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異世界コンタクト冒険記  作者: 秘ナツキ
8/17

8話 家庭教師

お楽しみいただけると嬉しいです。



無事にコンタクトのスキルが発動し、朝の挨拶をディンさんとかわした。

覚えたばかりの「おはよう」をキャルロイさんとクレアちゃんにもしてみた。

キャルロイさんもディンさんと同じで最初は少し驚いていたが、笑顔で挨拶を返してくれた。

クレアちゃんはディンさんのとこまで走って行ってしまったがディンさんが

クレアちゃんを抱き上げ


「おはよう ☆л?」


と言った。


「おはよう。」


と呟いてからクレアちゃんはディンさんの腕から降り、キャルロイさんのところまで走って行ってしまった。

おはようは?的なことを言ったのかな?意識してなかった。

キャルロイさんの後ろからこちらの様子を伺っていたクレアちゃんに手を振ってみたら小さいながらも手を振り返してくれた。

少しだけど心を開いてくれたみたいだ。また隠れていたが。かわいいかよ。

そのあとは朝食を頂いた。

今日の朝食はベーコン?エッグと野菜の炒め物だ。

豚肉と同じ食感だが豚なのだろうか?

豚に似た違う動物の肉なのかもしれない。

野菜炒めは様々な野菜が入っていた。見たことないようなのも入っていたが食感がすごい独特で好きだった。

カリモフ?みたいな感じだ。

新しい食感に夢中になっていた。

今日も昨日に引き続きキャルロイさんのご飯は美味しかった。

そうだ!美味しかったこととご飯のお礼をしっかりと言わなければ!

左目を閉じる。食事のとき、ディンさん達の会話を《翻訳》と《記眼》スキルを使い聞いて(読んで)いた。

その時、片目を閉じるとどうなるか検証したところ、

効果が発動するコンタクトレンズ側の目を閉じた際見えることがわかった。

《通訳》のスキルを使い「美味しかった」と「ありがとう」をそれぞれこちらの文字に、《読眼》のスキルで発音を表示する。


「オイシカッタ!アリガトウ!」


僕が食べ終わるのを待っていてくれたキャルロイさんへと言うと、またしても驚いた顔をしたがすぐに笑顔で


「どういたしまして。」


と言ってくれた。

僕も笑い返すと、キャルロイさんは少し悩むような素振りをしてからディンさんへと話しかけた。


「ユウイл^ж#△。」


「△ж☆言ったけど、さっきのはжлいない。」


ディンさんは首を横に振り、何かを否定しているようだ。

僕の名前が出たから慌てて言葉に意識してみたが、会話の内容がよくわからなかった。

二人は僕の方を不思議そうに見ていた。

次からの言葉は意識するぞ。


「ユウイは言葉がл☆〇いたのか?」


意識が足りなかった!そして大事そうなとこが抜けた!

だが、言わんとしていることはわかった。

昨日までは何を言っても伝わらなかったのに今日になって突然伝わるように、それに加えて教えてもいないのに話し出したのだ。

あ、これ普通に考えると、からかわれたと思っちゃうのでは?

それはまずい!えっと、なんて言えばいいんだろう!?


「スキルノ、オカゲ、デス。」


うん!これなら伝わるだろう!

二人は難しい顔をしていた。なんだろう?


「そんなスキル、今まで聞いたことないが。」


おぉ!長文だったけど全部の意味がわかった!

ふふふ、これはlvが上がって、意識を少し疎かにしても理解出来てしまうのではないか?!


「☆ж#△Ш。」


はい!やらかしたー!なにも聞き取れなかったよ!

lvは上がってなさそうだ。


「ユウイ。」


ディンさんは真剣な顔で呼びかけてきた。

ほいほい、集中のときだ。


「レアなスキルは#☆жにしないほうがいい。」


レアなスキルと言いながら、難しそうな顔をしているってことは...

言わない方がいい…か?

おおやけにしないほうがいい。なのだろうか?

うん、合ってそう。言ってる意味は一緒か。


「ワカリマシタ。」


と言いながら頷く。

ディンさんはしばらく真剣な面持ちでこちらを見ていたが、やがて苦笑した。

そしてそろそろ仕事に行かないと行けない時間だということに気付き、キャルロイさんとクレアちゃんの頬にキスを落とし、僕へ


「ゆっくりしていけ。」


と笑いながらドアを開けて仕事へと向かって行った。

しばらく厄介になっていてもいいのかな?

お言葉に甘えようと思う。

まず第一に言語習得は必須だ。

そのためにも、やらなければいけないことがある。

食器をさげる手伝いをして、洗い物が終わったキャルロイさんに話しかける。


「キャルロイさん!ベンキョウ、オシエテ、クダサイ!」


そう。一人でも翻訳して覚えることも出来るだろうが効率が悪く遅いと予想できる。教えてくれる先生がいた方が覚えも早いし、わからないとこも教えてもらえるだろう。

図々しいとは僕自身も思っているが、背に腹は変えられない。


「喜んで。」


眩しい笑顔で言ってもらえた。女神か!

こうしてキャルロイさん改め、キャルロイ先生に勉強を教えてもらえることになった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


よし、一生懸命勉強をしなければ。

勉強は好きじゃないけど、この世界で生き抜くため、冒険者になるため、さらにディンさん一家への恩返しのためにも、1秒でも早く言語習得をしなければ、この世界の情報を把握することができないだろう。

翻訳レンズと通訳レンズを使えば出来るには出来るだろうが、効率が悪いと思う。

よく分かりもしない言葉を教えてもらっても覚えていられる気がしない。

自慢じゃないけど、僕の脳はそんなすごくないからな!

なのでまずは言語習得を出来るだけ早くしようと思う。そのための方法は考えてあるが、一人のときに試そう。


「では、早速お勉強を始めるわよ。」


キャルロイ先生が言った。

準備がいいと思ったが、いつもクレアちゃんに短時間だけど教えていたみたいだ。

キャルロイさんに出来るだけゆっくり話してもらえるように頼んだ。

なので聞き逃して言葉がわからないことも起きないだろう。タブン。

唐突に話されたらわからなくなるけどね。

クレアちゃんと共にクレヨンを持ち、この世界の文字を書いていった。

クレアちゃんはマスターしているのか、横に用意されている文字表を見ずに

書き終えていた。クレア先輩と呼んだ方がいいのだろうか?

僕はキャルロイ先生の教えてくれた発音を呟きながら文字を書いていった。

一通り書いていく。そのあと全ての文字を見てなんとなく覚える。

5文字書いて発音のチェックを自分で行い、次の5文字を書き最初の文字の発音から10文字分の発音をチェック。間違えたら紙を折り見えなくし、また最初から書いていく。

これを繰り返す。勉強は嫌いだけどテストなどではそれなりの点数を取っていた。

この勉強法は中学三年のときからずっとしている。

勉強をしなければ高校にも入れないような頭の悪さだった。

そこでこの反復学習をしたことで、高校へと入れたのだ。

ただ、一時的に頭に記憶されるだけであって、そのあとやらなくなると一瞬で忘れるんだけどね!

テスト勉強のときは一時的に記憶されるだけのこの方法でよかったけど。

反復学習はスポーツでもゲームでも役に立つ。サッカーならリフティングを何度もすれば、より多く出来るようになる。格闘ゲームならコンボを落とさないようになる、みたいな感じだ。

なんとか全ての文字を書けて、発音も正解させることが出来た。

よし、あと二、三周して正解だったら数日は覚えていられるだろう。

視線を感じそちらをみると、クレアちゃんが興味深そうに僕の勉強風景を見ていた。

さっきまで、向こうの方で遊んでいたと思ったのだが。

そういえばキャルロイ先生もいつの間にか、ご飯の支度を始めていたな。

集中しすぎて周りが見えなくなっていたらしい。

あれ?ご飯の支度ってことは三、四時間くらいやっていたことになるのだろうか。

必要なことではあるからなんだろうけど、思ってたより言語の勉強も楽しかった。

なんで英語の勉強はしなかったんだろう?

…一生使わないって思ってたからか。

二周ほど文字のテストを独自でした。全問正解だ!最後の発音を読眼で確認した瞬間


ピコン


というような音が鳴った。気がした。

ん?なんの音だろう?周りを見てみたがキャルロイさんはまだ食事の準備をしているし、クレアちゃんは僕の方を不思議そうにみている。

…気のせいかな?勉強疲れが出てしまったのかもしれない。

僕の方を見ているクレアちゃんに


「ナンデモナイヨ。」


と伝えた。

丁度そのとき、ご飯が出来たのかキャルロイさんが食事を持ってきた。

お腹が鳴る。腹が減っては集中できない!

勉強はご飯のあとだ。

この反復学習は本当に一時的に脳に残るので結構オススメです笑

ものすごくスローペースで申し訳ないです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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