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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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※SS 幕間 ~解放されるとき~

本編の続き待っていた人ごめんなさい。

近くて遠い未来に起きる出来事を描いたSSです。


 「魔王!今日限りで貴様は終わりだ!」


 目の前の男はそう言った。

 妾が今日限りで終わりじゃと。フン、出来るものならやって見せよ。

 っと、そうじゃった、忘れるところじゃった。


 「威勢がいいな勇者よ。どうじゃ、妾の仲間にならぬか?仲間になれば世界の半分をお主にやろうぞ!」

 これは様式美というやつらしい。勇者が来たら必ずこう言えとパパが言ってた。


 「魔王!」

 目の前の男・・・勇者?が吠える。


 ウム、どうせ断って戦いになるのじゃ。分かっておる。


 「一つ聞きたい。」


 「はへ?」

 予想外の言葉に、変な声が出てしもうた。


 「世界の半分の内訳はどうなんだ?土地の面積は?年間の収穫量は?そこに住む人口は?大地と河川・海の比率は?日照時間は?文明レベルの分布は?亜人と人間、動物の生態比率は?ケモミミ少女はいるのか?・・・そこのところどうなんだ!…後、どうでもいい事だが俺は勇者じゃない。」


 「ちょ…ちょっと待って・・・。」

 いきなり何なのコイツ!・・・収穫量・・・人口・・・?


 「えっと、・・・その・・・一応聞いてみただけというか…後、なんか変なの混じってなかった?」


 「なにぃ?じゃぁ、お前は渡す気もない物を渡すと言っただけなのか?もし俺がハイって答えたらどうするつもりだったんだ?責任とれるのか!…そうだ、責任取ってもらおうか!」


 な、なんなのよ…待て、落ち着け・・落ち着くんだ私……よしっ!


 「うはははは…貴様は勇者じゃないと言った!勇者じゃないやつに渡す世界などないわ!」

 よし、完璧よ!


 「魔王…お前が間違えたんだろう?間違えたにしても、一度言葉にしたことは責任取れよなぁ?それとも・・・自分の言葉に責任取れないおこちゃまかい?」


 男が呆れた口調で言ってくる。

 バカにして―!


 ・・・・・・マテ、落ち着け私・・・今こそ私の能力『全てを見通す力』を発動するときだわ。

 

 「気を付けてレイ。魔王が何か力を使うわ。」

 男のそばにいた巫女姿の少女が言った。


 「ほほぅ、私の力を見抜くとは、中々やるのぅ。では、まずはお主を相手にしてやろうかのぅ。」


 よし、自然にターゲットを変えることが出来た。私完璧!

 ・・・・・・あの男レイって呼ばれてたっけ……あれを相手にするのはヤバいって私の感が告げてるわ。

 ここは傍にいる女たちから一人づつ力を削いでいかなきゃ。


 ・・・まずは巫女少女から……『ターゲット!』


 「みえる!みえるぞ!巫女装束の少女よ!」


 巫女姿の少女がビクッと一瞬体をこわばらせる。


 「男を追ってきたはいいものの・・・元来のタイミングの悪さと神の悪戯の所為で男とはすれ違いばかり・・・ようやく会えた男にはすでに複数のオンナがいて…しかもキャラ被りしていたという不憫な少女よ。」


 巫女姿の少女が胸を押さえてうずくまっている・・・フフフ・・・・・・効いてる。


 「せっかく出会えたにもかかわらず、タイミングの悪さが災いして未だに何もない残ね……うぐぅ・・・。」

 巨大なメイスがお腹にぶち当たる…どこから出したの…あれ?


 「うふふ・・・・・・魔王って、頭つぶしても生きてるってほんとかなぁ?」

 メイスを振りかぶる少女…怖い。


 「ま、まて・・・お前は後で相手してやる・・・そうじゃ、お前じゃ!」

 私は周りを見回し慌ててターゲットを変える。


 巫女少女はヤバい。

 しかし今度のやつは大丈夫だろう。分かっているのかいないのか、ニコニコと笑顔でいる…。


 その笑顔、ゆがめて見せよう・・・『ターゲット!』


 「ソコのニコニコ女!みえる!みえるぞ!男の傷心に付け込んでモノにしようと企んだはいいものの寸前でヘタレて千載一遇のチャンスを逃した女よ。その後はお主以上に男がヘタレだったために手を出してもらえなかった女よ!」


 女の顔から表情が消えた……よしよし効いてるぞ。


 「そのうち男の周りに女が増え、どんどん影が薄くなっ・・・・ひぇぁ・・・。」


 ……私の腕が、大きな狼に噛み付かれてる・・・え、その後ろに大きな魔物が…あれ、他にも一杯・・・・・・。


 「ウフフ・・・面白いこと言う魔王様ね。ベヒモスさん、フェンリルさん、ジンさんに、イフリートさん、クラーケンさんにリヴァイアさん、トールさんもルナさんも、みんなで魔王様と遊んであげて。」


 「……ちょ、ちょ、待っ・・・。」

 いきなりこんなん相手できるかぁー!


 ・・・、・・・。


 「ぜぇぜぇぜぇ・・・。」


 「あら、あれだけ相手したのにまだ元気ですね。もっとお友達呼びましょう。」


 「ちょ、ちょっと待て・・・ぜぇぜぇ・・・お前は後で相手…してやる。・・・・そうだ、今度はお前だよ。」

 笑顔でさらなる精霊を呼び出そうとするニコニコ女を制して、双剣を構えている少女に目をやる。

 

 あのニコニコ女、あの数の精霊を一度に呼び出すとは、さすがの私でも捌ききれない。


 でもこの少女なら……武器はあの双剣だけだろうし物理攻撃は私に聞かないからな!


 よし…『ターゲット!』

 「見える!見えるぞ!」


 「またそれっすか?もう聞き飽きたっすよ。」

 …うるさい!なんとでも言え。・・・こう言わなきゃ能力使えないんだよ!


 「ボッチを気取った淋しがり屋の少女よ。男を繋ぎとめるために体を張るものの、男のヘタレさゆえに相手にしてもらえない少女よ。」


 少女は双剣を支えに、かろうじて立っている・・・フフフ、効いてるぞー!


 「アタックし続けるも、新しい女が似た境遇でさらに年下というポジションを奪われ立場…を…なく…し…た…」


 「続きは何っすか?言ってみるっす。」

 私の首が双剣に挟まれて…苦しい…しかし、いつの間に・・・全然見えなかった。


 「ほらほら、どうしたっす?続きを言ってみやがれっす!」


 ・・・うぅ…意識が遠のく…

 ・・・ドゥン!

 ・・・はぁはぁはぁ・・・魔力をぶつけて何とか逃れたけど…アイツ、すでにいない…なんて素早いんだ…。


 「はぁはぁ・・・お前の相手はこれくらいにしてやる・・・次はお前だ、チビ!」


 「・・・魔王の方がチビだよ!」

 ……うぐっ・・・気にしていることを…まぁ良い…『ターゲット!』


 「みえる見えるぞ!・・・歌うのが好きと言いながら、最近は見られていることに快感を覚えつつある少女よ。フリフリのミニスカートは恥ずかしいと思いつつ、それを見て喜ぶ男たちを見て快感を覚える少女よ!」


 フフフ、真っ赤じゃないか。これは勝てる…もっと辱めてやろう。


 「清純派を装いつつ、際どい格好で好いた男の気を引こうとしては、気にも留めてもらえず枕を濡らし、夜な夜な…ひゃぁ!」


 バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!!

 ダダダダダダ……!

 バンッ!!バンッ!!

 銃弾が私の周りを飛び交う…・あたってる、あたってるよ・・・腕に穴空いたよ…。


 ひとしきり撃った後少女が私をにらむ…銃口から紫煙が立ち上ってる。


 「何か言い残すことはある?」


 「まて、わかった、もう言わない。夜一人で・・・ひゃぁ!」


 ダダダダダダダダッ!

 足元に銃弾がばらまかれる…怖っ!

 

……くそ…こいつら一体…次の…ダメだ、あいつらもきっと同じだろう。


 「そこの男、妾が相手してやるから光栄に思うがよい。」

 そうだ、元々あの男が吹っ掛けてきたんじゃないか。あの男さえ倒せば、それでいいじゃないか。

 

 「あ?」

 

 「お主さえ倒せば、それでお終いじゃ!」


 「・・・。一つ聞くが、素直に俺に魔王の力を渡す気はないか?」


 「それで、妾に何のメリットがあるのじゃ。寝言は寝てから言うがよい!」

 配下の女どもがいきり立つが、男がそれを止める。


 「素直に渡せば、俺の配下にして世界の半分をやるぞ」

 男が笑いながら言ってくるが・・・


 「イヤじゃ、世界の半分なんぞ、死んでもいらんわ。」


 「そんな嫌がるものを渡そうとしたのか・・・まぁいいや…『拘束(バインド)!』」


 男がいきなり魔法を放つ。 

 私は避ける間もなく拘束されてしまった。


 「いきなり何をするのじゃ!」


 「いや、だって、交渉決裂だろ?戦うって言ったのそっちじゃないか?」


 「じゃが、不意打ちとは卑怯じゃぞ!」


 「まぁ、いい加減疲れたからねぇ…さっさと終わらせよう。」

 そして男はニヤリと笑って動けない私を見る。


 「な、何をするのじゃ?」


 「何って・・・動けない女が目の前にいる。だったらやることは決まっているだろ?」


 「い、嫌じゃ…何されても妾は…」


 「フフフ…すぐ泣いて許しを請うようにしてやるよ。」

 そういって男は懐から何かを取り出す。

 そして、私に近づいてくる・・・手にしたものを私に見せつけるように・・・。


 「イヤッ…それだけはやめて!…いや、いやっいやーーーー!」


   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「もぅ、…もぅゆるし…て…お…願い…だから…何でも言う事…聞く…から…。」

 私は息も絶え絶えに許しを請う。


 「あん?もうギブアップなのか?もう少し楽しませろよ。」


 「ダ…メ…もぅ…許し…て…。」

 もう、耐えられない。これ以上は壊れちゃうよ…。


 「じゃぁ、俺に魔王の力を渡すんだ。」


 「わ、わかっ・・・たわ・・・だから…もぅ…止めて…。」


 彼の手が止まり、手にした鳥の羽をしまう。

 私は延々とあの羽でくすぐり続けられたのだ…耐えられるわけない。


 「じゃぁ、渡してもらおうか!」


 「えっと、そのぉ…渡すのはいいんだけど…儀式が必要でぇ…。」

 私はついモジモジしてしまう・・・仕方がないのだ。だって、あれは…。


 「儀式ってなんだ?」


 「えっと、その…ですね…。」


 「ハッキリ言え!」


 私は覚悟を決める。


 「えっと・・・そのぉ・・・私と…エッチなことを…するの。」

 キャッ・・・いっちゃった。恥ずかしぃ…。


 「初めてなのでぇ…優しくしてくれると…嬉しいなぁ・・・なんて。」

 てへっと笑ってみる。


 「ちょっと、こっち来なさい!」

 え?あれ?なんか、私配下の女たちに連行されている・・・なんで???


 「ちょっと、お話合いしましょ?」

 ・・・みんなの顔が怖い…笑顔なんだけど怖い…私これからどうなるんだろう…


 ・・・ハッと、目が覚める……夢か…… 


 私は周りを見回す…相変わらず真っ暗闇だ。

 パパ…先代の魔王が勇者だった頃、先々代の魔王からもらった世界の半分・・・それがこの闇の世界だった。


 闇以外何もない・・・でも、いつか・・・夢に見たあの人が、私をここから出してくれる。そんな気がする。


 だって、私の力は『全てを見通す力』・・・あの夢は近いもしくは遠い未来に起きる事。

 私はその時を待っていよう。


 ……でも、あの配下の女たちだけは怒らせないようにしよう。

 ウン、そうしよう!


 彼方が魔王になる直前の出来事なのですが・・・いつになったらここまでたどり着けるのでしょうか?

 このままでは元魔王が出なくなる恐れもあったので書いちゃいました。

 今後の展開によっては書き足す可能性があります。

 まぁ、夢なので、現実と違うってこともありますが(^^;

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