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自由な旅をする為に。  作者: マイペースなたまご
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第四話 到着

トーヤ「何だ?地面揺れてね?」


レオン「確かに...ディグリーさん、何か揺れてませんか?」


ディグリー「お前ら...ここから離れろ...ドラゴンだ」

そう言うと馬車を止めた。


ジュディ「ドラゴンって伝説上の生き物なんじゃないの...?」


ディグリー「いや、伝説なんかじゃない。やつらはちゃんと存在する。だが何故こんな所で...」


ダン「とにかくこの場を離れよう。このままじゃあ気づかれちゃう」

ダンの言った通り、少しづつ地鳴りが大きくなって来ている。


スズ「取り合えず隣の森へ隠れましょう」


そういうとダン達六人は森の中を走った。


ダン「はぁ...はぁ...何とか離れられたな。皆大丈夫?」


ジュディ「無事よ」


トーヤ「おう」


ルルカ「ルルカも平気」


スズ「何ともないわ」


レオン「同じく」


ダン「ディグリーさんは…?何で居ないの…?」

と言うとダンは馬車の方へと走り出した。


レオン「ダン!行っちゃダメだ!」

叫んだ言葉はダンには届かなかった。


走り出したと同時にダンは時を止める魔法を発動していた。

そして馬車まで辿り着くとそこではディグリーとドラゴンが対峙していた。

ディグリーは剣を構え、ドラゴンは口に溜めた炎であろう物を吐こうとしている寸前だった。


それを見たダンは静止した世界でもう一度時を止める魔法を使った。

直感的に出来ると分かっていたようだ。

静止した世界を重複させるとダンの位置座標は更新され、重複された静止した世界の範囲に入っている生物以外の物はもう一度時間という概念を取り戻す。

どうやらいつもやっていた方法はこの方法を簡略化した方法のようだ。


ダンはその重複した世界をドラゴンの体を覆うくらいに調整した。

そしてそこから静止した世界に向けてルルカが使っていた青魔法ー水球ーを思い出し、イメージし、ドラゴンの顔の大きさくらいまで巨大化させるとそこに勢いをつけて発射した。

勢いがついた水球は重複された世界を飛び出し、静止した世界をも勢い良く進んだ。


そしてドラゴンに当たる寸前で時を止める魔法を解除した。


ドラゴンの顔に直撃した水球は放出される炎を弱めつつ顔の角度をずらし、ディグリーに直撃するのを回避させた。


突然の事で驚いたのか水球の威力が思っているよりも高かったのか直撃したドラゴンはよろめき、隙を作った。

その隙を見逃さなかったディグリーはドラゴンの懐まで潜り込み、一気に首元まで飛び上がるとそのまま頭を首から切り落とした。

そして身体の方も暴れていたがディグリーが心臓部を突き刺し、とどめを刺した。


ディグリー「おい坊主。何で帰って来た。危ねぇから下がれって言っただろ」


ダン「ごめんなさい...皆で逃げた時ディグリーさん一人だけ取り残してしまったと思って気がついたら身体が動いてました」


ディグリー「俺様がそんなに弱そうに見えるか?こんなトカゲ楽勝さ。

それよりもお前らに何かある方が俺にはよっぽど怖いんだよ。

助けてくれた事は感謝する。ありがとう。

それでももう無茶な事はやめてくれ」


ダン「わかった。もうしない...多分...」


レオン「ダン!ディグリーさん!」


ジュディ「二人とも大丈夫?」


ダンが走り出してから皆で追いかけてきたようだ。

皆が二人の元へ辿り着くとスズがダンに近づき平手打ちをした。


スズ「何で貴方はいつも危険な場所に行ってしまうの...。今朝だってそうよ、自分よりも大きなビッグラットと誰にも言わずに一人で戦ってしまうし、今だってディグリーさんを助けに一人で飛び出してしまうし...。

もう少し私たちを...友達を頼りなさいよ...」


ダン「ごめん」


トーヤ「言いたいこと先に言われちまったな。

まぁ、二人に何も無さそうで良かったよ。

それにしてもディグリーさんあのドラゴン倒したの凄ぇな」


ルルカ「ドラゴン大きい」


ディグリー「こいつはレッサードラゴンと言ってな、伝説上のドラゴンとの実力は天と地程の差はあるが仮にもドラゴンだ。

お前らを守りながら戦うのは無理だと思って離れて貰ったんだがその必要は無いかもしれんな」

そういうとディグリーさんはドラゴンを解体し始めた。


ディグリー「と言ってもこれだけ大きいと素材も沢山取れそうだ。ほれダン受け取れ」

そういうと桃色に輝く魔石をディグリーに渡された。


ダン「これ、魔石ですか?」


ディグリー「そうだ。中々綺麗だろ。

その色が赤色に近づけば近づく程その魔物が強いって証拠だな」


ダンはスズと見合わせた。

スズが頷くとダンはポケットから今朝倒したビックラットの赤く輝く魔石を出して見せた。


ディグリー「お前さんこれをどこで...」


ダン「今朝森を散歩してる時にビッグラットと鉢合わせて、その時倒したやつなんだけど。

大きさは俺くらいの高さで昨日のやつよりちょっとだけ素早かったくらいなんだけど」


ディグリー「ビッグラットが...因みに死骸はどうした?」


スズ「私が燃やしたわ。持っていける大きさじゃ無かったし、放置するのも森に良くないもの」


ディグリー「そうか、よくやった」


ドラゴンを解体し終えたディグリーは素早くまとめ、馬車に乗せ王都へと急いだ。


日が落ちる前に王都に入った一行はそのまま冒険者ギルドへと直行した。

ギルドの裏に馬車止めた後、ディグリーさんについて行きギルドへと入った。


ディグリー「よう、久しぶりだなティファニー」


ティファニー「あ、ディグリーさん!お久しぶりです!1年ぶりくらいじゃないですか、何処へ行ってたんですか」


ディグリー「王女様から頼まれてこいつらの面倒を見にちょっと村へな。挨拶ついでに冒険者登録してやってくれ」

そう言いながら後ろに着いてきていたレオン達を紹介した。


ティファニー「かしこまりました」

それを聞くとディグリーはダンを連れて、換金所へと向かった。


ディグリー「こいつは借りてくぜ」



換金所ー



ディグリー「ジュードはいるか?」


ジュード「おう、いるぜ。ディグリーじゃねぇかずっと顔出さねぇと思ったらいつの間にこどもを...」


ディグリー「いや、俺様の子じゃねぇよ。それよりこれ買い取ってくれ」


ジュード「こりゃレッサードラゴンじゃねぇか。

少し小せぇが割と綺麗に倒してるじゃねぇか」


ディグリー「こいつのおかげだよ」

と言いディグリーはダンの背中を叩いた。


ジュード「へぇ、この坊主が。坊主名前は?」


ダン「ダンです。よろしく」


ジュード「ジュードだ。何か魔物を倒した時はここに持ってくるといい。解体もしてやるぜ。金は頂くがな」


ディグリー「じゃあ査定任せたぜ」


ジュード「おう、30分くらいで済むと思うぜ」



そんな会話をした後、ディグリーにある所に連れていかれた。



ある部屋に着くとディグリーはノックし、扉を開けた。



ディグリー「よぉ、パール」


パール「あらディグリー、もう勇者の相手はいいの?」


ディグリー「まだ終わってねぇよ。それよりある情報を持ってきた」


パール「なあに、また美味しい居酒屋でも見つけて来た?」


ディグリー「赤い魔石を持ったビッグラットが居たらしい。証人、っていうか戦って倒したのはこの坊主だ」


パール「なんですって、ビッグラットが...。それにこの子が倒しただなんて本当なの?」


ディグリー「ダン、魔石を見せてやれ」


ダン「わかった」

ポケットに入れていたビッグラットから取れた赤く輝く魔石をパールに見せた。

レッサードラゴンはディグリー二人分くらいの大きさ


登場人物の軽い見た目紹介


ティファニー クリーム色の髪をした女性。 ディグリーよりかなり小さいがこどもたちよりかは少し大きい


ジュード 赤い髪をした男性。 ディグリーの方がやや大きい


パール 紫がかった黒色の髪をした女性。 ディグリーより小さい

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