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まだ、そんなバカなって気持ちが大きいんだけど、そう考えるしかないみたいだ。
夢なんじゃとも考えたんだけど、尻尾の痛みでそうじゃないってことがわかる。
そういえば、似たような話を昔読んだことがある気がする。
ええっと、あれはたしか、間違って虫を食べてしまって、その虫になるって話だったかな。
一回くらいは食べてみたいなーとは思っていたけど、実際に食べた記憶はないし、それだったら牛にでもなりそうなものだから、そういうことではないと思う。
ということは、たぶん俺は……死んで生まれ変わったってことなのかもしれない。
まさか輪廻転生が本当にあって、しかも蛇になるなんて思ってもいなかった。
なんで記憶が残ってるのかはわからないけど、そういうことなんだと思う。
それで色々と思い出せるんだけど、名前とかどんな顔だったとかが思い出せない。
これ結構ショックだ……。
思い出せないことは仕方ないって諦めるしかないんだけど。
それに、これから蛇として生きていくなら名前なんていらないだろうし、ないならないで問題ないとは思う。
うん……。
さて、これからどうしよ。
とりあえず、このままこうしてても仕方ないし、ここがどんなとこなのか調べてみるか。
しかし、どうやって移動すればいいんだろう?
改めて自分の体を眺めてみる。
周囲の木々と比べてみて、おおよそだけれど、長さは四十から五十センチほどだと思う。
当然ながら細長い体に手足はない。
這い出した時は必死に体をよじらせるようにしてどうにか進めてたんだけど、スムーズにできたわけじゃなかった。
とりあえず、蛇みたいに体をくねらせてみればいいのかもしれない。
いや蛇そのものだけど。
細長い体をくねくねと動かしてみる。
うーん、ぜんぜん進まない。
なにか違うのか?
足があればラクなんだけど……。
しゃくとり虫みたいにするしかないのか?
でも、蛇はこれで進めてるしなぁ。
とりあえず、しゃくとり虫の体を曲げて伸ばして進んでいる動きを思い浮かべてみる。
あ、待てよ?
どこかしらで前に進む力を支えるところがいるわけだから、くねくねしてるだけじゃだめってことかな?
だから、曲げているところの後ろのあたりを支えにして体を前に押し出すような感じにすればいけるんじゃないか?
で、前に進む時に曲げて支えにしてる部分を前から後ろへ流れるように変えていけばいける気がする。
うーん、案外難しそうだな。
まぁ、やってみるか。
まずは頭に近いところからだな。
曲げているところを後ろへ押し出すようにしてっと……おっいける。
腹側の鱗が地面を捕らえる感覚とともに、するするーっと頭が前に動いた。
おぉ、これは大きな一歩……いや一這いか?
なんにせよ、ちょっとうれしい。
あとはこれを全身で出来るようにすればよさそうだ。
しかし、力を入れる場所を変えていくのが難しそうな気がしてたけど、なんとかなるものだ。
ぎこちない感じはあるけど、そのうち慣れていけるだろう。
それから、しばらく練習していたのだが、結構な時間が掛かった。
俺が練習している間に兄弟、姉妹たちが地面から這い出してきて何食わぬ顔で俺の横を通り過ぎていったのは悔しかった。
が、俺もある程度、自由に動けるようになってきた。
まだまだだとは思うけど最初に比べればそれでも十分だ。
というわけで、そろそろ移動することにする。
周りは木々ばかりで、どの方向に行ってもあまり変わらないと思うから、正面へするするーっと進むことにした。




