こしょこしょこしょ
「……なんじゃ、急に止まりおって。心変わりしたのか!?先の流れるような『捕縛』からして貴殿は今代の勇者か!魔王のやり甲斐があるな!ならば話は早い、『捕縛』を解け!決闘を始めるぞ!!」
魔王(仮)がよく分からんことを言っているが、どうしたものか。いつもの様にいたぶっても魔王は死なないし痛覚とか無いっぽいしなぁ〜。
「魔王、お前一人で来たのか?今までの魔王は配下っぽい奴をわんさか連れてきてたが?お前は配下とか居ないのか?」
「うっ、そんな訳なかろう!配下など掃いて捨てるほどいるわ!」
お、なんか怪しいなぁ〜。あからさまに狼狽えてるぞ。
「へぇ〜、掃いて捨てるほどいるのに一緒に来てないのぉ〜?何で?配下に嫌われてるの?ボッチ系魔王だった?こりゃ期待外れだわぁ〜。いつもだったら八戦将とか四天王とか配下が沢山出てくるんだけどなぁ〜」
「ぐはっ、そ、そんな軟弱魔王共と一緒にされては困るわ!真の魔王とは配下の後ろに隠れている軟弱者ではないのだ!そ、それに四天王が倒された後とか完全な負けフラグではないか!そんなものわざわざ作るか!」
「つまり魔王は、配下を信用出来ないボッチ魔王ってことね。いや、責めてるわけじゃないんだぜ?自分のことは自分でやるってのはいい事だし?わざわざ人に頼る必要ないもんな?魔王にもいろいろ居てもいいもんな?ほら、虚空の大穴からひとりぼっちで出てくる魔王が居てもいいよな!全然迫力がないとか思ってないぜ?」
何も言い返せずに顔を真っ赤にしてぷるぷる震えてるなぁ。いいね!最高だよ!
「言わせておけば好き勝手に言いおって!泣いて許してしても許さんぞ!さっさと『捕縛』解け!我が最大の奥義を持って消し飛ばしてやろう!」
「ンンン?『捕縛』解いて貰えると思ってらっしゃる?そんなわけないじゃ〜ん!でも、そんなに戦いたいんならしょうがない。このまま戦うか!『触覚鋭敏』っと。そんで、こしょこしょこしょこしょこしょこしょ」
「うひ、うひゃひゃひゃひゃ、やめ、あはは、やめろ!何を、うひゃうひ、何をしておるのじゃ!あひゃひゃ」
数十分後、ぐったりと涎を垂らしている幼女が虚ろな目をしていたのであった。
うん、調子に乗ってやりすぎたな。ま、人類の敵だししょうがないよね!
ぽいっと、はい、こうして平和が取り戻されたのでした!
ゴミ箱に捨てられる様に粗雑に虚空の大穴へ放り込まれた幼女は何もすることが出来ずに帰還するのであった。
「あの男、絶対に許さんぞ!次は八戦将も四天王も連れて行ってやる!絶対に諦めんぞ!」
元々短編集形式でストーリーなどありませんでしたが、一旦完結とさせていただきます。思いつきで始めたので直ぐにネタが尽きましたねwネタが思い浮かんだら再投稿するかもしれません!
拙い文章でしたが最後までお付き合い頂いた方には心よりお祝い申し上げます!ありがとうございます(((o(*゜▽゜*)o)))




