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#025 “部活”としての解散

第3章に行きます。


それと・・・、部活としてではなく軍隊となる特別作戦傭兵連隊の今後の活躍を期待して待って居てください!

「――やっぱり、壮観そうかんだな・・・」


 地上では、双眼鏡を片手にしんみりと眺めているアルトリア・ラーミスの姿があった。そのそばには、64式小銃の射撃訓練をしているカトリーナ・メルフォンの姿があった。


「ふぅ・・・命中率、100パーセントを達成したわよ。やっと」

「お、お疲れ様。(全弾命中って・・・敵には、したくないな・・・汗)」


 苦笑いをしながら再度、空を見るとパラシュートを開いて降下してくる第1空挺師団の姿を捕らえた。


「――それで? どうするつもり?」

「ん?」


「ん?って・・・。卒業後の話よ!」

「ん、ああ。 あの話か・・・」


 2週間前、卒業まで4週間となったその日。俺は学院長室に、姉に呼ばれていた。


「――えぇ! 学院に残ってほしいって!?」


「そうよ。それに、特に! アルトリアは推薦されているわよ」


「【紅】のメンバーに? またか・・・」

「違うわよ。 この学院にいる全生徒や教師たちから」


「・・・は?」


 よくよく聞けば、特別作戦傭兵分隊が連隊に成りあがった際に所属していた教師陣から「彼――アルトリア・ラーミスをこの学院の教師に推薦したい」っていう申し出が出たそうだ。それで、この学院に居る男性教員らが対立し始めてストライキをし始めた。そして、現在――この学院には男性教員が一人もいない状態であるらしい。


「――え~? マジで・・・?そんな状態でよく維持できているよな、姉さん」

「大変なのよ?これでも」

「それで? 俺に教員になれ・・・と?」


「ピンポン、ピンポン。大正解♪」


「誉めてないぞー?」


 半分呆れながらも、返事を返した。


「分かったよ・・・。 ところで、質問良いかな?姉さん」


「ん~?」

「今の特別作戦傭兵連隊だけど、一度解散しても良いか?」


 その瞬間、学院長室に居る皆がアルトリア・ラーミスの方を見ながら固まった。


++++++++


「な、何言っているの・・・?!」

正気しょうき、なの・・・?!」

「う、嘘よね?」


 学院長室に居た文官や教員、副学院長らがアルトリア・ラーミスに対して絶望した声色で質問し始める中、俺は姉をただ見続けた。


「・・・黙りなさい、それと。 少し席を外してちょうだい」


「し、しかし・・・! 学院長――!」

「いいから!席を外しなさい!」


 すこし怒号を交えた口調で3人を部屋の外に出すと、額に左手を当てて「――何か、考えが有っての事よね?」と疲れ気味に聞いて来た。


「ああ」

「はぁ・・・。 具体的に、理由を聞いても良いかしら?何故なぜ、解散するのかを」


「・・・。 姉さんも知っている通りに、俺は前世の記憶を持った人間だ」


「ええ、そうね。 母さんが居ない時に、こっそり裏庭で教えてくれた事でしょ? 覚えているわ」


「うん。それで、俺が話した前世の事。覚えている? 魔法が無い世界で科学が発達した文明だって」


「・・・ええ」

「単刀直入に言うよ? 俺は・・・、この世界を壊したくない」


「・・・」

「魔法という、科学じゃ説明がつかない倫理りんり概念がいねんが存在するこの複数の色が存在する世界を科学という単色に染めたくない。 そう思うのは、この世界が俺は第二の故郷ふるさとだと思って居るから」


「・・・」


「だから――」

「この世界を壊したくないのね?」


「ああ、そういう事だ」


 学院長でありアルトリア・ラーミスの実姉カランクス・ヴォーデンは、「・・・取り敢えず、理由は納得したわ」と言うと、深く長いため息を吐いた。


「ちなみに、余談だが――」

「ん?」


「教師陣は新たに考えている治安維持隊に編入させようと考えているし、もちろん。リニューアルされる予定の特別作戦傭兵連隊にいる今の部員達には強制的な判断は与えない。 これを期に辞めても良いし、自身の夢や希望のために居続けても構わないさ」


「なるほどね・・・、近衛兵にはそういう判断制がないから斬新ざんしんね」

「そうでしょ?」


 アルトリアはニコッと笑いかけて、それにつられてカランクス学院長も笑った。



++++++++


 翌日、いつもの様に演習場で訓練していた時。この話を全部員に話した所、混乱と困惑、喜望と希望が交差した。


「――という訳で、来年3月をもってこの“部活”としての特別作戦傭兵連隊は一時解散する。今までよく頑張ってくれただが、4月から新設される“軍隊”としての特別作戦傭兵連隊に加盟する生徒は3月末までに今から配布する書類をカトリーナに手渡してくれ。 あー、それと・・・今はまだ仮称だが、教師たちによる国内における“警察”としての治安維持隊を担当してもらおうと決めている」


「「「・・・ざわっ・・・ざわざわ」」」


「もちろん、従軍してくれたら月給制で34銀貨を支払う」

「――さ、34銀って! 1金貨=20銀なのに良いンですか?!」


「ああ」


 さらにざわめきが広がったが構わずに「それに、言ってなかったが・・・。この国の王と宰相、第一王女は俺の従兄妹だ。ある程度は保証すると手紙で送って来たから安心しろ」と証明になる王家の印鑑が押された手紙を取り出して見せた。


 部員達が落ち着いてきたところで「では、3月末までにカトリーナに渡してくれ。 じゃあ、今日はここまで!解散、別れ!」と言い軽く敬礼をした。


 部員達に書類を配布し終えた後、アルトリアは自分の寮に戻って行った。

評価、感想、誤字報告、ETC、なんでも下さい!


そうじゃないと、俺は栄転できないんだぁ!!(笑)

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