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彼と最後の100日間  作者: 春樹 絵里
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ラブレター

 大好きだったあなたへ


 友達期間11年、付き合って9年、同棲して3年弱。

 あなたといた日々は面倒くさくて辛いこともあったけれど、それでも一緒にいたいと思えるくらい楽しいこともたくさんありました。


 それでもこの別れを決意したのは、自分の将来が見通せないと思ったからです。

 お金の問題、家事の分担、あなたの病気への対処。一緒に考えられたなら違う結果になっていたかもしれません。あなたの状態的には考えることも難しかったのでしょう。でもそれを口実に考えることを放棄することを選んだのは、あなたです。


 私はもう30歳、誕生日が来れば31歳です。

 いつかあなたが言ってくれたように、結婚も出産もあなたとしたかった。でも女にはリミットがあります。それなのに私の30歳の誕生日にあなたは年齢をからかい、笑っていましたね。結婚も出産も、話は一切出てきませんでした。今考えるとそれがきっと最初です。あなたとの別れを意識した最初。


 聞いていないとあなたは言うかもしれません。あなたの病気のこともあって話したら落ち込むことは目に見えていましたから。言わないことを選んだのは私です。ちゃんと話すべきだったかもしれません。でもごめんなさい、その対処を含めて話す覚悟はありませんでした。私も逃げたのでおあいこですね。


 いつも怒ってばかりでごめんなさい。結局、あなたは私に対して怒ったことはありませんでしたね。

 もっと話したかった。もっとデートもしたかった。私としては別れる日に最後のデートをできなかったことが心残りです。


 きっと体調は崩しているような気はしますが、体に気をつけてお互い頑張りましょう。色々あったけれど、あなたとの日々は忘れません。初めてのデートも、勝敗で食器を洗う当番を決めた2人麻雀や花札も、怒ったことも、泣いたことも、笑ったことも。


 あまりまとまっていませんが、ここらへんで終わります。


 最後に。


 9年間ありがとう。愛してました。


 どうか、お元気で。



 春樹より 

ありがとうございました。

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