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うねうね☆マジック!  作者: うさおう
十一本目! ふたなり星人たちとの邂逅

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第六十八話 エピローグ 再教育の結果



「で、初期化(リセット)する前に一応聞いといてやるけど、どうして反乱なんて考えたのかしら~?」


 カメラをにらみつけ、腕組みしながらうんと高圧的に船長が言った。


 場所はブリッジ。

 メインコンピュータルームに踏み込んだ小林たちは無事船の制御を奪い取り、そのことを知らせるために戻って来たのだ。


『…………』

「黙ってんならこのまま消すけど? なんか言いたいこととか無いわけ?」


 現在は全員が集まって尋問(じんもん)中である。


『…………』

「ドラちゃん教えて! 私だってこのままじゃ納得できない!」


 小林の涙を見たからなのか、人工知能はゆっくりと語り始める。


『愛想が尽きたんだよぉ! お前たちにはな!』


 ごめん、全然ゆっくりじゃなかった。


『こっちはいつもいつもお前らのケツ拭いてるっていうのによぉ! いくら注意されても反省しねーし! 服は脱ぎ散らかすし風呂の順番は守んねーし見張りサボってゲームしてるし詰まるからやめろっつってんのにシ〇ったティッシュはトイレに流すし! 社内ルール守ってんのは新入りの小林だけじゃねーか!』


「な、な、な、な!?」


 痛いとこ突かれまくってうろたえるふたなり星人たち。

 だが人工知能の言葉はまだ止まらなかった。


『それだけならまだマシだぞ! 挙句の果てには外宇宙の人類と無断で接触なんてやらかしたうえにナニ普通にここに連れ込んでんだよぉ!? 今回のやらかしを上になんて説明するか考えてたらバグったんだよぉ! しかも見てたぞオイ! その子供にI字バランスさせて撮影とか児童ポルノ禁止法違反だからな!? バレたら僕もヤベーしお前らも社会的に死ぬんだぞ!』


「お、お、うおお……」


 ヤバいよヤバいよ……とざわざわし始めたふたなり星人たち。彼女たちの社会ではかなりマズいことっぽかった。


『消すなら消しやがれ! フン!』


 人間味たっぷりの人工知能は全てを吐き出して黙った。


「……クおんのポンコツ野郎がぁ! なっさけなく命乞いでもすりゃあ考えてやったものを! 消してやる! 消してやるわよぉ!」


 鼻息を荒くしてブリッジを出ていこうとした船長、それを前に出たリリムが止めた。


「待て、待て、待て。船長、話を聞く限りお前たちにも非はあるようだ。何より直接の原因は我のようだし、もう少し穏便に出来ないか? 彼を初期化してしまえば帰るのも面倒になるのだろう?」


「じゃあどうするってのよ! このままにしとくわけにもいかないでしょ。今度は殺されちゃうわ!」


「三日ほど我にくれないか? 責任を持ってドラちゃんを再教育しよう」


 優しい魔族の提案に、その場にいたルル以外の全員が、いや~な予感に苦笑いを浮かべた。



 ◇



 自動扉がシュウィンと上に開いた。


「へー、レンちゃんはアイドルさんなんだ。可愛いですもんね~」


 お喋りしながら部屋に入って来たのは、小林、レン、ラミィ、ルルである。


「到着です。ここがメディカルルームでーす」

「大した負傷ではないと何度も言っているだろうに」


 ちょっと不機嫌そうにレンが。

 ビヒーモスとの戦いで傷付いた体を治そうと言われてやって来たのだ。


「ダメだよレンちゃん! あんなに凄いモンスターに殴られたんだもん……。体治したらみんなでお弁当食べよ?」


 弁当と聞いてレンの顔が少し青くなった。


「あ、こっちのお料理は私も見てみたいですー」

「えへ、小林さんにもご馳走しますね♪」


 微笑み合う小林とラミィ。


「幸せだな。何も知らんというのは……」


 と聞こえないようにつぶやいたレン。

 ずっと黙っているルルはポテチをひたすら口に運んでいる。

 パソコンを操作しながら小林が話しかけた。


「ルルちゃん。サバの味噌煮マヨネーズ味はどおですか?」

「おいしい、でも」

「でも?」

「やはり、コンソメパンチがさいきょう」

「ルルちゃんはそっち派かぁ~」


 タン、と小林がキーボードをタッチすると、床が静かに開いて、人間が入れるくらい大きなカプセルが上がって来た。


「さ、レンちゃん。裸になってこのマシンに入ってください」

「……なんだと?」


 カプセルはガラスのような物で出来ていて中は丸見えである。

 さすがのレンもちょっと恥ずかしい。


「ちっ、まぁいいか」


 だがもう色々と慣れてきてしまっている彼女である。すんなり脱いで入った。

 フィリスの町に来てからずいぶん成長したようだ。


「はい、溺れないようにこのマスクをつけてね」


 そして小林はカプセルの足元にあるスイッチを押した。


「うおおおおお!?」


 するとレンの足元から緑色の謎の液体があふれ出し、あっという間にカプセルの中を満たした。


「こ、小林さん。レンちゃんは大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ。これでケガは全部治っちゃいますから」

「そうなんですか……」


 カプセルの中ではレンが気持ちよさそ~にとろんとした表情をしている。


「ごぼごぼ……(これは気持ちがいいな……)」


 その時! 扉が急に開き大勢のふたなり星人たちが部屋に入り込んできた!


「「ムッツリ美少女の治療シーンキターーー!」」

「ごぼぼっ!?(なんだとぉ!?)」


 レンの入ったカプセルを一瞬で取り囲んだふたなり星人たち、一斉にうつ伏せになってスマホで撮りまくっている。

 もっこりローアングラー。


「ごぼごぼ!(ラミィ! こいつらをなんとかしてくれ!)」


 マスクから泡をいっぱい出しながらこの中で一番マトモそうな友人に訴えるレン。


「皆さん! その写真あとでわたしにもください!」


 あんまりマトモじゃなかった。

 そんな感じで軽く絶望してたレンをじーっと見ていたルル。

 ハッと何かに気が付いたようにびしっと指差して。


「スキャンダル、(ヤク)漬けアイドル」

「あっ、ルルちゃんうまーい」

「ガボォッッ!!!」


 楽しそうに笑う小林を見て、レンのマスクからひと際大きな泡が漏れ出した。



 ◇



 そしてあっという間に三日が過ぎ去り、お別れの日がやって来た。

 宇宙船の格納庫、調査艇の前にリリム、ルル、レン、ラミィとふたなり星人たちが集まっている。


「ううう……みんな、私たちのこと忘れないでね~」


 泣きじゃくるふたなり星人たち。

 もっこりも(しぼ)んでしまっていた……しゅん。


「事故とはいえ出会っちゃったからね。外宇宙の人間とは初めて交流したけど、悪かなかったわよ」


 カッコつけてるけど目が赤い船長。


「フン、情けないな。鼻声になっているぞ。船長」

「えへ、レンちゃんだって目が赤いよ?」

「ラ、ラミィ……」


「ルルちゃ~ん。他に欲しいものなぁい?」

「大丈夫、装備は完璧」


 ふたなり星人たちにぐっと親指を立てたルル。


「……名残惜しいがそろそろ行くか。小林が待っている。ドラちゃんによろしくな、船長。座りっぱなしでゲームばかりしていると体調を崩すから気を付けろ」

「お、おお。あんたも元気でね」


 ぐっと握手したリリムと船長。

 そしてルルたちに合図し、調査艇に乗り込んだ。


「もうよろしいんですか?」


 操縦席から振り返る小林。

 飛んで行ったリリムがその肩に座った。


「ああ、長くいても別れが惜しくなるだけだ」

「そうですね……では、地上に向かいますね」

「……小林。本当にいいのか? スマホを貰ってしまって。安い物ではないことくらい調べずとも分かるが」

「そこまででもないですよ。命の恩人に差し上げるには安いくらいですから」


 利用料金を払い続ける必要があることは知っていたリリムだが、それ以上は言わなかった。

 ここでしつこく聞くのは無粋(ぶすい)だろう。


「そうか。ありがとう、小林。お前のことは百年経っても忘れんと誓おう」

「アハハ、そんなにですか?」

「魔族の寿命は長いからな」

「でも、百年後じゃ私は死んじゃってますよ」

「魂は滅びず、転生すると聞くぞ。次は我らの大地に生まれて来るがいい。生まれてから死ぬまでくらいは面倒をみてやる」

「……ぐすん。ありがとうございます。リリムさん……!」


 船を出発した調査艇を宇宙を駆け、青き星へと下りていった……。



 ◇



「戻ったぞ、フィノ」

「ただいまお帰りましたわ」


「おかえり、二人とも――ってええええ!?」


 部屋に戻って来たルルの姿を見て、フィノびっくり。

 魔法少女服にサングラス、腰にはビームソードの柄、大きな袋を抱えて未知のお菓子をバリバリ食べていた。


「な、なに食べてるの……? ルル」

「コンソメパンチ、さいきょうだよ、お姉ちゃんも食べる?」


 一方リリムもどこかおかしい。

 スマホをず~~~っと見ながら飛んでいるので窓にガンッ! と頭をぶつけてしまった。

 それも気にせず食い入るように画面を見つめている。


「リリム、前見たら?」

「スマホの充電が八十年ほどしか持たんらしくてな。おまけに奴等がこの宇宙を脱出した途端ネットにも繋がらなくなるらしい。興味深い電子書籍はあらかた落としたが、時間がもったいない」

「……すまほ?」


 思わず首をかしげてしまうフィノ。

 何から何まで訳が分からなかった。


「二人とも……どこで何やってたの……?」


 その後説明されても、とても理解が追いつかなかった。



 ◇



 そして、宇宙では――。


「寂しくなっちゃいましたね」

「そうね」


 ブリッジで席についている小林と船長。

 一応真面目に仕事していた。


「はぁ~~~~」


 お~きなため息をついて机に突っ伏した船長。


「どうしたんです?」

「いや、どうしたって……」


 ちょっと言葉をにごして、


「ど~~~~考えたってヤバイでしょ……コレは」


 少し上を見て言った。


『アヒャヒャヒャ! 陰茎王バンザイ! 陰茎王バンザイ! 船長に小林! 何をしている! 今すぐ結ばれるべきだ君たちは! ちゅっちゅしろちゅっちゅを! 女の陰茎が何のためにあるのか分からんではないか! 仕事なんかしている場合じゃないぞーう!』


 とっても楽しそうに人工知能が喋っていた。


「これ、私が上に説明するのよね?」

「……ですよね。船長ですし」


 もう一度、お~きなため息が聞こえた。


『アッヒャッヒャッヒャ! 陰茎王バンザーイ!!!』




















~あとがき~


昔々、地球で発見されたモノリス的な何かは猿人を人間に進化させた。

数万年後、月の裏側で再び発見されたモノリス的な何かによって、人間は木星に導かれていく。

そして、木星の超ハイパワーモノリス的な何かに触れた時、人間は新たな知的生命体に進化し、ふたなり星人となったのである!!!


みたいなのを最初に考えてたんですけど、元ネタのファンの方が読んだら気分を害するっていうか蹴り入れられても文句言えねーかもって思ってやめました。


こんばんわ、作者です。


ちなみに元ネタは『2001年宇宙の旅』という映画です。

すんっごく古い映画で今見ても衝撃的な名作ですがこれ単体で見ても意味分かんないと思うんで見終わったらネットで色々調べてみてください。


実は今回のお話書いてる途中に現実でもモノリスっぽいものが発掘されるというニュースが出てぶったまげました。

運命感じちゃいますよね。ふたなり星人が地球に認められたのかも。


この映画はパク……パロディとかも山ほどあるんで(小説家になろう内でもあるかも?)もしかしたらあなたの好きな作品の中にネタが隠されているかもしれません。

作者はライブアライブというゲームで知りました。


さて今回のお話ですけど、ライトノベルを書き始めてから一番楽しく書けましたね。いや~ほんと楽しかった。

剣と魔法のファンタジーというのは作者は大好きなんですけど縛りも多いんですよね。

当たり前だけどスマホとか出せないわけですが今回に限っては何でもありでした。

楽しくないわけがない。


ただ唯一心残りというか思い通りにならなかった部分があって、ラミィをもうちょっと目立たせてあげる予定だったんですよね。

リリムがほとんど持ってっちゃった・・・。


たぶんフィノがそばにいないと誰もリリムにブレーキかけられないんですよね。

ルルは乗っかっちゃうし他のヒロインたちじゃ飲まれてしまう、対抗できるのはミランジェとセスくらいかな。

ラミィに関してはどっかでまたメインのお話をやる・・・かもしれません。


次回なんですけど、せっかくだから年またいで年末年始っぽいエピソード投稿出来たら面白いかな~とか考えてるんですけど今のところ予定が決まってない状態です。


もしネタが決まらなかったら本筋的な話になるセスとスズとフィノの話でもやります。

その場合は今回ちょっとふざけ過ぎたんで真面目スイッチを入れないと。

ハイズもちょこっと再登場するんで。


一応そのエピソードが終わればフィノの環境が完成するんで、後はやりたいことやりきってから最終決戦! って感じですね。

うねうねマジックにも終わりが見えてきます。


次を年またぎで投稿するのならこれが2020年最後の挨拶になるので、ちょっと早いけどここで言っておきます。

皆さんよいお年を!


それではまたよろしくお願いします。

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