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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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貴族とグラスメイア鉱石

 「レイフォード、其方を従七位名誉男爵に叙する。」


 「お断りします!」

 …貴族何てめんどくさいモンに関わってられるか!


 「さぁ、みんな帰ろうぜ!」

 「ちょ、ちょっと待ってくれないか?いきなり断ると言われても・・・こちらにも体面というものがあってだなぁ・・・。」

 ミルフォード子爵が困ったように言う。


 ・・・無礼な奴・・・。

 ・・・・・・これだから平民は・・・。


 色々と聞こえているが気にしない。


 「ちょっとにぃに、子爵さんが困ってるっすよ。せめて考えるふりぐらいしてあげたらどうっすか?」

 ふりって・・・リィズもちょっと言い方・・・まぁ俺が言えた義理じゃないが。


 「そうは言ってもだなぁ・・・大体貴族なんて商人から賄賂を受け取って都合のいいように融通したり、賄賂寄越さない奴には適当な罪をでっち上げたり、悪事がばれると全て平民の所為にしたりする奴らばかりなんだぞ。」

 俺の言葉に何人かの側近が目をそらす・・・心当たり、あるんだな・・・。


 「イヤイヤ、そんな貴族ばかりじゃないから。」

 ミルフォード子爵が割って入ってくるが・・・否定はしないんだな。


 「そうですよレイさん。子爵様の感謝の形ですので、たとえ割に合わないと思っても角のたたないようにして差し上げなくては・・・。」

それに・・・とミリィが続ける。

「私達があそこで繭を割って助けてあげた・・・そのせいでレイさんが右手を失うぐらいの怪我をしなければならなかった。食料も残り少なかったのに、自分達が食べる分を減らしてまでも分けてあげた。途中見捨てた方がよっぽど楽なのに道中庇いながら戦闘をして、最後は私達だけであればすぐ脱出出来たにも関わらず、子爵様達を助けるために残ってドラゴンと戦い死ぬ一歩手前まで行った・・・。そこまでして助けた子爵様からの感謝の印ですよ。きっと私達には計り知れない思いが詰まっていますよ。間違っても『適当な爵位をあげておけば平民なら泣いて感謝するだろう』みたいな軽い気持ちで言ってるわけではないですわ。」

 ね?とミリィが言う。


 …ミリィの笑顔が怖い……

 ほら、ほとんどの側近目を逸らしているし、子爵もヒクヒクしてるぞ…。


 「も、もちろんだとも!レイフォード殿には感謝しきれないほど感謝している。ただ、私の権限ではこの爵位が限界なのだ。もちろん、この後領主殿に掛け合って、爵位を上げてもらえるよう進言するつもりだったよ…アハハ…。」

 子爵が乾いた笑い声を出す。


 「・・・いや、だから爵位なんていりませんって。」


 「しかしだなぁ…命の恩人に対し何もせんというのも…。そうだ!レイフォード殿に爵位を授けるだけでなく、リィズ殿とソラ殿を私の養子にしよう。そうすれば何不自由なく生活できるぞ。」

 「「絶対、いやっ!」」

 「レイさんダメです!」


 リィズとソラは即答で断った。俺はボムのジェムを投げようとして、ミリィに抑えられている。

 ・・・なんか、もう、ここ魔法で吹き飛ばして逃げた方が早くね?


 「そこまでいうなら、・・・そうだな、今後何か起きた時に面倒見てくれ。誰かに絡まれた時に見せれるような何かをくれればそれでいいよ。」

 何かあれば子爵に押し付けよう…あ、そうだ…


 「あと、この街にいる間に襲ってきた奴らを返り討ちにしても文句言わないっていう証文がほしいかな?」


 「ん?どういうことだ?自衛のために反撃しても、誰も何も言わないぞ?」


 「普通はそうなんでしょうけどねぇ…この館を出た後、難癖付けてこられそうで…。」

 俺はある一方向に目をやる。視線が合った人物が目を逸らす。


 「わかった。準備させるから、その間別室で待っててくれ。茶でも出そう。」


 そう言って下がるように言われたので、俺達は広間を後にし、別室で待たされることになった。




 「にぃに、爵位断って、ほんとによかったんすか?」

 リィズが聞いてくる。


 「さっきも言ったろ?貴族何てめんどくさいんだってば・・・。まぁ、権力だけあって責任ないのであれば考えるけどな。」


 「でも、大抵の貴族さん、責任取ってませんよ?」 

 ここに来てからミリィがキツイ・・・貴族に嫌な思い出でもあるんだろうか?


 「まぁ、そうなんだろうけど…一応建前とか面子とかありそうじゃん?」

 それより・・・とリィズとソラに顔を向ける。


 「お前らこそ、よかったのか?養子縁組しておけば、少なくとも食いっぱぐれることはないぞ?」


 「にぃにはワタシがあんな男のモノになってもいいんすか?」

 キレそうだったの知ってますよ…。とニヤニヤしてる。


 「しかしなぁ・・・この先、あのドラゴンのような危険がないとは言い切れないんだぞ。 特にソラは冒険者でもないんだし危険なところに行くより、この街で平和に暮らした方がいいんじゃないか?」


 「ボク・・・いらない子?・・・一緒に居ちゃ…ダメ?」

 ソラが目をウルウルしながら見上げてくる…くっ、あざとい・・・誰が教えやがった。


 「にぃにがソラを泣かしたっす・・・。」

 リィズがジト目で見てくる。


 「えっ、ソラちゃん置いてくのですか?」

 なんで?わからないわ?というような顔で俺を見るミリィ・・・。


 あぁ、もう・・・こうなるってことはわかってたよ・・・くそっ!


 「ソラはそれでいいのか?俺達と一緒に来るってことは、ここに帰ってこれなくなるんだぞ?」

 

 「うん、ボク、おにぃちゃんと…みんなと一緒がいい。」

 それに…とソラが続ける。


 「もしおいていかれたら、ギルドに行って「おにぃちゃんに捨てられた!」って泣けば何とかなるってファルスが教えてくれた。」

 だからどうやってもついていくつもりだった…とソラは言う。


 「くそ精霊!出てきやがれっ!」

 ソラになんてこと教えるんだ・・・俺が社会的に抹消されるじゃねぇか!


 「騒々しいのぅ・・・英雄の魂を持つものよ。」

 ソラに羽が生えてファルスが顕現する。


 「ソラに余計なこと教えるんじゃねぇ。」

 「お主がソラを置いていこうとするからじゃ。」

 「そうだよ、ボクがいい方法はないかって相談したんだよ。ファルスは悪くないよ」

 「なんか、ソラの一人芝居を見てるみたいっす・・・。」

 俺もそう思う…というより、その状態でソラの意識あったんだ。


 「ボクはボクだよ。力が増している感じはするけど…。」

 「妾は力を貸しているだけだからのぅ。こうしてしゃべれるのは妾も意外ではあったが。」

 それより・・・とファルスが訊ねてくる。

 「英雄の魂を持つものよ・・・呼び方が長いと思わぬか?」

 すごくどうでもいい事だった。


 「呼び方なんてどうでもいい…呼びやすいように呼べばいいだろ。」

 「ふむ・・・そうじゃな・・・英雄の魂を持つものじゃから・・・『タマちゃん』でどうじゃ!』

 可愛かろぅ・・・というが・・・

 「なぜ、そこを取る!!・・・。」

 「タマちゃん可愛いですねぇ。」


 ・・・もういい・・・。


 「・・・ファルス。頼むから俺の事はレイって呼んでくれ。」

 仕方がないのぅ・・・と言って何とか了承してくれた。


 「…あの…そろそろ話してもいいかい?」

 いつの間にかミルフォード子爵が来ていたようだ。




 「・・・このメダルが、ミルフォード家の関係者だという証になる。何かあればこれを見せればそれなりに便宜を図ってくれるだろう。」

 そう言ってミルフォード子爵は銀色のメダルを渡してくれる。


 貴族社会では各家の紋章をレリーフした物を「後見している証」として渡すことがあるらしい。

 あまり無茶な使い方はしないでくれ・・・と苦笑していた。


 「ありがとう。大切に使わせていただくよ。」


 「君たちは本当に感謝している。私が力になれる事なら何でも言ってほしい。」

 まぁ、基本的に悪い人ではないのだ。それだけに心配なんだが…。


 「そういえばグラスメイア鉱石はどうなった?」

 ダンジョンでお礼はグラスメイア鉱石をと言ってあったはずだ。爵位なんかよりそっちの方が大事だ。


 「それなんだが・・・。」


 鉱山の責任者の話によると、もう在庫はなくなっているらしい。

 掘りたくても鉱脈の前にモンスターの大群がいて近寄れないらしい。

 今は、危険がないように厳重に封鎖してあるそうだ。


 「ほしけりゃ自分で掘って持ってけって言われてね。」

 私も困っているんだよ…という。


 「自分で掘って持ってけってか・・・。わかった。」


 「すまない…約束を守れなくて。」

 「いいさ、自分で掘って持っていけって言われたんじゃ、子爵にはそれ以上どうしようもないだろ。充分さ。」


 「すまない・・・。」

 子爵が再度頭を下げる。

 「貴族様がそんなに頭を下げるもんじゃないだろ。それより・・・。」

 子爵に危険を伝える。

 死んだと思っていた子爵が無事に戻ってきたんだ。利権のアレコレがあるだろう。


 「見た所怪しいのはアイツとアイツだな。」

 俺は広間でみた怪しい奴の容貌を伝える。

 「何故子爵がダンジョンで捕らわれることになったのか?原因を探れば色々出てくるんじゃないか?」

 「そうか何から何まで済まない。」

 「いいって、いいって。それよりこういう素材に心当たりないかな?」

 そう言って俺はいくつかの素材をあげる。

 「あぁ、それならふつうに街で買えるはずだ。代金はこっちで持つから好きなだけ買っていってくれ。」

 「そっか、助かる。じゃぁ、買い物に行くからこれで失礼させてもらう。」

 そう言って俺達は逃げるようにして屋敷を出た為子爵の不穏なつぶやきを聞くことは適わなかった。

 


 「レイフォード君、爵位は必ず受け取ってもらうよ。」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 「おにぃちゃん、御飯出来たよ。」


 「あぁありがとう。後で食べるから・・・」


 「おにぃちゃん!・・・ボクと一緒に御飯食べてくれないの?」

 ソラが作業している俺の目の前に来て、うるうると見上げてくる。

 チクショウ、ホントに誰だ?ソラにこんなテクニック教えやがったのは!


 「悪かった。今行く。」

 「ウン、待ってるね。」


 子爵の屋敷を出てから1週間が経つ。

 俺達はまだ街にいた。・・・正確に言えば街のそばの森の中だ。

 森の中程川のそばに今は使われていない山小屋があったのでそこを使わしてもらっている。

 周りを結界石で囲み他人が入れないようにし、ミリィが精霊さんに頼んで小屋を改装、家具や作業機器などを運び込んでかなり快適な状態になっている。


 「取り敢えず食事だな。」

 俺は作業を中断して食堂へ向かった。


 「にぃに、遅いっすよ。お腹ペコペコっす。」

 「リィズ戻ってたのか?どうだった?」

 「まだまだっす!ダーちゃん相手に15分が限界っす!」

 「おー、それでも15分持ったのか?やるな。」

 「にぃにの方はどうっすか?」

 「あぁ、目処はついた。後2~3日って所だな。」

 「そっすか・・・あと2~3日でここ出るんすね。」

 「・・・ずっと、ここで暮らしてもいいけどな。」

 「・・・ダメっす!にぃにの封印解くのが大事っす。」

 「うーん、それなんだけど、ぶっちゃけ封印解かなくてもよくね?」

 「だめっす!大体にぃにが旅に出るって言ったんじゃないっすか!」

 「んー、でもなぁ・・・ぶっちゃけ、ここで色んな物作ってると楽しいしなぁ・・・。」

 「おにぃちゃん、物作り始めると籠って出てこない。」

 つまんないとソラが呟く。

 ・・・時間を忘れるのは仕方がない事なんだ…


 「にぃに、それっすよ!以前封印されてなければ、もっと色々な機能つけれるって言ってたっすよね?」

 「まぁ、ね。今みたいな変則的なエンチャントじゃなく、真っ当なエンチャントが出来ればできることが広がるな。」

 「封印が解ければ、やりたい放題っすよ!」

 リィズが言いながら、何やらソラに目配せをしている・・・なんだ?

 「おにぃちゃん・・・ボクおにぃちゃんが本気で作った武器欲しぃなぁ・・・。」

 「よしっ!任せとけ!封印なんかすぐ解いて最高の武器を作ってやるぜ!」

 ソラが上目遣いにお願いポーズでおねだりしてくる。聞いてやるに決まってるじゃないか。


 「にぃにがその気になったのはいいっすが・・・なんか複雑な気分す…。」

 「最近、レイさんソラちゃんにメロメロですからねー…。」

 ミリィさん、笑顔が怖いっす…。




 実はこの森の中の隠れ家には秘密がある。その秘密の為に、他の人が近寄れないように結界を張っているのだが…。


 「ここから鉱山の最奥へ行けるなんて誰も知らないでしょうね。」

 「ボクもびっくり・・・おにぃちゃんが何かゴソゴソしてるかと思ってたら、いきなり鉱山に行ってくる!だもん。」

 「あの時にぃにとダーちゃんが何やら怪しい相談してると思ってたら、こんな事企んでたなんて思いもよらなかったっす!」


 そう、実は、あのダンジョンにあった転移陣を改良して、この小屋とエルダードラゴンのいる広間を結んであるのだ。ちなみに転移陣の改良と構築はグリムベイブルで…便利だよね。

 その鉱山の中で、グラスメイア鋼をはじめとした鉱石を掘ったり、ドラゴンと摸擬戦をしたりしている。

 ドラゴンも完治まで時間かかるから、訪問者はいい暇つぶしだと喜んでくれている。

 なお、リィズが呼んでる『ダーちゃん』というのはドラゴンの名前だ。ダークネスドラゴンとか、エルダードラゴンとか長くて呼びにくいって言っていたらファルスが「エルダーでダークネスだからダーちゃんでいいじゃん」と言ったそうだ。ドラゴンも快く受け入れたらしいが…それでいいのか?


 「まぁ、勝手に掘って持って行っていいって許可ももらったしな。」

 問題ないだろ…。おかげでグラスメイア鉱石掘り放題使いたい放題だしな。



 

 そして3日後・・・


 「完成だ!」


 レアメタルと魔結晶をふんだんに詰め込んだこの世界にはない俺だけの唯一の武器・・・拳銃だ。

 S&WのM29をモデルに俺が使いやすいようにカスタマイズ。

 バレルは個人的な趣味で6インチより気持ち長め。リボルバーではあるが、自動で弾倉に装填できるようにしてある。ここが一番時間がかかった。・・・結局リボルバーは回るだけ、単なる格好以外のなんでもなくなってしまったが…いいんだ、リボルバー式拳銃はロマンなんだよ。


 弾丸には炸裂玉や火炎球などに使用した各種素材を詰め込んであり、弾丸の種類によって、直接攻撃から、援護、攪乱、補助多岐に渡って流用可能である。

 さらに魔晶石で作った弾丸には、弾頭に魔結晶を仕込んであり、あらかじめ魔法を充填しておくことが出来る。例えば、エアスラッシュの魔法を充填した弾を入れて撃つとエアスラッシュが飛び出すというわけだ。これにより魔法が打てる銃というのがここに完成したのだ!


 「おにぃちゃん、それなぁに?」

 俺が、うはははは…と高笑いしていると、ソラが俺の銃・・名前が必要だな・・・を指さして聞いてくる。


 「これはな、俺のオリジナル武器・・・『ドラグーン』だ!強いんだぞ!」

 いかに優れているのかを説明してやる。ソラは目を輝かせて聞き入っている。


 調子に乗った俺は実際に撃つところを見せてやることにした。

 的として藁人形を用意する。実装する弾は威力を弱めた火炎弾だ。当たれば、藁人形が燃え上がるという見た目的にも燃える・・・火炎弾だけに…。


 「いいか、ソラ見てろよ。」

 ソラにそう言って、俺はM29を構える。・・・藁人形に狙いを定めて…引き金を引く!

 ・・・・・・・・。

 もう一度引き金をひく。

 ・・・・・・・・・。

 もう一度・・・。

 もう一度・・・。 

 ・・・・・・・・・・一発も当たらなかった。


 外れた弾が森の中で燃える…ミリィに怒られた。


 「おにぃちゃん、ボクもやってみていい?」

 「結構難しいぞ。外してミリィに怒られるぞ?」

 「大丈夫だよ!…こう構えるんだよね。」

 おぉ、意外と様になっている。


 「いっくよー!」

 ズキューーーン!

 ソラの掛け声とともに引き金が引かれ銃声が響く。

 ・・・・・・。俺の目の前で藁人形が燃えている。

 …いや、こうなるように作ったから間違ってはいないんだけど…。

 俺が何発撃っても当たらなかった的に一発撃っただけで…。

 その後ソラは的が許す限り撃ち続けていた…一発も外すことなく…。

 「ねぇ、おにぃちゃん・・・ボクもこの武器・・・ほしぃなぁ・・・。」


   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 「レイさん見つけました。前方にゴブリンの巣です。ホブゴブリンも何体か確認できました。」


 「よし、みんな準備はいいか?」


 俺達は今日ゴブリン退治に来ている。

 理由は何のことは無い。単なるリィズの我儘だ。

 昨晩、ソラのおねだりでソラ用の拳銃を作ってあげたところ、それを見たリィズが「ズルい」と言い出して、リィズ用の双剣も新調してやったのだ。


 リィズの双剣は基本的に以前のウィング・エッジ、トール・エッジとコンセプトは変わらない。

 ただグラスメイア鉱石製の刀身に最高級の魔鉱石及び魔結晶を埋め込んである。

 また、魔力循環システムを組み込んだので、常に魔力が流れている魔力剣としてもかなりの逸品になっていると思う。さらに埋め込んである結晶と属性石のおかげで『アクアエッジ』『ウイングエッジ』『フレイムエッジ』『アースエッジ』『トールエッジ』『アイスエッジ』のキーワードで各種属性剣として使用可能である。もちろん各属性の魔力放出も健在である。名付けて『ツインヘキサ・エッジ』


 本当は、せっかくの双剣なのだからと6属性×2で12属性作ろうと思ったのだが、使うのが大変そうなので止めた。

 代わりにミリィの杖に12種の属性及び魔法を込めた「ゾディアック・ロッド」を作ってプレゼントした。


 新しい武器を手にしたリィズは、当然のごとく試し切りがしたいと言い出した。

 「ダーちゃんでいいだろ?」

 「ダーちゃん強くて新しい武器の実感できないっす!ゴブリンあたりを薙ぎ倒してスカッとしたいっす!」

 ・・・ストレスたまってるなぁ。


 という事でゴブリンの巣を探し出したわけだが・・・


 「おにぃちゃん、ボク、もう、行っていい?」

 両手に拳銃を構えたソラが聞いてくる。


 そう「両手」だ。…結局調子に乗った俺は予備含めて何丁か作り、冗談半分で二丁拳銃を勧めてみたところ、見事にハマってしまった。・・・それなりに様になってるからタチが悪い。

 ちなみにS&W M29では二丁拳銃の取りまわしが大変そうなので、ソラのモデルはワルサーP38にした。そう、あの有名なアニメのアレだ。 


 「あぁ、ソラ、気をつけろよ。」

 注意を促してソラに声をかける。


 「わかったー。」

 ソラが駆け出す。


 「ソラに負けてられないっす!私も行ってくるっす!」

 「リィズも気を付けて・・・・・・・。」

 リィズを送り出そうとしたが・・・。


 「リィズ…すまん。」

 「・・・・・・。」

 リィズも唖然としている。


 俺達の目の前には羽を生やしたソラが銃弾をばらまいている姿が見えた。

 その先は…ほぼ壊滅状態だった。

 「そんな、眼を離したわずかな時間で…」

 ・・・どうやら、俺は渡してはいけないものを与えてしまったようだった・・・。

 

 「にぃに・・・私の出番・・・。」



ソラちゃん無双です。

中々先に進みません。新しく出る予定のあのキャラ…このままボツになりそうで怖いです。

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