初めての友達ができたのです!
ほうろうしてました。ほんとにごめんなさい。
『うう、くらさぁ…』
私の身代わりとなったボーシャが恨むように語りかけてくる。
仕方がない。適材適所というヤツだ。
「さあさあさあさあ、どんどん行きましょ!」
「え、拒否権は…」
「きっこえなーい!」
そのまま私たち(ほとんどボーシャ)は無理やりスカーレットに連行され、様々な服屋をたらい回しにされた。
それにしても、一つの建物の中に服屋が幾つもあるのに驚いた。何故一つにしないのだろうか。
『なんでそんなに冷静に考察しているのかな?そんなに余裕があるのなら換わってほしんだけど?』
初めての友達とのショッピングじゃないか。私のことは忘れていっぱい楽しんで来い!
「きゃあああ!なにこの子。天使なのかしら」
『え、友達ってこんなに気持ち悪い生き物なの?』
目の前でスカーレットが悟りきった顔をして鼻血を出している。
マジでこいつ夜襲ってきそう。
「やばい、拡散しなきゃ…」
「わ、だ、駄目です!!!」
「!?」
顔を真っ赤にしてボーシャがスカーレットが持った「すまほ」を奪う。一瞬、スカーレットが目を見張ったがすぐに残念そうな顔に戻る。
何を拡散するのかはわからないが、顔を見ただけで拡散されたら駄目なものだと悟った。
「えぇ、なんでよぅ…」
「は、恥ずかしいからですよ!」
「でもこれ普段着よ?ほら、周り見たら同じような人がいっぱいいるわ。」
確かに、これで恥ずかしがってたら学校どころか外すら歩けんな。
「ほらほら、スマホ返してくれる?早く拡散したいんだけど。」
言い方に若干イラっと来るなあ…
あ、そうだ。
ボーシャ、もしかしたら拡散を止められるかもしれんぞ?
『ほんと!?』
うむ。初めて友達との思い出だから、二人っきりの秘密にしたいとか言えばいいのだ!
『え、普通に恥ずかしいしあの人が友達って認めたくない…」
「す、スカーネちゃん?心の声が漏れてるわよ?」
スカーレットはいい意味でも悪い意味でもお前の容姿が好きみたいだからな…
言わなかったら拡散待ったなしだぞ?
『う、うう…』
「ん?スカーネちゃんどうしたの?」
「あ、あのっ!」
「な、なに?もしかして怒っちゃった?」
「私、スカーレット、ちゃんが初めてのお友達なので、その、拡散じゃなくて、二人だけの秘密にしたいなー、なんて…」
服で口元を隠し、ボーシャが顔を赤くしてそう伝えるとスカーレットの動きが完全に停止する。
ぎ、ぎ、ぎと体全体が沿っていく。エビのような動きが気持ち悪い。
そもまま手が顔を覆い隠した。何か嫌な予感がすr
「スカーネちゃんが尊いっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!」
絶叫にも似たその声は一瞬で店内に広がり、買い物に来ていたほかの客の目線がこちらに向く。
「こ、声が大きいです、スカーレットさん…」
「え、だってあのスカーネちゃんがデレたんだよ?スカーネちゃんだって天使が微笑んでくれたら叫ぶよね?」
「え、じゃあ嫌いです」
「きぃらわれたああああああああああ」
「ちょ、だから声を…!」
ふふ、よかったな、ボーシャ。
いい友達ができたじゃないか。
『まっっったく、良くない!!!!!!』
さりげなくスカーレットとボーシャが互いにちゃん付けで呼び合ってます。
実は更新できなかったのは山より高く海より深い訳がありまして…いや、別に忘れてた訳じゃないんですよ?それでようやく思い出したけど設定があやふやになってメモ帳を探すのに手間取ったわけではないんです。ええ。
すみませんでしたああああああああああああああああああ