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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう
98/153

龍王の城へ

 「ここが『竜王の城』っすか?」

 目の前の建物……正確に言えば建物の絵……書割と言う奴だ……を見ながらリィズが言う。

 「そうじゃないのか?……ほら、ここに看板がある。」

 俺が指示した先には『おいでませ、龍王の城へ!』と書かれていた。

 「でも、どう見ても洞穴っすよ?」

 「城って言ってるんだから、城なんだろ?……とりあえず、中に行くぞ。」

 ほんとに、ガイアドラゴンってやつは何を考えているんだか……。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 俺達の拠点となる魔王城は、魔王島と呼んでいる島にある。

 しかし、ある事件をきっかけに魔王島が狭間の世界へ飛ばされ、そのままでは消滅してしまう運命にあった。

 それを救うためにはドラゴンたちの協力が必要だという事で、俺達の旅は始まった。

 そして今、地龍の長であるガイアドラゴンが住まうと言われている地龍の村にやってきたのだが、そこで手に入れたのは、地龍が残した一通の書簡……これには何が書き記されているのだろうか!


 「にぃに、誰に向かってしゃべってるんです?」

 「いいだろ、別に……一度やってみたかったんだよ。」

 「にぃには、相変わらず訳の分からないことを言うっすね。それより、それ、何が書かれてるっすか?気になってしょうがないっす。」

 俺の手元にある一通の書簡。

 村の代表に、俺達が来たら伝えろと言ったらしいが……

 「さぁ、なんて書いてあるかな?」

 俺はゆっくりと書簡を紐解いていった。


 『我を訪ねて来た者達に伝えよ! 我に会いたく場力を示せ!と。

 我は居城「竜王の城」で待つ。

 古の伝説の謎を解き、幾多の障害を跳ね除け、我に元へと辿り着いたのならば勇者として遇し、我の力を与えようではないか。』


 「「「「……。」」」」

 俺達は暫く無言だった……。

 「……どう思う?」

 「素直にとらえれば……招待状ですか?」

 「どうと言われても……ネタ臭がプンプンするよ。」

 「どっちにしても行くしかないっすね……。」

 「……なんなんだ、一体……ん?もう一枚あるのか?」

 俺は重なっていたもう一枚を広げる。 

 

 『 古の伝説 雨と太陽が交わると虹が出るのじゃ! 』

 ……俺は頭が痛くなってきた。

 「ねぇ、センパイ、コレってアレよね?」

 「言うな……俺は何も見ていない……。」

 カナミの呆れた顔と俺が頭を抱える姿を見て、リィズたちが不思議そうな顔をする。

 「くっそー、油断した。竜だもんなぁ……。」


 「えーッと、これが何なのでしょう?」

 ミリィが困惑気味に聞いてくる。

 「あはは……これね、私達の元の世界の有名なネタなんだけどね……まさかここで見るとは思わなかったよ……はぁ……。」

 「そうなんですか……?」

 ミリィもリィズも納得いっていないようだが、仕方がない。

 「……はぁ、とりあえずガルム達に話を聞くか……みんなも行こうぜ。」

 「でも、ソラが……。」

 「ファルスに任せておけばいいさ。……ファルス、ソラが起きたら外へ誘導してくれ。宴会が終わっても寝てるようなら、誰かが此処に戻ってくるから。」

 (わかりました……ここは任せて、ごゆっくりどうぞ。)


 俺達は馬車を出て広場に戻ると、ガルムたちが心配そうな面持ちで待ち構えていた。

 「そんな心配そうな顔をするなよ。……さっきは怒鳴って悪かった。折角歓迎をしてくれているんだから、皆も楽しもうぜ。」

 俺の言葉に、ホッとしたように胸をなでおろす竜人たち。

 「どんな美味しいものがあるっすか?」

 まだぎこちない場の空気を呼んだのか、気さくに話しかけ食料確保に向かうリィズ。

 それをきっかけに、宴は活気を取り戻していった。


 「で、ガルム、今度はしっかりと話してくれるんだろうな。」

 「はい、地龍ガイア様は人族の事が大変お好きな方で、特に様々な場所に伝わる「勇者伝説」が大変お好みでして、その……。」

 「影響を受けてしまった……ってか?」

 「その通りです。実は今回の書簡も100年程前に用意されたもので……。」

 おいおい、100年前って……。

 「しかし、誰も訊ねてくることはなく、ずっと保管されていたそうです。」

 「そこで俺達が来ることがわかって、ハッチャけたってわけか。」

 「えぇ、その通りです。あなた方の来訪を知ると、いきなりこの書簡を渡して『我はこれより竜王城の準備に入る故、くれぐれもよろしく頼む』と言って消えてしまわれまして……。」

 「はぁ……お前らも大変だなぁ。」

 「わかっていただけますか。」

 俺が同情を込めた声で言うと、ガルムは泣き出さんばかりに訴えてきて、その後しばらくの間、ガルムの愚痴に付き合わされる羽目になった。


 「ところでさ「雨」や「太陽」の「祠」とか「洞窟」ってどこにあるんだ?」

 夜が更けて、宴もそろそろ終わりを告げようかという頃に俺はそう切り出す。

 ちなみにソラも起きていて、今は広場の中央で歌っていたりする。

 そのソラの歌に夢中になっていたガルムは、不意を突かれたように「ビクッ!」と跳ね上がる。

 「な、なんのことでしょうか?」

 「とぼけるなよ。『古の伝説』だよ。雨とか、太陽を冠した祠かどこかに、アイテムがあって、それを合わせれば虹の何とかって言うのが出来て、それを使って竜王城へ行くんだろ?」

 「ど、どうしてそれを……。」

 ガルムと、その周りにいる竜人たちがどよめく……そんなに驚く事か?

 「ほらこれに書いてあるだろ?」

 そう言って俺は2枚目の紙を渡す。

 「ま、それがなくても想像はついていたけどな。」

 紙に書かれている内容を見て、がっくりと項垂れるガルムたち。

 

 話によると、2枚目の紙は俺達に渡る予定はなく『古の伝説』の事を訊ねられるまで秘匿しておくものだったらしい。

 そして、訊ねられたら長老から告げられる内容のもので、さらに詳細について……雨とか太陽とか……は、それぞれ答える役の竜人たちが決まっていて、その龍人たちを探してたらい回しにする……はずだったとのこと。

 それが俺に先に答えてしまったため、意味をなさなくなってしまった。

 項垂れている竜人の中から「折角練習したのにぃ……」とか「100年待ったんだぞ!」などの声が聞こえる……たぶん答える役の人だったんだろう……なんかゴメン。


 「はぁ……仕方がないですね。雨の祠は……。」

 「ガルム、待ってくれ!それは俺に言わせてくれ!」

 ガルムの言葉を一人の竜人が遮る。

 ……様子から見るに、雨の祠のこと教えてくれる役目の人だったんだろうな。


 「お客人、よく来たな。ココから北に2日ほど行ったところにあるのが『雨の洞窟』じゃ!そこを探すがよい!」 

 ドヤ顔で言う、竜人。

 その竜人を囲みながら「よかったなぁ」とか「一生懸命練習したもんな」とか「練習に付き合った甲斐があったぜ」などと声をかける他の竜人たち。

 ……あー、うん、苦労してるんだね。


 「お、俺にも、俺にも言わせてくれ!」

 その様子を見ていた別の竜人が進み出てくる。

 「お客人……イヤ勇者殿!無事に証を手に入れられた様じゃな。太陽の祠はこの村の奥にある。そこで証をかざすがよいぞ!」

 その竜人のセリフに、場が一瞬静まり返る。

 「バカか!」

 「お前それは雨の洞窟から帰ってきたから言うセリフだろ!」

 「何、ネタバレかましてるんだ!」

 ……他の竜人たちから非難を浴びていた。

 「だ、だって、俺も言いたかったんだよぅ。」

 「アホか!それにまだ太陽の祠は作っている最中だろうが!」


 「……太陽の祠、作ってるんだ?」

 俺は隣のガルムに、そうつぶやく。

 「申し訳ありません、雨の洞窟から戻られる頃には出来ているはずですので……。」

 ……なんか、もう……グダグダだった。


 「ねぇ、にぃに?」

 「ん、どうした?」

 「私、龍族とかそれに仕える竜人って知的で賢い種族って思ってたっすよ……。」

 それが、こんな残念種族だったなんて……とリィズが言う。

 「言うな……俺もそう思っている所だ。」

 「何かガイアさんと会う時は、覚悟極めないといけないよね。」

 アハハ……と力なくカナミが笑う。

 そうだよな、きっとガイアもこいつらに輪をかけた残念地龍なんだろうなぁ。

 何が出てきても驚かない覚悟が必要だろう。


 ◇


 翌日、俺達は雨の洞窟に向けて出発する。

 「なんかさ、別の地龍探した方が良くないか?」

 「あはは……はぁ……でも、別の地龍さんも似たような感じだったらどうするの?」

 俺の言葉に、カナミが力なく応える。

 「まぁ、このまま進むしかないか……。」


 「そう言えば、にぃに達の世界に伝わっているのはどういう話っすか?」

 リィズが、昨日のネタについて聞いてくる。

 「そうだな……簡単に言えば勇者が姫を攫ったドラゴンを倒して助け出す。そしてその黒幕の『竜王』を倒すために最後の戦いに挑むって感じかな?」

 「そうなんすね、そこに雨と太陽が出てくるんすね。」

 「あぁ、竜王の城に行く道がないんだけど、雨のアイテムと太陽のアイテムを使うと虹のアイテムが出来て、それを使うと龍王の城へ渡れる道が出来るっていうモノだよ。」


 「はぁ、今回はそれを真似しているって事っすか?ガッちゃんはどこで知ったんすかね?」

 ……ガイアドラゴンはリィズの中では、すでにガッちゃんで定着したっぽい。

 「勇者の物語が好きって言ってたから、異世界の勇者から流れたんだろうなぁ。」

 まぁ、それに振り回される竜人たちには、ご愁傷様としか言いようがないが。

 

 「その、竜王の城って言うのはどんな感じなんすか?魔王城みたいな感じ?」

 「んー、一見普通のお城だったよね?」

 カナミが会話に混ざってくる。

 「それで、隠し通路があって、その先がダンジョンになってるのよ。」

 「ダンジョンっすか?規模が大きいっすね。」

 「そうそう、それでその中に伝説の武器があってね、それでラスボスをやっつけるんだよ。」

 「伝説の武器っすか!ロマンっすね!」

 伝説の武器と聞いて、リィズが目を輝かせる。

 

 「あんまり期待をしないほうがいいぞ。」

 リィズの喜びに水を差すようで申し訳なかったが、期待だけさせておいて後でガッカリよりはいいだろう。

 「どういう事っすか?」

 リィズが聞いてくる。

 「んー、残念地龍のやる事だからな……この『古の伝説』のように中途半端な可能性が高い。」

 「そういわれればそうっすね。」 

 俺がそう言うとリィズが納得したように頷くが、ガッカリ感は隠しきれないようだ。

 「それに、こう言っては何だが、お前らの装備は改良の余地はあるものの、それ以上のモノって言うのは、それこそ伝説の神器クラスじゃないとないぞ?」

 「そんなにっすか?」

 俺の言葉に、リィズが驚く。

 「これがそんなにすごいとは知らなかったっすよ。」

 自分の愛器……双剣をしげしげと見つめるリィズ。


 リィズの双剣『オクタエッジ』は、素体にメリラ鉱石とアダマンタイト鉱石の特種合金を使用している為、強度も魔力透過率も現状では最高のものだ。これを超えるものとなったら伝説のオリハルコンやヒヒイロカネを使うしかない。

 加えてその柄に仕込んだ魔結晶により、右手には「光」「風」「水」「氷」の4属性、左手には「闇」「雷」「火」「土」の4属性の特徴を併せ持っている。

 其々親和性の高い属性で固めたことにより魔力強度は上がっている為、少しの魔力で最大の効果が発揮できるようになっている。

 素材が伝説級のモノになれば、属性を増やすこともできるが、リィズの戦闘スタイルなら属性を増やすより、もっと減らしてその分強化した方がいいだろう。


 「……そうだったんすね。はじめて知ったっす。」

 俺がリィズの双剣に関して蘊蓄を述べるが、どうでもいいって顔をしている……なぜだ、解せん。

 「と、とにかく……俺達の装備を超える武具って言うのはそう滅多にないって事だ。」

 そんな事を話しているうちに初日は過ぎていった。


 翌日、そろそろ目的地と言う所でそれらは現れた。

 「おぅおぅ、こんなところまで、何の用だ!金目の物を置いて帰れば命まで取らねぇぜ。」

 …………ひどい棒読みだった。

 「あのぉ、おにぃさん達何してるの?」

 ソラが声をかける。

 「あ、ソラ様、これは、その……。」

 ソラに声をかけられ、途端にしどろもどろになる盗賊……に扮した竜人たち。

 よく見ると、彼らは先日の宴でソラの歌に夢中になってた奴らだった。


 「実は、『由緒ある雨の洞窟は山賊たちの住処になっていて、勇者一行が退治をして洞窟を開放、証と雨の石を手にする』という設定になっていまして……、あ、ここが洞窟です。」

 俺達は竜人の案内で洞窟までくる。

 「由緒正しいって……これ最近適当に掘っただけだろ?」

 案内された洞窟は、洞窟と言うより、岩山を掘り抜いただけのもので、人一人が入れる程度の穴が開いているだけだった。

 一応ご丁寧にも『雨の洞窟』とプレートがかけられているが。

 竜人たちは皆、目を背けている……まぁ、いいけどね。

 俺は穴の中に入り、証と石を取り出す。

 ちゃんと「ゆうしゃのあかし」「あめのいし」と彫られているから間違いないだろう。

 ……なんか、見てるだけでやるせない気持ちになってくるのは、ちょっとだけ置いておく。


 「お兄さんたち、楽しい?」

 ソラが無邪気な顔で竜人たちに聞いている。

 やめてやれよ。みんな胸を押さえてうずくまってしまったじゃないか。


 ……違うんだ、違うんだよぉ……

 ……俺だって、俺だって……

 ……好きでやってるんじゃないんだ、命令なんだよ!……


 ウン、まぁ、がんばれ……。

 俺達は、のたうち回る竜人たちを置いて、雨の洞窟を後にする。


 ◇


 「次は太陽の祠っすね。」

 「待て待て。行くのは明日だ。」

 村に戻り、早速太陽の祠へ向かおうとするリィズを慌てて止める。

 「何故っすか、早く終わらせるっすよ?」

 「さっきガルムに聞いたんだが、まだ仕上げが終わってないそうだ。ここまで来て、無駄にさせるのも申し訳ないだろ?」

 「う……そう言う事なら仕方がないっすね。」

 「という事で、今夜はゆっくりして、明日の朝に太陽の祠に行こう。」

 その日は皆で温泉に浸かり、美味しいものを食べて、旅の疲れ……主に精神的な……を癒すのであった。


 「どうですかな?立派なモノでしょう。」

 翌朝、俺達はガルムに案内されて「太陽の祠」に来たのだが……。

 きらびやかなネオン、「ようこそ!太陽の祠へ!」と大きく書かれたアーチと、道々に建てられたのぼり、道の左右に所狭しとひしめき合う屋台の数々……。

 ……ウン、スルーだ、スルー。


 ガルムの言葉は聞こえなかった振りをして祠の前まで進む。

 「ここで証をかざせばいいんだな。」

 俺は、雨の洞窟で手に入れた「勇者の証」を天に掲げた。

 ………。

 ………。

 ………何も起きない?


 ……ざわざわ……

 ……おい、早くしろ……

 ……ちょっと待って……もう少し……

 ……まだか?間が持たないぞ!……

 ……大丈夫、ガルムさんなら何とかしてくれるさ……

 ……ざわざわ……


 なんか周りが騒がしい、それに何やら不穏な言葉も聞こえる。

 俺はガルムに視線を向けると、彼は冷や汗を垂らしていた。

 「あの……その……ですな。いやぁ、勇者様、素晴らしい証ですなぁ!」

 後半は取ってつけたようなセリフ、しかも棒読み……何がしたいんだこいつら?

 「その証をよく見せて下され。……おい、今のうちに……。」

 ガルムが小声で指示を出しているが聞こえなかった振りをしておこう。


 ちなみにカナミ達は、一歩引いたところで他人の振りをしていた。

 こら、お前らもこの茶番に付き合えよ。


 「おぉ、勇者様の証が輝いて太陽の石になりましたぞ!」

 だから、棒読みはやめようよ。

 俺はガルムが差し出す「たいようのいし」と彫られた石を受け取る。

 ちなみにガルムが背中に回した手に「ゆうしゃのあかし」が握られているのを知っているが、気づかない振りをするのが、大人の対応というものだろう。


 「おぉ、勇者殿が「太陽の石」と「雨の石」を手に入れられれたぞ!、これで龍王様の城への道が開くぞ!」

 ガルムが一生懸命セリフを言う……棒読みだけど。

 「勇者殿、その二つの石を重ねて掲げるのじゃ!」

 あ、はいはい、つきいあいますよ。

 「こうか?」

 俺は言われた通りに二つの石を重ねて天に掲げる。


 『虹の橋(ビフロスト)


 どこからともなく呪文が詠唱される……聞いたことの無い呪文だが?

 「龍魔法(ドラゴン・ルーン)ね。……綺麗、こういうのもあるんだね。」

 いつの間にか横に来ていたカナミがそう言う。

 カナミが指さす方を見ると、空に虹がかかっていた。

 ……すごいけど、これって魔法の無駄使いと言う奴ではないのだろうか?

 というより、虹を出す魔法ってどういう時に使うんだろう?


 「さぁ、勇者殿!虹の橋がかけられた。龍王様の城に行くことが出来ますぞ!」

 相変わらずの棒読みだが、ガルムの顔にはやり切った感が出ている。

 いや、これで終わったという安心感か?

 「あー、はいはい、行けばいいんデスネ……。」


 そして、俺達は「虹の橋」とプレートのついている橋を渡り竜王の城へと向かう。

 ……あの橋、昨日もあったよな?

 そして、目の前に立ちはだかる竜王の城……を描いた書割と、洞窟の入り口……。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 「とにかく、ここでウダウダ言ってもしょうがない。中へ行くぞ。」

 俺は皆を促し、城……洞窟に入っていく。

 しかし、ここまでがグダグダだったので、正直油断していた。

 いくら残念な性格をしていても相手は龍……油断していい相手ではなかったのだ。

 俺達は、洞窟に入ると同時に、そのことを思い知らされる。


 

 

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