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 あのあと、なかなか寝付けなかったせいで眠たい。

 やっぱり巣穴の中と違って、どうにも安心できなかった。

 ひとまず降りるか。

 前みたいに落ちないようにしないと。

 尻尾を下に伸ばして慎重に探りながらゆっくりと降りる。

 体だけでなく牙も使って、どうにか落ちずに下まで降りることが出来た。

 さて、ねぐらと獲物を探すか。


 森の中をあてもなく進んでいくと、俺にとっては大きな泉にたどり着いた。

 泉には澄んだ水がたたえられ、枝葉の間から日の光が差し込むことでキラキラと輝いている。

 水底を覗けば藻の濃い緑が一面を覆って、ゆらゆらと揺らめいている。

 心の安らぐ光景だった。


 これまで、喉の渇きを感じなかったが、こうして目の前にあると無性に水を飲みたくなった。

 喉が渇かなかったのは、おそらく獲物の体液から水分を得れていたからだろう。

 俺は水際まで行って、水に口をつけた。

 しかし、どうにも飲みにくい。

 口の形が人間だった時とは変わってしまったせいだ。

 そのため、口の中に水を入れてから閉じて飲むことにした。

 水が体の奥へ送られていく。

 ふぅー、雰囲気のせいだろうが悪くない。


 あらためて泉を見渡す。

 いい場所だ。

 この近くに、ねぐらがあったらいいかもしれない。

 ただ、水場というのは水を求めて多くの動物が集まるため危険も多い。

 探すにしても、ある程度は泉から離れた場所でないといけないだろう。 

 そこで、泉を少し離れて周りを探してみるが、残念なことにねぐらとして使えそうな場所は見つからなかった。


 うーん、いっそのこと自分で作ってしまうか。

 時間はかかるだろうけど、いつまでも探し回るよりはそのほうがいい気がしてきた。

 うん、それがよさそうだ。


 泉から数百メートルほど離れたところにあった地面の盛り上がった場所で巣穴を掘ることにした。

 ここなら泉から離れすぎていないしいいだろう。

 使いやすそうな枝を拾ってきて、盛り上がった地面の下のあたりに穴を水平に掘り始める

 こうしたほうが出入りがしやすいと思ったからだ。


 はぁ、木や草の根が邪魔でなかなか掘り進めることが出来ないな。

 ネズミの巣穴を広げていた時はそこまでなかったけど、やっぱり穴掘りは大変だな。

 今日も木の上で寝ることになりそうだ。

 日が暮れて暗くなってきた頃、作業を中断して木に登り眠りについた。




 翌朝、目が覚めると木の上から降りて穴掘りを再開した。

 土を掘っては尻尾でかき出しということを何度も繰り返し行う。

 この調子で掘っていけば今日中には終わりそうだが、狩りに行く時間はあまりなさそうだ。

 正確にはわからないけど、昨日も五、六時間くらいはかかってようやくだった。

 暗くなっても視界は利くんだが疲れた状態でいくのもな。

 ある程度、掘ったら虫でも捕まえにいくとするか。

 穴掘りに熱中してしまって昨日も食べてないし、耐えれないほどではないけど空腹だ。


 穴に体が半分ほど入るようになったところで虫を食べにいった。

 吹っ切れたとはいえ、まだまだ慣れない。

 やっぱりネズミとかのほうがまだいい。


 食事を終えたので穴掘りを再開する。

 にしても、奥が深くなってきたから掘りにくくなってきた。

 本当はもっと深くしたいんだけど、そうすると土を尻尾でかき出すことが難しくなってしまう。

 もう少し掘り進んだら奥を広げて終わりにしたほうがよさそうだ。




 それから長いことかかってようやく巣穴が完成した。

 これで安心して寝ることが出来るだろう。

 といっても、まだ日が出ているからまだ寝るには早いし周りを調べておくか。

 あわよくばネズミや鳥の巣なんかを見つけられるかもしれないし。


 ぐるっと周囲を探索する。

 んー、これといって変わったところはない感じだ。

 シダ類の生い茂った中を進んでいく。


 にしても、地球のものと同じような植物なんかが結構あるな。

 俺も成長の仕方などを除けば、地球の蛇とほとんど変わらないように思う。

 環境が似てると進化の仕方も似てくるものなのだろうか。


 しばらく周囲を探索して巣穴に戻ってきた。

 残念ながら特に収穫はなかった。

 落ち葉を集めて巣穴の出入り口をふさぎながら中に入る。

 あー、やっぱり巣穴の中は落ち着くなー。

 野ざらしだと無防備すぎて、どうにもリラックスできないからな。


 明日は狩りに行くつもりだけど、結構遠出をすることになりそうに思う。

 なので、早めに起きたいところだ。

 起きれるかわからないけどな。



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