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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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精霊とダンジョンとドラゴンと -その4-

 「リィズそのまま引きつけてろよ!」

 俺は高く飛び上がり、サソリ型のモンスターの背中に剣を突き刺す。

 重力の助けも借りて、剣は深くまで突き刺さった。


 あれから、いくつかのフロアを攻略してきたので、大体の構造がつかめてきた。

 フロアを進む度全体の広さが狭くなっている。

 そして、次のフロアに進むための転移陣がある部屋には必ずボス級のモンスターがいる。

 それは巨大な蜘蛛だったり蟷螂だったり虫系のモンスターばかりだったがかなり強力だった。

 そしてここのボスは、この巨大サソリだ。


 俺は突き刺した剣の柄を両手で握り魔力を込めていく。

 「シュッ!」

 サソリの尾が俺の頬をかすめていく。

 まだだ…もう少し…。

 サソリの尾がまた攻撃してくる。しかし避けれない。今避けると折角込めた魔力が拡散してしまう。

 「うぐっ!」

 サソリの尾が俺の脇腹に突き刺さる。一瞬気が遠くなるが何とか耐える。

 「レイさん!」

 ミリィがこちらを気にするが、気にするなと声をかける。

 「今はソラの方を頼む。」

 ソラはさっきサソリのハサミに薙ぎ払われてダメージを負った。

 今はミリィが癒しをかけている途中だ。

 俺の方は、見かけ酷いが身体強化をかけている分大丈夫だ。

 魔力を込めていく・・・もう少しだ・・・。

 「リィズ・・・大丈夫か?」

 「こっちは大丈夫っす!もう少し持ちます。」

 リィズは鋏の薙ぎ払い攻撃、しっぽの突き刺し攻撃をギリギリかわしながら斬りつけていく。

 「リィズ、大きいのを放つ。タイミング合わせて、上に避けろ!」

 「了解っす!」

 「・・・3・2・・・。」

 「エア・スラッシュ!」

 リィズはウィング・エッジからエア・スラッシュを放ち、その勢いを利用して飛び上がる。

 リィズの動きを追ってサソリの上体が持ち上がる。

 「1・・・『炎風陣(フレイム・バースト)』!」

 剣先から魔力が流れ、サソリの体を炎の火柱が貫く。

 爆風と共に巨大サソリが爆散する。

 おれば爆風の勢いに逆らわず飛ばされるがままに距離を取る。

 「グッ・・・。」

 地面に着地したショックで脇腹に激痛が走る。

 「グゥ…ッ…。」

 痛みをこらえて魔力を体内に廻らす。

 傷口に手を当てそこから魔力を広げていく。

 出血が止まるイメージ…傷口の細胞が活性化するイメージ…傷口がふさがるイメージ…。

 「『万物の根源たるマナよ』『光を力とし癒しの力と成せ』『癒しの光(ライトヒール)!』」

 掌から光が溢れ傷口を包み込んでいく・・・。

 やがて、光が収束し消えていく・・・。

 「ふぅ・・・。」

 「にぃに・・・大丈夫っすか?」

 「あぁ、いたのか、悪い気付かなかった。」

 「治癒に集中してたっすから仕方がないっすよ。それより大丈夫っすか?」

 「あぁ、ちょっと血が流れ過ぎたけど、傷口は塞いだからな。ちょっと休めば大丈夫だ。」

 心配そうな顔でのぞき込んでくるリィズを見て答える。リィズも大きな傷はないものの、細かい傷が無数にある。

 「リィズこそ、怪我してるじゃないか。」

 「これくらい大したことないっすよ。」

 俺はリィズの頬についた傷に手を触れる。

 『癒しの光(ライトヒール)!』

 「女の子だしな。顔の傷は治しといた方がいいだろ。」

 「もぅー。」

 リィズは照れてそっぽを向く。

 

 しばらく休んでいるとようやく動けるようになったので、ミリィとソラの下へ向かう。

 「ソラ、大丈夫か?」

 「おにぃちゃん、ゴメンね。ボクがミスったばかりに…。」

 「いや、ソラが悪いんじゃない。気にするな。」

 「レイさん、大丈夫でしたか?」

 「あぁ、俺の方は大丈夫だ。それよりリィズの傷をいやしてやってくれ。」

 「私はいいっすよ。かすり傷っす。」

 「どうせ、ここでしばらく休むんだ、今のうちにしっかり治しておいてくれ。次のフロア嫌な予感がする。万全の状態で進みたい。」

 連戦が続いた上さっきのボスは手強かった。

 みんな疲れが出てきている。丁度、ここでこのフロアは終了だ。

 少し長めに休憩を取ろう。俺は、周りに結界石を設置し安全なスペースを作る。

 「ミリィ、まだ大丈夫か?」

 「はい、私の方は大丈夫ですが・・・レイさんこそ大丈夫ですか?あまり顔色良くありませんよ。」

 「あぁ、ちょっと血を流しすぎたからな。後で休ませてもらう。先にソラとリィズを休ませてやってくれ。」

 俺はミリィに指示を出し、巨大サソリの残骸へと足を向ける。魔種(シード)の回収をしておかないとな。

 巨大サソリの外皮はかなり堅かった。…この脚とか外皮とか、何かに使えないだろうか…。

 …どちらにしても、今持っている簡易セットではどうにもならんか。

 一応剥ぎ取れる素材を解体し魔種(シード)を回収して、みんなの元に戻る。

 「あ、レイさん、お帰りなさい。」

 ミリィが食事の用意をしている。リィズとソラは固まって眠っている。

 「ただいま。しばらく休息をとって回復をしよう。」

 「そうですね。レイさんも休んでください。私はみんなが起きたらすぐ食事ができるように用意してから休ませてもらいます。」

 ミリィがそう言ってくれるが・・・。

 「いや・・・もう少しやっておきたいことが・・・。」

 「眠りの精霊さん、お願い『安らかな癒しの眠り(ヒーリング・スリープ)』」

 ミリィがいきなり眠りの魔法をかけてきた…不意打ちだった為抵抗が出来ない…本気で抵抗する気がなかったのもある。

 「いきなり…は…ズルい…ぞ。」

 「レイさんには・・・必要で・・・す。・・・任せて・・・でくださ・・・。」

 ミリィの言葉が途切れ途切れに聞こえ…そして俺は眠りに落ちて行った。

 「・・・いい夢見てくださいね。」

 

 ---***---***---


 ・・・ん・・・。

 俺は目を覚ます・・・ぐっすり眠れたようで、体調は良い。

 「あ、おにぃちゃん起きたよ!・・・おにぃちゃんおはよ。」

 「にぃに、おはようっす!よく寝てたっすね。」

 「レイさんおはようございます。いい夢見れましたか?」

 「あぁ、おはよ・・・どれくらい寝てた?」

 閉鎖されたダンジョン内では時間を確認する術はないが、感覚的に、結構時間が経っている気がする。

 「半日ぐらいっすよ。にぃにが目を覚まさないから、先にご飯を食べたっす。」

 「あぁ、それはいいよ。それより、みんな体調は大丈夫か?」

 「ボク、元気一杯。」

 「レイさんが一番疲れていましたよ。」

 「そっか…。」

 先に進んでも大丈夫そうだな。

 「じゃぁ行くか!サクサク進んで、いい加減脱出するぞ!」

 「「「おぉー!」」」


 俺達は、慎重に転移陣に足を踏み入れる…今までの流れから、転移後の部屋は安全だとは思うが気を付けるに越したことは無い。

 …視界がゆがむ・・・、一瞬の後、視界が変わる・・・

 「チッ!こうくるか・・・。」

 俺は周りを見回して、つい舌打ちをする。

 今まで無機質な岩壁に囲まれた部屋ばかりだったが、ここにきて雰囲気が変わった。

 周りは自然に囲まれた…森の中というのが一番イメージが近いか。

 「えぇー何すか、ここは?」

 「お外に出たのかなぁ?」

 「んー、でも何か変ですねここ…。」

 みんな無事転移出来たようだが、様子が一変した風景に驚いている。

 「とりあえず、みんな落ち着こう。」

 俺は近くにあった木切れを集めて火を点ける…ふむ、木は本物だな。

 しばらく思い思いにあたりを散策し、戻ってくる。

 「どうだった?」

 「そうですねぇ・・・作り物ではないのですが、精霊力がほとんど存在しないです。」

 「ボクも、そんな感じ…精霊力とかはまだよくわからないけど、いつも森にいる感じと全然違うよ。」

 「それなりに生態系はあるみたいっす。獲物が獲れたのは良かったっす。ご飯が少なくなっていてちょっと心配だったっす。」

 言いながら、焼いている肉から目を離さないリィズ。まぁ、確かに食糧の心配がなくなったのはいいことだ。

 このあたりの精霊力が少ないのは、ここがダンジョンの中に間違いないからだろう。

 「ある程度進むと、そこから行けなくなってるな。・・・たぶん進む方向は限られているな。」

 「モンスターの姿が見えないのが不気味っす!」

 「一見風景が変わっているから誤魔化されがちだが、ダンジョンの中には変わりない。構造的に他1~2部屋しかないだろうから、ボス級モンスターのみしかいない可能性が高いな。」

 「いくつか薬草がありましたのでポーション類の補充できましたから何とかなりそうですね。」

 そう、森の中みたいなので、もしかしたらと思って探してみたらいくつかポーションに向く素材を見つけることが出来た。回復薬の残りも殆どなかったのでここで補充できたのは大きい。

 また、ソラに渡していた攪乱アイテムも補充出来たので戦術に幅が出るだろう。

 装備の補修もできた。とりあえず、巨大サソリ戦の時よりは余裕が出来ていることは間違いない。

 

 休息した。準備も整えた。後は先に進むだけだ。

 俺の予想では、このフロアもしくは次のフロアが最後だろう。

 それだけにモンスターが強力だろうことも想像できるが・・・進むしかない。

 「リィズ、双剣の魔力は大丈夫か?」

 「準備万端すよ!」

 「ソラ、攪乱アイテムの補充は済んでるな?」

 「ウン、大丈夫だよ。」

 「ミリィ、魔力は回復しているな?」

 「大丈夫ですよ。任せてくださいな。」

 俺達はゆっくりと先へ進む…。

 「…なんだここは?」

 俺達は広い部屋に出たが、そこに広がる光景を見て戸惑っていた。

 「モンスターがいると思ったんだが・・・。」

 「この白い塊…何すかねぇ?」

 「おにぃちゃん、この塊ネバネバしてるよ。」

 「蜘蛛の糸みたいですねぇ。」

 ・・・蜘蛛の糸か・・・

 その広い部屋のあちらこちらに白い塊が点在している。

 繭みたいだ・・・蜘蛛の糸でできた繭だとすると・・・いやな予感がする。

 「にぃに!、ちょっと来てっす!」

 リィズの慌てた声に、急いで近くへ行く。

 「これ、人の手っす。」

 リィズの指す方を見ると繭から手が覗いている。

 「この塊を切ってみたっす。そうしたら中から出てきたっす。」

 リィズが、少しおびえたように言う。

 俺はその繭を切り開いてみる・・・。

 「うっ!」

 中には子供が干からびて死んでいた。・・・まさかこれは…。

 「ハナちゃん!」

 ソラが駆け寄り死体を抱き寄せる。

 「ハナちゃん、どうして、どうして…・・・あっ!」

 ソラが死体を揺らす…揺らすたびに死体が崩れていく・・・そして崩れ去ってしまった。空気に触れたせいで脆くなっていたのだろう。

 「ミリィ、…ソラを頼む。」

 「はい、ソラちゃん、こっちへいらっしゃい・・。」

 「おねぇちゃん、おねぇちゃーん・・・・。」

 ソラがミリィにしがみつき泣きじゃくる。ミリィに任せておこう。

 「リィズ、大丈夫か?」

 「ウン、大丈夫っす。言い方悪いっすが、慣れているっす。」

 「そっか・・・。じゃぁ悪いが少し手伝ってくれ。あの繭を全部集める。」

 「わかったっす。」

 それから、俺達は手分けして繭を一か所に集める。・・・ソラから見えないように少し離れた場所だ。

 「リィズ、ありがとうな」

 「・・・にぃに、これどうするっすか?」

 「たぶん、中には人間だったものが入っているだろうから、一応中をあけて確認して…燃やす。」

 「そうっすか…にぃにちょっと待っててほしぃっす。」

 そういってリィズはソラの下へかけていく。

 ソラと、リィズが何か話している・・・ソラはイヤイヤとするように首を振ってるが、リィズがさらに詰め寄る。・・・何やってるんだ?

 しばらくして、リィズとソラ、ミリィが来る。

 「にぃに、お待たせしたっす。」

 「リィズ、どういうことだ。何故ソラを・・・分かっているだろ?」

 「だからっすよ!・・・にぃにの考えている通り、中にはソラの孤児院の…仲間が入っていると思うっす。辛い事は分かってるっすが、ソラが見届けてやらないでどうするんすか?・・・家族が見送ってあげなくてどうするんすかっ!」

 「だからって、ソラはまだ…。」

 「ウウン…ボク大丈夫だよお兄ちゃん。リズ姉の言う通りだよ…家族・・・だモン。」

 必死になって涙をこらえてるソラ。

 それを抱きしめるミリィ…。

 「家族なんす…しっかりと受け止めないと先へ進めなくなるっす…。」

 リィズが何かを押し殺すようにつぶやく。

 「…そうだな。」

 俺はリィズの肩を引き寄せる。リィズは、俺の胸元に頭を寄せる。しばらくそのままでいる・・・。


 「じゃぁ、一応、中をあけていくぞ。」

 二人が落ち着いたところで、俺は眉を切り裂いていく…。

 干からびてミイラになっているモノ・・・白骨だけになっているモノ・・・大きさもまちまちだ。

 ソラの家族だけじゃなく色々な人が捕獲されていたようだ。

 「にぃに!まだ息があるっす!」

 リィズが切裂いた繭の一つから、ミイラになっていない死体を引っ張り出したのだが、まだ生きていたらしい。

 「ミリィ!回復魔法を頼む!」

 ひょっとしたら、まだこの中で生きている人がいるかもしれない。

 俺は急いで、繭を切り開いていく・・・。

 ・・・・・・。結局リィズの見つけた人を含めて3人がまだ息をしていた。

 3人とも今はミリィの回復を受けて落ち着いているが、助け出した時は、魔力、生命力が枯渇寸前だった。本当にギリギリのタイミングだったと思う。

 ・・・ソラの家族は一人も助かっていなかった。あの繭は魔力・生命力を吸い取っていた。子供では内包するエネルギーが少ない為、あっという間に吸い尽くされたのだろう。

 助かった3人との差は単純に内包するエネルギー量の差だったのかもしれない。

 「ボクはもう大丈夫だよ。」

 俺がソラを見やると、そんなことを言ってきた。

 何を言いたかったか分かったのだろうが、目には涙を浮かべている。

 俺は掛ける言葉が見つからず、ただ、ソラを抱きしめてやった。

 

 ---***---***---


 「んー…ここはどこだ…?」

 「…あれっ、私は一体…」

 「…ここどこだ……。」

 3人が次々と目を覚ます。

 一応俺達は命の恩人だから大丈夫だとは思うが、ミリィたちは後ろに下がらせている。

 リィズだけは俺のすぐ後ろで警戒している。

 「気が付きましたか?」

 俺は、なるべく驚かせないように声をかける。

 「「「!!!」」」

 「何者だ!、私達をどうするつもりだ!」

 ・・・やっぱり普通は驚くよな。

 3人の中で一番身なりのいい人物が誰何してくる。

 「落ち着いてください。ここはダンジョンの中。あなた方はモンスターに捕まっていたところを俺達が助けた。・・・どこまで覚えていますか?」

 ・・・混乱してるな・・・無理もないか。

 「捕まっていたって…私たち…どのように…。」

 「白い繭に捕われてエネルギーを吸われていたんです。・・・繭はもう浄化してしまいましたが・・・俺達が助けた時、あなた方は枯渇寸前でした。」


 「私はウィマック=ミルフォード子爵だ。君たちのおかげで生き永らえたのだな…ありがとう。戻ったらそれなりの礼をさせてもらう。」

 「ありがとうございます!私助かったんですね。あ、私マリーアンヌと言います。教会でシスターやっています。」

 「おおきになぁ。おかげさんで助かりましたわ。あんたらは命の恩人さんや。おっと、私はモカッテ言います。領都ではそれなりの規模で商いさせてもらってますさかい、ここを出たらお礼させていただきますわ。」

 ・・・最初のパニックが収まると、3人は現状を理解し次々とお礼を言ってくれた。

 …貴族と商人とシスターか・・・。

 助けたことを後悔はしていないが、この先を考えると少し不安になる。

 「この先の事を少し話しておきたい。子爵、あなたはどれくらい戦える?」

 「ウム、武芸は貴族の嗜みだ、それなりには自信があるが・・・モンスターとは戦ったことがないな。」

 「いや、正直に話してくれて助かる。剣を貸すから自分の身は守ってほしい。」

 まぁ、貴族さんはいいとして、あとの二人が問題だな。

 俺は商人とシスタ―を見る。

 「私は戦えませんよ。お祈りするしかできません。」

 「私も商人やさかい、戦闘は苦手っちゅうことやな。」

 「だろうな。あんたら二人は子爵さんといてあまり動かないようにな。」

 俺は仲間の方に目をやる。

 「聞いた通りだ、3人は戦力としてアテにはできない。・・・ミリィとソラは後方で3人を守りつつ援護を。俺とリィズで敵を倒す。」

 「任せるっす!」

 「たぶん次の部屋がボス部屋だ。運が良ければ、そのボスを倒した先の転移陣が外につながっていると思う。あと少しだ、気を抜くなよ。」

 「「「はい。」」」


 俺達は新たに加わった3人を守りつつ先へと進む。

 「・・・この先だ。」

 俺達は慎重に足を進める…。

 広場にはいる・・・が、何もいない・・・。

 「・・・どういう・・・ことだ?」

 「おにぃちゃん…モンスターいないよ?」

 ・・・転移陣も光ってない・・・

 「いやな予感しかしねぇ・・・。」

 

 「おやぁー、ここにお客様とは珍しいですねぇ。」

 いきなり背後で声がする。

 俺は、ばっと振りむく・・・気配も何も感じなかったぞ。

 「お前がここのボスか?」

 「ククク・・・何のことやら・・・。ワタシはただ『栄養供給装置』が壊れたようなので見に来ただけですが・・・そこに『餌』が出ちゃってますねぇ・・・ひょっとして、あなた方が壊したんですかぁ?」

 助け出した3人を見て「エサ」と呼ぶ怪人物。

 こいつはヤバい奴だ・・・ふと仮面の男の事が頭をよぎる・・・

 「リィズ…。」

 俺はこっそりとリィズを呼ぶ。

 「リィズ、こいつはヤバい。最悪あの3人を見捨ててでも、ソラとミリィを連れて逃げろ。」

 「イヤだよ!また逃げるなんて。」

 「ここはリィズにしか頼めないんだ!ミリィには負担掛けるがミリィの魔力を使えばあの転移陣が起動できるはずだ。俺が気を引くから頼む。」

 「だったら、尚更私一緒にいるよ。転移陣起動だけならねぇねとソラで十分だから。・・・私も一緒の方がいざという時逃げやすいよ。」

 リィズがにっこりと笑う。

 「・・・ったく・・・。ミリィに伝えてきてくれ。そのあとフォロー頼む」

 了解っす!と言ってミリィたちの方へ走っていく。

 

 「お話はぁ、まとまりましたかねぇー。」

 怪人が、ニヤニヤしながら言う…クソッ、見透かされてやがる。

 「おやぁ・・・成程ぉ、アナタがソウですかぁ・・・。」

 怪人の様子がおかしい…俺を値踏みするように見ている。

 「ククク…ユルグスのやつ面白いもの見つけましたねぇ・・・いいでしょう。」

 「にぃに、アレ何言ってるの?」

 リィズが戻ってきて何やらブツブツ言っている怪人を指して聞いてくる

 「わからん…何か、俺を見て気付いたみたいなんだが・・・わからん。」

 「ソコの矮小なる人族ぅ…そうお前だぁ。」

 俺を指さす怪人物。プレッシャーが増大する、威圧感が強くなる・・・。

 「無能のユルグスに見初められし人族よ。名乗ってやろう。光栄に思え。我は八脚のベルゲン!」

 魔人族だと奴はいった・・・・・・。 


 

ダンジョン編クライマックス!

…ですがドラゴン出てきませんねぇ・・・次回こそは出てくる…予定です。

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