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~異世界転移~ 彼女のカラダを取り戻す(何故か異世界でヒーローやってます)  作者: グリンピースの豆ごはん
第4章 オトアピンチ!ブランチキャンセラー編
100/204

99話 2つの目

カクヨムにても同時掲載しています


https://kakuyomu.jp/works/16817139558796768457




 ほぼ、ミリー(トム妻)さん達の言い分が通りそうな雰囲気の中、


『仮面ソルジャー』チームの他のメンバーである楊黒暗ヨウヘイアンさん


が、


「ちょっと待ってくれ、言い分はわかるが、その言い分には無理がある


まず、クエストを出したものがクエストを受けると言うのは規範に引っ


かかる」


と言うと、すかさず、ミリー(トム妻)さんが反論する。


「でも、ここには転生者以外の冒険者が居ないのだからそれは仕方ない


んじゃなぁい?よう


その反論に、楊黒暗ヨウヘイアンさんも”うん”と頷き、


「確かにこの非常事態だから、ギルドとしては認めなくもない」


と答えると、、アナ(ガイゼル妻)さんが、


「なら、問題ないべ」


と言うと、楊黒暗ヨウヘイアンさんはそれに”いやいや”と言う


感じで首を横に振り、


「しかし、ミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんのA級


復帰には無理がある」


と言うと、


「なにが!?」


「どうしてだべ!」


と口調を荒げようさんに言う2人。


それに対して、”いいですか”って感じで、ようさんが、説明する。


「バルジャン(トム)さんと、ガンボー(ガイゼル)さんの場合は、復帰時は


S級から、1つ下げて暫定A級からのスタートでしたよね」


その言葉にミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんは頷く。


そして、それを見てようさんが、説明を続ける。


「であれば、ミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんは暫定


B級からのスタートになりますよ」


と言うと、ミリー(トム妻)さんは、”いや違う”って感じで言い返す。


「でも、私達は、俑兵ようへいとの戦闘経験があるじゃない」


すると、ようさんが、すかさず指摘しる。


「それは、復帰前の戦闘ではありませんか」


そうようさんに指摘され、


「いや……」


「それは……」


と言いかけたが反論はできない2人だったが、そこに支部長である黄雷オウレイ


さんが、口を挟む。


「方法は1つだけありますよ」


とミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんに言うと、2人は体を前のめり


にして、


「それは!」


「なんだべ!」


と支部長である黄雷オウレイさんに聞くと、それまで会話の外に居た俺を急に


指さし言う。


「それは、テンタ君です」


その言葉に、俺は驚き自身を指さし、


「お・俺?ですか」


黄雷オウレイさんに聞き返すと、黄雷オウレイさんは頷き言う。


「テンタ君は、A級でしょ、それに異世界人ではあるけれど転生者ではありません」


その黄雷オウレイさんの言葉に、そこに居た全員が”ああ”って感じで納得し、


皆の視線が俺に集まった。


(いやいや、オトアが狙われているのがわかってて、オトアから離れるのは……


ちょっと勘弁)


って思っていたら、それを察したのか三毛猫オトアが、念話で俺に話しかけて


きた。


≪テンタ君、私と離れるのはなぁ~って思ってるでしょw≫


≪えっ、ああ、まぁ……≫


三毛猫オトアの言葉は図星だったので、驚く俺。


そんな俺に三毛猫オトアが続ける。


≪でもね、この世界に来てから、ガンブレイブの人達にはものす~ごーくお世話


になってるじゃない≫


≪んっ、まぁな≫


歯切れの悪い俺の言葉に俺の心を見透かしたように言う三毛猫オトアは、


更に続ける。


≪他の人達もそうだけど、特にトムさんが居なかったら、ここに来てすぐに


ゴブリン達に囲まれた私達は、あのまま命がなくなっていたと思うのよ≫


俺を諭す様に言う三毛猫オトアの言葉に、俺は何も返さないでいた。


≪テンタ君の気持ちは私、す~ごっく感謝してるけど、やっぱりここは


トムさんの捜索に参加してあげてほしいの≫


≪う・うん……でも!≫


俺は三毛猫オトアの言葉に言い返そうとするが、そんな俺に首を横に振り、


三毛猫オトアは言葉を続ける。


≪私なら大丈夫よ、私の周りに転生者の人達がいてくれるって言うし、


何より、私の体の中には、エードラム様も居るのよ、もし、悪魔が私の


近くに現れたら、さっきの悪魔が憑依したカメレオンの魔物のように


直ぐにエードラム様が気が付いてくれるわ≫


そう三毛猫オトアに説得されるも、


(まぁ、この流れだと俺が捜索隊に加わることがいいんだろうけど)


と心で迷っている俺にダメ押しで三毛猫オトアが言う。


≪ちゃんと、定期的に念話するし、もしもと言う時も、ちゃんとテンタ君


に助けを求めるからね、だから……お願いテンタ君≫


俺は、大好きな三毛猫オトアにお願いと言われ決心する。


「わかりました、トムさんの捜索のクエスト僕が受けます」


とみんなにクエストを受けることを宣言すると、


「あ、ありがとうテンタ君」


「あいがとない」


「テンタ君ありがとう~大好きw」


「テンタ君大好きw」


ミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんにシェリーさん


タミーさん達にかわるがわるに言われ、そしてかわるがわるに……


抱きしめられた。


そして、ガイゼルさんが俺に言う。


「オトアのことは俺に任せろテンタ!俺の命に代えて守ってやる!」


と思い切り背中を\パシーン/と叩かれ、


「うっ・とと」


とよろける俺だった。













 トム(バルジャン)さん捜索のクエストの件は、ここ、南支部がクエストを


出し、それを俺が受ける形となった。


そして、トム(バルジャン)さん捜索のクエストを受ける俺の補助として、現役


のB級であるシェリーさんとタミーさんに経った今現役復帰した、暫定B級の


ミリー(トム妻)さんと、アナ(ガイゼル妻)さんが参加することになったの


だが……ただ、A級とは言え俺は今回三毛猫オトアと離れての活動になる。


ってことは、コンバットスーツが使えないって事だ。


 まぁ、それでも俺の背中にはカムイ(ブレード人)さんが居るので、かなりの


戦力ダウンと言うことにはならないが、それでも戦力が落ちることには変わら


ない。


なので、新たにこの南支部で、転生者以外の冒険者チームの中から、最もA級に


近いB級クラスの冒険者チームにも参加してもらうこととなった。


そのチームとは、チーム『ポテンツァ』。


剣士で獅子族のレオンさんをリーダーに、同じく剣士の虎族のジョージさんと


キャットピープルで魔法師のチャッピーさんの3人組のチーム。


それに、悪魔達を専用に索敵するチームとしてチーム『シエロ』を招集する。


チーム『シエロ』は、この近くのデンスアーラ共和国出身の所謂鳥人族で構成


されたチームで、リーダーで鷹族のケインさんをリーダーに、コンドル族の


ジョンさん、梟族のリュークさんに燕族のジーンさんそして、紅一点の白鳥族


のジェーンで構成される5人だ。


彼らには、悪特隊あとくたいより、携帯用の悪魔感知器を携帯してもらい


この南支部周辺のデンスアーラ共和国や海を隔てたネシア王国などで、悪魔達を


捜索してもらうこととなった。


そして、当分の間、ここ南支部所属の冒険者で転生者達に集まってもらい、


三毛猫オトアと一緒にそこで生活してもらう。


当然そこにガイゼルさんや、支部長である黄雷オウレイさんをはじめとした


他の『仮面ソルジャー』のメンバーも同様で、チーム『シエロ』の方々が各地に


飛んで、悪魔達の居場所を探している間は、俺達捜索隊も同様に地下闘技場で


生活することになっている。


そして、その間に、俺とシェリーさんタミーさんは、ガイゼルさんが趣味で製作


した現代兵器の操作を教わっていた。


これは、魔法攻撃が効かない悪魔が憑依した魔物と戦うため、少しでも俺達3人


の戦闘力を上げようとガイゼルさんが考えてくれたのだった。















そして、皆で地下の闘技場にこもること3日が過ぎたころだった。


悪魔達を捜索していたチーム『シエロ』のメンバーの1人燕族のジーンさん


が、ギルドのに帰って来て俺達に報告する。


「ここから南東数十キロの地点、デンスアーラ共和国の北東にあるカニス村


の住人が銀色の鎧の人間を担ぐ魔物を見たと言う話を聞き、悪魔探知機で


その周辺を捜索したところ、ある洞窟で悪魔の反応がありました」


その報告を受け、支部長である黄雷オウレイさんが、


「ご苦労様……」


と言葉を言いかけると、その横からミリー(トム妻)さんがしゃしゃり出て、


「ご苦労様です……で、そこには案内してもらえるの?」


と燕族のジーンさんに聞く。


「ああ、もちろんw」


と答えるジーン(燕族)さんに、


「あっそう、ありがとう」


とあっさりとした言葉を掛けるとすぐさま自分の後ろに振り返り、チーム


『ポテンツァ』のリーダーである獅子族のレオンさんに向かって、


「そっち(ポテンツァ)は直ぐに出発準備出来て?」


と聞くと、リーダーのレオンさんは、ミリー(トム妻)さんに向かって


「ああ、すぐに準備させる」


との答えに満足そうに頷き、俺や、シェリーさん、タミーさんに向かって


「こっちもすぐに準備を、シェリー、レツとダイ(ケンタウロス)に


直ぐに準備させさい」


と言うと、シェリーさんは慌てて、レツとダイさんの所に知らせに走った。


そこにガイゼルさんが現れ、そんなミリー(トム妻)さんに言う。


「ちょっと待てミリー、魔物に担がれた銀の鎧をトムだと考えるのは、


どうかと思うぞ」


その言葉にミリー(トム妻)さんは、


「あら何故?」


と聞き返すと、ガイゼルさんは言う。


「銀色の鎧……って確かにトムの銀着姿かもしれんが、俺達転生者がブランチ


姿のまま気を失うことはないぞ、もしブランチのまま気を失えば恐らく


元の姿に戻っているはずだ」


とミリー(トム妻)さんに自分の考えを言うと、


「うーん、確かに変ね……」


と少し考えるが、


「でもね、そこに悪魔が居るなら選択の余地はないわ」


とガイゼルさんに言い返す。


「何故だ?ミリー」


と聞き返すガイゼルさんに


「行方不明になって1週間にもなろうとしてるでしょ、時間が立てば


立つほどあのトムの生きている確率が低くなるわ、兎に角悪魔の


所に居ると言うなら、片っ端からそれをつぶしていくしか今は方法が


ないわ」


と言い返すと、ガイゼルさんも、側に居た支部長である黄雷オウレイさん


もミリー(トム妻)さんに何も言い返せなくなった。


かくして、俺達は、トムさんが拉致されたであろう魔物達の居場所に急行する


ことになったのだ。











俺はかりゅうの背に乗る三毛猫オトアの顔に自分の顔を近づけ、三毛猫オトア


のほっぺにキスをして、


「じゃ、行ってくるよオトアw」


「気を付けてねテンタ君」


としばしの別れの挨拶を交わす。


お互いほっぺを真っ赤にしながら……。


それをジト目で見るシェリーさんとタミーさん


(あんまりじーっと見ないでください)


と心で思う俺。


そして、三毛猫オトアのを背に載せるかりゅうに向かい。


「オトアのこと頼んだよ」


と声を掛けると、かりゅうは、


≪ああ、任せとけ≫


と言う力強い返事を返してくれた。


「後のことは俺に任せておけ」


と、ガイゼルさんにも言われ、俺は大きく頷くと、ガイゼルさんは


次に、


「ミリー、アナ気を付けてな」


とガイゼルさんが、ミリー(トム妻)さんと、自身の妻の


アナさんに声を掛けると……アナ(ガイゼル妻)さんが


ガイゼルさんに自分の右の頬を指さし、キスを催促すると、


ガイゼルさんはしばらく固まっていたが、”仕方ない”


って顔でアナ(ガイゼル妻)さんの右頬にキスをする。


照れるガイゼルさんをよそに満足げな顔のアナ(ガイゼル妻)


さん。


「では、出発!」


とミリー(トム妻)さんがメンバーに声を掛けると、俺と


シェリーさん、タミーさんにアナ(ガイゼル妻)さんは、


レツさんダイさんが引く馬車けんたうろすしゃに乗り込む。


そして、俺達と同行する『ポテンツァ』のメンバー3人はそれぞれ


馬に騎乗し、案内役のチーム『シエロ』のジーンさん(燕族)は、


俺達の馬車けんたうろすしゃの屋根に乗り、俺達は、トムさんが


居るであろうデンスアーラ共和国の北東にあるカニス村へと出発する。













------(第三者視点)------☆





 テンタ達が、冒険者南支部ギルドを出る所を遠くで見つめる


目が2つあった。


 テンタ達が出発した後、その目は周りと同化した体を現した。


そう、これは以前テンタが南支部長室で倒したデーモンサハギンレオン


(魚人+カメレオン)だった。


デーモンサハギンレオンは、テンタ達に悟られないように、遠くから


遠目と遠耳の魔法で、自身の目と耳を強化し、姿を周りの景色に同化


させ潜んでいたのだった。


そしてこのデーモンサハギンレオンが見聞きしたことは、別の場所に


居る悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つ


の男)配下ベビルデーモンのガイスト隊長(ピエロ風の男)に送られ


ていた。


テンタ達の様子に、ガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


「うーん、小僧だけとはな……」


と唸りながら言う。


そして、しばらく考え込んだのち、


「兎に角このことをシャッキー様にご報告せねば……」


と言うと、部下のレッサーデーモン達が憑依した魔物達に向かって


言う。


「お前達は、予定通り小僧たちをここへ呼び入れ始末いたせ」


その言葉に部下のレッサーデーモン達が憑依した魔物達は頭を


下げ、それぞれの持ち場へと散っていった。


それを見届けたガイスト隊長(ピエロ風の男)は、徐にその場


から\ボワッ/と消えるのだった。













 ネシア王国の島の東側沖合の海底深くに悪魔伯爵シャッキー


達がいるアジトがあった。


そこに居る悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つ


の男)の前に突然\ボワッ/と現れるガイスト隊長(ピエロ風


の男)。


現れたガイスト隊長(ピエロ風の男)に悪魔伯爵シャッキー


(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男)が言う。


「どうしたガイスト」


その言葉にガイスト隊長(ピエロ風の男)は目の前の悪魔伯爵


シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つの男)の前で傅き、


「ははっ、ご報告いたします」


と言うと、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つ


の男)が、


「なんだ」


と聞き返すと、ガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


「はっ、こちらの予定通り小僧が出てまいりました」


と報告すると、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉


が一つの男)は、笑みを浮かべ、


「おお、動き出したか」


と喜んだ。


 しかし、その悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉


が一つの男)に対しガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


「ただ……」


と付け加えると、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉


が一つの男)の顔は真顔になり聞き返す、


「ただ、なんじゃ」


その言葉にしガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


「例の猫は小僧と離れ、そのまま奴らの拠点に残るようです」


と付け加えて報告すると、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数


の蛇で目玉が一つの男)は、


「んっ、猫を残して小僧だけじゃと!」


少し驚く。


それを見た悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一


つの男)の隣に居た配下のベビルデーモンの1人のヘル大将軍


(エジプトファラオ風)が、


「小僧と猫が別々の行動とは、これはいったい……」


と呟くと、その隣のアルミュール元帥(赤いフルプレートアー


マーで、顔を覆いつくした兜)が、


「これは奴らの罠か!」


と大声で言うが、それに対して、側に居たラ・モール大魔導士


(死神風顔の半分骸骨)が、冷静に言う。


「いや、単にシャッキー様が持つブランチキャンセラーを警戒


してのことじゃろう」


と言うと、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つ


の男)がその言葉に


「なるほどな、そうかもしれんな、であるなら……」


と少し考えて言う。


「ガイストよ、帥は予定通り小僧を始末しろ」


と言うとガイスト隊長(ピエロ風の男)は、


「ははっ、」


と頭を下げそのまま\ボワッ/と消える。


そして、悪魔伯爵シャッキー(髪の毛が無数の蛇で目玉が一つ


の男)が言う。


「あの猫を襲うためこれより奴らの本拠地に乗り込む、ゲー大


隊長、ついて参れ!」


と側に居たゲー大隊長(白い三角頭巾に白いローブ風)に命令


するのだった。




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