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 はぁー、うまくいったなー。

 こんなことなら虫食べなくてもよかったかもしれない。

 まぁ、いつもうまくいくとは限らないから、今後も食べることになると思うけど。

 でだ、さっき気付いたんだが、この穴には仕留めたネズミ以外にもネズミがいる。


「キューキュー」


 子ネズミが六匹。

 まさか子育て中だったとは思っていなかった。

 でも、これで少しの間は食料に困らない。

 多少は気が咎めるけど、食料の確保は重要だ。


 さて、子ネズミはあとでもいいとして、親ネズミは食べとかないとな。

 腐ったらもったいない。

 結構大きいから飲み込めるか不安はあるが、だめだったらその時はその時だ。

 口を大きく開けて、頭から飲み込んでいく。

 んぐっぬぐっんぐっ……。


 かなりきついが、なんとか飲み込むことが出来た。

 ネズミを丸呑みしたことで体がぼこっと膨れ上がっているのがわかる。

 しばらく動けそうにないし、少し疲れたので、また休むことにする。


 休みながら、この巣穴がどの程度の広さなのか改めて確認したのだが、俺からしたらちょっと手狭に感じた。

 もう少し広げたほうがいいかもしれない。

 使えるのは小さな枝くらいなものだから、かなり時間はかかりそうだけど、今はほかにやることもないし、あとでやるとしよう。


 しかし、さっきからなんでか体がむずむずする。

 なんでだろうと思いながら体を動かしていると、口の先の皮がめくれた。

 あぁ、そうか脱皮か。

 そうとわかれば、さっさと脱いでしまおう。

 体を動かして皮を脱ごうとしたら、皮が裂けて破れて、そのまま破れが広がり、ぺろんっと皮が剥がれた。

 え、蛇ってこんな脱皮の仕方だったか?

 抜け殻は背中の部分がぱっくり割れている。

 こんな抜け殻見たことないぞ。

 いや、なんでこんな風になったのかはわかるけど……。

 体が一、二回りくらい大きくなった気がする。

 どんな成長の仕方だよ。

 一回の脱皮でこんなに大きくなるなんて聞いたことない。

 大体、大きくなるにしたって、こんな短時間ってありないだろ。

 ただの蛇に転生したってわけではなさそうだが。

 どうなってんだ俺。

 ていうか、これ誰かに見つかったらやばいんじゃないか?

 研究対象にされるのはいやだぞ……。

 あ、でも希少なら大事にされるか?

 いやいやいや、なにされるかわかったもんじゃねぇ。

 誰かに見つかるのは避けたほうがよさそうだな。

 脱皮するところさえ見られなければ大丈夫かもしれないけど、いつ脱皮するかもわかんないし。

 人によっちゃ問答無用で殺そうとする人もいるしな。


 体が大きくなったことで、膨れていたところが小さくなり動きやすくはなったが、巣穴はより一層狭くなった。

 まだ出入り口の穴は通れる。

 外に出て枝を拾ってくる。

 まずは出入り口の壁を削っていく。

 せっかく手に入れた巣穴だ。

 当分はここを使うつもりだし、また脱皮して出入りができなくなりたくはないので、少し大きめに広げる。

 とはいえ、さっきみたいな感じで成長し続けるなら長いことは使っていられないだろうけどな。

 枝を尻尾で持って、穴を塞がないように少しずつ掘る。

 掘り出した土は、ある程度溜まったところで尻尾を使って掻き出す。

 土は目立たないように広げてならしておく。

 尻尾はなかなかに便利だ。

 慣れればある程度は手のように使うことが出来ると思う。

 それでも尻尾は一本しかないし、手には遠くおよびそうもないが。

 なくしてわかるありがたみってやつだな。


 日が沈んで暗くなってしまったが、ようやく出入り口の穴を広げ終わった。

 予想以上に時間がかかった。

 あとは一番奥の寝床の拡張だけど、これは明日やることにする。

 落ち葉を巣穴の近くに集めてから、一旦、中に入ってから方向転換して頭だけを外に出す。

 それから口を使って落ち葉で出入り口を隠していく。

 たぶん、これで大丈夫だろう。

 巣穴の中に頭を戻し、とぐろを巻いて寝ることにする。

 キューキューうるさいが、そのうち眠れるだろう。


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