ」


と答えた。


「禿山って?」


ルー(狼人)さんの答えにミリー(トム妻)さんが聞き返すと、


「なーんもない岩だらけの山でな、私らが飼っておるカペル(ヤギ)


の餌となる草や木の葉やドングリなどが全く生えない山での、


だからこの村の人間もあの山にはほとんど登らんじゃったが……


たまぁ~に、この村の若い衆が剣術の稽古に使っておって、その


者達がそれを見た……ってのをこの御仁に話したわけじゃが」


とジーン(燕族)さんを”チラ”っと見てからそう答えてくれた。


「そうなんですね」


とミリー(トム妻)さんがルー(狼人)さん言葉を返し、


「わかりました、ありがとうございます……」


と言いながら、自身の小槌から、デンスアーラ共和国のお金で


2万オドル(約40万円)をルー(狼人)さんに差し出した


それを両手で大事そうに受け取り、


「これはこられはご丁寧ですこと」


と言って懐に仕舞う。


 因みにこのデンスアーラ共和国のお金オドルを説明すると、


香鉄と呼ばれる香木のように香がする鉄で、見た目は同じに


見える鉄のコインだが、


1万オドル   (20万円)   蘭奢待ランジャタイ


1,000オドル(20,000円)沈香ジンコウ


500オドル  (10,000円)伽羅キャラ


100オドル  (2,000円) 白檀ビャクダン


1オドル    (20円)    無臭



なんだけど、俺には違いがよくわからないんだよな~。


 村長むらおさの挨拶を終え俺達は、皆が待つ公民館


に戻った。


 食事は村長むらおさに2万オドル(約40万円)を


収めたこともあり、村の女性達が作って持ってきてくれた。


今夜のメニューは、カペル(ヤギ)の肉のステーキと、


黒パンにカペル(ヤギ)の乳で作ったチーズがたっぷり


塗ってある物に、何の野菜かわからないが、野菜スープ


だった。


失礼ながら、こんな田舎の村にしたらそこそこの御馳走


だなって思う俺だった。


食事が終わり、寝るまでのしばしの時間、三毛猫オトア


と念話を楽しむ。


三毛猫オトアの方は、何事もなく過ごしているとのこと


だったが……ただ、冒険者で転生者のチーム『ナル』の


マカナさんとナイアさんと言う女性冒険者に、『かわいい』


とか、『しゃべる猫ちゃんって珍しい~』と追い回されて


少し困ったらしいが……。


その報告を聞いて、


(オトアはかわいいから仕方ないね)


と思う俺だった。


そして、そのままこの村の公民館で就寝。


交代で見張りをせずに寝れるのはホントありがたいと思う


俺だった。













------(第三者視点)------☆





悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男)


配下ベビルデーモンのガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


ウスリ山の中腹にある自身のアジトに戻って来て、配下の


デーモンサハギンレオン(魚人+カメレオン)から、耳打ち


された。


「おお、小僧が麓のカニス村へ到着したかw」


とほほ笑みを浮かべ言い、そして、配下の部下達に言う


「皆の者、小僧がこの山に登って参ったら、この洞窟へ


と誘い込むのじゃ~」


と号令をかけるのだった。













------(テンタ視点)------☆





 朝、朝食をいただいてから出発する。


因みに今日の朝食は、カペル(ヤギ)の乳で作った


ヨーグルトにはちみつをたっぷり入れたものに同じく、


カペル(ヤギ)の乳で作ったチーズをのせて焼いた


黒パンと見たことなない野菜のサラダとこれまた


茶葉をお湯で煮出した後、カペル(ヤギ)の乳を加え


てしばらく煮た所謂ロイヤルミルクテーをいただいた。


 俺達は、馬車けんたうろすしゃで、『ポテンツ


ァ』のメンバー3人はそれぞれ馬に騎乗して、ウスリ


山の麓まで移動し、ウスリ山の麓に着いてからは、そ


れぞれ、馬車けんたうろすしゃと馬を降り、徒歩で


ウスリ山中腹を目指すことになり、まずはシェリーさん、


タミーさんはそれぞれ


紫着しちゃく!」


黄着おうちゃく!」


コンバットスーツ姿になり、 道なき山を登ること約1


時間……。


本来なら30分程度で山の中腹までたどり着けるのだが


……。


コンバットスーツ姿のシェリーさんやタミーさんに、背中


に刀を背負っているとは言え革ジャンにパンツ姿の俺達と


腰袋しか持っていないジーン(燕族)さんとは違い、紫の


ローブと魔法の杖を持ったミリー(トム妻)さんや、チーム


『ポテンツァ』の魔法師の魔法師のチャッピー(キャットピ


ープル)さんは、ピンクの長いローブの裾が山に登るのには、


大変邪魔で苦労していた。


それにビキニアーマーなのはいいんだけど、手に大きなバ


トルアックス(戦斧)を持ったアナ(ガイゼル妻)さんは、


体より大きな、バトルアックス(戦斧)のやり場に困って


いるし、何より一番大変そうだったのは、チーム『ポテン


ツァ』の剣士のレオン(獅子族)さんとジョージ(虎族)


さんは、胴と肩と手甲に拗ね宛てだけとは言え金属鎧をつけ


背中に大剣を背負っているので、途中何度も休憩を取った


ためこれだけ時間が掛かったのだが……。


目的の洞窟が見えてきた時は、皆「ハァ、ハァ」言いなが


ら、洞窟から約500mの地点で俺達は近くの岩に身を


隠し休憩する。


「ふぅ、こんなに険しいとは思わなかった」


「だべ」


とミリー(トム妻)さんとアナ(ガイゼル妻)さんに


笑いながら、シェリーさんが言う。


「ママァ~、その年で冒険者復帰って無理だったんじゃぁ~


ない?」


その言葉に、


「何を言ってるの、あなた達はその強化鎧があるから、平気な


だけで、なんなら、それ脱いでもっぺん登ってみなさいよ」


と悪態気味に言い返すミリー(トム妻)さんに


「イヒw」×2


と笑い返すシェリーさんとタミーさんだった。


そして、しばらくして案内役のジーン(燕族)さんが、


「あそこの洞窟から悪魔の反応が……ちょっと待って


くださいよ」


と徐に持っていた小槌から悪魔探知機を出そうとしたら


……。


「その必要はないかも」


とミリー(トム妻)さんが、ジーン(燕族)さんに


言うと、”んっ?”って顔をするジーン(燕族)さん


に向かって顎で洞窟の方を示し、


「ほら」


と言う。


その言葉にジーン(燕族)さんはじめ他のメンバーも


視線を洞窟に向けると、何かの魔物がぞろぞろ出てくる。


「ああ、なんか出てきたべ」


とアナ(ガイゼル妻)さんが言う。


そして、ミリー(トム妻)さんが、シェリーさんに


「シェリー、サーチして」


とシェリーさんに指示をする。


指示を受けたシェリーさんは、岩陰から頭を出して、


「サーチャースコープ!」


と言いながら洞窟から出てくる魔物達をサーチすると、



【デーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+魚人+キノコ)】


H  P    950+180


M P    290+ 60


運動性 100+ 90


攻撃力   850+140


防御力   605+ 80


命中      85+ 5


回避 65+ 10



・悪魔闘気(魔法無効)


・毒胞子


・各種魔法


・シャムシール(曲刀)


×200


と出たらしい。


「結構いるのね」


シェリーさんから魔物のサーチの内容を聞き呟く


ミリー(トム妻)さん。


「じゃ、あれで行きましょうw」


と俺がみんなに提案すると、みんなは”ああ”って感じで


頷き、タミーさんや、チーム『ポテンツァ』のリーダーの


レオン(獅子族)さんとジョージ(虎族)さんもそれぞれ


小槌から持ってきた道具を出しだし時だった。


迂闊にも岩から頭を出していたジーン(燕族)さんを見つけ


デーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+魚人+キノコ)達が


手にシャムシール(曲刀)を持ち、こちらに向かってくる。


「しまった!」


と焦るジーン(燕族)さんに俺は、


「大丈夫、ここは僕が時間を稼ぎます」


と伝え、隠れていた岩から俺は飛び出す。


(奴等との距離は500mあるからまだまだ余裕だけど)


と思いながら、俺は背中に背負っている刀に語り掛ける。


「カムイ(ブレード人)さん、魔物と悪魔の魂両方を狩り


取ってください」


その俺の言葉にカムイ(ブレード人)さんは、嬉しそうに


「喜んでw」


と返事をしたかと思ったら、俺の背中から飛び出し、こち


らに向かてくるデーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+


魚人+キノコ)に向かて一直線飛んで行くのだった。


(お願いしますよカムイさん)


俺は心でそう思い、振り返りみんなの準備を見守る。


 タミーさんは、小槌よりガイゼルさん特製の『火炎放


射器』を出し、シェリーさんに手伝ってもらいながら、


『火炎放射器』のタンクを背負っている。


 また、『ポテンツァ』のリーダーのレオン(獅子族)さん


とジョージ(虎族)さんは、それぞれ松明たいまつ


出し、それを力づくで地面に刺すと、再び小槌からそれぞれ


弓と矢の入った矢筒を出した。


それを見て、魔法師のチャッピー(キャットピープル)さん


は、火の魔法を使いレオン(獅子族)さん達が地面に立


てた松明たいまつに火をつける。


\ボワッ/


皆の準備が出来たみたいなので、俺は再び魔物と戦う


カムイ(ブレード人)の方に目をやると……。


\ズバーン/、\ブシュッ/


とデーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+魚人+キノコ)


を切ったり突いたりして、魂を狩るカムイ(ブレード人)


さん。


すでに40体のデーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+


魚人+キノコ)の魂を狩っている。


(すげーな、カムイさん)


と思いながら、


「カムイさ~ん、準備出来ましたので戻って来て下さい」


と声を掛けると、”えっ、もう?”って顔されたが、素直


に俺の元へと飛んで戻って来るカムイ(ブレード人)さん


だったが、俺の手元に戻る途中のカムイ(ブレード人)に


ミリー(トム妻)さんが、


「彼の穢れし体を清めたまえ、クレンジング」


と”浄化”の魔法を掛け、カムイ(ブレード人)さんの体……


刀身に着いたデーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+魚人+


キノコ)の毒胞子を取り除く。


\カチャン/


俺の背中の鞘にカムイ(ブレード人)さんが戻ったのを見て


俺が後ろに下がり、代わりにタミーさんが前に出て、それに


合せるようにレオン(獅子族)さんとジョージ(虎族)さん


松明たいまつの火で油の染みた布で包んだ矢じりに火


をつけ攻撃を開始する。


「ファイア!」


とタミーさんが火炎放射器から炎を発射と同時に


\ボー/


\ピシュン/、\ピシュン/、


レオン(獅子族)さんとジョージ(虎族)さんが火のついた


矢を放て行く。


火炎放射と火矢で、おおよそ140体のデーモンサハギン


マッシュルーム(悪魔+魚人+キノコ)を倒しことが出来たが、


残り、20体ほどのデーモンサハギンマッシュルーム(悪魔+


魚人+キノコ)は、形勢不利と見たのか、洞窟へと逃げかえる


のだった。


それを見たミリー(トム妻)さんが、


「みんな後を追うよ!」


と俺達全員に声を掛けるのだった。

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