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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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朝の一コマ

 「ンッ、チュッ、……チュッ……。」

 ……なんだろう、口に柔らかいものが……キスされてる?

 あぁ、夢か……夢ならもっと激しくてもいいよなぁ。

 俺は、夢現のまま、キスをしてくる人物を抱きしめ、お返しをする。

 夢なのに……妙にリアルな感触。

 ……だんだん意識がはっきりしてくる。


 「あの、カナミさん?何をしてらっしゃるのでしょうか?」

 俺に顔を近づけてくるカナミに声をかける。

 「んー?レイにぃを襲ってる?」

 「何故疑問符?」

 「……ナイショ♪」


 「もう朝か?」

 周りはまだ暗い。カナミとミリィに押さえつけられているので首しか動かせず、はっきりと確認できないのでカナミに訊ねる。

 「んーん、まだ夜中だよぉ。朝までたーっぷり、時間があるよぉ。」

 そう言って甘えてくるカナミ……。

 「私も構ってほしいっす……縛られて転がされているのは切ないっす。」

 「あれぇ、そんなこと言うのはどのお口かなぁ?」

 カナミがリィズを抱きかかえ、俺と挟み込むようにして抱きしめながら、ほっぺたを突っつく。


 「えーっと、そろそろ解いてあげたら?」

 「だーめ。動けないリィズちゃん可愛いからねぇ。」

 俺の提案は却下され、動けないリィズのあっちこっちを弄るカナミ。

 仕方がないので頭を撫でてやる……まぁ、こういうリィズも、確かに可愛いんだよなぁ。

 「にぃにぃ……」

 涙目で見上げてくるリィズ。 

 アカン、本当に可愛い……思わずキスをしようと顔を近づける。


 「ダーメ。」

 あと少しで唇が触れようとしたところで、カナミが割り込んでくる。

 「リィズちゃんは、朝までお預けなの。」

 「にぃにぃ……。」

 すまん、俺には何もできない……無力な俺を許してほしい。

 そう言う思いを込めてリィズの頭を撫でる。

 「むぅー。」


 昨日、リィズとの朝帰りが見つかって、小一時間程二人にお説教をされていた。

 結局リィズばっかりズルいと、昨夜はイチャイチャしてたのだが疲れて寝てしまったらしい。

 リィズが縛られてるのは、独り占めした罰でお預けとのこと。

 「ふわぁぁ……、ん……朝になったら報酬貰ってぇ……馬車を……。」

 眠い……。

 「あれ?レイにぃ、寝ちゃう?……おやすみ……チュッ♪」

 ……ん……おやすみぃ…………。


 「ふわぁぁぁぁ……んー……。」

 目が覚める……が身体が動かない。

 夜中に一度目が覚めた気もするが……よく覚えていない。

 唯一動く首を右に振ってみる。

 ミリィがいる。

 俺の右腕を抱きかかえて寝ている。


 左を見る。

 カナミがいる。

 俺の左腕を腕枕にして寝ている。

 

 お腹の近くまで視線を下げると、俺とカナミに挟まれてリィズが寝ている。

 何故か縛られている。


 ……なんでこうなっているか思い出せない。

 ただ一つ言えることは、誰かが起きるまで、俺は動けないという事だ。

 仕方がないので、これからの事を考えよう。


 まずは拠点の確保。

 とにかく大きな湯船でゆっくりとお風呂につかりたい。

 この高級宿でさえ、小さなユニットバス……しかも銀貨1枚とられる。

 カナミがこっちに来たばかりの頃、村に公衆浴場を作ったら大流行りしたって言ってたけど、分かる気がする。

 昔は気にしたことなかったんだけど、魔王島の温泉……あの広さを味わうと、元の生活に戻れない。


 なので、当面の大きな目標は魔王島とのリンクをつなげる事。

 ポイントは転移陣。

 転移陣の解析と書き換えが出来れば、片道だけど魔王島の転移陣ルームへ行けるはず。

 そこまで行けば、後は向こうでの調整で何とかなる。


 その為にも、転移陣の設置と解析をするため、邪魔が入らない拠点が必要になってくる。

 今回の依頼報酬で、必要な予算は貯まったので後は拠点を建てるだけ。

 場所ももう決めてある……まぁ、その「建てるだけ」というのが普通は一番のネックになるのだが。


 最初は、ログハウスでも作ろうと考えていた。

 これなら三日もあれば何とか形に出来そうだったからな。

 その時、カナミが、魔王城を作った時の魔法が使えないか?と言い出した。

 あれなら、資材を用意しておけば一瞬だからな。

 しかしここで問題が起きたんだよ……。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「にぃに、拠点を作るというのは分かったっすけど、具体的にはどうするんすか?」

 「そうねぇ、場所にアテはあるのかしら?」

 リィズとミリィが疑問点を上げる。

 

 「そうだな、まず場所だが、アルガードとリンガードの国境付近の森の側……わかるか?」

 「ウン、ミーナちゃん達のいる隠れ里の側だね。」

 俺の問いかけにカナミが応える。

 「そうだ、実はあの辺りは、ポメラの街の北に位置する……つまり屋敷があった場所なんだ。屋敷には魔王城の次に転移陣の規模が大きかったからな。世界が改変して消えてしまったが、変な歪みが残っているのを確認した。」

 「だから、レイさんはあの辺りをウロウロしてたんですね。」

 「モフモフ出来なくて拗ねてたわけじゃなかったんすね。」

 俺が場所を決めた理由を説明すると理解してくれる……って、そんな風に思ってたんかい!

 ……誤解が解けて何よりだよ。


 「あの辺りは人通りもほとんどないからな。獣人ぐらいなら問題ないだろうし。ログハウスでも建てれば、4人なら何とか住めるだろう。」

 「んーと、レイにぃ、あの魔法は使えないかな?ほら、魔王城を立てた時の……。」

 俺が構想を打ち明けると、カナミがそんな事を言ってくる。

 そう言えばそんな魔法あったな……でもあれは確か……。

 「カナ『ブック』は使えるのか?規模は小さくなるけど、たぶんフォローしてもらわないと難しいかもしれない。」


 カナミのチート能力「行使者」……通称「ブック」。

 カナミが「協力」をお願いした相手の能力をそのまま利用できるというものだ。

 一度に一つしか使用できない、ブックを広げている必要があるなど制限があるが、一部とはいえ女神の力まで行使できるという、まさにチートと言って差し支えのない能力だ。

 世界改変の時に、女神が「白紙に戻る」って言ってたけど……。


 「ウン、確認する……「ブック!」……「ブック!」……。」

 カナミが何度か「ブック!」と唱えているが……。

 「……ゴメン、使えなくなっちゃったみたい。」

 ショックを受けているようで、明らかに落ち込んでいるカナミ。 


 白紙の戻るとは言ってたけど、使えないとは言ってなかった……。

 本当に使えないなら「使えない」とか「なくなる」って言うはず……。

 その時、俺はひらめく。

 こういう時の為の俺の能力じゃないか!と。


 『英知の書(グリムベイブル)

 ………。

 ………。

 ………。

 反応がない。

 「レイにぃ、どうしたの?……まさかレイにぃも?」

 俺の様子がおかしい事に気づくカナミ。

 「あぁ、俺もダメっぽい……。」

 まさか英知の書(グリムベイブル)まで使用不可だなんて……。


 (使用不可……否……仕様変更。)

 その時、頭の中にイメージが広がる……仕様変更?

 (仕様変更……従来のように能力発動のトリガー不要。思考のみで可能。)

 ……どういうことだもっとわかりやすく……

 (わかりやすく……考えれば答えが出ます。)

 ……確かにわかりやすいが……そう言う事なのか?


 俺は試しに、カナミのブックについて思考してみる。

 ……カナミのブックはどうなった?なぜ使えない?

 (カナミのブック……行使者……仕様変更。)

 ……仕様変更?どのように?

 (仕様変更……従来の発動トリガー不要。能力を体内に取り込むことで使用可能。)

 ……もっとわかりやすく、具体的には?

 (具体的……食べる、魔晶石で取り込む、スキルイーター等のスキルを使用することにより、取り込みが可能。詳細は本人が理解。)


 「……ってば!レイにぃ!聞こえてる?」

 カナミが呼んでいる……。

 「ん?どうした?」

 「どうしたじゃないよ!急にぼーっとして……さっきから呼んでるのに反応なくて!」

 見ると、ミリィもリィズもどうしていいかわからずオロオロしていた。

 「あぁ、ごめん……ちょっと考え事。」

 俺はさっきの出来事……俺達の能力が仕様変更されている事を話す。


 「えーと、ごめん、今一つ理解できない。」

 「うーん、詳細は本人が理解してるはずなんだけどなぁ?」

 カナミには今ひとつピンとこないようだ。

 「にぃに、カナミ、試してみたらどうっすか?」

 「試すって?」

 「さっきの話では食べて取り込むって言うのがあったと思うっすけど、丁度、さっき仕留めたばかりのホーンラビットがいるっす。これ食べませんか?」

 リィズがそう言うと同時に、キューと可愛らしいお腹の音が鳴る。

 「そうね、丁度お昼だし。」

 そう言って、ホーンラビットを捌き調理を始める、カナミとリィズ。


 「魔晶石で取り込むというのはどういう事かしら?」

 ミリィが訊ねてくる。

 「うーん、魔晶石に込められたものを取り込むんだろうけど……魔晶石を食べてしまうのか……単に押し当てればいいのか……。」

 ミリィと一緒に考える……。

 

 (魔晶石利用……特殊な利用法……術者が魔晶石内のマナを体内へ吸収し、放出する。使用には訓練と慣れが必要……。)

 成程ね。

 魔晶石に込めた魔法……例えばライトニングを俺のドラグーンやソラのワルサーのように撃ち出す。

 その銃の部分の役割を人が代わりに行うって感じか。

 で、カナミの場合は、それを行うことによって、自分のモノにできるって事か。

 でもこれって、結構大変なんじゃね?


 俺は今知りえたことをミリィに話す。

 「そう言う事ですか……レイさん、何か魔晶石持っていませんか?」

 突然ミリィがそんな事を言う。

 「あるけど……。」

 ドラグーンの弾丸用にと用意していた「スタン」「ライトニング」「ブリザード」の魔晶石を渡す。


 「ちょっとお借りしますね。」

 そう言って、ミリィは魔晶石を一つ取って、左手で握り込む。

 そして右手を突き出し……

 「ライトニング!」

 ……ミリィの手からは魔力が放出されるが、ライトニングが発動したわけではなかった。


 「んー難しいですね……。」

 ミリィはもう一つ手に取る。

 そして今度は右手にロッドを取り出す。

 先程と同じように、左手で魔晶石を握り込み……

 「ブリザード!」

 右手のロッドを前方に向かって振る。

 先にあった木が少しだけ凍り付く。 


 「何かお役に立てればと思ったのですけれど……。」

 「何かわかったのか?」 

 「精霊さんの力を自分の中に通して発動させるのと似通ってますので「取り込む」という概念は精霊使い(シャーマン)なら容易だと思いますが……。」

 発動に関しては……とミリィが言い淀む。

 「まぁ、普通は発動できないものを発動させる能力なんだから「取り込み」の概念が伝わるだけで十分じゃないのかな?」


 「ご飯できたよー。」

 二人して頭を悩ませている所に、カナミから声がかかる。

 俺はミリィと顔を見合わせ、どちらからともなく笑い合った。


 「えーと、ホーンラビットの特殊能力……「聴覚拡張」「気配感知」「衝撃(スタン)」の三つね。」

 「どうだ?何かわかるか?」

 俺は、ホーンラビットのステーキを食べたカナミに確認する。

 「うーん、微かにエネルギーが溜まった感じはするんだけどね……。」

 「やっぱりわからないか?」

 「うーん何て言ったらいいかなぁ。……あ、そう言えばさっきの魔晶石、私にも貸してくれる?」

 カナミには、食事をしながら、さっきミリィと検証していた事を話してある。

 「ほら『ナパーム』しかないけど。」

 俺は魔晶石を手渡す。


 「ウンちょうどいいよ。私ナパーム使えないしね。」

 カナミは、俺から受け取った魔晶石を握りしめる。

 「リィズ、ちょっと場所開けて……『ナパーム!』」

 カナミは、リィズが焼こうとしていたボアに向けてナパームを放つ。

 掌から、大きな炎が生み出され、ボアに向かって放たれ……。


 「カナミ、何するんすか!」

 リィズが怒る!

 無理もない、カナミが放ったナパームによって、ボアは丸焼きどころか、一瞬で焦げ付いてしまったのだから。

 「あはは……ゴメンねぇ、火力の調整間違えちゃったみたい。」 

 「間違えたじゃないっす、どうするんすか!晩御飯抜きっす!」

 「リィズ、もう一度狩りに行きましょ。」

 「でも、ねぇね……。」

 「いいからいいから……。」

 ご飯を台無しにされて膨れていたリィズを、ミリィが宥めて連れ出してくれる。


 それを見送ってから、俺はカナミに向き直る。

 「どうなんだ?」

 「ウン、なんとなくわかったよ。」

 実際に使用してみたことで意味不明だった思考が開けた感じなんだという。

 説明しにくいが、俺のグリムベイブルの時と似た感じなんだろう。

 カナミは『行使者』の新しい仕様についてわかった事を話してくれる。


 「まず、基本的な所は変わらないかな?相手に『協力』してもらってその能力が使用できるっていう事と何回も使っていれば熟練度が溜まって『ブック』なしでも行使できるという事が『行使者の能力』だったよね。

 この『協力』の部分が『取り込むこと』に置き換わってるんだけど、ここがネックだわ。

 まずね「食べて取り込む」のは非常に効率が悪いわね。効率よく取り込もうとしたら、生で丸ごと食べないとムリ……そんなのムリ!

 さっきみたいな食べ方でも、わずかに取り込めるけど……、毎食新鮮なホーンラビットのステーキを1ヶ月以上食べ続けて1回使えるかどうかね。……熟練度溜まるまでと考えると5年はかかるんじゃないのかなぁ?」

 「そんなにか?」

 「そんなによ。」

 「そうかぁ、でも生で丸かじりすれば……いえ、ゴメンナサイ……。」

 カナミに睨まれたのでやめる。


 「現実的なところで、魔晶石からの取り込みだけど……魔晶石内のエネルギーをそのまま取り込めばOKみたい。ただ……魔法しか無理だよね?

 まぁ、魔法は私との親和性も高いみたいで、1度使えば熟練度100%になるみたいだから全くの無駄ってわけじゃないんだけどね。」 

 「そうだな、魔法以外を魔晶石に……ん?能力種(スキルシード)はどうだ?」


 能力種(スキルシード)は、モンスターが倒された時に魔種(シード)ではなく、そのモンスター固有の能力が詰まった、特殊な魔種(シード)が残される時がある。

 これを能力種(スキルシード)と言い、誰でも、その中に秘められたスキルを使うことが出来る。


 希少品の為どんなものでも最低小金貨5枚ぐらいの値が付き、ミラージュタイガーなどが持つ幻影(イリュージョン)などの、有用な能力種(スキルシード)に至っては金貨100枚を超えることも珍しくない。

 ただし、1回使えば崩れ落ちてしまうため、超高価な使い捨てアイテムなのだ。


 「んー、それは、それで、あまり現実的じゃないかも?」

 「どうして?」

 「だって、1回使い捨てなのは変わらないから、熟練度溜まるまで使い続けないと取り込む意味ないし、……熟練度溜まる分の能力種(スキルシード)を買い占める?」

 「モノによっては出来なくもないけど……金貨何百枚必要か……。まぁ、無駄にはならないだろうから、今度街に行った時、気にして見てみよう。」

 「そうねー、いいのがあるといいけどなぁ。」


 「ただいまー。」

 俺とカナミの話に一段落着いたタイミングで、リィズ達が戻って来る。

 「にぃに、聞いて!サーベルウルフから能力種(スキルシード)が出たっす!」

 リィズの言葉に、俺とカナミは顔を見合わせる。

 本当に、なんてタイミング。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「……んっ、うーん……、あ、センパイだぁ……ぎゅぅ……。」

 カナミの声で、思考を中断する。

 どうやら目が覚めた……いや、まだ寝ぼけてるのか?

 「んー、センパイ離れちゃイゃ……んー。」

 そう言ってしがみ付いてきて、キスをねだる。

 こういう時のカナミも可愛いが、覚醒した後に寝ぼけていた時の行動を思い出して、真っ赤に照れるカナミも可愛い。

 なので、こういう時は言う通りにしようと決めている。

 今日もこの後、さぞや照れまくって見せてくれるだろう。

 「俺、動けないからさ、カナから来てよ。」

 「ン、センパイだーい好きぃ……ン、ちゅ……ふにゃぁ……。」

 そのまま突っ伏して寝てしまうカナミ……もうしばらく、俺は動けないままか……。


 仕方がないので、思考を続ける……というか、それしかすることがない。


 結局、カナミの能力は使い勝手が悪くなった……本当にそうなんだろうか?

 俺の能力は、多少の制限が出たが使い勝手は良くなっている。

 カナミの能力も、俺達が気づいてないだけで、実はもっと便利なのではないだろうか?

 何かが引っかかってるんだよなぁ。

 何か単純で、重大な事を見落としている気がする。

 ……まぁ、この件についてはすぐ答えは出ないから保留にしておこう。


 それより、拠点の件だったな。

 『領地作成クリエイト・テリトリー』ほどの大規模魔法は必要ないけど、家を建てるぐらいの魔法がないかと探していたら『家建築(クリエイト・ハウス)』という魔法があった。

 これは小さなログハウスから、貴族の住む屋敷ぐらいまでの家を建てれるという魔法だ。

 内装も、設計図さえしっかりしていればその通りに出来る。

 大きさと内部構造にもよるが、結構な魔力を持っていかれる。

 しかし、この程度であれば、俺一人で賄えることが分かったので、後は資材を集めるだけでよくなった。

 なお、このクリエイトシリーズは、様々なモノを多岐にわたって作成できる魔法で、俺のクリエイター心をくすぐってやまない。

 サッサと魔王城の件をクリアして、ゆっくりと引き籠って研究したいところだ。


 そうそう、昨日リィズと話していた馬車……これも、このクリエイター系の魔法を使えば何とかなりそうだと考えている。


 ……っと、そろそろ起きてくれないかなぁ?

 この体勢でじっとしているのも辛くなってきたし、そろそろ……。

 ……というか、いつの間にかリィズがお腹というか胸の上に乗ってる……重い。


 ン……じりじりと這い上がってくる。

 「……って、リィズ、お前起きているだろ?」

 「ぐぅ……ぐぅぐぅ……。」

 誤魔化すなよ。

 「んー、起きてにゃいにゃぁ……。」

 そんな事を言いながら這い上がってくる……顔が目の前にある。

 「起きてるじゃないか?」

 「起きてにゃい……それより、縛られてるのでこれが限界にゃぁ。」

 そう言って、俺の顔に自分の顔をうずめる。

 

 リィズの顔と俺の顔が密着する。

 俺の目を見てニヤッと笑ったかと思うと、ペロペロ舐めてくる……くすぐったい。

 「いいかげ…んぐっ……。」

 口をふさがれる。

 

 右からミリィに、左からはカナミにギュっとされ、上に乗ったリィズに唇を奪われ……。

 ……ウン、分かってる。これで文句を言ったら、怒られるって事。

 リア充爆発しろ!って言われても仕方がないってわかってる。

 この現実を知ったら血の涙を流す奴らが一杯いるって事も知っている。

 それでも……、そろそろどいてくれと言いたい。

 力づくで跳ねのけようかとも思ったが、腕が変な風に極められていて力が入らない。

 もう少しは大丈夫だと思うが、一歩一歩、限界が近づいてくる……

 それまでにどいてくれないと、本当にヤバい……。

  

 ……願わくば、俺が限界を迎える前にどいてくれることを祈ろう。


いや、ホント、最近のレイフォードさん、イチャイチャしすぎです。

甘えすぎです。

書いていて腹が立ってきます……この反動で、不幸な目にあっても責任持ちません。

と言いたいぐらい、ただイチャイチャしてるだけの話です。

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