夢の花と少年
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『夢の花と少年』
少年には、夢がなかった。
だから、「夢探し」の旅に出た。
少年は様々な国を見て回った。
たくさんのものを見た。
どこでも、人々は助け合いながら生きていた。
少年はたくさんの人々に助けられていたことを知った。
ある人からこんなことを聞いた。
「この地のどこかに花の種があるらしい。その種はどこにでもある普通の種なんだそうだが、花はこの世のものだと思えないほど美しいそうだ。」
またある人には、こう言われた。
「あなたなら、その種を見つけることも、花を咲かせることもできる。」
少年はふと、夜空を見上げた。
彼は、夜空の中、星が集まる光の中に、花の種を垣間見た。(アンダーライン)
やがて少年は花の種を見つけ出し、大切に育てた。
そしてある日、花開いた。
光の色によって、見る角度によって、花は美しさを変えた。
いつの間にか少年は、夢を見つけ、そして叶えていた。
「ありがとう。」
たくさんの人への感謝を、花に込め、その輝く美しい花を大地に返した。
美しい花の楽園に、かつて少年が花の種を垣間見た場所に。(アンダーライン)
夢の花は、今も大地で、眠りについている。