ご利益
第1章 主人公は死にかける
第3話 ご利益
月曜に掛けての夢ではもうスキップの発動率が下がっていた。
夢関係だからか思っていたより仕事が早い?
ちゃんと、母親が話し掛けたり何かする度にスキップが中断されるようになっている。母親はあからさまに安堵したような表情だし、中断されてもスキップによる時間経過は結構な進行速度で快適と言えた。むしろこれでもボーっとしすぎなんではないだろうか?
とりあえず半年を目処にこのスキルをキャンセル出来ないか打診してみるべきかもしれない。まあ、夢が続けばだが、
しかし、相変わらず欠かす事なく毎日夢は続いた。
毎日暑い日が続くが、仕事はパソコンを使った登録作業でエアコンの聞いた室内にいるんだから全然マシな方だが、行き帰りだけで熱中症になりそうだ。そういえば夢の中ではいつも暖炉の火が揺れているのが印象的で覚えている。寒さは感じていなかったが、夢の中は冬なのだろうか?
そうそう。またサイトを見るとスキルが増えていた。しかもポイントを交換していないのに、習得スキル一覧に記載されていた。内容はこうだ。
□慈愛【パッシブ】RARE
スキルを持つ者が気に掛けている縁者に対して物事の結果に対して幸運値+1補正。
今一つよくわからんが、ご利益のあるお守りを貰ったようなものだろうか?
スキルで迷惑を被った夢の中の母親に対してお詫びに見えなくもない。恩恵に預かれそうだしね。
プルルルル・・・・
プルルルル・・・・
噂をすれば?現実の方からだが、電話だ。
ピッ
「なんだい?母さん?」
「ああ。タケシかい?今年のお盆は帰ってこなくていいよ。」
「なんだよ?藪から棒に。」
「さっき、家が火事になっちゃってね。幸いボヤ程度で済んで、簡単なリフォームで済む話にはなりそうだけど、盆休みは泊めれるような状態じゃないんだよ。」
「・・・わかった。それはいいけど、みんなは無事?その辺何も言わないってことは無事なんだろうけど。」
「お父さんもおじいちゃんも無事よ。暑いから熱中症にならんように気を付けてね。」
「はいはい。むしろ年取ってからのが危ないんだからそっちこそ気を付けて。」
「ありがとう。じゃあおやすみなさい。」
「おやすみ~。」
何の気なしに話していたが一歩間違えると酷いことなっていたのではなかろうか?まあ、無事で良かった。
しかし、盆の予定がなくなってしまった。
ちなみに盆休みは明日からだ。
空いてしまったスケジュールに何かしら入れる事は出来ないかの情報収集のためにパソコンを立ち上げブラウザを開くと、履歴で例のサイトが表示される。
スキルに興味が湧き結構な頻度でサイトを見ているのだが、内容が大きく更新されていた。
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