#009 Model-1A
死神の様でしょ?今回のアルトリア・ラーミスは。
野営地を出発してリスタに向かいつつ、個人話をしていた。
「あたしはリリー・ナヴェク、冒険者ランクSの剣士さ」
リリーは快活に笑い、アルトリア・ラーミスの肩を叩いた。
「よろしく!」
「ああ。 よろしく」
「それでこっちは――」
「サラ・フォンメルです、ランクはAです」
サラは凛とした佇まいでお辞儀をして来た後、ヤンデレのような声色で「アルトリア・ラーミスさんは、血がお好きですか?」と物騒な質問をして来た。
「ああ、好きだ。 頭部命中時には最高に気分がハイになるからな」
「あの・・・。 ヘッドショットって、なんですか?」
「それは、俺の戦い方を見ればいずれ分かる」
そういう答え方をしたので、ピンと来ないのは当たり前だ。だから俺流の――いや、現代兵器での戦い方を見せてあげる事にした。
夕刻、護衛する事になったたった3人の女性冒険者チーム【紅】の全員が目を見開いてModel-1A《GRAND》を構えた状態で立って居るアルトリアを見ていた。
「「「そんな魔術杖、知らない・・・!」」」
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Model-1A《GRAND》は前世、地球が第二次世界大戦《WWⅡ》(1939年~1945年)と呼ばれる大戦時代にアメリカが使っていた単発式狙撃銃だ。馴染み深い名称は、M1-Aやガーランドでもう察するだろう。
使用弾薬は.30-06スプリングフィールド弾で装弾数はクリップ給弾式の8発、近中距離戦がお得意の単発式狙撃銃だ。8発全弾を撃ち切った後に「キンッ!」というクリップの音がする、この音は俺にとっては心地よいがトリガーハッピーガール&ボーイからすれば不快だろう。
ちなみに今、戦闘をしていた相手はコルベットウルフと呼ばれる全身が鎧に覆われた狼だ。魔法が効かず、剣をも通さない強靭な体な癖に身体能力が高く俊敏な冒険者死亡の原因第1位だ。しかし、コルベットウルフごとき――ガーランドの敵では無い。
排莢口から空薬莢と共にクリップが排出されると弾が詰まっているクリップを颯爽と慣れた手つきで取り出し装填する。
「次弾装填!」
その後、地面に鮮血を迸らせて死んでいるコルベットウルフ16体を見た3人が思わずツッコミを入れたという訳だ。
「俺の戦法は遠距離戦術だ、魔法より最強だろ?」
アルトリアに返り血が一つもない顔で振り向かれて聞かれたので3人は頷くしかなかった。




