入学式が近いそうです?
こうしてこの作品もなろうの海に沈んでいく…
「え?来週に入学式がある?」
「ええ、そうよ。ってか、その反応、あんたまさか…」
「何も教えられてないです…」
「あの馬鹿…後で魔法の贄にでもしようかしら…」
魔法の板、『スマートフォン』の説明が終わり、そのまま次の話題に移ろうとスカーレットが言った言葉に意味が分からず聞き返すと、どうやらまたシャナがおもしろ半分で私に伝えていなかったようだ。ホントにそんな重大な事を伝えないでどうするんだ、あの馬鹿。
「はぁ…後9日で入学式があるのよ。だから教師もそれまでに必要なものを用意しておかなければいけないのだけれど…
そうだ、今日一緒に買い物にでも行きましょうか!」
眩しい笑顔でこちらを見る。私とボーシャはどちらとも陰キャなんだ!
「えっいやっぁあの、」
「そうと決めればもうさっそく行きましょう!」
今のどこに肯定の要素があったというのだ!ええい、ボーシャ戻れ!私がやる!
そしてそのまま私はボーシャと入れ替わり、
「――――――す、すすすまないが私はこの通り肌が弱くててな。だだだからいいいい行きたくないのだがががが」
【きょどりすぎでしょ…】
いや、そう、舌を噛んだのだ、舌を!
「?そんなの日傘か日焼け止め塗ればいいだけじゃない。いざ、レッツゴー!」
私たちの抵抗は空しくそのまま憎き光に強制的に照らされた。日傘あっても熱いものは熱いじゃないか!
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「まずは用具から行きましょうか。」
着いたのはとても大きい建物で、中はいくつもの商店があった。
楽しそうにスカーレットははしゃぐ。つい釣られて笑ってしまった。
「えーっと、杖は配布されるから、魔球と資料書かしら?んじゃこっちね。」
「なんだ、案外少ないんだな。」
「えぇ。ホントは資料書もいらないんだけど、貴女先生どころかあまり人と接してないように見えるから。」
ぐはっ…気づいていたのか。
「ふふ、資料書というよりも教科書かしら?」
「うぐぅ…」
からかわれながらも、スカーレットは素早く綺麗に私が必要なものを籠の中へと入れる。
――ん?分厚い参考書が5、6、…10ぅ!?
「スカーレット、さすがにそれは多すぎないか?本が…」
「あーぁ、きこえなぁーい」
スカーレットは何やら赤い線が出る装置で参考書と『魔球』とやらを「ピッ」とした後、板を装置のすきまに入れる。その後「ピロン」となるとそのまま出て行ってしまった。それ、泥棒じゃないか?大丈夫なのか?
「スカーネ、離れないで。迷子になったら危ないでしょ?」
「え?いや、それはそのまま持って行って大丈夫なのか?泥棒じゃない?」
「…っ!『カシャ』大丈夫よ。しっかりとお金は払ったから。それよりも次は衣服ね。ちょっと待って…」
お金を払ってないじゃないか…それよりも、何故スマホを取り出してこちらに向けたのだ?一瞬攻撃されるかとびっくりしたぞ。
少し歩くと、開いてる空間に出た。中央に明らかにゴーレムがいるのだが、討伐しなくていいのだろうか?
「イラッシャイマセ。」
―――!?ゴーレムがしゃべった!?
「この荷物をここに送り届けて頂戴。」
「カシコマリマシタ。ソウリョウ、324円デス。」
「カードで。」
意☆味☆不☆明☆
もはやどういう会話をしているのか良く分からない。というか何故ゴーレムがしゃべるのだ。普通はしゃべれないだろう。そこ、大前提。
「っよし!服買いに行くわよ!」
「う、ぬ!?」
いきなり手首を掴まれ、反射的に離そうとするが、掴んだ相手がスカーレットだったのでおとなしく引っ張られた。
「最初はスーツでしょ?あとはジャージ、それにスカートもいいわね…ほかにもナース服ネコミミ魔術師制服一張羅―――――――――
ふへへ、どれもいいわねぇ…」
!!!!!?????ボーシャ、交代だ!何言ってるのか分からないが身の危険を感じる!
【ちょ、ちょっとやめて!?私も感じてるわよなんなのあの目!もはや光消えてるじゃない!】
そのまま私は体の奥に逃げた。ボーシャ、君のことは忘れない…
【まって!この人どこ触ろうとしてるのよ!しかも着てた服どこいった!?】
「じゅるっ…ゴスロリ衣装もいいわね…そそられるわぁ…」
私、あれには耐えられそうにないな。あの人コワイ。
何でこうなったんでしょうかね?(白目)
本来スカーレット姉さんは強くて優しい系お姉さんで行こうと思ってたのに?