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超パノラマ

コギャルに聞いた話によると、この旅行先はとあるゲームの中の世界に非常に似ており、ここにこれる旅行者の大半はそのゲームをやり込む事で旅行に参加出来た人らしい。


コギャルもその一人でそのゲームの中でだが何度もここを訪れてているらしい。


「なるほどね。ところで、ここのどこらへんが都市なんだろうか?」


俺はコギャルと並んで歩きながら船員の言葉を思い起こしていた。


見渡す限り自然な風景が広がっており、あ正面には大きな山が見える。山は禿げ山で、人工物らしきものは何も見当たらない。


「うーん。それは見てのお楽しみかな。」


道沿いに山の方面へ進むとトンネルの入り口が見えてきた。

下り坂で階段が二列あり片方が上にもう片方が下に段が動いている。エスカレーターそのままだな。


しばらく薄暗い下りのトンネルをエスカレーターに乗って下ると広間に出た。人影はまばらだが、大きな円形の広場と、そこからTの字に路がどこかへと続いている。道沿いには建物が隙間なく建っていて都市部に来た雰囲気だ。普通の都市と違い天井が岩でほの暗くはあるが、岩自体が青く光っている。床は石か煉瓦かわからないが、同じ材料なのか四角く敷き詰められた床石が、青く光る。建物の中には明るい光源があるのか、その入口から光が漏れ出ている。さっきまで昼日中にいたのに幻想的な夜景のような情景に目を奪われる。


「綺麗だね~。ゲームやってるせいでゲームの中にいるみたいな感覚で今一つ心から感動出来ないんだけど綺麗だよね~。さて、スカイホテルに着いたよ。そこの右の建物がそう。」


「どこらへんが、スカイホテルなんだろうか?地の底じゃないか?」


「ふふっ。やっぱり、見てのお楽しみってやつ?」


フロント受付に行くとチケットの提示を求められた。言われるがままに見せると鍵を渡され「部屋番号は2001号室になります。奥のエレベーターから通じておりますのでご利用下さい。」と案内を受けた。


コギャルも別の受付嬢から同時に鍵をもらったようだ。


「じゃあ、ここで解散って事でいいよね?」


「今更なんだが、名前とか教えてくれないか?」


「ふふっ。私に興味湧いちゃった感じ?」


小首を傾げながらここぞとばかりにズイっと近寄って上目遣いで聞いてくる。


「せ、世話になったしな。次に会う機会があったときも情報交換とかしたいからな。」


思わず目を反らしてしまった。


「ふーん。どうしようかな~・・。

よし、13時からの私の観光予定に同行してくれるならLIMEアドレスを教えてあげよっかな。13時にここのホテルのロビーで待ち合わせって事で。あ、名前は先に教えといてあげる。理奈って名前で仲間内では伸ばした感じてリーナって言われてるから、そう呼んでくれていいよ。じゃあね~。」


「あっ、おい!」


顔を反らしていたせいで反応が遅れる。

エレベーター前に移動しながら条件を告げると素早く乗り込んで行ってしまった。


釈然としない気持ちを感じつつも、ノープランな旅なので断るつもりはないのだが・・。


「とりあえず俺もエレベーターに乗って部屋に向かうか。」


エレベーターに乗ってボタンを押す。

部屋は2001号室。最上階か??

数値的には一番大きいのだが矢印の向きが下だ。


扉が閉じて結構な浮遊感を感じた。

進行方向は下だ。ここは下へと続いているホテルのようだ。


エレベーターが下降を開始してすぐに視界が開かれる。壁側が半円のガラス的なものなのか外の風景が大パノラマだ。

それは、一見すると夜の海の中にいるような錯覚を覚えた。島の底部が鈍く青く光る情景は水面を思わせ眼下には暗い海底のように黒い雲海が広がっている。魚影と勘違いしそうな細長い何かまで空を飛んでいる。遠近感がヤバイな。アレ数十メートルはありそうだぞ?ホテルに突っ込んできたりしないだろうな・・。ゲームに似た世界ね・・。そんな馬鹿なとは思うものの。現実感が薄い光景にどこか思考に現実味がない。とりあえず一旦はベッドに寝転がりたい気分だ。まだ旅行らしい観光の1つもしていないハズなんだが。


ポン


エレベーターが最下層の20階に着いた事を音で知らせる。

エレベーターのドアが開くとソコにはまたドアがあった。


「普通はまず廊下じゃね?」


思わず突っ込んでみるが俺以外誰もいないので当然何の返事もない。


ボーッとしてても事態は変わらないので二つ目のドアの鍵穴に持っている鍵を入れるとドアが開いた。


「マジか・・・。」


エレベーターの180度大パノラマで驚くのは早かったようだ。


右を見ても左を見ても空。

前も空で後ろもエレベーターが遮蔽物になっているがその向こう側は空だ。

それどころか、斜めに上下も空でパノラマが過ぎる。さすがにエレベーターや照明のある天井と床が透明だと落ち着かないだろうと配慮されているのか床は普通にあるが。全面がガラス張りの360度パノラマのVIPルーム。俺が案内された部屋はそんなあり得ない部屋だった。


何人も寝れそうなキングサイズのベッドに温泉旅館の露天風呂となんら変わらないサイズのジャグジー。専用のキッチン等も完備されている。但し圧倒的なパノラマビューが押しなのか常に見れる様に設計されているのか壁がなくゴージャス感も半端ないため非常に落ち着かない。

ああ。トイレはエレベーターに隣接していてソコは壁がある。同様にウォークインクローゼットがあってバスローブが掛かってあるのも見つけた。


それと少しだけ落ち着ける要素があった。

スーツケースがベッド脇に置いてあった。

仕組みは分からんところが多々あるが、スーツケースがちゃんと運ばれてるという事は旅行プラン通りにいっているんだろう。旅行プラン通りなら帰りも不思議なままだろうが日常へと帰れそうだ。


「ふう。」

気疲れした俺はベッドに倒れ伏す。


ピンポーン


インターホン?の音が鳴った。

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