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いつか魔王になろう!  作者: Red/春日玲音
第一章 魔王になろう

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森の旅と魔改造

ほのぼのとした日常的な旅の様子…うまく描けてるでしょうか?

 「ねぇね、これでいい?」


 「ありがとう。次はこういうのお願いね。」


 「わかった!」


 俺達は今森の中にいる。


 カシムの街を出て半日、この森を抜けて、次の目的地を目指しているのだが、小休止の時にミリィが珍しい薬草を見つけたため、採集・調合をすることになった。


 「ミリィ、出来たのここに置いておくぞ。」


 「ありがとうございます。」


 ミリィが言うにはこのあたり一帯の薬草の品質はかなり高いらしく、調合に使用すれば普通より3~4倍の効果が得られるそうだ。


 ・・・折角だし俺も作ってみるか?


 「リィズ、悪いけどこういうの見つけたら一緒に摘んできて。」


 採集から戻ってきたリィズに声をかける。


 「もぅ、にぃにもねぇねも人使い荒いっすね。」


 口では文句を言ってるが顔は笑ってる。楽しんでいるようで何よりだ。


 リィズは意外・・・というと悪いが、採集が上手い。

俺達が見逃したり見つけられなかったものでも、しっかりと集めてくる。しかも早い。


 盗賊稼業で身についた観察力とか注意深さ等が影響しているのだろうが、これほど採集に向いているとは思わなかった。


 今はリィズに採集を任せて調合に集中しているところだ。


 「にぃに集めてきたっす。」


 リィズが戻ってくる。早いなぁ。


 「ありがとう。疲れただろ?少し休んでていいよ。」


 「じゃぁ、ここでにぃにの作業見てるっす。」


 「見てても面白く無いだろうに・・・。」


 俺は手早く素材を調合キットに入れていく。

 いくつかの手順を経て作業を進める。


 「にぃにも調合出来るなんて知らなかったっす。」


 「そうか?調合以外も生産系は大概出来るぞ。」


 ボッチだったからな・・・と続ける。


 俺には頼れる知り合いがいなかった為、ポーションだろうが装備だろうが、自分の力だけでそろえる必要があった。

 必要に迫られて得た技術なので自慢する程でもない。


 「にぃにの出来る理由が悲しすぎるっす。」


 ・・・ほっとけ。


「ねぇねが作っているのは、回復薬や解毒薬、解痺薬などポーション類ってことは分かるんすけど、にぃにが作っているのは何すか?」


 「うーん、催涙玉とか麻痺毒玉とかそう言う奴。敵に投げつけて、あたると中の状態以上を引き起こす粉末をばらまく奴だ。」


 「意外と凶悪っすね・・・。」


 「そうでもないぞ、コッチのヤツは数秒程空気に触れていると発火して燃え上がる性質がある。しかも一度燃えあがると30分は燃え続けるんだ。これをこの玉に仕込むとどうなると思う?」


 「・・・極悪非道っすね・・・。」


 「後、さっきリィズに採ってきてもらったこの素材、魔力の融和性と伝導性が高いんだ。コレをつなぎ素材として調合するとマジックアイテムが簡単に出来る。つまり爆風で吹き飛ばした上範囲内を炎上させるのも簡単ってことだ。ククク、色々作れるぜ・・・。」


 「・・・にぃにがすごく悪い人の顔になってるっす。」


 ねぇねを手伝ってくるというリィズを見送り、調合を続ける。

 時間がかかりそうなものは夜にやればいいから、とりあえず手軽に出来るものをいくつか作成した。




 「ねぇ、にぃに、さっきから何ソワソワしてるんすか?落ち着き無いっすよ?。」


 「いや、ずっと森の中歩いてるだろ?だから、そろそろモンスターでも出てこないかな・・・と。」


 「何でそんなこと・・・」


 「だってさっきアイテム一杯作っただろ?試してみたいじゃん。」


 「子供っすか!大体安全なルート選んでるからモンスターなんてそうそう出ませんよ!」


 「え、出ないの・・・。」

 ミリィがポーション片手にうなだれる・・・。


 「ねぇねまで!?」


 ・・・弱体ポーションも作ってたからなぁ。試してみたいんだろう。わかる!わかるよ!


 「昔はなぁ・・・こうやってアイテムをたくさん作ったり、所持金が少なくなったりすると、タイミングよく盗賊団のアジトが見つかったもんだけどなぁ・・・。」


 「・・・にぃに、それ「見つかった」じゃなくて「探し出してた」んすよね?」


 「・・・そうともいう。」


 「・・・盗賊さん達って悪い人たちだよね?悪い子見つけてお仕置きするのはいいことだよね?」


 ねっ?ねっ?とミリィが聞いてくる。うんうん、その通りだよ。


 「ねぇねまで、にぃにに毒されてるっす!私のねぇねを返せっす!」


 リィズが『うがぁ~~」っと叫んでいる。さっきの採集ムリさせすぎたかな?


 「よし、じゃぁこうしよう。ちょうど、今いるあたり野営するのに向いていると思う。しかし野営するにはまだ早い。そこで、ここを拠点にして少しの時間だけ、周りを探索しよう。アジトが見つかればお遊び…じゃない、お仕置きをして、見つからなければここに戻ってきて野営の準備をする。どうだ?」


 「いいっすよ。そう簡単に見つかるわけでもないっすからね。早めに準備できるなら、獲物を狩りに行ってお肉なんかいいっすね。」

  お肉ー、お肉ー♪と歌いながら先に行くリィズ。そんなにお肉が食べたいのかな?


 

 「おぉー、よく燃える燃える。・・・ん?リィズどうした?」 


 リィズがプルプルしている・・・と思たら「もぉー」と叫びながら、飛び出していった。


 「なんで、こんな簡単に見つかってんすか!!それでも山賊っすか!、アホっすか!!」


 もぅー、もぅーと言いながらリィズが山賊のボスらしき男を張り倒している。


 「・・・リィズ、これ使う?あっちに投げるとスカッとするわよ?」

 ミリィがリィズに何かの小瓶を渡す。


 「はぁ、はぁ・・・使う。」

 リィズは小瓶をちらっと見た後、山賊たちが集まっている所へ投げつけた。


 「・・・ばかぁっー!!!」


 ドォォォンーー!


 小瓶は地面に落ちると同時に爆発した。爆風の余波で吹き飛ぶ山賊たち…南無。


 「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」


 「リィズ、息が乱れてるぞ。これ飲んで落ち着いたらどうだ?。」


 「誰のせいだと思ってるんすか!もぉー。」


 「誰って…それは…。」

 ミリィと視線を合わせた後、山賊たちを見る。


 「ねぇ・・・。」

 ミリィも山賊たちを見る・・・。


 「いいすよ・・もぅ・・・。」

 リィズが疲れたように言って座り込む。


 「じゃぁ、後始末してくるから休んでな。・・・ミリィ、リィズを頼むな。」


 ・・・さぁ、楽しいお仕置きタイムの始まりだ。



 「満足したっすか?」

 なぜかリィズがむくれている。


 「・・・。イノシシ、倒しに行くか?」


 「あれだけ騒いでたら、ほとんどの獣は逃げるっすよ・・・。」


 「…干し肉、俺の分食ってもいいぞ。」 


 「そんなんじゃ誤魔化されないっす・・・もらうっすけど。」


 「リィズちゃん・・・あのね・・・。」


 「ねぇね、なぁに…もう怒ってないよ・・・。」


 「あ、えっと、そうじゃなくて、・・・そこにゴブリンの巣が・・・。」


 「うがぁーーー!!」

 あ、キレた・・・。

 



 あの後、キレたリィズを宥める為、(ちなみにゴブリンの巣はリィズの八つ当たりによって壊滅した)森の恵みでデザートを作り献上したところ機嫌は治ったらしい。


 今はミリィの膝枕で、スヤスヤと寝ている。

 ミリィもリィズの頭を撫でながらウトウトとしている。


 「横になって休んでいいぞ。夜番は俺がするから。」


 「う・・・ん。・・・おねがいします・・・。」


 よっぽど疲れていたようだ。ミリィもスヤスヤと寝息を立て始めた。


 「かなりはしゃいでいたからなぁ。やっぱり森に来たのが良かったのかな?」


 さてと・・・昼の調合の続きでもするかな。

 後、リィズの小剣とミリィの精霊杖の魔改造しないといけない…いや、するしかない。

 両方とも構想はできているんだよね。


 ミリィの精霊杖は、大型の魔結晶をメインに据え置き魔力タンクとして利用。できれば魔結晶に自然魔力回復の機能を付けたいけど・・・まだ素材が足りないからな。


 それから、補助に各属性の精霊石を装飾。ただこれも純度の高い精霊石に精霊の祝福もらわないといけないからなぁ。当面は属性石で代用だな。


 ・・・石は、ミスル鉱山に行けば手に入るだろうから、そこでセットできるように…と。


 こうして・・・、ここで・・・・・・魔力を通して……。

 ・・・・・・よしできた。


 とりあえず、今できる高純度の魔力球をつけておいて、あとは、いい素材が入り次第交換していけばいいかな?・・・最終系にするには精霊の国へ行かないといけないけど…ムリだよなぁ。



 リィズのショートソードは、核となる魔晶石を柄に埋め込む。


 それぞれ、魔力の流れを見ながら・・・中継地点に各属性石を埋め込み・・・こうして、ここを…こう…全体に魔力が行き渡る様に・・・最後は魔力を充填して……、出来た。



 ミリィの杖、その名も「エレメンタルロッド」は全体的に魔力を伝導しやすくしてある。

 また、各属性石が備え付けてあるので、それぞれの魔力を本体に流すことにより、属性杖として扱える。そして属性杖を媒介にして精霊を呼べば、精霊力の少ないところでも、呼び出しやすくなる…はず。


 後、各魔法を封じ込めた補助石が10個装着できるようにしてあるので、魔力消費なし詠唱ロスなしで使用できるのがポイントだ。

 ただ、核となる結晶石及び属性石の質のよって性能が変わるのが難点か。とにかくいい石を揃えないとな。


 リィズのショートソード「ウィング・エッジ」「トール・エッジ」は其々風と雷の魔力剣だ。

 核となる、風の魔晶石、雷の魔晶石から、常に魔力が張り巡らされている。

 使用者の任意で魔力の強度を上げることが出来るので、物理属性が聞かない敵に対しても有効である。


 また、補助の小玉がチャージ機能を有していて、ここにチャージされた魔力を使って「エア・スラッシュ」「ライトニング」の魔法を放つことが出来る。


 小玉のチャージを使い切ると、再チャージ完了までは使えなくなるのが難点だが。

 ミリィの杖と同じく、埋め込んである魔晶石の質によって性能が変わるのは仕方がないところか。

 


 「喜んでくれるかな?」


 焚火のそばで寄り添いあって眠る二人を見て思う。


 1級品の素材ってわけでもないけから、それなりの性能だけど、そこそこ使えるはず。


 「まぁ、ミスル鉱山で見つかる素材によっては、元から作り直せばいいしな。」


 ミスル鉱山で、あの鉱石が見つかれば、自分用の剣も新調する予定だ。


 「鉱山での滞在は長くなりそうだな・・・。」



 翌朝、出来たばかりの武器を二人に渡す。


 「素敵です。軽いし、魔力の通りも今まで以上です。レイさんありがとうございます。」


 「かっこいいし、ムリに魔力を通さなくてもいいというのが気に入ったっす。にぃにありがとっす。」


 そしてリィズはエアスラッシュを試そうと魔力を少し流す。

 リィズの持つウィングエッジが眩く光る・・・。


 「ほぇー、すごい演出っすね。」


 「リィズ、ヤバい。剣を捨てろ!」


 リィズの手元から光があふれだす。


 「えっ、えっ?ナニコレ・・・。」


 光が視界一杯に広がり……。

 ………爆発した。



 「にぃに・・・なんすか?これ?」


 リィズが低い声でゆっくりと聞いてくる。


 「いやぁ、まぁ・・・結界の性能がわかってよかったねー・・・。」


 「爆発したっす!暴発っす!にぃには何てモンをくれるんすか?私の事嫌いっすか!」


 「リィズの事は大好きだよ。でも、まぁ…本体の素材強度が足りなかったかなぁ・・・なんて・・・アハハ・・・。」


 「・・・しばらく、にぃにとは口きかないっす。反省するがいいっす。…ツン。」


 リィズはそう言うとミリィの方へ行ってしまった。どうやら本当に口をきいてくれないらしい。


 「どうやって機嫌を取るかね・・・とりあえず、木苺のタルトでもミリィに作ってもらうかな。」


 旅はまだ始まったばかりだ……のんびりと行こうぜ。

 

 

彼方はUSO時代から生産ジャンキーでした。

ゆったりとした時間が出来たことで、生産に目覚めたかも…

しばらくほのぼの続けたいと思います。


※書き始めて10日で500PV越え。

 多いのか少ないのかはわかりませんが、少なくとも延べ500人が見てくれてるというのは純粋にうれしいです。

 楽しんでいただけてるのであればいいのですが(^^;

 

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